
第2課題では、まちで学び、まちと共にある小学校を設計してもらいたい。
学校とは、子供たちの学習のための場である。
しかし、学校が科目学習のためだけの場であるとは言えないだろう。
目指すべきは、子供たちが毎日通いたくなるような、みんなに会えることを喜べるような学校で
あろう。そして子供たちは授業時間以外にも学校やその周辺環境で、集団生活や対人・社会関係
の基本なども学ぶことになる。そうした「学び」のためには、各種の活動や、集団の種類・規模
に即した「学び」の環境が必要である。また昨今の小学校では、児童と地域の人との交流の機会、
さらにこの交流を通じた「学び」の機会も増えている。地域の歴史や職業・職場、遊びなど、教
員と児童に閉じた旧来の学校では生み出せなかった、児童のための新しい「学び」のための試み
が増えているのである。
さらに、児童の使用しない時間帯・時期には、これまでも校庭や体育館が地域に開放されていたが、
図書館、公民館等の施設が同じ敷地や、校舎の中に複合化されることも増えている。その一方で、
小学校施設の開放に向けた取組は、防犯面への不安、教職員への責任負担の集中等について一定
の解決を生まなければ、ただの無責任な提案となりかねない。これをどのように解決するのかに
も考えを巡らせてほしい。
昨今、少子化が続き中山間地域や都心部では小学校の統廃合が続いている。郊外ニュータウンや
都市縁辺部のスプロール地域でも児童の減少は著しく、校舎内に最盛期の賑わいはない。そのよ
うな中、児童の減少、そして地域の人口減少や高齢化がまだ比較的緩やかに進む地域において、
地域社会や人との関係の中でいきる、まちの小学校の新しいあり方を考えてもらいたい。
学校を見る視点は多様なものとなっている。
次世代を担う子供たちが、ここで比較的長い期間を過ごすということを真摯に考え、子供たちが
毎日通ってくるのが楽しくなるような新しい学校を構想してほしい。
課題 2「まちの学校 / 学びのまち」
1. 冨成優歌 3. 藤田夏綺
2. 山崎宇経
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