卒業研究


本学薬学部では、卒業研究と国家試験対策に向けたきめ細やかな教育指導を目的として、4年生を18研究室に分けて配属します。平成19年度は薬学部が開講して4年目を迎え、各研究室に第一期の卒業研究生が配属されました。薬理学研究室にも7名の卒業研究生が入室しました。以下に平成19年度の薬理学研究室における卒業研究の様子を紹介します。

1. 基本方針
・協調性を重んじる。仲良く楽しく。
・「人に言われたことしかできない」「人に言われないと何もできない」ではだめ。
・よく学びよく遊ぶ。
・「ほうれんそう」

2. スケジュール
平成19年度の卒業研究プログラムは以下のようなスケジュールで進めた。
 平成18年10月 配属決定
 平成18年11月1・2日 個人面談
 平成19年1月30日(火) 研究室顔合わせ(基本方針、活動予定などを説明)
卒研生の役割分担を決めた。リーダー:重里、副リーダー:野坂、勉強会:武立、お茶:岩川、企画:木元・柴尾、総務:森本
 平成19年2〜3月 希望者は卒業研究実験を開始
 平成19年4月7日(土) 新年度研究室顔合わせ(実験計画、セミナーの説明) &新歓コンパ
 平成19年4月〜 卒業研究実験を本格的にスタート!しかし実務実習(病院、調剤薬局それぞれ一ヶ月)のため実験は思うように進まなかった。
 平成19年4月〜7月 土曜日5回にわたり研究室セミナーを実施。
 平成19年5月12日(土) 個人面談
 平成19年8月 夏休み返上で卒業研究成果発表会に向けてラストスパート!
 平成19年8月21日(火) 個人面談
 平成19年9月8日(土) 卒業研究成果発表会&打ち上げコンパ
 平成19年9月14日(金) 卒業研究論文提出(卒業研究終了)

3. 卒業研究実験テーマ
  
 教員が提示した実験テーマの中から、卒業研究実験を希望する学生たちが話し合って、それぞれの希望テーマを選択した。最終的なテーマ名は下の「7.卒業研究成果発表会」を参照。
  
4. 研究室セミナー
 研究テーマについて理解を深めるため、月に1〜2回土曜日午前中に研究室セミナーを開いた。平成19年度は試みとして、スタッフ&学生全員がひとり1テーマを受け持ち、背景や最新動向について他の人にわかりやすく概説する"ミニセミナー"(発表30〜45分+質疑応答15分)を行った。
 4月 7日(土) 阿部/記憶と海馬
 5月12日(土) 赤石/幹細胞
白川/記憶・学習試験
 5月26日(土) 重里/LTP
木元/アルツハイマー病治療動向:NSAID
 6月23日(土) 武立/フラボノイド
柴尾/アルツハイマー病治療動向:メマンチン
 7月14日(土) 野坂/海馬神経新生
森本/アミロイドβ蛋白
岩川/アルツハイマー病治療動向:ワクチン療法

5. 勉 強
 国家試験対策に向けて、学生の皆さんが自主的に勉強会を開いた。実務実習が始まると、なかなか集まる日にちがなくなってしまったが…

6. レクリエーション
 研究室員の親睦と健康維持のため、セミナーの後に、有志が集まり、テニスや卓球を楽しんだ。秋に研究室旅行を計画中。

7. 卒業研究成果発表会
 卒業研究を締めくくるとともに、プレゼンテーション能力を磨く教育の一環として、実験コースの学生を対象とした卒業研究成果発表会を行った。
◆ 平成19年度武蔵野大学薬理学研究室・卒業研究成果発表会 ◆
平成19年9月8日(土)、 於:武蔵野大学8301講義室
  総合司会:赤石助教、タイムキーパー:木元、柴尾、照明:岩川
 
 11:00〜11:05 開会の挨拶(阿部教授)
 11:05〜11:20

フィセチンのアミロイドβ蛋白凝集阻害効果と類縁化合物を用いた構造活性相関の解明(森本)
 11:20〜11:35

成体マウスの海馬歯状回における神経新生の定量的解析法の確立(野坂)
 11:35〜11:50 マウスの行動解析によるフィセチンの一般薬理作用の検討(武立)
 11:50〜12:05

麻酔ラット貫通線維-海馬歯状回顆粒細胞シナプスの長期増強に対するフィセチン経口投与の効果(重里)
 12:05〜12:15 総評(阿部教授)
 *パワーポイント使用で、一演題あたり発表10分(厳守)+質疑応答5分
↑卒業研究成果発表会の様子(2007.9.8)

みんな初めての発表とは思えないくらい堂々と自分の研究成果を発表してくれました。質疑応答もスムーズで、活発な討論が行えました。
本当にみなさんお疲れ様でした。

8. 卒業論文

 せっかく努力して行った卒業研究実験の成果を形に残すため、実験コースの学生は実験結果をまとめた卒業論文を作成・提出した。研究室の貴重な財産となった。



9. 次年度に向けて
今年度は実務実習のために実験希望の学生たちが落ち着いて実験に取り組むことが困難だった。本格的に実験できたのは最後の1ヶ月(8月)だけだった。来(平成20)年度は、できるだけ早い時期から実験を始められるようにしたい。
今年度は研究室セミナーを5回しか開けなかったが、もう少し回数を増やし、内容を充実したい。とくに研究成果の中間報告を行いたい。
今年度は研究室として学力強化コースの学生に特別なプログラムを提供できなかった。実質的な学力強化につながるようなプログラムを行いたい。
より意思の疎通を図るために、個人面談やレクリエーションの機会を増やしたい。