
さんぽ de HÜTTE
今年度の前期は、プロジェクト名に冠した「さんぽ」を足掛かりに活動を始めました。かつての
用水を散策し、採集した風景や事物から活動テーマを見出して、子どものまち遊び・海辺のベン
チ・光と視覚的効果のアートワークの3つの提案に取り組みました。後期は、生物から着想を得
て空間や立体造形に挑むデザインワークを行いました。このプロジェクトで長年取り組む「バイ
オミミクリ空間の試行」への再チャレンジであり、食虫植物・ハリネズミ・サボテンをモチーフに、
映像作品・ストラクチュラルアート・インスタレーションの制作に取り組みました。
SA
山岸匠太郎、山田眞友 (M2) 、伊藤輝柾 (M1)
3 年 廣瀬すみれ、薮原美槻、安味美波、木澤花夏
2 年 砂川健太、堀部恭平、山口誇生、張暉、飯田壮、山口竣也
1 年 神蔵響輝、大貫琴菜、吉田すばる、福島寧記
指導教員:伊藤泰彦
工学部建築デザイン学科 1・2・3 年
Project
コンペ応募作品
食虫植物
隔てないベンチ
~折り紙から作り上げる構造~
HZ00003750
構造
座面、背もたれ、ポール、屋根
材料
座面、背もたれ:人工ラタン
ポール:アルミニウム合金
屋根:エコアコールウッド
ダイアグラム
折り紙で折ったくす玉を半分に切り、
屋根にした。
設計趣旨
隔てないベンチとは…
敷地に訪れた際、ベンチの利用者層が限られていると感じた。そこで、座面の位置を低くし簡単に座れることで、
誰でも隔てなく利用できるという意味。また蒲郡の海とベンチの置かれる陸地が隔てなく続くという 2 つの意味を込めた。
2000
47030 1500
立面図 S=1/20
屋根
ポール
背もたれ
座面
→
屋根の部分だけでなく、折り紙の
脚の部分も日光を遮る効果がある。
ハリネズミ
3 年 木澤花夏
2 年 砂川 健太 山口 竣也
1 年 神蔵 響輝 大貫 琴菜
私たちのグループは、テーマであるハリネズミのカタチに着目をして、そのカタチをトンネル
として派生させた。
それはただのトンネルではなく、1 つの材料がいくつも組み合わさったものからできており、見
た目だけでなく、そのつくりにもハリネズミの特徴が組み込まれている。また、トンネルのサイ
ズを小さくすることで、子どもは容易に通れるが、大人は低い姿勢になるため、子どもと同じ目
線で体験できるといった、遊び心も含めたトンネルを制作した。
ハリネズミの背中をスポンジに、針をシャーペンの芯に見立てて針の生え方を様々な形状で表現
※写真左より、ランダム・螺旋状・交差
インターネットなどでハリネズミの情報は得ずに、実際にハリネズミカフェで撮影したハリネズミの写真などを基に、構造や特徴を捉える
※写真右:トレーシングペーパーで針の生え方を模写
用紙に針のカタチと同じ切り込みを入れ、その紙を
丸めると針が逆立つことを表現
変形可能な木質素材に針形の切り込みを入れて、逆立つように丸めた
これをいくつか組み合わせて、様々なカタチを作った
最終案として、プラスチック素材の両端に 3 つの穴を開け、そこへ紐を通したものを繋げ合わせて、人が通れるようなトンネルを組み立てた
2 つの互い違いな組み合わせにすることで、見た目からも針が逆立っていることを表現
テーマ決定 ハリネズミカフェ探索
作業
(トレーシングペーパーで模写)
試作品制作
本作品・プレボ制作
作業
(スタディ模型)
~
制作期間 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月
作品完成
〃
完成品に至るまで
丸まると針が逆立つ
針は、体の中心は交差し、輪郭部分は
体の外側に向かって生えている
頭頂部に針の生えていない
三角の部分がある
針の色は根本と先端が黒いが
ほとんどは白い
カタチの観察 材料
本体 変性ポリエチレンテレフタラート(透明・白)
つなぎ部分 毛糸(白)
重り 3.5kg レンガ(オレンジ)
制作過程
①長さ 900mm の本体を幅 100mm にカットし、透明を
5 枚、白を 4 枚で 1 セットとする
②①でカットした本体に、丸めた時に逆立つように針の
カタチの切り込みを入れる
③カットされた本体の両端に、三角形の位置に 3 つ穴を
開け、本体 2 つずつ糸を通してつなぎ合わせ、これを
繰り返していき全部で 7 セット作る
④1 セットずつ透明と白を重ね合わせ、横から糸で引っ
張り、土台にレンガを置いたら完成
ハリネズミ
サボテン
Mu No.21 2024
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