■小金井05 櫻芳庵

■所在地…東町5丁目  
■建築年次…昭和37(1967)年
■設計者…不明
■規模…平屋        
■構造…木造
■用途…茶室

昭和37(1962)年に建てられた家屋を平成2(1990)年に改築し、市民に開放した数寄屋造の貸し茶室。竹を使うことにこだわっており、柱や軒、屋根裏、待合所の雨樋などが竹で出来ている。建物内には2つの茶室があり、外には立礼席という椅子に腰掛けてお茶を飲む茶席がある。にじり口の挟み敷居・挟み鴨居など伝統的数寄屋造を守るなど、現在ではなかなか目にできない難しい数寄屋技術を見せている。(松井)

■小金井04 軒の教会

■所在地…緑町4丁目
■建築年次…昭和45(1970)年
■設計者…谷口汎邦      
■規模…平屋
■構造…鉄骨造
■用途…教会

谷口汎邦設計のこの教会の基本コンセプトの「日本の文化を取り入れたキリスト教会」を反映して、桜の木を使った床や内壁面に使われた和紙や木などの日本建築の素材が多用されている。また、障子越しにうっすらと見える十字架は背後の柱と梁の翳であるなど、キリスト教会の細かなデザインも施されている。一方、外観の最大の特徴は深い軒であり、妻側にも平側にも長く伸びだして人目を引く。直線を多用しているのも和風を意図した造形のせいだと思われる。(宮下)

小金井03 市杵島神社

■所在地…梶野町4丁目     
■建築年次…明治33(1900)年
■構造…木造
■構造形式…正面3間側面2間 銅板葺 入母屋造
■用途…拝殿・覆屋

拝殿は、正面3間側面2間の入母屋造平入りで、中に正面1間側面2間の切妻造銅板葺の本殿を納める。拝殿向拝部の獅子・竜のきめ細やかな彫刻、水引虹梁(みずひきこうりょう)の渦文、挿肘木(さしひじき)の波の彫刻に時代の息吹が読み取れる(左上写真)。その意匠は細部にとどまらず建物全体を覆っていて、湾曲の強い繋虹梁(つなぎこうりょう)、大仰な手挟(たばさみ)、大きくうねった打越垂木(うちこしだるき)にもよく表れている(左下写真)。この垂木すら曲げてしまう時代の執着は、大きすぎる屋根と共通している。(八谷)

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