1 課題は、『楽しんで棲む』ための集合住宅」。敷地は、都心部の外縁であり、また駅を中心
とした商業地の外側の、三鷹駅から徒歩 20 分ほどの距離に位置します。古い建物や閉店した商
店が散見される中、創業支援をする事業者も近くにあります。そんな地域性をポジティブに捉え、
まちに「楽しんで棲む」提案を期待しました。
2 課題は、本学図書館の建て替え計画「コモンズとしての図書館」です。コモンズと呼ぶのは、
滞在・出会いと交流・多種活動のための空間と場面のこと。現在武蔵野キャンパスの大学図書館
の建て替え計画が進められており、コモンズの実現を目指しています。学生たちが、それぞれの
目線で、自分そして仲間や多様な他者とのコモンズをどのように描くのかを求めました。
指導教員:伊藤泰彦・岡田雅人・松尾宙・市川竜吾・藤江保高
工学部建築デザイン学科 3
設計製図 3
Design Studio 3
1. 森谷玲香
課題 1「楽しんで棲む」ための集合住宅
今日の日本では、コロナ禍や働き方の変革によって、都市に暮らすことの意味と、その場所の選び方は変化
してきています。また、2008 年以降の人口減少に伴う都市のスポンジ化は、近年ますます、既存の建築 /
動産の余剰を生み出し続けています。武蔵野台地の中央に位置し、都心の東京 23 区のひとまわり外側にある
武蔵野市地域でも、顕著にこのような傾向が見られます。
三鷹駅前の商業地域から少し離れた地域は、古い建物と空き家や閉店した商店も目立っていますが、駅前よ
り地価や家賃が安価で、公園や緑地が多く雰囲気のある商店街も魅力で、その立地のネガティブともポジティ
ブとも捉えられる特性に惹きつけられ、職住近接で小さな商いをしたり、皆で集まる場を持ちながら、それぞ
れに「楽しんで」暮らす新しい居住者たちが増えています。彼らの暮らしは、まるで都市の中に居場所を見つ
け、巣をつくって「棲む」かのようにも見えてきます。
私たちのこれからの都市生活は、新しい意味で、その場の状況をどう楽しむかが問われているのかもしれま
せん。また、都市の活発な経済活動の周縁部にあると考えられてきた場所は、捉えようによっては、これから
の暮らしを支える魅力と特性にあふれ、都市のさまざまな社会課題を受け止める余剰をたくさん抱えた、これ
からの都市生活の中心部なのかもしれません。そんな仮説をもとに、こうした機運と可能性に満ちた地域で、
新しい居住者たちが、都市を「楽しんで棲む」ための集合住宅を計画してください。
【計画概要】
(1) 計画敷地:武蔵野市西久保 3 丁目 8‐1
(2) 敷地面積:約 310,295㎡
(3) 用途地域:第1種住居地域(建蔽率 70%(60% + 角地緩和 10%)、容積率 200%)
     第2種高度地区(最低限度 23 m)、準防火地域
(4) 述床面積:400 700㎡
(5) 階数:2‐5
(6) 計画諸室:5 住戸 + α ( 住民が共用、または、住民と地域の人たちが一緒に使える場)
(7) 住人 + α設定 : この地域の魅力に引き寄せられて移り住む、5 組の新しい居住者 ( 世帯・集団・個人 ) を具
体的に設定すること。
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2. 榎本陽菜 3. 原佳央理
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4. 野澤沙帆 8. 竹田結
5. 高橋葵子
5. 中野宗壮
5. 鳥居陽菜
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