武蔵野大学 > 環境学部 > 環境学科環境学専攻

環境学専攻の紹介

環境学専攻では持続可能な社会構築という人類共通の目的に向かって、環境マネジメント能力や社会を啓発できる力を身につけて社会参画する次代の環境人材育成をめざしています。その人材育成の方向性には、大きな柱が2つあります。以下、紹介していきます。

まず「環境マネジメント」です。環境マネジメントとは、企業やその他の活動団体の主たる活動や付随する活動で、環境への負荷をできるだけ下げるための運営上のさまざまな仕組みをつくり、改良を重ねることで効果を高めるやり方をいいます。まず、その活動はみせかけやまやかしの「エコ」ではなく、真に効力があるかといった質の吟味がされなければならず、さらにその活動に多くの人たちが参画でき継続して行える、すなわち量を確保できるように改良を重ねていく必要があるのです。そのためには、「問題発掘」、「事前調査」、「ディスカッション」を経て「企画提案」し、実際に「実行」してみる、そして得られた結果をまとめて「報告」し、「評価」を受け、「見直し」をして「再挑戦」といったプロセスが欠かせません。机上の知識ではない実践的な解析力、そして環境マインドを持った常に前向きの行動力が必要です。これを学生の間にさまざまな専攻科目や環境プロジェクトという正課での活動、さらに奨励している自主的な活動で実践し、身につけて社会参画してもらおうとしているのです。

もうひとつは「持続可能な社会構築のために社会を啓発できる力」です。これは、広義での環境教育や「持続可能な開発のための教育(ESD)」(Education for Sustainable Development)を指しています。学校教育の場で環境教育やESDを行うためには教員免許が必要です。環境学専攻では選択により高等学校・中学校教諭一種免許状(理科)が取得できるようなカリキュラムを用意しています。また学校の場に限らず、熱き環境マインドで持続可能な社会を構築するよう他者を啓発する機会は、卒業後社会に出てからさまざまな場所で生じると思います。そのためには在学中に自らを十分高めておかなければなりません。特に科学的な環境状況把握や環境改善技術の理解は必須と考え、後述する文理融合カリキュラムに基づき入学したすべての学生が環境科学の基礎を学ぶ機会を持つようにしています。また選択により、発展的な自然科学の講義科目だけでなく、自然環境教育リーダー育成をめざす演習や実験など、体験を含めて幅広く学ぶことのできる専攻科目を設け、真に社会を啓発できる力を身につけ社会参画してもらおうとしているのです。

環境学専攻は自由闊達な専攻風土を特徴としており、学生は自主自律の精神にあふれているといわれています。その良さを活かし、卒業後は確かな知識と熱き環境マインドを持って積極的に多彩な分野に進んで活躍してもらいたいと考えます。環境改善は全地球レベルでの命題です。既存の環境企業・官公庁・地方自治体・学校だけでなく、小さくても将来性を感じる多くの企業があり、新しい仕事も生まれつつあります。また、環境分野の専門性を高めたい人には、本学を始め、環境系大学院の門戸が広がりつつあり、大学院進学も有力な進路の選択肢となっています。

○環境学専攻のカリキュラム概要

環境学専攻は、専門知識を身につけるだけでなく、それを活かした環境活動を実践するように、2010年(平成22年)度から大きくカリキュラム改訂を行いました。また、学生の自主的活動を大いに推奨し、成果が上がった場合には単位として認める制度(総合研究)も充実させました。つまり、知識、他とのコミュニケーション能力、自主性といったものをバランス良く身につけて発揮できる学生を育てようとしているのです。また環境学専攻のカリキュラムでは文理融合の基礎教育とともに、プレゼンテーションやディスカッション能力の向上を常にめざすように組まれています。

1年生は、必修科目である「環境白書入門」で、環境白書をもとに現状での環境問題の把握に努め、「読書レビュー」で読書の習慣をつけるだけでなく、内容の発信も行います。また、「環境論概説」や「環境科学基礎1・2」で地球環境問題の現状や、環境改善の技術の原理を科学的に学ぶことを必修にして、真に実効性のある環境活動を行っているかどうか検証できる力を養います。さらに、環境分野の世界での公用語である英語を全員に課し、情報収集やコミュニケーションを試みます。

2年生は、「環境科学コース」と「環境マネジメントコース」に分かれて、企業社会の動きなどを軸に学ぶ社会科学系列の科目と、環境科学の基礎や分析技術を軸に学ぶ自然科学系列の科目を広く学ぶことができます(履修モデル参照)。これにより、(1)環境とは何か、(2)人と社会のかかわりはどのようになっているか、(3)自分の適性は何か、などを見定め、自らの大学での学びの方向を決めていきます。

2年生より「環境プロジェクト」が始まります。この科目は、「問題解決型授業PBL:Problem Based Learning  あるいは Project Based Learning」や「アクティブ・ラーニング(主体的な学習)」等の先進教育手法を取り入れた授業計画となっており、環境学の学びは自主的な活動が基礎になることを体験し、さらに環境活動の実践と専門知識の水準向上や地域社会における環境課題の発見法や解決法を身につけることをめざしています。環境プロジェクトの活動については、専攻のウェブサイトに詳しく紹介されていますので、あらかじめ閲覧して参加への心構えをお願いします。

3年生は、教員がその専門性を活かして主宰するゼミ(環境ゼミナール1・2)を学習の主体とします。ゼミの選択は、原則として各自の希望が尊重されます。専門の各分野での学びや環境プロジェクト等の各種の活動も継続させます。産学連携による幅広い学びも推進していきます。

4年生は、大学教育4年間の集大成として教員の個別指導のもとに卒業研究を行い卒業論文としてまとめる時です。卒業研究(前期)は必修で卒業論文(後期)は選択になりますが、ぜひ積極的に卒業論文にチャレンジしましょう。これまで、高校時代から疑問だったことを丁寧に調べた人や、環境プロジェクトが契機となりそれを掘り下げた人、新たな活動を提案して実践した人、など個性あふれる研究が行われています。自らの大学生活のまとめの場として積極的に活用することを期待します。

2014年(平成26年)度より、環境学専攻のカリキュラムが、東京都ECO-TOPプログラムhttp://www.eco-top.jp/の認定を受けることになりました。このプログラムは、自然環境の保全を推進するために、自然環境分野で幅広い知識を有し、アクティブに行動できる人材を、大学、企業、NPO、行政が連携して育成し、社会に送り出していくためのしくみです。ただ単に資格が取れるだけでなく、東京都庁等におけるインターンシップ体験をはじめとして、このプログラムの認定を受けている他大学(桜美林大学、首都大学東京、玉川大学、千葉大学、東京農工大学、法政大学)との交流会や合同発表会等の貴重な機会を得ることができます。ぜひともこのプログラムに積極的にチャレンジする学生が出てくることを大いに期待しております。

○資格

高等学校教諭一種免許状(理科)、中学校教諭一種免許状(理科)
生理人類士準一級・二級
東京都ECO-TOPプログラム修了認定証

○目標とする進路

・公務員
官庁・地方自治体:環境測定・保全部門、廃棄物処理に関する部門、地域環境計画や防災計画に携わる部門など
・環境マネジメント関係
一般企業の環境貢献・EMS(環境マネジメントシステム)・CSR(企業の社会的責任)担当、エネルギー・環境改善企業など
・環境教育・ESD関係
高等学校・中学校理科教諭、一般企業内の環境教育指導者、社会教育施設等の講座企画担当者、科学館等の科学コミュニケーターなど
・生活環境関係
環境配慮商品や自然食品の企画・開発や普及など
・大学院進学
本学大学院環境学研究科環境マネジメント専攻
他大学大学院環境系研究科(自然科学系・社会科学系・人文科学系)

 

法学部
経済学部
文学部
グローバル・コミュニケーション学部
政治経済学部
人間科学部
環境学部
教育学部
薬学部
看護学部
大学院
日本語教育課程
専攻科
PAGE TOP