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武蔵野文学賞 「高校生部門」

第24回(平成28年度)

2016年7月1日(金)~8月31日(水)の期間に募集しました「第24回武蔵野文学賞」の「第5回高校生部門」にご応募いただき誠にありがとうございました。多数の応募作品の中から、審査員による厳正な選考の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が決定しました。おめでとうございます。授賞式は下記のとおり実施いたします。

第5回高校生部門 受賞作品一覧

最優秀賞

小説「ゼンマイ」    齋藤 晴生 さん   文教大学付属高等学校 3年

優秀賞

小説「象牙の塔を出る」   吉本 みほ さん   長崎県立諫早高等学校 3年
小説「喝采」        磯崎 美聡 さん   清泉女学院高等学校 2年
小説「希望の残滓」     井上 稜麻 さん   福岡舞鶴高等学校 3年

授賞式

日時     2016年12月18日(日)12:30~13:30
会場     武蔵野キャンパス

受賞作品講評

最優秀賞

「ゼンマイ」 齋藤 晴生 さん

今回はSFやファンタジーの応募作が多かったのですが、この作品はリアルな現代小説です。女の子が2人いて、片方の女の子が、好きな男子とお祭りに出かけます。でも途中ではぐれてしまって・・・というような話です。まず高校生の生活をリアリズムで書こうとした意欲を評価したいと思います。小さな作品なのですが、よくまとまっています。とくに2人の女子の微妙な心理が的確に押さえられて、それがストーリーを作っている点に書き手の力量を感じました。登場人物のキャラクターがしっかりと描き分けられており、そのどれもが好感のもてるものだというところも評価できます。

武蔵野文学賞 「高校生部門」授賞式の様子

優秀賞

「象牙の塔を出る」 吉本 みほ さん

近未来を描いたサイエンスフィクションです。人工的に人間を合成する研究者と、助手と、合成された少女(天使のような羽根を背中につけています)と、実験の対象となる合成人間の診察をする女医が登場します。冷徹な研究者に対し、助手と女医は批判的な目で見ており、怒りを感じたりもするのですが、最終的には、この研究者にもわずかな心の温もりがあるということがわかります。展開やイメージ作りが荒削りで、完成度はそれほど高くないのですが、近未来の世界を何とか描ききろうとした意欲は評価できます。何よりもこの合成された少女のイメージが麗しくて、心に残りました。
「喝采」 磯崎 美聡 さん

現代の女子校にいる女の子が、謎の回転ドアみたいなもので、エリザベス1世時代のイギリス王朝にタイムスリップします。そして、過去と現代を行ったり来たりするという話です。そのタイムスリップの仕組みがイメージとしてわかりにくいので、小説としての迫力が不足しているのですが、中世のイギリス王朝の雰囲気がそれなりに伝わってきます。少し書き急いでいて、現代の部分の展開が不足しています。ヒロインと、もう1人の女子が出てくるのですが、キャラクターの描き分けが充分ではないので、エンディングの効果があまり出ていないのが残念です。
「希望の残滓」 井上 稜麻 さん

近未来のサイエンスフィクションです。世界全体が廃墟になっています。人類は壊滅状態ですが、なぜか生き残っている男女2人が、荒廃した世界をさまよい歩きます。ありきたりな設定ではあるのですが、文章がしっかりしていて、それなりに前向きな感じの結末になります。2人のキャラクターも描き分けられていますし、ある程度の筆力があると認めてよいと思います。しかしながら、設定そのものに新味がないので、小説としての魅力は充分ではありません。セリフもしっかりと書かれてはいるのですが、もっと緊張感がほしいと思います。

武蔵野文学賞 「高校生部門」授賞式の様子02

※各受賞作品は「三田誠広の小説教室」で、電子書籍を無料で購読することができます。

第23回(平成27年度)

2015年7月1日(水)~8月31日(月)の期間に募集しました「第23回武蔵野文学賞」の「第4回高校生部門」にご応募いただき誠にありがとうございました。多数の応募作品の中から、審査員による厳正な選考の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が決定しました。おめでとうございます。授賞式は下記のとおり実施いたします。

第4回高校生部門 受賞作品一覧

最優秀賞

小説「甘くて苦い。」     日暮 彩奈 さん   埼玉県立芸術総合高等学校 3年

優秀賞

小説「冬の雛」             赤澤 藍 さん
小説「一冊の約束」           亀原 慶貴 さん   つくば秀英高等学校 2年
小説「銀河鉄道とスマイルトレイン」   上釜 葉月 さん   東京都立稔ヶ丘高等学校 3年

授賞式

日時     2015年12月20日(日)12:30~13:30
会場     武蔵野キャンパス

受賞作品講評

最優秀賞

日暮 彩奈さん「甘くて苦い。」

高校生の男女のバレンタインデーをめぐる、ささやかではあるけれども心温まるエピソードです。幼なじみであまりにも親しすぎる日常性の中に、恋心が秘められているという、よくある話ではあるのですが、プロットの展開が巧みに構成され、文章がみずみずしくて惹き込まれます。登場人物のキャラクターも印象的に描き分けられていますし、結末に到る展開もよくまとまっています。

武蔵野文学賞01

赤澤 藍さん「冬の雛」

幼なじみの中学三年生の男女の話です。雛のような弱々しい印象だった男の子が、いまは背が伸びて、名門高校から推薦の指名が来るほどのバレーボールの選手になっています。ヒロインは知的ですが、やや暗い感じで、男の子が自分から離れていくのではと不安になっています。恋愛ともいえない少年と少女の淡い思いが、安定した文体で描かれています。少し叙情に傾きすぎているところもあるのですが、筆力を感じさせる作品です。
亀原 慶貴さん「一冊の約束」

いつも図書館の同じ席にいる女の子に目をとめた少年が主人公で、その女の子の幻想的なイメージがしだいに増幅していって、ミステリアスな展開になります。リアリズムからファンタジーに移行していくプロセスが、丹念な描写によって支えられているので、結末の設定にも違和感がありません。さりげない導入部から、種明かしの過去のエピソードまで、かなり長い展開を破綻なく描ききったところにパワーを感じます。
上釜 葉月さん「銀河鉄道とスマイルトレイン」 

淡い詩のような文体で、高校一年生の繊細な優しい少年を描いています。文体が弱く、設定もおとぎ話のような感じなのですが、幻想的なヒロインに対置される同級生の明るい女の子に、個性と存在感があって、物語のリアリティーを支えています。幻想の中の銀河鉄道と、現実の本川越行きの電車の対比が鮮やかで、物語の幅を広げています。風景描写など、もう少し散文的な展開があれば、小説らしい作品になると思います。

武蔵野文学賞02

第22回(平成26年度)

平成26年7月1日~平成26年8月29日の期間に募集しました「第22回武蔵野文学賞」の「高校生部門」にご応募いただき誠にありがとうございました。多数の応募作品の中から、審査員による厳正な選考の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が決定しました。おめでとうございます。授賞式は下記のとおり実施いたします。

第3回高校生部門 受賞作品一覧

最優秀賞

小説「朝陽」   赤澤 藍さん   東海大学付属仰星高等学校 2年

優秀賞

小説「河川敷のゆび」      岡村 恵理香さん   東京都立上水高等学校 3年
小説「桃夜五夜」        辻 茉莉絵さん      東京都立忍岡高等学校 3年
小説「ヒロイック・ヒール」   伊藤 帆乃香さん   日本女子大学附属高等学校 2年

授賞式

日時  平成26年12月21日(日) 12:30~13:30
会場  武蔵野キャンパス 7号館5階 大会議室A

受賞作品講評

最優秀賞

赤澤 藍さん「朝陽」

まじめな女の子と、つっぱりふうの女の子。住む世界が違っているような二人が、偶然再会して、そこからドラマが広がっていきます。生い立ちも性格も異なる二人の人間が、しだいに親しくなっていく過程に、人間というものの不思議な側面が見えてきて、ちょっとスリリングな感じの気配も漂ってきます。作者のまなざしに温かさがあり、なかなかに奥の深い作品に仕上がっていると思います。

武蔵野文学賞第22回01

優秀賞

岡村恵理香さん「河川敷のゆび」

高校生の男の子と女の子の、とてもピュアな関係が、明るく美しく描き出されます。現代の高校にもこんな男女がいるのかなと思われるほどに、知的でおっとりとした感じで話が進んでいきます。そこがこの作品の魅力でもあるのですが、何だか昔の話みたいな気もします。話がうまくまとまりすぎていて、少しスリルが不足しているかなとも思われるのですが、作者の文章力、構成力に、書くことへの意欲と将来性が感じられます。
辻 茉莉絵さん「桃夜五夜」

これはいつの時代の話でしょうか。江戸川乱歩や夢野久作が活躍した時代のファンタジーのようですね。桃園に夜な夜な現れる幽霊のような美少女と、そこに魅入られてしまった男との、幻想的な物語が魅力的に語られます。作者はこういう世界が好きなのでしょう。まったく現実離れした世界ではあるのですが、作者の美意識がしっかりと書き込まれていて、それなりにリアリティーがあり、楽しめる作品になっています。
伊藤帆乃香さん「ヒロイック・ヒール」

高校生の男女の話。ちょっと危ない感じの話です。こういう話はリアリティーを確保するのが難しいものです。大丈夫かな、と思いながら読み進んでいくと、やっぱりストーリーの設定が先に立って、人間の造詣が不充分です。ですから全体が作り物という感じに見えてしまうのですが、でもストーリーを語っていこうという意欲に引っぱられて、最後まで読んでいけます。人物のデッサンさえちゃんとすればもっといい作品になります。

武蔵野文学賞第22回02

※各受賞作品は「三田誠広の小説教室」で、電子書籍を無料で購読することができます。

第21回(平成25年度)

平成25年7月1日〜平成25年8月30日の期間に募集しました「第21回武蔵野文学賞」の「高校生部門」にご応募いただき誠にありがとうございました。応募総数43作品のご応募をいただき、審査員による厳正な選考の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が決定しました。おめでとうございます。授賞式は下記のとおり実施いたします。

第2回高校生部門 受賞作品一覧

最優秀賞

小説 「しまんちゅぬ まぶい」   岡村 恵理香 さん   東京都立上水高等学校  2年

優秀賞

小説 「冬に咲く花」     市川 弥佳 さん   清泉女学院高等学校  1年
小説 「真冬にかき氷」    山下 美穂 さん   自由の森学園高等学校  3年
小説 「きゅうり」      中根 恵美 さん   東京都立小金井北高等学校  3年

授賞式

日時  平成25年12月22日(日) 12時30分〜13時30分
会場  武蔵野大学 武蔵野キャンパス 6号館2階 第3会議室

講評

最優秀賞

岡村恵里香さん「しまんちゅぬ まぶい」

風景が美しいスケールの大きな作品

沖縄を舞台にした作品です。東京から沖縄に転校した女の子がしだいに沖縄の風物になじんで、最後に淡い恋をするという話です。父親とのいさかいなどもテーマになっていて、よく考えられた構成になっています。何よりも沖縄の風景が美しく台詞も活きています。スケールの大きな物語で細部にもよく目が行き届いています。とくに若者たちの感じやすい感性と微妙な心理の揺れ動きが的確にとらえられていて、背景の沖縄の風物の描写と相俟ってすばらしい作品に仕上がっていると思いました。

武蔵野文学賞第21回01

優秀賞

市川弥佳さん「冬に咲く花」

詩的な叙情性が魅力

花屋のアルバイトをしている若者のところに、不思議な感じの女性の客が来るというところから話が始まります。登場人物は他には花屋の店長だけでコンパクトにまとまっています。作り物めいたお話ではあるのですが、文章がしっとりと落ち着いていて、詩的な叙情性もあり、全体が過不足なくまとまっています。哀しい感じの作品ではあるのですが、書き手も登場人物も前向きに生きようとしていて、そこに好感をもちました。
山下美穂さん「真冬にかき氷」

ユーモアに満ちたいきいきとした会話

喫茶店のやや怪しい感じの女と、若者2人の交流の話です。この怪しい女のキャラクターが傑出していて、ユーモアもあり、かなりの筆力を感じます。話そのものはショートショートのようなものなのですが、いきいきとした会話で最後まで読者を飽きさせません。人生そのものに対する作者の見識を感じさせる魅力的な作品です。この怪しい女のキャラクターを活かして、もっと長い作品に挑戦するといいと思います。
中根恵美さん「きゅうり」

現実を見つめる姿勢を評価

最初に甘いきゅうりが出てくるところが面白いのですが、話の展開は少しごちゃごちゃしていています。ただ両親との微妙なズレを最後まで粘り強く書ききっているところと、お話としてまとまりの悪いところに、妙なリアリズムを感じます。高校生の応募作には絵空事のようなファンタジーが多いのですが、この作品には鈍い手応えがあります。文学というものを現実からの逃避ととらえるのではなく、現実をしっかりと見すえるために小説を書くという姿勢を評価したいと思います。

武蔵野文学賞第21回02

※各受賞作品は「三田誠広の小説教室」で、電子書籍を無料で購読することができます。

主催 : 武蔵野大学 国文学会

第20回(平成24年度)

平成24年4月1日〜平成24年8月31日の期間に募集しました「第20回武蔵野文学賞」の「高校生部門」にご応募いただき誠にありがとうございました。応募総数38作品のご応募をいただき、審査員による厳正な選考の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が決定しました。おめでとうございます。授賞式は下記のとおり実施いたします。

第1回高校生部門受賞作品一覧

最優秀賞

小説「みずうみメルヘン」    岡崎 佑哉 さん   新潟県立六日町高等学校  2年

優秀賞

小説「油彩のつながり」    小林 薫子 さん   帝京大学高等学校 3年
小説「落涙のとき」      渋谷 咲 さん    秋田県立秋田西高等学校 3年
小説「青宙は、続かない」   千野 穂香 さん   山梨県北杜市立甲陵高等学校 1年

授賞式

日時  平成24年12月16日(日) 12時30分〜13時30分
会場  武蔵野大学 武蔵野キャンパス 6号館2階 第3会議室

※諸般の事情により、高校生部門の授賞式は日程を変更して実施します。

講評

最優秀賞

岡崎佑哉さん「みずうみメルヘン」

想像を絶した圧倒的なパワーに驚く

いまの高校生はどんな小説を書くのだろうと楽しみにしながら、どうせあわい恋心を描いた甘い作品が多いのだろうなと、いささか懐疑的な気分で選考にあたったのですが、この作品を読んで驚きました。ものすごいパワーですね。病気の女の子が出てくるのですが、この子に同情するといった安易な態度ではなく、その背景にある社会全体に対して敵意をもった主人公の、モラルの破壊を恐れない大胆な行動が、すごい筆力でテンポよく展開されます。ちょっと危ない感じの才能ですね。でも、それでいいんです。若さというものはそういうものです。「いい子」になってしまったらおしまいです。心の中に怒りの火をかかえて、とことん暴れてみればいいのです。もちろん、ほんとに暴力をふるうのはよくないですよ。でも小説という虚構の中では、常識やモラルなんてぶち壊してしまえばいいのです。

武蔵野文学賞第20回01

優秀賞

小林薫子さん「油彩のつながり」

感傷をひかえた静かな眼差し……完成度の高い作品

高校生の初恋ともいえないほのかな思いを描いた佳品です。いかにも高校生が書きそうなテーマですが、この作品の完成度の高さに驚きました。高校生の書き手にありがちな、センチメンタルなところが少しもない。油絵を描いている男子のその絵に惹かれていくうちに、その男子に恋心に近い感情をもつようになる少女の多感な心の動きが、丹念に、そしてきわめて冷静に描かれています。文章がいいですね。情景がしっかりと書き込まれ、感情に流れずに、禁欲的といってもいいほどに、抑えぎみに書かれています。軽いライトノベルに慣れた読者には、テンポがゆるいと感じられるかもしれませんが、文学というのはこれくらいでいいのです。テンポがゆるいからといって中身がうすいわけではありません。むしろ一瞬、一瞬に、ものすごい緊張感が感じられます。こういうのを「筆力」というのですね。すごい才能だと思います。
渋谷咲さん「落涙のとき」

年上の女子の大人の魅力……こんなのよく書けるね

大学の映画サークルに所属している感性の豊かな男子学生と、不思議な魅力をもった先輩女性との、恋愛ともいえない(でも恋愛でしょ、これは!)ほのかな関係を描いた秀作です。大学一年の男子と社会人の女性という年齢差から生じる距離感が微妙な筆致で描かれ、そのもどかしさが効果をあげています。作者は高校生ですよね。自分より年上の人のことを書くというのは、とても難しいのです。がんばって書いても、いかにも背伸びしているって感じがして、ボロが出てしまうことが多いのです。でもこの作品は、安定しています。わたしの小説ゼミの学生でも、大人の女性をこんなふうには書けません。書き手が高校生だと考えると、驚異的です。よくこんなの書けるね……と、自分の高校生のころを想い出したりもします。少し苦言をいえば、タイトルですね。これでは読者に先を読まれてしまいます。
千野穂香さん「青宙は、続かない」

ういういしい!心がツンと痛くなる!

英語塾に通う小学生女子のみずみずしい感性を描いた作品です。ささやかな触れ合いの中から、しだいに思いがつのっていく過程に、すっごくリアリティーがある。大人が読んでもどきどきします。ぼくのような老人が読んでも、心がツンと痛くなる。このぐらい若い子たちの恋愛を描こうとすると、思いが先走って泣いたり叫んだり、モノローグ調になりがちなのですが、この作品は全体が控えめに書かれている。そういうところに才能が感じられます。作者は、実は、1年生です(応募の時点で)。甲子園で、1年生のピッチャーが、すごいコントロールをしている、そんな感じです。でも最後のところで感情が爆発して、ちょっとコントロールが乱れているのですが、そこがまた、ういういしい! いいですね。魅力的な作品です。

武蔵野文学賞第20回02

※各受賞作品は「三田誠広の小説教室」で、電子書籍を無料で購読することができます。

主催 : 武蔵野大学 国文学会
お問い合わせ
武蔵野大学入試センター
e-mail:nyushi@musashino-u.ac.jp
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