研究概要

研究の背景・目的

我が国の住宅市場においては、住宅ストックと居住ニーズの、世代間・地域間のミスマッチが大きな問題となっている。こうした住宅市場におけるミスマッチが、家計の合理的な選択の結果なのか、制度的な要因に起因するのかを見極めることは、人口減少下における住宅ストックの有効活用という現状の政策的課題に対して、きわめて大きな示唆を与えるものである。本研究課題における第一の目的は、このような住宅市場におけるミスマッチの問題に対する理論面での統一的な分析枠組みを提示することにある。そのためには、長期にわたって同一家計を追跡した質の高いデータを整備して、家計の長期的な意思決定を実証面から検討する必要がある。このようなパネル調査の設計・実施・データ整備が、本研究課題の第二の目的である。