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看護学部

1.看護学部の理念

看護学部の理念は、「仏教精神を基盤とした豊かな人間性を培い、看護専門職に必要な基礎的能力を身につけ、社会のさまざまな領域で人々の健康および福祉の向上に貢献できる看護実践者および将来の看護指導者を養成すること」です。

本学の建学の精神は、設立間もない1926年(大正15年)に発表した「武蔵野女子大学構想」に設置予定の学部として文学部と理学部をあげていることにまで遡ります。こうした歴史的背景をもとに看護学部が設置されました。現在の少子高齢社会の進展、医療の高度化・複雑化するなかで、看護職の役割は重要であると考えます。

仏教を学ぶ基本精神である使命感高く、倫理観強く、連帯感を固くもつことは、まさに保健・医療・福祉・教育担当者に求められるものであります。特に看護職においては、人々の健康および福祉の向上に貢献するという使命感を必要とするとともに、人々の尊厳と権利を尊重する倫理観が求められます。またチーム医療では、看護職種間はもちろんのこと医師や薬剤師等との連帯感を固くもっていかなければなりません。こうした意識を授業で学ぶだけでなく学生生活で身につけていくことは、学祖高楠順次郎博士が薫習(くんじゅう)と表現した教育そのものであり、本学の教育の本質であるとともに昨今の保健医療に不可欠なものであります。また仏教は開祖であるゴーダマシッダールタが、人生の四つの苦である生老病死とどのように向き合うかを説いた宗教です。これは保健医療の現場でもまったく同じで、看護職は人々の生老病死に日々向き合わなければなりません。そこには最先端の科学でも解決できない患者や家族への心のケアが必要です。それを仏教では「慈悲」として表し、悲しみや喜びに同調する態度を重視してきました。

このように、仏教と看護は非常に密接な関係であることを認識し、本学の歴史を含めた教育活動の実績と現在の保健・医療・福祉・教育を取り巻く環境を鑑み、深い人間理解に立った看護職者の育成をめざしています。

2.看護学部の育成する人材

看護学部は、慈悲の心をもった心のケアのできる質の高い人材を育成したいと考えています。

(1)豊かな人間性と倫理観を備えた人材の育成

人間の生命と生活を尊重し、人の生・老・病・死に寄り添い、痛みや苦しみ、喜びや楽しみを共に分かち合える豊かな人間性と倫理観を養う。

(2)看護学に求められる社会的使命を遂行し得る人材の育成

看護職の責務が拡大するなか、専門的知識・技術に基づき倫理的判断力と科学的思考に支えられた実践能力を養う。

(3)ケア環境とチーム体制の整備能力を備えた人材の育成

保健・医療・福祉等について総合的視野を持ち、関連領域の専門家やチームと連携・協力できるチームリーダーや調整者としての基礎的能力を養う。

(4)国際社会でも活躍できる人材の育成

国際的な視野から、保健・医療・福祉にかかわる課題と看護の機能と役割をふまえ、国際社会でも活躍できる基礎的能力を養う。

(5)自己研鑽し、看護実践を改革しうる人材の育成

広く社会から期待される看護の実践と充実に向けて研究成果を適用し、実践の改革ならびに看護学の発展をめざし、自己研鑽を継続できる基礎的能力を養う。

※なお、本学部で取得可能な資格・免許は以下のとおりです。

  • 看護師国家試験受験資格(全員)
  • 保健師国家試験受験資格(2011年度入学生まで全員・2012年度以降入学生は選択制)
  • 養護教諭(1種)免許(選択制 2012年度以降入学生は保健師との併願は原則としてできません)
  • 養護教諭(2種)免許(選択制 保健師免許取得が条件)
  • 第一種衛生管理者(選択制 保健師免許取得が条件)
  • (社)日本心理学会 認定心理士(選択制 通信教育)

3.カリキュラムの概要

■武蔵野BASIS

【武蔵野BASIS】―全学科共通基礎課程について―参照

■学科科目

学科科目では、看護実践能力を高めるための統合カリキュラムを準備しました。
その内容は、表1に示すように6分野で構成されており、【専門基礎科目】では、看護学を支える専門基礎的な知識を学びます。そして看護学の分野において、【看護学・看護実践の基本】【健康的な個人・家族を対象とした看護】【疾患をもつ個人・家族の看護】【集団・地域の健康問題に関わる看護】による専門的学習を行い、【看護統合】で4年間の学習を総括するカリキュラムとなっています。

表1

学科科目看護学看護統合
集団・地域の健康問題に関わる看護
疾患を持つ個人・家族の看護
健康的な個人・家族を対象とした看護
看護学・看護実践の基本
専門基礎科目
共通科目:武蔵野BASIS

上記学科科目6分野の具体的内容は以下のとおりです。

◆専門基礎科目

看護学を支える専門基礎分野の科目を配置しています。具体的には人の構造と機能に関する科目、疾病の成り立ちと治療過程に関する科目、保健医療福祉に関する科目、生命・医療倫理に関する科目などがあります。

◆看護学・看護実践の基本

看護学ならびに看護専門職者としての看護実践の基本となる理論、方法、技術、態度について学習する分野です。対象者の尊厳や権利の擁護、援助関係の構築、根拠のあるケアの方法論、安全で的確な看護技術の提供過程などを学ぶ分野です。

◆健康的な個人・家族を対象とした看護

人の「生・老」を中心として、人の成長発達段階や健康レベル・生活のアセスメントや個人・家族を対象としたヘルスプロモーション、生涯発達支援における看護実践のための知識、方法、態度について学習する分野です。

◆疾患をもつ個人・家族の看護

人の「病・死」を中心として、心身の危機的な状況や治療・回復過程にある人、慢性疾患を持ち療養生活を送っている人、終末期にある人とその家族への援助に必要な知識、技術、態度について学習する分野です。

◆集団・地域の健康問題に関わる看護

集団・地域を対象としてその特性をふまえて多様な健康問題に関わる援助のための知識、技術、態度について学習する分野です。

◆看護統合

【専門基礎科目】【看護学・看護実践の基本】【健康的な個人・家族を対象とした看護】【疾患をもつ個人・家族の看護】【集団・地域の健康問題に関わる看護】の学びをふまえて、看護学・看護実践を多様なケア環境やチーム体制のなかで実践していくことを学ぶ分野です。さらに、生涯を通じて看護学や看護実践を探究し、社会から期待される看護実践を展開していくための基盤となる内容も学ぶ分野です。

■自由選択科目(全学年共通)

看護職に必要不可欠な基礎的知識・技術は、基本的に必修科目として用意してありますが、この自由選択科目群では、現職の看護師からニーズの高い関連領域の科目をコース(選択)科目として用意しました。看護専門領域を学び、実践していくなかで、「患者の心理状況を把握していくこと」や「医療用医薬品の知識や一般用医薬品の知識を深めていくこと」は、看護実践能力の幅を広げていくことになります。

なお、3つのコース(選択)科目は、履修モデルとして設定したものなので、科目間の自由な選択が可能であり、どのコース(選択)科目を履修することも自由ですが、看護師国家試験受験資格および保健師国家試験受験資格(選択制)を得るための学修を優先してください。

①心理(選択)コース

心理(選択)コースは、心理学に関する科目を看護学科のカリキュラム(通学科目)と本学通信教育部のカリキュラム(通信科目)で学ぶことができます(別途登録が必要)。

通学科目は「心理学の基礎1」「心理学の基礎2」「認知心理学1」「認知心理学2」「カウンセリング論」「心理療法学」。通信科目は「心理測定法」「パーソナリティ心理学」「心理学実験実習(初級)」「心理学実験実習(中級)」「発達心理学」「臨床心理学」「社会心理学」で各科目の単位を修得し(社)日本心理学会に申請することで、認定心理士資格が得られます。

②医薬(選択)コース

薬学に関する知識は、看護実践活動に大切な知識の1つとなります。そこで、薬学部と共働し、薬学に関連する科目を準備しました。ただし、この医薬(選択)コースを選択しても専門家としての資格を得ることはできません。

③養護教諭(選択)コース

養護教諭をめざす学生のためのコースです。教員免許法施行規則に定める科目を開講し、養護教諭(1種)免許状を取得できるように配慮してあります。免許を取得するためには、このコース科目のほかに大学が全学的に開講している教職科目と養護実習を履修する必要があります。
なお、養護教諭(2種)免許は、必要科目を履修し保健師国家試験に合格した上で免許申請をすることで取得できます。

4.看護師・保健師国家試験への支援

看護師・保健師国家試験の準備として、正規のカリキュラムとは別に2年次から補習、「実力確認テスト」「国家試験模擬テスト」を実施します。

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