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響創の余韻3:卒業後に、母校に恩返し。「母校との関わりから、いまも成長しています」

余韻:03-01

聞き手(新津泰昭):
お二人は、今の法学部・経済学部・経営学部の前身である、政治経済学部に、2011年入学、2015年卒業で、今の経営学科の積田淳史先生のゼミナールご出身ですね。保科さんはそのまま就職し、後でお伺いしますがいちど転職して現職へ。そして宮崎さんは、大学院に進んでから企業家としての道を歩んでいらっしゃいますね。今日は、お二人は卒業後に母校に積極的に協力して頂いていると積田先生から伺っているので、そのお話を聞きたいと思います。保科さん、現職について教えて頂けますか?
 
保科さん:
私はいま、公益財団法人東京都中小企業振興公社(外部リンク)という機関で、東京都の中小企業のみなさまを様々な形で支援する仕事に携わっています。前職は教育機関で、現職は2年目です。
 
聞き手:
宮崎さんは?
 
宮崎さん:
僕は、大学卒業後、青山学院大学の専門職大学院に進学し、MBA(経営学修士)を取得しました。大学院の在学中に1つ目の会社、PRUFF株式会社(外部リンク)を立ち上げまして、一般企業のWEB制作支援や、教育機関の支援業務を行っています。卒業後には、大学院時代のメンバーと一緒に起業して、アパレル関係の会社を経営しています。こちらはベンチャーキャピタルから資金調達をしていて、いまから本格的に事業を展開していくステージにあります。
 
聞き手:
宮崎さんには、2018年度から非常勤講師として《ICTと研究調査》という授業も担当して貰っていますね。
 
宮崎さん:
はい、ICT(information and communication technology)を使って研究調査…レポートを書いたりグループワークをしたり、卒論に向けてデータを整理したりといった研究調査を便利に、効率良くするための授業を任せて頂いています。
 
聞き手:
母校で非常勤講師になるって凄いよね。まだ20代なのに。
 
宮崎さん:
いや、ほんと、よくぞこんな若造に任せて頂いたなあと私もびっくりしています。
 
聞き手:
良いことならどんどん挑戦しようというのが本学の強みなので、協力してくれてとても嬉しく思っています。さて、それでは保科さんから、本学との関わりについて、お話を聞かせてください。

響創:03-02

保科さん:
私どもは、2018年度から、積田先生の授業に都内の中小企業の方々をゲストスピーカーとして派遣するお手伝いをしております。積田先生から、社会や経営現場を知らない学生に少しでも実際の生の声を届けたいという要望を頂きましたので、学生さんの視野が広がるお手伝いができればなと考えております。
 
聞き手:
なるほど、学生は、社会人の方々の話を聴く機会を喜びますからね。どういう人を招かれるんですか?
 
保科さん:
中小企業の社長さん、人事担当者、製品開発のマネージャーの方など、多様な方々をご紹介しています。
 
聞き手:
社長さん自ら来てくれるんだ。それは凄いね。
 
保科さん:
中小企業の方々は、なかなか大学生と話をする機会が無いので、喜んで協力してくださっていますし、また参加したいという声も頂いています。学生さんのアンケートを拝見すると、学生さんにも喜んで頂けているようです。
 
聞き手:
公社という立場から、中小企業さんと大学を繋ぐという仕事で、協力してくださっているんですね。どういう経緯から始まったのですか?
 
保科さん:
もともと私ども公社は、中小企業さんが大学や大学生とつながりを作りにくいという課題を認識していて、私が入社した時点でいろいろと試行錯誤を始めている段階にありましたが、うまく大学側のニーズを把握しかねている状況でした。そこで、私が積田先生となら上手にコラボレーションができるかもしれないと思って提案しました。私が在学中に積田先生が授業で企業の方々をゲストスピーカーに招いてくださったこともありましたし、卒業後もときどき遊びに行っていたりしたので相談しやすかったですし、たぶん協力してくれるんじゃないかなと思いまして笑 実際、二つ返事で了承してくださいました。
 
聞き手:
企画から一緒に考えていったのですか?
 
保科さん:
はい、企画段階から、私どものスタッフ数名と、先生と一緒に考えていきました。2018年度は、全部で3回の機会を頂きました。30名程度の小規模な授業での講演会、150名規模の大がかりな授業での講演会、それと、武蔵野大学様、東洋大学様、成城大学様、武蔵大学様の4大学合同ゼミナールにも協力させて頂きました。積田先生からは、大学がゲストスピーカーをお招きするときに難しさや悩みについてほんとうにざっくばらんにお話頂きまして、公社としてご協力できるところを探しながら、運営しました。幸い好評を頂いたようでほっとしています。2019年度も、また新たにいろいろ協力させて頂く予定です。
 
聞き手:
合同ゼミナールというのは?
 
保科さん:
これはとてもおもしろい企画でした。講義形式ではなくて、私どもがご紹介した企業様の課題に対して、さきほどの4大学の学生さんたちが混成のグループをつくって、ソリューションを考えて企業さんに対してプレゼンテーションをする、課題解決型授業です。学生さんたちは2日連続でグループワークをしてくださいました。BtoBの製造業の企業様を紹介させて頂いたのですが、大学生ならではのソリューションを頂けて本当に嬉しかった、ぜひまた協力したいと、企業様にも大変に喜んで頂きました。企業様としては、大学生とコミュニケーションをとる機会が得られればという期待から協力してくださったのですが、最後は経営的にもヒントになったと仰って頂きました。学生さんも、本当に良かったという声を聞かせてくださって、良い企画だったなと思います。
 
聞き手:
それは、すごいですね。母校に協力してもらうのは非常にうれしいんですけど、苦労はありませんか? 無理なお願いをされてしまうとか…
 
保科さん:
苦労? ぜんぜん、苦労だと感じていません。もちろん、どうやって運営したらいいんだろうと頭を悩ませることはありますから、これを苦労と言えるかもしれませんが、母校の後輩達にも、支援している企業様にも喜んで頂けるので、苦労より喜びが大きいです。
 
聞き手:
それはもう、非常に嬉しいことばです。どうもありがとうございます。引き続き宜しくお願いします。では、宮崎さん、本学との関わりについて教えてください。

響創:03-03

宮崎さん:
私は、2017年度から協力させて頂いています。企画段階から考えると、2016年度からですね。私はいま、3つの形で、貢献させて頂いています。一つは、映像資料の制作支援です。経営学の授業で用いる映像資料、経営学科の先生方が講義される様子をコンパクトに編集するお手伝いをしています。もう一つは、さきほどもご紹介頂きました、非常勤講師としてのお仕事ですね。そして最後が、「長期学外学修」という、特殊な形態の授業の企画・運営をお手伝いしています。この最後のお手伝いが、メインですね。
 
聞き手:
夏休み前後に、学生が長期…おおむね合計20日程度、学外でフィールドスタディを実施するという授業があって、それが「長期学外学修」ですね。昨年度は私も一緒に企画・運営しましたが、そもそも2017年度はどうやってはじまったんでしょうか?
 
宮崎さん:
僕は在学中にWeb制作の仕事を始めまして、その縁でいろいろな中小企業の方々と知り合って行きました。そういった悩みの中の一つに、「若者離れ」というキーワードがありまして、それって大学とコラボすれば解決できるんじゃないかなと思いついて、経営学科の先生方、積田先生と渡辺博志先生、高橋大樹先生にご相談にあがったのがはじめです。そうしたらちょうど、先生方が長期学外学修の企画を練っているところでしたので、僕が支援することになりました。
 
聞き手:
なるほど、宮崎さんから相談にあがったんですね。
 
宮崎さん:
そうですね。ゼミの先生だった積田先生はもちろんですけど、渡部博志先生にも在学中からとてもお世話になっていたので、気軽に相談に伺いました。高橋大樹先生は私の卒業後に赴任されたそうなので初対面でしたが、とても気さくな方で、相談にも積極的に乗ってくださいました。
 
聞き手:
企画について簡単に教えてください。
 
宮崎さん:
2017年度は、若者にあまり知られていない温泉街のプロモーション動画を作成する授業を企画しました。弊社は、現地の宿泊や、協力者とのコーディネイトと、動画撮影・編集のレクチャーで協力しました。伝統があって固定客はいる素敵な温泉街なんですけど、お客様の高齢化が進んでいて、若者の認知度が少ないことが課題でした。事前に動画撮影・編集の講義と練習を積んで、3泊4日の合宿授業で動画を作成しました。合宿中に、実際に温泉街を練り歩いて貰って、良いところを見つけるというフィールドワークを行って、それから撮影・編集、という流れでした。学生さんは凄く熱心に取り組んでくれて、非常に良いプロモーション動画もできて、良い企画でした。
 
聞き手:
毎日朝方まで学生が勉強してたって話を聴きましたね。
 
宮崎さん:
そうなんです、勉強が好きな子たちが多いんだなあって思いました。2018年度は、こんどは武蔵野大学武蔵野キャンパス周辺、三鷹市や武蔵野市を中心としたWebプロモーション、Webサイトを作成する授業を企画しました。合宿型にするとどうしても費用がかさんでしまうので、少し費用を下げるために通学可能な場所をエリアとして設定しました。弊社は、宿泊、協力者のコーディネイト、Webサイト作成環境の構築、Webサイト作成アプリのレクチャーで協力しました。2019年度も2018年度とほぼ同じスキームで運営しています。
 
聞き手:
学生は本当に、楽しそうに取り組んでいますよね。私たち大学教員って、どうしても企業の方とか、協力者の方々とのコミュニケーションが苦手な部分があるので、そのあたりを助けてくれるのは本当に助かりますね。
 
保科さん:
少しでもお役に立てれば嬉しいです。それに、私も、協力したおかげで新たな取り組みを始められたりしているので、本当に、こちらこそありがとうございます、という感じです。
 
宮崎さん:
恩返しじゃないですけど、貢献できるのって凄く嬉しいよね。それに、協力する中で学ぶことって本当にたくさんあります。
 
保科さん:
うん、今もまだ母校に成長させて貰ってるなって感じることがありますね。
 
聞き手:
また嬉しい発言を…。2人の母校愛には感動します。もともと、卒業後も遊びに来たりしてくれたんですか?
 
保科さん:
はい、サークルの後輩達に会いに来たり、大学時代の友達と大学で待ち合わせをしたりしていました。大学、私はとても楽しかったから、ときどきキャンパスに立ち寄りたくなるときがあるんです。あとは、先生のところにもときどき話を聴きに行っていました。転職するときも、相談に乗って頂いたり、背中を押して頂いたり、ことあるごとに。
 
聞き手:
相談できる大人は周囲にたくさんいると思うのですが、どうして先生に相談に行くんですか?
 
保科さん:
なんででしょう、もちろん周囲の人にも話は聴くのですが、先生の意見も聴きたくなるんです。やっぱり大学時代を見て貰っていて、自分ではもちろん、他の人にも言われたことのないようなアドバイスを貰えるから、すごく参考になります。武蔵野大学って、先生と学生の距離が近いから、そうやって相談したくなるのかもしれません。あとは、先生と話すと、在学時代を思い出せて新鮮に学ぶ気持ちになれるというのもあります。「なぜ」を繰り返せ、繰り返すたびに本質に近づくってゼミでたびたび先生に言われていて、いまでも何かを考えるときに役に立っているんですが、実際に先生と会って話すと「ああ、こうだったんだ」って新鮮に思い出します。
 
 
宮崎さん:
先生方のドアがオープンなんですよね。僕はビジネスプラン・コンテストに出場したのですが、そのときにいろいろな先生方に協力して頂きました。渡部博志先生には組織面やマーケティング、星野雄介先生(現:会計ガバナンス学科)には財務面など、いろいろな先生が助けてくれたお陰で賞をとれて、その成功体験が今の進路に繋がっています。卒業後も、ビジネスをはじめるときにいろいろな先生に相談に行きました。どの先生も、メールして時間くださいってお願いしたら時間をつくってくれます。渡部博志先生には、凄く大きなベンチャー企業の社長さんを紹介して頂いて、お話も聞けました。自分は、成績もむちゃくちゃ悪かったし、あんまりまじめな学生じゃなかったのに、いろいろ与えて頂いた、卒業後も与えて頂いてるって感じています。本当に、凄く良い大学選んだなって思っているので、母校愛っていうと恥ずかしいですけど、貢献したいなっていう思いは自然とありますね。あるよね?
 
保科さん:
あるある。本当に武蔵野でよかったなという気持ちがあります。もちろん、どの大学もきっと楽しくて良い大学生活を送れるんだろうけど、卒業後も関わりたくなる、実際に関わるっていう話はあまり聞けないものね。他大学出身の子たちと話していても、あまり大学と関わることってないし、そんなつもりもないっていう風に言うから。私たちだけじゃなくて、卒業生が、こんなに帰ってくる大学で良かったなって思います。
 
宮崎さん:
本当にね。いまもビジネスを展開するときって、先生方に相談したりするんです。大学の先生に相談しようと思ったら、本当は御礼とかも考えなければならないはずなんですが、卒業生だからということで気軽に研究室に入れてくれて、本当にありがたいなと思います。
 
保科さん:
大学からは本当に良い影響を受けました。特に、ゼミナールは大きかったですね。例えば、「君は、思考がゆっくりだから自分のことを賢くないと思っているかもしれないけど、ゆっくりなだけで、とても深いから、しっかり時間をかけて考えて自信をもって発言しなさい」とか、今でも支えになっています。同級生達も、いろんなゼミでいろいろ楽しかったみたいです。
 
聞き手:
これからも学生、卒業生に愛されるよう、ぜひ協力してください。じゃあ最後に、受験を考えている高校生たちにメッセージをお願いできますか。
 
保科さん:
時間は限りある貴重なものだから、大学選びをゴールと考えないで、大学に入って何をするかを考えて大学を選んで欲しいなと思います。面倒でも、オープンキャンパスに行って話を聴くとか、Twitterとかインスタグラムとかで検索してみるとか、いろいろ大学の様子を知る方法ってあると思うので、卒業して振り返って「よかったな」って思えるように、大学を選んで欲しいと思います。
 
宮崎さん:
僕は、勉強が嫌いだったので、ずっと適当に生きてきて、運良く武蔵野大学に入れて、人生が変わりました。先生方との出会いもそうだし、本当に良い友人もできたなと感じています。一生懸命勉強する、努力する友人と出会えて、いまでも刺激しあえるのは、本当によかったなと思っています。自分も頑張らなきゃって思えるからです。そういう意味で、武蔵野大学って凄く良いなと感じています。すごくオープンだし、良い出会いの可能性があると思うので、ぜひ武蔵野大学についても調べて欲しいなと思います。
 
聞き手:
ありがとうございました。

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