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政治経済学部

現代世界は未曽有の歴史的転換期の真っただ中にあります。私たちの身の回りを見ただけでもそのことは理解できるはずです。外国から輸入される食料品の数々、外国と日本の間を行き来する日本人や外国人の飛躍的増加、インターネットや国際電話による外国との情報のやり取りや共有の日常化、電車の中や駅で聞こえてくる外国語、コンピュータなしでは成り立たない私たちの日常生活、気候の変動による暑い夏や巨大なハリケーンなどなど、かつて人類が経験したことのない現象があちらこちらに生じてきております。

アメリカの著名な社会学者であるウォーラーステインは、現代世界は16世紀のルネサンスや宗教改革の時代以来の世界史の転換点にさしかかっているという趣旨の指摘をしております。彼の指摘するところによれば、中世末期から危機に直面していたヨーロッパ世界は、近代国家、資本主義、自然科学的な知の体系を生み出すことでこの危機を克服し、まさに、新たな時代への歴史の転換を行っていったというのです。これら3つの仕組みは、近代ヨーロッパ人が自分たちの生活の危機的状況を乗り越えるためにみずから考案した発明品だとも言っています。

その後、これらの発明品は、ヨーロッパ人の地球規模での活動によって、地球の隅々にまで輸出されていきました。私たち日本人も数世代前に、これらヨーロッパ人の発明品を積極的に取り入れました。その結果、明治の末年には、五大強国の一つに数えられるような強大な軍事力を誇る国家が作り出されました。戦後は世界に冠たる経済大国が形成されました。また、科学技術の高い水準を達成してきたことも事実です。

しかし21世紀の今日、国民国家、資本主義、科学的知という近代を生み出し、支えてきた3本柱が変質してきているのです。最初に挙げた日常生活の出来事は、一般化して言えば、こうした近代世界の変質の具体例と言ってもよいでしょう。21世紀初頭の今日の世界は、20世紀の後半までの世界とはまったく様変わりしてきているといっても過言ではないでしょう。人類は、中世末期から近代初期に直面した危機に再び地球的規模で直面しています。今こそ、この危機を乗り越える知恵が必要とされているわけです。

政治経済学部は、こうした世界全体の大きな転換点において、政治や経済の動向を実証的かつ多様な視点から研究し、教育することを目的とする学部です。そのことによって、新たな時代を切り開く知恵を積極的に提示していきたいと考えているからです。その意味で、今日、人類がもっとも必要としている学問を学ぶ場こそがこの政治経済学部であるといえるでしょう。

とはいえ、現在の政治や経済は、きわめて複雑化しております。そのために、政治や経済の分析には、政治学、経済学のみならず、法律学や経営学、さらには、社会学の手助けも必要になります。政治経済学部のカリキュラムは、これら社会科学の主要な分野を幅広くかつ網羅的に取り入れ、多様で、総合的な学習ができるように工夫されております。

政治経済学部はこのようなカリキュラムに基づき、冷静な分析力に支えられ、人類に貢献できる、心豊かで行動力のある市民と、責任感のある職業人の輩出をめざします。

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