トップNews & Events

2019.12.24

< 工学部 > < 受賞・表彰 > 

総務省主催2019年度統計データ分析コンペティションで、数理工学科のグループが統計活用奨励賞(統計協会賞)を受賞しました

総務省主催2019年度統計データ分析コンペティションにおいて、本学数理工学科の西川教授が指導するグループ、代表の村松 波さん(2年生)、熊野 翔さん(4年生)、川田 瑛貴さん(4年生)が、「統計活用奨励賞」(統計協会賞)に選ばれ、11月18日(月)に高市総務大臣を迎えて開催された全国統計大会で、表彰式が行われました。
 
村松さんが代表を務めたグループは、「市区町村別でみる合計特殊出生率推移の特徴分析」と題した論文を提出し、表彰された4賞(総務大臣賞、優秀賞、統計数理賞、統計活用奨励賞)の内、日本統計協会からの統計活用奨励賞を受賞しました。
 
なお、受賞論文は、日本統計協会の月刊誌「統計」に掲載されます。

image2

日本統計協会の美添理事長より表彰状を授与される村松波さん

image1

表彰式後、審査委員長の椿統計数理研究所所長(左端)から副賞を授与される発表メンバー
(右から:川田瑛貴さん、熊野翔さん、村松波さん)

image3

高市総務大臣(前列左より6人目)を迎えた開会前の記念撮影

発表内容

少子化問題への貢献を目指して、子ども女性比を用いて全国約1700の市区町村別に合計特殊出生率(TFR)を推定し、1995年から2015年までの増減について検証しました。TFRの値と2005年からの増分の二つの指標で全市区町村を9つのタイプに分類した結果、東京都区部では港区等の増分が大きいこと、TFRの増分は納税者一人あたり所得の増分との相関が高いことを指摘しました。

受賞の感想(代表:村松波さん)

私は今回、統計データ分析コンペティションに参加する中で、情報の可視化とデータの分析手法について多くのことを学ぶことが出来ました。
情報の可視化については、その重要性について深く学ぶことができました。コンペティションで提供されたデータが大きく、初めは何をテーマにするかも想像がつかない状況でした。しかし、大きなデータを俯瞰して、様々な変数や変数間の関係を、散布図などを用いて可視化しながら丹念に観察することで、アイディアが湧き今回のテーマにたどり着くことができました。また、得られた結果を分かり易く表現するためにも、可視化が大変役に立ちました。私達の今後の生活や環境に関わる社会問題については、大きなデータに埋もれている情報を引き出すことで、日本の現状を明瞭に見える形にすることが、それらの問題を解決する上で大変重要なことだと感じました。
分析手法としては主にExcelを使い、大きなデータについてはRというプログラミング言語を用いました。数理工学科の授業では主にPythonという言語を扱っており、慣れない言語を使うことは難しかったです。しかしRという、統計分析ではスタンダードな言語を用いて、マッピングなどの分析を行うことができたのは大きな経験となりました。

様々なことを学びながら、手探りで進めてきた論文で「統計活用奨励賞」という名誉ある賞を頂くことができ、大変うれしく思います。受賞にあたり、貴重な時間を割いてご指導いただきました西川哲夫教授をはじめ、支えてくださった諸先生方、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

image4

今回の受賞を指導教員と共に学長へ報告しました
(左から、西川哲夫教授、村松波さん、西本照真学長、川田瑛貴さん、熊野翔さん)

西川哲夫教授のコメント

本学数理工学科西川研究室では、データサイエンスの研究を幅広く行っており、培った能力を発揮する対象として、様々な分野のコンテストにチャレンジしています。これまでビジネスやスポーツ関連の企業が提供するクローズドデータを対象にしたコンテストに主にチャレンジしてきました。
一方、世の中では、政府や地方公共団体が有する莫大な量のデータをオープン化し、社会問題の解決のために活用していこうという機運が高まっています。その背景の下、総務省統計局が構築した「教育用標準データセット」を用いた統計分析の論文でアイデアと解析力を競う「統計データ分析コンペティション」が、昨年より実施されています。

今回、オープンデータを用い少子化問題解決への貢献を目指して、学生有志によるチームを結成し本コンペティションに挑戦しました。少子化問題の解決には、合計特殊出生率(TFR)の推移を長期間かつ市区町村別で分析することが重要と考え、子ども女性比を用いた推定方法を新たに提案しました。これによって、これまで実施されてこなかった市区町村レベルの20年にわたるTFRの推移の分析が可能となりました。さらにTFRの推移を用いて自治体を分類した結果、地方によって分類結果が大きく異なることが明らかになりました。今後は様々な分析方法を駆使していくことで、この成果をさらに発展させていきたいと考えています。

今回、少子化という困難な社会問題をテーマとして、総務省主催のこのような権威あるコンテストで統計活用奨励賞を受賞できたことは、数理工学科の学生にとって、自らの専門性から離れた分野においても活躍できるという自信につながるものだと思います。今回の受賞を励みにして、今後も数理工学の強みを生かして未知の分野への挑戦を続けていきたいと思います。

nishikawa

本学 工学部 数理工学科 西川哲夫教授
※【主催】 :総務省、独立行政法人統計センター、一般財団法人日本統計協会
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構-統計数理研究所

<関連リンク>


前のページに戻る

大学案内
入試情報
教育
学部
大学院(研究科)
研究科(一覧)
研究
研究所・研究室・センター
学生生活・就職

大学案内

入試情報

教育