■小金井09 高橋是清邸(江戸東京たてもの園内)

■旧所在地…港区赤坂7丁目    
■建築年次…明治35(1902)年
■設計者…不明          
■規模…2F
■構造…木造
■用途…住宅

江戸東京たてもの園内にある建築。明治から昭和のはじめにかけて日本の政治を担った高橋是清の住まいの主屋部分。総栂普請で、洋間の床は寄木張りという凝らした造りなっている。2階は是清の書斎や寝室として使われ、昭和11(1936)年の2・26事件の現場であったという。和風建築にガラスがはめ込まれた住宅としては初期のものであり、ゆがみのあるガラスが残っている。また、周りには是清邸庭園の一部が復元されており、組井筒を水源にした流れと、 雪見型灯籠などを含む景観が再現されている。(石川)

■小金井08 前川邸(江戸東京たてもの園内)

■旧所在地…品川区上大崎3丁目
■建築年次…昭和17(1942)年
■設計者…前川 國男
■規模…2F
■構造…木造
■用途…住宅

江戸東京たてもの園内にある住宅建築。切妻造の大屋根の下、吹き抜けの空間と2つの小室をうまく配置した、日本近代住宅史の記念碑的な建物。床は低く押さえられている。妻中央の柱は梁を支え、上部は全面ガラスとし、明るい光を取り込んでいる。回転する扉、ロフトの設置、両使いの棚のアイディアなど、近代的センスが随所に見られる。風呂場は浴槽と便器のユニットタイプで構成されており、アメリカの建築家アントニン・レーモンドの元で学んでいた様子が伺える。これが戦時下に建てられたという事実だけでも驚愕に値する。(石川)

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