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政治経済学研究科【博士後期課程】

 平成23年1月31日に発表された中央教育審議会答申「グローバル化社会の大学院教育―世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために―」では以下のような理由から博士課程教育の飛躍的な充実が求められている。「世界の研究・ビジネスの場では、博士号を保有していることが高度な専門性に裏付けられた資質能力の証しとして必須要件になりつつある。」しかし他方で、日本の場合には、「他の主要国と比較して、人口当たりの博士号取得者は人文・社会科学系をはじめとして少なく、(中略)博士号取得者が国際社会でリーダーシップを発揮し、高度な人材として活躍できる状況に至っているとは言えない。」
 本学ではこのような指摘を正面から受け止め、国内は言うに及ばず国際社会においてリーダーシップを発揮できる人材の育成を行なうために博士後期課程の設置に踏み切った。武蔵野大学政治経済学研究科博士後期課程は、日本の高等教育がかかえるかかる課題の解決を任務として設置された大学院である。
 さて、21世紀の今日、現代世界の変化はかつてないほど大きく、歴史上の転換期の真っただ中にある。国家の変容や市場経済の変質はかつての予想をはるかに超えたレベルにまで達している。民族紛争や国家の再編、世界で連鎖的に起きている金融危機、地球温暖化をはじめとする環境問題などはその顕著な例である。特に、政治と経済は、相互の関係性を更に深めながら巨大な変貌を遂げつつある。これはあらゆるものが証券化により経済的価値を付与され、インターネット等の情報技術の発達と相まって瞬時のグローバルな取引が可能となったことが一因である。また、難民や移民の増加に見られるように国を越えた人々の移動や、多国籍企業の活動の活発化のように、国境を越えた資本の移動がかつて見られないほどに大規模化してきていることにも原因がある。その結果、TPPのような多国間の経済協定においては、国益を損なうことなく、政治と経済の両面から諸外国と戦略的に交渉を進める必要が生じている。否そもそも国益という概念自体が成立しがたくなってきているとも言えよう。
 このように今や、社会問題の多くが、一国や一地域だけで解決できなくなっている。国家、政府、政党、議会などを主たる研究対象としてきた政治学と、市場を研究対象としてきた経済学が、ともにそれ自体としては成立しがたい状況が現出してきている時代が現代であると言って過言ではない。その意味で両者が相互に協力しながら力を発揮することが求められている。政治経済学研究科博士後期課程はそうした政治・経済に関わる問題を解決できる学問が、政治学と経済学を融合させた政治経済学であると考え、将来に向けて教育研究の充実を図っていきたい。
 しかしながら、修士課程では一般に政治学もしくは経済学のいずれかを研究していることがふつうである。したがって、博士後期課程に進学してくる院生は直ちに政治経済学の研究を開始できるわけではない。以上のことを前提にすれば、修士課程との接続をはかる意味で、政治学と経済学の両者の博士後期課程でのいっそうの掘り下げが不可欠になる。政治経済システムの一元的・総合的な把握・分析という政治経済学の研究・教育はその先に開けてくる領野だと考える。すなわち研究の進展に応じて政治経済学へと学生たちを誘導してゆくとしても、その前提として、政治学と経済学の専門的研究を徹底させる必要がある。本研究科では、この方向をめざしながら政治学と経済学の研究を進めてゆくために、主たる指導教員に加えて、他領域の副アドバイザーを置いて、学生が政治学、経済学のそれぞれの専門研究を押し広げて、政治経済学に向かってゆけるようなアドバイスを適宜行えるような研究指導のしくみを採用する。
 政治経済学研究科博士後期課程の修了者は以下の進路に進むことを想定している。①本学の次世代を担う研究者・大学教員、②シンクタンク職員、③国際機関・NGO等の職員、④現在の業務のキャリアアップなどである。

カリキュラム

コース・科目区分授業科目の名称配当年次開講期単位数
必修選択
政治学コース政治学演習1・2通年 4
政治経済学特論23前期 2
経済学コース経済学演習1・2通年 4
政治経済学特論13前期 2
研究指導博士論文研究指導1・2・3通年12 
法学部
経済学部
文学部
グローバル・コミュニケーション学部
政治経済学部
人間科学部
環境学部
教育学部
薬学部
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