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薬学部

薬学部の理念

「薬学部の理念は、医療人として慈悲の心をもった、創造性豊かな実践力のある薬剤師を育成することです。」

本学の理念、建学の精神は、もちろん薬学部の理念にも反映されます。仏教精神を基礎にした宗教・情操教育を行ってきた本学が、慈悲の心をもって患者や生活者をケアできる人材を養成することは、現在の社会の要請でもあり、本学の使命であると考えています。

歴史を見れば分かるように、元来、宗教と病む人を癒すこととは深い結びつきがありました。西洋においては、病院の起源は修道院に関連があり、宗教が癒しの大きな背景にありました。同じように、わが国においては、徳川時代以前に遡ってみると、仏教と医療および仏教と薬物との関わり合いについて極めて深いものがあったことが分かります。

古代、朝鮮(百済・高麗)よりたくさんの僧医が渡来したことに端を発し、特にわが国における医療・薬物の導入は遣隋・遣唐使によることが大きく、寺院には施薬院がもうけられ医療の中心となり、そのほとんどが僧侶の手で行われました。一方、渡来僧による医薬の貢献もめざましく、その媒介となったのが薬師如来といわれています。唐の僧侶であった鑑真(がんじん)は、わが国へ戒律を伝えるために12年の歳月をかけて来日し、医薬、特に本草の学に精通していたといわれています。また、正倉院には献物帳が残されていて、輸入品としての薬物が60種類献納され、正倉院御物としていまだに残っています。一方、律令制において国営の医療制度が整備され、典薬寮(くすりのつかさ)や内薬司(うちのくすりのつかさ)等が置かれました。特に典薬寮は、医療・医学教育等に関する医事行政の最高機関であり、内薬司では諸庁で使う薬物をすべてここから配給されたのです。この医療制度は貴族階級のものであり、唐の滅亡後、あまり機能しませんでした。

宋の代になると渡航できるのは僧だけでした。鎌倉時代の禅僧栄西(えいさい)は、宋から茶種を持ち帰り、福岡県の背振山に植えて茶園とし、「喫茶養生記」を著し、茶や桑の効用を普及しました。宋から帰国した沢山の僧が医師として活躍し、広く民衆の医療に尽くしたのです。徳川時代になると僧は医療と切りはなされ、僧の装束だけが医師に残ったのでした。

このように仏教と医薬の伝来、浸透とは密接に関連していたにもかかわらず、建学の精神に仏教を掲げる大学で医療に関する学部を開設している大学は今まで日本に一つもありませんでした。まして薬学部すらなかったのです。本学がその始まりであることは、仏教と医薬の歴史においても特に意義のあることと考えます。

薬学部の育成する人材

薬学部では、仏教精神を根幹として学識、情操、品性にすぐれた人格を育成するとともに、慈悲の心をもち、多様な薬学関連分野で人々に貢献できる人材の育成を目的としています。具体的には、6年一貫教育の主旨を生かし、教養教育から基礎薬学教育、医療薬学教育へと系統的な教育を行うことで、医療人としての高い倫理観と高度な専門知識を兼ね備えた実践力のある薬剤師の育成を目的とします。

具体的な薬剤師像として次のような素養をもった人材を育成したいと考えています。

①医療人として慈悲の心を持って生活者に応対できる人材の育成
②生活者の相談に適切に対応できる実践力を備えた人材の育成
③医療チームの一員として地域医療に貢献できる人材の育成
④医薬品開発および評価関連分野で活躍できる人材の育成
⑤発展する香粧品分野で活躍できる人材の育成
⑥最新の医療技術の進歩に対応できる人材の育成
⑦多様な薬学関連分野で活躍できる創造力豊かな人材の育成

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