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環境学研究科[環境マネジメント専攻]

環境学研究科の理念と目的、社会的使命

 21世紀の半ばには、人類は“地球資源の有限性と環境容量の制約”に対応しなければならないだろうと考えられている。そのための持続可能な社会の形成が急務であり、持続可能な社会を実現するための高度な専門的知識をもった人材が求められている。本研究科はこのような社会の要請に応えるべく設置されている。

 本研究科環境マネジメント専攻の目的は、持続可能な社会に向かうための中長期的社会変革ビジョンをもった、環境経営のための環境マネジメントの推進者、及びエコプロダクツの推進者として、あるいは環境マネジメント能力を活用して企業及び地域の低炭素化、環境都市(サステナブル・シティ)の実現のために専門的立場から貢献できる人材を養成することである。

環境学研究科の専門家像

 本専攻は、次々に実施される環境政策や法令などへの実務的対応を理解し、なおかつ全体のマネジメントにも目配りのできる専門家、直近の課題にも中長期的な課題にも対応できる専門実務家を育成する。ソフトとハードの双方に専門家育成を目指すため「環境モデル」と「環境デザインモデル」の2つの履修モデルがある。

 このような環境人材の具体的専門家像として次の4タイプを掲げることができる。

■企業などの組織レベルで、環境マネジメントのシステム全般に精通し、環境に関する課題等への対応および環境負荷の低減を行う「環境経営の推進者」
■企業内の製品レベルで、生産・消費の両面において、企業のものづくりからサービスまでの環境負荷を低減する「エコプロダクツの推進者」
■地域・都市レベルでの環境マネジメント手法に精通した「地域貢献や地域環境教育のリーダー」
■建築・地域計画のレベルで、デザインを通じて持続可能な都市環境の創造に貢献する「建築デザインの実践者」

大学院の教育課程 カリキュラムの体系

 本専攻は修了までの到達目標を次の水準に定めている。なお、目指す専門家により到達目標は異なる。

■地域社会において、環境マネジメント手法によって低環境負荷のライフスタイルを提案、改善することのできる能力。
■環境に関する高度な専門的能力を必要とする計画、研究、設計、分析、試験、評価、指導を行うことのできる環境実務の資格取得を可能にする実践レベルの専門能力。
■各事業体のおかれている状況、規模、社会的役割等に応じた独自の環境マネジメントシステムが構築できる能力。
■中小企業等において、各種地域版環境マネジメントシステムを理解し、最適なシステムを導入・運用できる能力。また、推進あるいは監査のできる能力。
■企業の生産活動に関して、環境負荷を定量化して示し、さらにエコプロダクツのために改善、推進できる能力。
■新たな都市環境・建築環境のデザインを、創造・提案・実現できる能力と技術。
■一級建築士の資格取得を可能にする実践レベルの専門能力。

※建築系学部を卒業し、本専攻において一級建築士実務経験のための科目を経て課程を修了する学生は、一級建築士受験資格のための一年あるいは二年の実務経験とみなされる。

教育課程 カリキュラムの体系

カリキュラム体系

図 環境学研究科環境マネジメント専攻(修士課程)のカリキュラム体系

 必修科目のほかに選択科目(◯内の科目群)を履修することによって、より専門性を追求でき、「地域社会」、「企業社会」、「ものづくりの場」そして「建築デザイン」において持続可能な社会を推進する専門性を得ることができる。

修了後の進路の可能性

■環境学モデル
環境コンサルタント/省エネアドバイザー/EMS専門職(審査委員補、審査員)/エネルギーコンサルタント(ESCO業務など)/企業の環境室、CSR室担当/環境コンサルタント職 など
■環境デザインモデル
建築設計事務所/地域計画事務所/ランドスケープデザイン事務所/インテリアデザイン事務所/メディアコンテンツ制作企業 など

履修

(1)2年修了課程

 環境・持続可能性についての俯瞰力を修得するために、1年次に、共通科目として「環境アジェンダ研究」、「環境学演習」の2科目が必修となります。その上でそれぞれの専門領域に応じた選択履修を行います。それぞれの専門領域の科目群は、参考として図の円で区分されています。

 これらの専門科目を選択履修することが各領域分野の環境専門家にふさわしい科目履修の履修モデルとなります。

 さらに本専攻の総仕上げとして、「課題研究演習」として「特定課題研究演習」あるいは「研究制作演習」に取組みます。これは従来の大学院修士課程の修士論文に替わるものです。この演習テーマへの取組みでは、各専門分野の指導員による個別指導型の演習となっています。テーマは「地域社会における環境マネジメント」および「建築と環境デザイン」、「環境経営」、「エコプロダクツ」分野から各自が設定します。

 「課題研究演習」によって、企業、自治体、地域社会の現場における環境マネジメントに関する問題、都市環境や建築の諸問題について、フィールド調査、事例調査、計画設計などを通じ、持続可能性の観点から実践的な解決策をまとめる能力を得ます。(詳細は開講表参照)

(2)1年修了課程

 すでに企業等、実社会の環境部門等で経験を積んだ社会人、あるいは環境マネジメント等の運用の実績、地域社会における環境活動等で、十分な専門的知識と実績のある社会人に対しては、1年間で修士課程を修了することもできます。対象者は、1年修了課程として入学を許可された人となります。詳細は履修ガイダンスでの個別対応となります。(環境デザインモデルを専攻する場合には1年修了課程は適用されません)

(3)課題研究演習について

・「特定課題研究演習」および「研究制作演習」の形式

「特定課題研究演習」は、論文形式又は研究対象とした事業所や自治体への提案やフィードバックを想定した形式でまとめるものとします。実際の質と量は、環境分野(社会学的アプローチ)の平均的な修士論文の半分程度のボリュームを求め、図表等も含めて、A4文書形式で30ページ(400字詰め原稿用紙90枚)程度となります。

・「研究制作演習」

「研究制作演習」は、「特定課題研究演習」と同様に履修し、質と量も同等のものが要求されますが、詳細は別途指導を行います。

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