経営学科は、「高い倫理観と志をもって、社会貢献と自己実現を目指し、ビジネス(実業)分野および公共分野で活躍できる有為な人材を育成する」ことを、使命としています。
現代の企業は、たんに自社の利益をめざすだけではなく、社会全体の利益に配慮し、社会に貢献する姿勢が問われています。ハーバード大学の経営学者マイケル・ポーターは「共益の創造」を提唱していますが、日本には、古くから社会に配慮する経営理念が存在しました。近世・近代に活躍した近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」のいわゆる「三方よし」の考え方は、まさに現代企業が再評価すべき経営理念ともいえるものです。
現実面におけるこうした社会的要請と武蔵野大学の建学の精神を踏まえ、経営学科は、グローバル化した経済社会における新しい企業のあり方を追求し、専門教育を通して、将来、国際社会の一員として企業活動等を通じて社会に貢献できる有為な人材を育成し、世に送ることをめざしています。
経営学科には、「経営コース」と「会計コース」との2コースがあります。経営コースの学生は、主に企業経営の諸活動に焦点を当て、経営戦略の策定や、「ヒト、モノ、カネ、情報」という経営資源をいかに有効に活用するかなど、企業をマネジメントするための理論と実践力を習得します。会計コースの学生は、「ビジネスの共通言語」ともいうべき会計データを通じて企業の財務状態や経営業績を客観的に分析する実践的スキルを習得します。
経営学科におけるコースの選択は、2年次に進学した際に行うものとします。1年生は、武蔵野大学の教育方針に従って、武蔵野BASISの諸科目を、武蔵野キャンパスで、学ぶことになります。英語を初めとする多くの教養科目は、専門科目の基礎になるだけでなく、人生そのものの基礎にもなりうるものですから、しっかり習得しましょう。
2年次に進学すると、いよいよ自分の意志で、コースを選択することになります。経営コースか、会計コースか、もしコース選択に迷った場合には、経営学科としての「2年次以降の履修モデル」(資料1)を参考にしてください。
「2年次以降の履修モデル」は、経営学科生が自分の希望する進路(キャリア)を実現するうえで最も効率的な学習ができるように、進路別に専門の講義科目を系統化したものです。履修モデルでは、一般に経営学科の出身者が進むであろう主要な8分野を、具体的に提示しています。
経営学科生は、2年次以降、学年度の初めには、自分の希望する進路を見据え、履修モデルに従って「専門科目のモジュール(単位群)」(資料2)に含まれる講義科目を、自分なりに組み立てて体系的に履修していくことが、強く望まれます。講義を系統的に履修し、専門知識やスキルを体系的に積み上げていくことが、結局は、将来の希望進路への最短の道となるからです。
履修モデルにおいては、経営学科として、全学生に履修を勧めたい科目を「学科重点」モジュールとして2つ用意しています。コース選択に迷った場合は、特に「経営学・重点」を自分の専門の核にしたい者は「経営コース」に、「会計学・重点」を自分の専門の核にしたい者は「会計コース」に登録することを勧めます。いずれのコースを選択しても、卒業要件に違いはありません。
(1)ゼミナール制度
経営学科では、「量より質」を重視した武蔵野大学ならではの教育体制を準備しています。その一つが「ゼミナール」制度です。ゼミナールとは「演習」という意味のドイツ語(英語では「セミナー」)であり、その名の通り、教えを一方的に受けるのではなく、「みずから実践的に学ぶ」場として設置されています。
経営学科では、2年次後期に「経営学プレゼミ」が設置されています。経営学プレゼミには、個々の教員がそれぞれの専攻を活かしながらに独自に運営する「個別プレゼミ」と、経営学科の全教員が共同運営しグループワークやプレゼンテーションを取り入れた「総合プレゼミ」の2種があります。後者は、本学経営学科に特有のゼミといえるものです。3年次からは、2年一貫の専門ゼミナールが設置されています。
(2)コミュニケーションの重視
経営学科では、規模の小ささを活かし、ゼミナールのみならず講義においても、学生と教員との間のコミュニケーションを重視しています。わからない点があれば、積極的に質問し、また講義中に教員が投げかける質問には積極的に答えるように努力してください。講義は、「双方向」であってこそ、学生にとっても教員にとっても楽しく充実したものとなります。
(3)立地を活かした実践教育
経営学科では、有明キャンパスの立地を教育面にも取り入れる努力をしています。ゼミナールや講義の中で、必要に応じ、国際展示場や周辺の企業等への訪問・見学の機会を設けていますので、積極的に参加し、社会人としての心構えやマナーを実地に身に付ける努力をしてください。
(4)自己実現の後押し
大学は、将来の自分自身を設計する場でもあります。向上心を持って日々努力する姿勢が、将来の自分を作り上げることになります。経営学科での学習を「自己実現」のためにも有効に活用することを、強く希望します。