政治経済学研究科修士課程では、現代社会における政治と経済相互の融合関係を前提として、政治学、経済学、そして政治経済学を学びます。学びの目標は、①政治と経済の新しい理念の構築、②その理念に基づく新たな制度や政策の提示、③制度や政策を担いうる活動能力を備えた市民の育成の3つです。国家エリートとして活動するよりも、シティズンシップ・マインドをもって、地道に市民社会の強化に寄与できる優秀な人材を輩出目標としています。
グローバル化の進展する現代において、人類はかつて存在しなかった難題にいたるところで直面しています。環境、原子力、食糧、資源、難民、貧困、民族、戦争などの諸問題です。しかも、こうした問題に比して、その解決を期待される国家は、依然として大きな軍事力をもってはいるものの、問題解決能力の点では力不足は否めません。その点で国家は大きくその性格と役割を変えはじめています。本研究科では、こうした事態を正確に分析し、対案を提出できる研究者の育成をめざします。