「世界の幸せをカタチにする」
学生たちの挑戦 Vol.17

2018.12.1 <世界の幸せをカタチにする。><学生たちの挑戦>

高知県梼原町
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武蔵野大学

地区の未来に貢献するコピーを開発する
高知県梼原町での長期インターンシップ

コピーライティングゼミ

本学では、学生のキャリア開発を目的に、所属学部での学びに加え、副専攻の学びとして学部横断型のゼミナール「サブ・メジャーゼミ」を開講しています。教員に実務家をむかえ、第一線で活躍するプロから、知識やスキルを学んでいきます。分野はスポーツマネジメント、メディア制作表現、地方行政・図書館司書、コピーライティング、国際関係など多岐にわたります。2・3年次の2年間で、演習形式の授業に加え、長期学外学修に取り組み、1年次に身につけた「知の土台」を自身のキャリアへと繋げていきます。
 
「サブ・メジャーゼミ」の1つ、コピーライティングゼミでは、コピーライターである梅田大輔氏の指導のもと、広告・広報分野のコピーライティング技術やノウハウを軸に、取材で情報を集め、伝わる言葉の開発を繰り返しおこない、メッセージをデザインする力を養います。週に一度の授業では、ゼミ生が取材をしてライティングしたコピーを発表し、よりよいコピー開発のために、どんな切り口や表現があるかを議論します。これまでに、新潟県の三条市にある写真館のブランディングや、徳島県のすだち農家の商品広告制作、本学有明キャンパス内にあるロハスカフェARIAKEのステイトメント(声明文)開発などにも取り組んできました。3年目を迎えた本年は、夏季休暇を利用し、高知県の山あいにある梼原町と、新潟県燕市の2班に分かれ約1ヶ月間、インターンシップに取り組みました。

撮りたくなるまち 高知梼原 四万川区

※現地での取材をもとに実際に学生たちが開発したスローガンとステイトメントの1つ
愛媛県との県境に位置する、人口おおよそ3,500〜3,600人の山あいの町。幕末の時代、坂本龍馬が伊予(現在の愛媛県)への脱藩を果たしたとされる地として有名な高知県梼原町四万川地区。近年では、東京五輪のメイン会場・新国立競技場の設計も行っている建築家・隈研吾氏が手がけた建築物が、数多くある町としても注目を集めています。まちの面積の約91%を森林が占めており、豊富な森林資源を活かした木質バイオマスの製造と活用や、高低差をいかした風力発電、四万十川の支流を活かした小水力発電に取り組んでいます。2009年には、政府より環境モデル都市に認定され、2050年までにエネルギー自給率を100%にするという目標を掲げています。
 
学生が滞在したのは、梼原町の中心地から車で約15分の四万川地区。地区の未来に貢献するコピー開発を目標に、地元の方々を取材し、メッセージづくりに取り組みました。梼原町を深く理解できるようにとの想いから、空岡則明区長をはじめとする地元の方々に、龍馬が脱藩したとされる道や四国カルスト高原、丸野公園鍾乳石群を案内していただくなど、学生たちはあたたかい支えのもと、コピー開発(※)と取材原稿を書き上げることができました。原稿を仕上げる技術に加え、その人の想いを読み解き、伝わる言葉へと変換していく役割の大切さを痛感しました。帰京した学生達は、次のステップとして、取材内容をまとめた冊子の制作に着手。原稿のブラッシュアップに加え冊子の構成など、ライティングに付随する専門分野へと学びを広げ、成果を梼原町に還元できるように取り組んでいます。

梼原町役場

隈研吾建築のひとつである梼原町役場

四万川交流センター

学生たちは地域コミュニティとなっている四万川交流センターで生活

連携地域の声

人付き合いは終わらない。
もっといい関係に成長させていこう。

空岡区長

武蔵野大学の学生さんの受け入れも、今年で3年目を迎えることができました。学生たちは毎回、目標をしっかりと持ち、梼原町のために力を出してくれているので嬉しく思います。帰京後に届けてもらう成果物の完成度の高さには、いつも感心しています。今回の3名も、精一杯頑張ってくれていました。おかげで、私たちも取材を通して、四万川区の魅力や課題が整理でき、これから自分たちが取り組むべきことが明確になったと思っています。四万川区の素敵なところをしっかりと言葉に残してくれて、ありがとう。人の付き合いは、終わることはありません。今回築いたこの関係を、もっと良くしていきましょう。地区のみんなで、君たちのことを応援しています。

梼原町区長会長
四万川区 区長
空岡 則明さん

想いを広めるコピーライティングの力は、
いろんな場所で求められています。

初めて武蔵野大学の学生を受け入れたとき、「みんな、しっかりしている」と感じたのを覚えています。ですから、お客様扱いはしていません。自分たちの力で、町の方々と関係をつくりあげて、学びの成果を残してほしいと、毎年期待しています。コピーライティングゼミの活動を見ていると、コピーを1つ書き上げるにも、取材をおこない、その方の背景や想いを理解して整理するという地道な工程の連続があるということを知りました。派手さはありませんが、社会に出てからいろんなところで役に立つ姿勢だと思います。梼原町は、まだまだ知られていない、人の想いや町の魅力を広める力を求めています。この町で、コピーライティングの力を鍛えながら実践してください。たくさんの方が梼原町に行ってみたいと思うコピーを期待しています。

高知県梼原町役場 企画財政課
まち・ひと・しごと創生総合戦略推進室 室長
山本 和正さん

山元さん


思い通りにいかないときでも
精一杯生きてください。

「それぞれに違った良さを持つ3人だな」。初めて学生に会ったときに、そう感じたのを覚えています。自分たちの活動に加え、お祭りなど町の行事にも積極的に参加してくれ、予想していたよりも区の皆さんと親密な関係を築いてくれていました。普段の生活では接点がない人と接することは、新しい感性を知るだけでなく、自分たちの長所を再確認できるいい機会だと改めて感じています。ここでの経験をしっかりと整理し、自分のため、周りの人のために活かしてください。皆さんの精一杯が、人の心の壁を超えるコピーを生むと信じています。

高知県梼原町役場 企画財政課
まち・ひと・しごと創生総合戦略推進室 主事
松本 裕子さん

参加学生の声2

ライティングの技術だけでなく、人としても成長できた。

亀山さん

「今回の課題は、プロでも難しいよ」という、梅田先生からの一言にメンバー全員、プレッシャーを感じていました。滞在中は、取材やライティングが山のようにあり自分のことで精一杯でしたが、地区の方々との関係づくりという点で、1年次の長期学外学修(FS)で宮城県石巻市牡鹿半島に滞在し、地元の方々とコミュニケーションをとり交流スペースづくりをおこなった経験を活かすことができ、チームの力になれたと思っています。私たちのために多くの時間を割いてくださった四万川地区の方々の期待に、絶対に応えたいという気持ちで全員がコピー開発に臨みました。人は人と関わりながら生きているということを改めて教えてくださった四万川地区の方々に、感謝しています。

経済学部 経営学科 2年
亀山 美優さん

「ありがとうございました」では、終わらせたくない。

地区の方々の、心のこもった支えがあったからこそ、今回のインターンシップを遂げることができました。この経験を、「ありがとうございました」の一言では終わらせたくありません。取材をしていく中で、四万川の方々が、人口減少に危機感を持っていることがよく理解でき、他人事には思えなくなりました。少しでも、解決の力になれればと思いながら、秋からのまとめに取りかかっています。また、自分の足で取材し、地域の生の声を知ることは、いま学部で勉強している法学、法律にも活かしていけると思っています。もっと取材力を鍛え、いろいろな視点をもてるようになりたいと思っています。

法学部 法律学科 2年
村田 綾音さん


言葉の役割を理解し、的確に届ける力を磨く。

短い言葉で的確に表現する。その力を身につけたくて、このゼミに入りました。今回の四万川地区でのライティングはとても難易度が高く大変でしたが、もともと文章を書くことが好きなため、楽しくやり遂げることができました。メンバーとコピー開発のための打ち合わせを重ねる中で、「解釈の幅が広すぎる」という指摘を受け、受け取り手の想像の自由を重視してしまう自分の癖が浮き彫りになりました。将来は出版社で働きたいと思っているので、こうした自分の文章の癖や書いている文章の役割を改めて理解することができた今回の経験は、自分の糧になりました。また、今回のインターンシップで集団生活をし、当たり前だと思っていた普段の生活の色々なことも、家族の助けがあってこそだということを改めて認識し、自分の生活を見直すきっかけにもなりました。今後は、もっと日々の生活の中で自分から進んで行動する機会を増やしていきたいと思います。

文学部 日本文学文化学科 3年
松原 稜さん

松原さん


 

担当教員の声
梅田大輔先生
 

コピーライティングゼミ
客員講師 梅田大輔

コピーライティングゼミでは、プロジェクトストーリーのライティングやキャッチコピーの開発、インタビュー原稿など様々な書き方をゼミ生に伝えています。取材を通し、その対象者の考えや想いを軸にメッセージをつくっていくことを大切に取り組んでいます。四万川地区のみなさまは、自分の本業に加え、地区の役員を務めたり、名産品の開発に挑戦したり、高齢者の支援をしたりと、一人二役以上で、地区の未来を考え行動しているように感じます。そんなみなさまが生みだす、四万川地区の魅力を言い当てるコピーの正解は誰も知りません。ゼミ生が感じ取ったことを、しっかりと自分の言葉で伝えられるように、一緒に取り組んでいこうと思っています。




梼原町x武蔵野大学

関連リンク

雲の上の町 ゆすはら - 高知県梼原町 -
http://www.town.yusuhara.kochi.jp/

学部横断型ゼミナール(サブ・メジャーゼミ)[ フィールド・スタディーズ(長期学外学修) ]
https://www.musashino-u.ac.jp/academics/basic/career_education.html
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