■2010年度 山行記録

2010年度 中島ひとり山行編(1)鍋割山 11月19日〈金〉晴れ
参加者:中島(前住環スタッフ)
06:45 渋沢駅から大倉行きのバスに乗り込む。
駅をでると、冬枯れした茶色い山が朝日を浴びて金色。街と山だ。
06:55 大倉から出発。
07:45 林道途中の谷で少休止。写真撮りながらうろうろしすぎて時間かかる。落ち着きのないのが自分でもよくわかった。
08:37 二股。歩くペースが落ち着いてきた。まだまだ紅葉がきれい。
09:20 後沢乗越 沢を渡っていくらか登って後沢。なんでかあせっている。
10:03 一ノ萱 わかってはいたがきつい登り。丸太階段多すぎて腹たった。
10:30 鍋割山山頂 山荘の中で鍋焼きうどん食う。すごい山荘だった。天気最高。富士山すごいでかい。
12:05 金冷ノ頭 左に見えるあれがおそらく裏丹沢だ。かっこいいなあ。大きいゆったりとした雲がでてきて山を取り囲んでいく。だんだんと近づいてくる塔ノ岳の山頂に誘われるが、ここから下りに入る。
12:55 堀山の家 海を見下ろしながら下っていく。丸太階段多すぎる。
13:40 見晴らし小屋 下りきつい。丸太階段でいまいちペースつかめない。
14:20 大倉着 いきなり仕事の電話が入り、興が醒める。バスに滑り込む。
渋沢駅を降りると街の向こうに丹沢の山塊がみえていきなり感動。朝日を思いきり浴びて山が輝いてる。街と山がこうして近い距離で共存している風景がたまらない。ここに住む人にとって「向こうに山が見える」というだけで、登る、登らないに関わらず山が生活の一部になっていること、を想像するのが好きなのか。シャッターを切る。この日は天気が完璧。富士山も完全体。もうすっかり山は冬だと思っていたが、中腹までは紅葉が残っていた。山をはじめて一人で登った、記念すべき山行。逆に雑念が多くなったか、いきなり嫌なことを思い出したりする。勘弁してくれ。山頂の鍋割山荘で鍋焼きうどんを食べた。外で景色みながら食べようと思ったが、中の雰囲気が良いので中で食べることにした。中の写真も撮った。山で生活する厳しさが伝わってくるようで少し怖くもなる。行けば分かります。おすすめ。鍋割山や以前に登った塔ノ岳は表丹沢という。さらに奥には裏丹沢とよばれる山々が連なっているのが、歩いていて見えると行きたくてしょうがなくなる。休憩で腰をおろす。深呼吸してなんとなく足元を凝視。石ころを凝視。石ころと石ころの間を凝視。体がじんとしてる。
逆光の海を見下ろしながら丸太階段を降りていく。
少しずつ地図が読めるようになってきた。
こうして記録を書いていると、山を頭で思い出しながら、ぼけっと時間が過ぎてしまった。(文責:中島)
2010年度 (6)大菩薩嶺 10月31日〈日〉曇り時々雨
参加者:中島(前住環スタッフ) 宮内(第1期卒業生)
山岳部としては2回目の大菩薩。3日前に台風の接近を理由に今山行は中止という案内が出ていたようだが、それを知らずに電車に乗り込んでしまった。立川を発射した中央線の車中で中止を知って驚いたが、台風は昨日通り過ぎて風も雨もほとんどやんでいる状況なので、やはりもう一人中止を知らなかった宮内と2人で登ることにした。
08:10 JR中央線甲斐大和駅から上日峠行きのバスに乗り込む。僕ら以外では2名だけ。
50分かけてどんどん登っていく。紅葉の世界。他の2人は石丸峠入り口で途中下車。
09:10 上日川峠。ギリギリ雨は降っていない。台風の影響か、落ち葉で満たされた登山道に入る。
09:50 登りの途中、2本目の林道が交差するところで小休止。笹の群生。笹は光によって青にも緑にも黄色にも見える。
10:40 石丸峠。弱い雨が降ってきたのでレインスーツを着込み、ザックカバーを装着。視界は悪いが開けた景色が印象深い。めずらしく荷物を出したり入れたり忙しい。
11:15 大菩薩峠。この辺りから逆まわりで下りてきた人とすれ違うようになる。ここで昼食にするか迷ったが、腹と相談して先を急ぐことに決める。自分たちと同じ方向の人は誰もいない。視界は悪いが、大菩薩の多様な表情を楽しむ。
12:05 雷岩を通過して大菩薩嶺山頂。すぐ雷岩に折り返す。
12:15 雷岩。昼食。宮内がガスストーブを持ってきてくれているので、ラーメンつくる。充実した昼食。
13:30 福ちゃん荘。トイレだけ。
13:50 上日川峠。昼食からわずか一時間で下りは終わり。なんだか変な終わり方になってしまった。朝早かったので、大菩薩峠で昼食にしたほうが時間配分は良かった。バスを待つ間、きのこ汁とビールをすこし。
14:30 甲斐大和駅行きのバスに乗り込む。
15:30 駅で反省会はせず、東京行きの電車に乗り込む。人身事故のため立川で1時間15分止まりっぱなし。何か面白いことを考えようとしたが何も思いつかなかった。
もうすっかり秋なので、山の冷たいキンとした空気を吸い込むのがまず大きな楽しみだったがこの日はすこし気温を持ち直してあたたかい。途中からパラついた雨を体に受けて気持ちいいくらいのちょうど良い温度。木々の葉っぱや苔は湿気を帯びるとつややかに発色して生き生きとして見える。カラーでシャッターをきる。写真は湿気にひっぱられることがよくある。
視界は悪いけどその先の広々とした大菩薩の稜線が想像できて、山のゆったりとした大きさが伝わってくるような気がした。前回来たときも似たような天気だったけど、印象が全然違ったのはコースの違いからか。狭い尾根道のきつい登りはわずか。距離は短く余裕をもって歩いたのがその山容と重なったのか。次は晴れた大菩薩を登ってみたい。そうして登ったらこんな雑感なんて簡単にひっくりかえってしまうだろう。
今回は河津先生がいらっしゃらないので、自らひとつひとつ、行動を判断しなくてはならない。これをするのとしないのとでは山の体験が全く別の質を帯びることを実感。ああ、面白かった。(文責:中島)
台風の接近が心配されたが、朝天気を確認し出発することに。
電車の中で山岳部のホームページをのぞいてみると、なんと中止の情報が。まさか中止とは頭になかったので、思い込みに反省する。
紅葉の季節でもあるし、3時間という手軽なコースということもあり、そのまま電車を乗り継いで甲斐大和駅へ。
上日川峠(スタート)まではバスで向かう。1時間も山道を行くのだが、登るに連れて山が色付いていくのがわかる。ちょうど見頃で、しばし紅葉狩りを楽しむ。大菩薩湖のまわりを通過したときの眺望は見渡す限り黄色に染まっていて、とってもきれい。
今回のルートは先生がうれしそうに説明してくれた新発見(?)のルートで、大菩薩嶺まで時間を短縮して登ることが出来るルートだそう。
確かに軽快な道程で、あっという間の山行であった。水場のあるハイキングコース→樹林帯→見通しの良い岩場と景色が変わるので面白い。加えて、山道にはロープが張ってあり整備されていて、山小屋も3つあり(トイレも安心)、とても安心して歩くことが出来るルートだった。
石丸峠に差し掛かり、熊沢山へ向かう坂道から見下ろした少し黄色がかった笹が茂る峠は、深まってきた霧と相まってふわふわと幻想的な風景だった。
雨の山行も気持ちがいい!
ありがとうございました。
(文責:宮内)
2010年度 (5)茅ヶ岳(1704m) 10月3日〈日〉曇り
参加者:中島(前住環スタッフ)・宮内(二期卒業生)・河津
『日本百名山』の著者,深田久弥の最後の山行の山として有名な山梨県韮崎市にある茅ヶ岳に登ってきた。小さいながらもさまざまな山相を見せてくれる面白い山だった。またいい時期にめぐり合ったとみえ,たくさんの秋の花を見ることができた。
08:30 JR中央線韮崎駅
河津は韮崎駅に08:04着。ちなみにこの場合は,武蔵境駅05:40発高尾行きで高尾まで行き,待ち合わせていた高尾発松本行き06:15の列車を使った。中島・宮内両君は08:27韮崎着。ところが宮内君の到着を確認しないまま河津・中島は登山口までタクシーで出発してしまい,登山口である深田記念公園で,バスに乗って駆けつける宮内君を待つ破目になってしまった。指先確認励行のJR職員に対するポスターを思い出す。茅ヶ岳の名が示すとおり,登山口近辺にはススキの群落でいっぱいだった。
09:15 深田記念公園(茅ヶ岳登山口)
宮内君の到着を待ってさっそく山道に入る。登山口の駐車場には横浜や名古屋などのナンバープレートの車が十数台止まっていた。深田久弥記念公園には「百の頂に百の喜びあり」の記念碑が立つ。雨を心配していたが太陽も姿を見せてくれて,何とか山に入れそうだ。ツリガネニンジンやセキヤノアキチョウジの紫の花が出迎えてくれる。
09:50 女沢右岸
赤松のなかの緩やかな山道を進むと,やがて観音峠へと続く舗装道路を横切る。山道はさらに奥へと続くが徐々に勾配がきつくなり,露岩も現れて女沢に入ったことがわかる。白や薄紫の菊の花が目立つ。ゴマナやユウガギクだろうか?3,4種のものを見た。ミズヒキがあいらしい。
10:17 女岩:山の中でも数少なくなった水場
山道は徐々に急になって行き,やがて女沢左岸の尾根が沢の行く手をさえぎるように左に曲がってゆく。その突き当たりに突然大きな岩が現れ水場を作る。その玄武岩でできた岩崖を女岩というが,女岩があるから女沢というのか,女沢にある岩なので女岩というのか,岩崖からだけではわからなかった。ペットボトルいっぱいの湧き水をお土産とする。
11:03 深田久弥終焉の地
登山道は女沢をふさぐ女岩を右手から高巻きし,やがて頂上へと続く痩せた岩稜に出る。この部分2万五千分の一の地勢図のルート表記は誤っている。沢伝いの山道が尾根に合流した地点からわずかの距離に深田久弥終焉の地があり,石碑が建っている。そこからは金峰山が良く見える。しばし休憩。
11:27 茅ヶ岳山頂
岩のごつごつした急登の尾根をジグザグによじ登ってゆくとやがて山頂。四方視界をさえぎるものが無く,富士も金峰も八ヶ岳も甲斐駒も見える。あいにくの曇り空でそれ以上は見えなかったが,いつかすべてを見てみたい景色のひとつ。景色を楽しんだ後,金ヶ岳を目指して出発。昨夜は水谷ゼミの同窓会だったとのこと。睡眠不足の宮内君の調子がいまいち。
12:27 金ヶ岳山頂
立ち木のなかの岩尾根を急下降で金ヶ岳南峰へ向けて下る。金ヶ岳が1763mであるため,下った分だけまた登り返さないといけないと思うと辛い。コル(鞍部)は両側が切れ落ちた痩せ尾根。そのコルをわずかに登り返すと岩壁に穴の開いた石門に出る。金ヶ岳への登りの尾根は茅ヶ岳の尾根とは違って木々も明るく,土が多い。林相,山相がまったく違うのが面白い。登りついた南峰には観音峠への道が続いている。南峰からいったん下り,上り返すと金ヶ岳山頂。山頂は茅ヶ岳方面が開けるだけであとの展望は望めないのが残念。ここで昼食の大休止とする。食事をしながら秋の七草の話になった。尾花(ススキ)・ハギはもうすでに見たのだが,残りは何だっただろうという話題になった。その直後,山頂に一輪のカワラナデシコが咲いているのを見つけて嬌声を上げた。それはいつも見慣れた薄いピンクのカワラナデシコでなく,色の濃い赤いものだった。今夏韓国の山城で見つけて感慨深いものであったのだが,山のてっぺんに咲くカワラナデシコも初めてだった。ここまでヤマトリカブト・アキノキリンソウ・ナギナタコウジュ・ワレモコウなどの花も見つけた。時期に恵まれたらしい。
13:23 金ヶ岳南西尾根
山頂からは痩せた岩尾根の下りになる。下りはじめ直後に花の開き始めたオミナエシを見つける。これで七草のうちきょう4つ見たことになる。またそのすぐ下でヤマラッキョウの赤い花を見る。
山道は基本的に尾根上を進むが,山頂直下は露岩も激しく,また崩壊も進んで一部不安定になっている。また尾根上が大きな岩でふさがれて乗越すことができずに大きく横を巻く箇所も2箇所ある。岩は火山性の凝灰岩が多い。
14:15 明野ふれあいの里
休憩後すぐに大岩を巻いた後は緩やかな下りとなり,そのまま麓へと出る。ここではヤブマメ・ゲンノショウコ・マムシグサを見る。
15:00 明野温泉太陽館
広々と開けた山ろくの開墾畑のなかをまっすぐに伸びた農道をゆるゆると下ってゆく。これが結構疲れる。栗を拾ったり,蔓にぶら下がったきれいな紫色のアケビの実をちぎったり,葛の花を探したりと,何とかごまかしながら目的の温泉まで歩き続ける。本日一番疲れた歩きかもしれない。太陽館に着く直前に庭のキキョウを見つける。これでクズの花とフジバカマを残し秋の七草を五つ見つけたことになる。
16:44 韮崎駅
明野温泉太陽館の湯にゆったり浸かって,反省会を開くところが,館内のレストランが準備中。まあゆっくり疲れを癒すこととして16:22のバスで韮崎駅を目指すこととする。反省会は駅弁広げて車内で。甲府・高尾を経て,19:00すぎに武蔵境に帰りつく。
(文責:河津)
今回の山は山梨県の韮崎まで足を伸ばすのでこれまでの日帰り山行のなかで一番遠い。
であるから朝が早く、4時半に起きるつもりが、目覚ましを1時間まちがえてセットしてしまい、3時半に起きたことに気づいたのは顔も洗ってスッキリした後だった。あまりにも寝起きが良いし、そういえば1月前の剱岳山頂を目指した朝は3時半起きだったことを思い出し、なんだか良いつながりだと思って二度寝はあきらめた。朝が早いと電車は街で遊んだ朝帰りの人が多い。新宿から爆睡していた金髪の女が八王子で下りていく風景。これからぐっすり眠るんだろうな。
雨の予報だったので茅ヶ岳山頂からの眺めはあきらめていたが、思いのほか天気が良く、いくつかの山を指差して楽しい。ゴツゴツした八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、うっすらと富士山、そしてここまでくると、もうすぐそこだな金峰山。最近雑誌でみてとびきりかっこよかったので、憧れているのだが、ここからでも充分かっこよい。来年は絶対行くわ。
金ヶ岳へのアップダウンを楽しんだら、あとはまっすぐ下っていく。紅葉はまだ先だが山頂付近では葉が黄色味がかっていて、この中途半端で複雑な色合いが一番きれいだと思う。降りていくと辺りの湿気が増してきて、緑の彩度が上がったなと気づいたとたんに林道にでてしまった。登りではちらほら人に会ったが、下りでは確か誰とも会わなかった。風も少なく、鳥の声がたまに聞こえるくらいで、静かな山行だった。下りると、虫の鳴き声。山に挟まれた山梨の風景はとても好きだが、いかんせん渋い。帰りに寄った市営の温泉も人がちらほらで日曜日とは思えない寂しさ。反省会は駅弁とビールを車中で。帰ってテレビをつけたら朝昇龍の断髪式が終わってた。もう今年もあと3ヶ月かあ、とかそんなことばかり考えてしまってすぐ寝た。
ありがとうございました!
(文責:中島)
日ごろ不規則な生活が祟ってか身体が重く、呼吸が苦しい。
茅ヶ岳山頂に着いたころには少し回復していたが、万全とは言えず、今回は体調が優れない少し辛い山行だった。
以前より体力が落ちているのは確かだが、頭痛やら呼吸が苦しいやらどうしたものかと悩む。
こうも毎回続いていては辛いので、少し山の登り方を考えないといけないなぁと感じた。
それにしても、百名山と言われているようにいい山だった。茅ヶ岳山頂からは雲が足元に延々と広がり、八ヶ岳、駒ヶ岳の頭が見える。山梨まで足を延ばしたということもあり、富士山は霞がかっていながらも大きく見え、とっても清々しい。秋の七草を探しながら下山し、温泉までの道は栗拾いやのどかな景色を楽しむ。あけびを見たときには感激!とってもきれいな薄紫色。先生に採って頂く。秋は花も実も豊富な季節だと感じる。
行きたい山はどこか?という話をしていて、するとちょうど帰りの電車で、気になっていた山の広告に遭遇。先生に聞いてみると駒ヶ岳にあるとのこと。ロープウェイで頂上付近まで行け、手軽なルートなようだ。歩くには今頃がちょうど色づいていて気持ちがよさそう。これが、今1番行ってみたい山になりました。
次回は大菩薩峠とのこと。これも登りたい山の1つ。
ありがとうございました!
(文責:宮内)
2010年 夏山合宿特別山行 北アルプス 剣岳
8月20日〈金〉〜21日(土)
参加メンバ-:中島(実習棟スタッフ)・宮内(1期卒業生)・河津とその配偶者
昨年の一泊とまりの夏山合宿は雲取山だった。それには中島さんだけが参加した。大変な雨だったことを良く覚えている。その中島さんを今年は北アルプス剣岳(2999m)に連れてゆこうと計画していたのだが,それが実現した。同時に,日ごろ山中で着実な足捌きを見せる宮内さん(第一期生OG)も参加することとなった。
わたしは帰省先の九州の実家からの参加,彼らは19日深夜新宿発の夜行バスでの参加となり,集合を黒部立山アルペンルート室堂(むろどう)の「玉殿(たまどの)の泉」前,午前8時50分とした。
(8月20日)
08:30 アルペンルート室堂バスターミナル
わたしは前の晩に地方鉄道富山電鉄立山線の終着駅立山駅近辺の立山国際ホテルに宿泊したのだが,立山〜美女平のケーブルカーも,美女平〜室堂間の高原バスも,彼らと一便違いで無事室堂に集合することができた。バスターミナルのトイレで顔を合わせたあと,さっそく地上に出て雄大な立山の姿を拝する。
08:40 玉殿の泉
立山3000m峰を目の前に望むターミナル前の広場には,地下水が滾々と湧き出る「玉殿の泉」があり,そこで山中の飲料を調達する。天気は快晴。雄大な自然の中をいよいよ剣へと向けて歩き出す。
09:20〜30 雷鳥沢の出会い
緑色をした「ミクリが池」を右手に見ながら地獄谷へと下る。あちらこちらにまだ雪が残る。地獄谷は例年よりガスの噴出が盛ん。時々むせび込む。このあたりまでは観光客も多い。ガスの注意放送が中国語でもされていた。
雷鳥平のキャンプ場を過ぎ,称名川・雷鳥沢の出会いへと下る。ここが最初の休憩点となる。室堂バスターミナルの標高が2430m,雷鳥沢出会いが標高2260m。ここまで標高差170mを下ってきたことになるが,これから別山乗越(標高2760m)までの標高差500mを一気に登ることになる。
09:55〜1005 新室堂乗越(しんむろどうのっこし)
雷鳥沢の出会いからは雷鳥沢の登りを使わずに,新室堂乗越から別山乗越(べっさんのっこし)までのびた大日尾根を詰めることにする。雷鳥沢の登りのほうが一般的だが,こちらの眺めの方が雄大。しかし登る辛さは一緒。イワカガミ・タテヤマリンドウ・チングルマなどの高山植物に気を休めながら新室堂乗越まで詰める。ここで初めて大日岳・東大谷(ひがしおおたん:剣岳東谷)が望まれる。立山連山の眺めも良い。
10:40〜45 大日尾根中途
ハイマツ帯の中をゆるゆると高度を稼ぐ。別山乗越に建つ剣御前小屋が,はるか遠くに見え隠れするのがかえって辛い。室堂で汲んだ玉殿の泉の水がおいしい。
11:45〜12:15 別山乗越
やっとこさ別山乗越に到着。一人雷鳥沢を詰めた配偶者も5分遅れで合流。ここで恒例の剣御前小屋のホットココアを飲み,疲れを癒す。疲れの見え始めていた宮内君もホット息を吹き返す。いつも顔を覗かせる剣岳は今日はご機嫌斜め。顔を見せない。
別山乗越には結構多くの登山者が休憩していた。剣沢のテント場にも色鮮やかなテントがいく張も張られていた。
12:45〜13:45 クロユリノコル手前のガレ場
別山乗越から剣沢への道を分けて剣山荘(けんざんそう)へと向かう。例年より雪渓の残り雪が多い。剣岳は相変わらず顔を見せないが,三田平のテン場や剣沢の小屋が良く見える。途中からは眼下に剣山荘も見え始め,意気が上がる。しかし,剣山荘への分岐点をやり過ごしてクロユリノコル(この巻き道・トラバース道と剣本峰へと続く別山尾根との合流点のコル)へと向かう。クロユリノコル手前,剣山荘を眼下に望むガレ場で大休止。配偶者は一足先に剣山荘に向かい,今夜の寝所を確保する。客が多いらしい。
14:00 剣山荘(標高2470m)
剣山荘到着。さっそく小屋のおごりの生ビールで乾杯する。寝る場所も何とか確保できた。この週末は登山者でいっぱいになるとの事。何とか滑り込んだ感じ。夕飯は5時から。それまで一寝入りする。シャワーを浴びて疲れを癒す者もいた。
小屋の夕食はトンカツでなんだか豪華。飯をお替りする。配偶者の情報によると,小屋の親父さんが入院して今期は入山しなかったらしい。小屋も新しくなったばかりだし,何とか無事に乗り切ってもらいたい。小屋名物の親父さんの館内放送が聴けなくて残念だった。
明日は3時半起きの4時出発ということにしてまた眠りに落ちる。よく寝た。
夜中に天気の様子を見に外に出たが,いつもながら星空がすばらしい。カシオペア座や夏の大十字が漆黒の空に鮮やかに光っている。どの惑星なのか,異常に大きな光の玉が南の空を占拠していた。例年よりなんだか暖かく感ずるが,明日の天気は申し分なさそう。
(8月21日)
03:30 起床
相部屋(部屋名りんどう:ベッド式8人部屋。上段4人・下段4人)の4人家族(ベッドの下段を占拠)はまだ寝ていたが,廊下には早立ちの宿泊者であふれていた。
03:55 剣山荘出発
ヘッドランプをつけ,剣岳本峰を目指し剣山荘を出発。剣沢小屋からのツアーグループ(およそ20人くらい)の尻に着く。ツアーグループが一服剣(標高2618m)で朝食を始めたので,一服剣を乗越した武蔵のコルで休憩とする。
04:35〜40 武蔵のコル(標高2580m)
後ろ立山連峰の稜線も明るさを増し,いよいよ夜が明けた。頭に付けていたヘッドランプをしまう。これから目指す前剣の大岩が姿を現し始める。
05:22〜30 前剣ピーク(標高2813m)
前剣のガレ場,大岩を過ぎ,前剣のピークに到着。剣岳本峰の大岩峰が頭上にそびえる。ここで老人の3人パーティーに遭遇する。一人がリードするがこの人ももう60は過ぎている。赤いトレーナーをはいたおばあちゃんが最高齢に見えるが、この人がパーティーの主役。声が大きいし,なかなか元気。もう一人のおじいちゃんはおばあちゃんの配偶者にも見えるが,そうでないのかもしれない。この人も元気。ぼくらより元気。
06:15〜25 平蔵のコル(標高2850m:カニノタテバイ直下)
前剣の稜線を越え,前剣の門の高度感あふれる鎖場のトラバースへ。2つの岩峰に掛けられた細い鉄足場の橋に足がすくむ。2890m岩峰の裾を巻いて平蔵のコルへ。これから向かうカニノタテバイがよく見える。先行するパーティーが取り付いている。先ほどの年寄り3人パーティーが掛け声とともによじ登ってゆく。薄暗い谷間に響く大声が緊張した心を開放的にしてゆく。
06:55〜07:20 剣岳山頂(標高2999m)
緊張感の中にも快適にタテバイを抜け、足場の悪い急登をひたすら山頂へと向かう。早月尾根との合流点で稜線に出て、大岩の並ぶルートをあえぎあえぎ詰めたところが剣岳山頂。雄山神社の新しい祠が立つ。その前で登頂達成の握手。山頂からは視界をさえぎるものがなく360°の展望が開ける。足元の八つ峯や後立山連峰、白馬・五竜・鹿島槍、はるか離れて槍ヶ岳、穂高も見える。ピラミダルな笠ヶ岳が印象的。白山・八ヶ岳それに富士山までも一望の下。今日はきわめて展望がよい。宮内君の所望でロッククライミングのメッカ、チンネの岩壁を教える。
08:05〜15 2890m峰
早月尾根の取り付きまで戻り、下山コースをカニノヨコバイへ。カニノヨコバイは高度感はあるが、最初の一歩を間違わなければ足場がしっかりしており楽勝。その後の長い梯子のほうが怖いかも。平蔵のコルで登りコースのカニノタテバイを覗くと、順番待ちの長い渋滞の列ができていた。朝早く山小屋を出て正解。前剣の門前の平坦地2890m峰で休憩。いま出てきた剣のピークがでかい。
08:50〜55 前剣の大岩
前剣のピークを越え、大岩の鎖場へ。ここからの下りが足場が悪い。疲れも出るところで、事故も起きている。ここで年寄り3人組に追い抜かれる。彼らは強い。
09:20〜30 一服剣
前剣の下りを無事通過し、登り返して一服剣へ。この登りが疲れた身体にちょっと辛い。ピークから戻るべき剣山荘が目と鼻先に見える。小屋に帰ったらカレーを食べようと下り始める。
09:45〜10:30 剣山荘
剣山荘でゆっくり朝を迎えた配偶者は、小屋での朝食後、おばさんと世間話をして、06:30ころ室堂へ向けて出発したという。わたしたちは食堂で約束のカレーを食することにする。ここに老人3人組が帰ってくる。なんと主役のおばあさんは76歳だという。チームをリードしていたおじさんが「俺は75歳で剣に登れるだろうか?」と頭を抱え込んでいた。おいしいカレーをぺろりと平らげた後、小屋に残していた荷物をザックに詰めなおして、室堂目指して出発。
11:00〜05 別山乗越への巻き道1
入山した登山道を忠実にたどって別山乗越へ向かう。あれだけ機嫌のよかった剣も、クロユリノコルでは顔を見せてくれなかった。名残を惜しみながら、剣山荘の見える最後の尾根の曲がり角で休憩。
11:30〜37 別山乗越への巻き道2
よく残った雪の感触を味わいながら雪渓をトラバースする。いつになく水量の多い沢で休憩。水が冷たくておいしい。
12:00〜15 剣御前小屋
やっと御前小屋に到着。お定まりのホットココアをまず飲む。宮内君は手ぬぐいを買っていた。ここでまたあの老人3人組登場。おばあちゃんはここでも缶ビールをぐいぐい飲んでいる。まさにスーパーばあちゃん。
ここからの下りは入山時と違って雷鳥沢の下りとする。違うコースを歩くのもまた勉強。
13:10〜20 雷鳥沢出会い
疲れた身体に鞭打ちながら、快調に飛ばす。少し距離はあったが一気に雷鳥沢の出会いまで駆け降りる。日差しが強く皮膚をひりひり焼き付ける。ここから地獄谷の登りが待っている。
14:00〜05 ミクリが池
地獄谷のガスはいっそう激しくなっていて、ガスを吸い込むとせきが止まらなくなる。その索道が結構長い。ミクリが池への登りの階段はいったい何段あるのだろう?とてつもなく疲れる。最後のあがき。ミクリが池ほとりのベンチで最後の休息。
14:18 玉殿の泉
ミクリが池の先にも階段はあるがもうたいしたことはない。最後のゆるい階段を上ったところで配偶者が待っていた。ここで合流。バスターミナル前の玉殿の泉で山歩きは終了。大量の湧水をペットボトルに詰めて、扇沢に向け、アルペンルート上の人となる。
17:30 大町温泉郷 ニュー河内屋
室堂よりトローリバスで大観峰。ここからは黒部第4ダムが一望できる。大観峰からロープウェイ、ケーブルを乗り継いでダムサイト。ダムサイトからトローリバスで扇沢へ。
扇沢から信濃大町まで乗り合いバスがあるが、温泉宿が取れたので一気にタクシーで乗り付ける。アルプスの温泉につかりながら大反省会を催した。
(文責:河津)

(2010.08.21.0630AM 剣岳カニノタテバイを攀じ登る宮内君と中島君
撮影者・河津)
剱に登って帰ってきた。登頂成功。バッキバキの岩の塊。男性的な山?ロマンチック。映像的な山でもある。写真を沢山撮った。ほとんどモノクロで。考えてる余裕はないからバシバシ撮るしかない。三脚もっていった。天気がすごい。これ以上ない天気。天気が悪ければ登れない。登れるかどうか、何かあるかもしれない。登頂は五分五分だと思っていた。室堂、地獄谷、雷鳥沢、別山乗越、名前もだんだん憶えていく。雪がある。緑がすごい色。ガレ道の音。山の肌に惹かれた。写真に写っていて欲しい。感動した。信じられない景色の中に自分がいる。ずっと不思議な感じがした。剱を登っていて岩にはりついている。垂直の壁。横に巻いていくのをトラバースという。思っていたほど恐怖はない、が踏み外したら死ぬよ。登りでふくらはぎに負担をかけすぎたようだ。下りは筋肉が疲労していって、なるほど、こうしてふらっと踏み外して事故がおきるのだな。剱を目に焼きつけながら下りていく。すごい、信じられん。きつかった。じりじりと、体を使い尽くしていく。気持ちいい。飯がうまいよ!ホットココア、うまい棒、ドライマンゴー、ジャーキー、ビール!カレー!風が、ない!すごい日差し。つめたい水がやわらかくてうまい。こないだまでは「登ったことない人」だったけど、今は「登ったことある人」になった。ポンっと印がついた。もったいぶることもできる。後ろのほうで恥ずかしそうに小さく手を挙げて、ボソっと「あの、はぁ、剱ですよね?登ったことありますけど。」みたいに。それくらいがちょうど良い。また来ると思う。それは間違いない。早月尾根もすごそうだし、立山を縦走してもいい。剱の頂からは八ヶ岳や槍ヶ岳も見えたし、その先には富士山も見えたし、他にも沢山の山が途方もなく広がっていた。世界がつながっていく実感がある。蓋が開いたようだ。河津先生、泰子さんには大変お世話になりました。すばらしい経験ができたことを重ね重ね感謝致します。
(文責:中島)
最高でした剣岳。天候にも恵まれて、山頂に上ったときにはものすごい景色。見通しよく、360度に日本アルプスの山々。遠くの方に富士山までもを見ることが出来た。この山行はまた違う世界が見えたようでとってもうれしい。山のスケールの大きさを感じさせられた。日が昇ってきて、武蔵のコル辺りで見た剣岳の影。そんな遠くまで届くの?という場所まで届いていた。初めて見た。影を上から見下ろす感覚は面白かった。地上から見るよりも、登ってる最中よりも、山頂に着いた時よりも山の大きさというものを見た瞬間だった。室堂からの登山道には高木がない。視野が広い。上も下も右も左も見える。歩いている時は一生懸命に目の前しか見ていない。ふとしたときに目の前の山が怖くなる。そんな時、左右を見ると大らかに連なる山々、下をみるとなだらかに広がる尾根。どこまでも続いているんだろうと思うと、今居る場所はとってもちっちゃい部分でへっちゃらになった。敵わない大きさ、かっこよかった。
3000M級の山、山小屋、7kgのザック、ヘッドライト、10時間以上の歩行、初めてのことばかりの山行で不安もあったが、酸欠、ホットココア、スーパーばあちゃん、流れ星、雷鳥、山にいる時間が長い程、新しく得られた物はたくさんあった。なんだかランクアップしたみたいに感じた。
素晴らしい体験をさせて下さいました河津先生・奥様には心から感謝致します。
(ホットココアの魔法にはびっくりしました!)
ありがとうございました。
(文責:宮内)

(1.剣御前から室堂方面)

(2.別山乗越から剣山荘へ雪渓を歩く)

(3.カニノヨコバイを越えたところの梯子)

(4.カニノタテバイと剣岳頂)

(5.剣岳山頂にて)
2010年度 (4)鷹ノ巣山 7月17日〈土〉晴
参加メンバー:田島(4年生)・河津
当初予定していた18日(日曜日)に仕事が入ったので,急遽17日(土曜日)に変更して,奥多摩,鷹ノ巣山に登ってきた。土曜日より日曜日のほうが良かったという者が多いだろうという予想通り,参加者は4年生の田島君1人だけだった。彼女も卒業研究の発表前で忙しいだろうに,追い込まれた自身をリフレッシュすべく,蛮勇を払っての参加だった。下山後そのまま実習棟へ戻ったと聞く。
鷹ノ巣山にはいくつかのルートが通っているが,今回は,峰谷〜浅間尾根〜鷹ノ巣山〜榧ノ木尾根〜倉戸口のコースを取った。鷹ノ巣山は標高1736.6m,日原より登る稲村岩コースより少しだけ楽な登り。いままでの山歩きが入門編だとすると,中級編になる。
梅雨明け宣言のあくる日で快晴の,気温の高い,大汗の山行になった。
07:50 JR奥多摩駅発峰谷行きバス(07:17田島君と同じ電車で到着。バスの発車までのんびりと身支度を整える。小菅行き・日原行きと続けざまにバスが出て,多くの登山者が乗り込んで行った。八峰行き乗客は少ない)
08:22 峰谷(3,4組のパーティーが降りたが,いずれも同じコースを登るものと思われる。早速,峰谷沿いの車道を奥集落へと向かう。茂窪沢が合流する三沢で山道に入る。集落を結ぶ旧道が,アスファルトの車道へと変わった際に取り残された山道で,趣がある)
09:17 浅間尾根取り付き(奥集落手前でいったん車道に出る。ショートカットの旧道が見つかりにくいが,やがて鷹ノ巣山への道標が現れ,浅間神社への参道入り口で一本入れる。暑い)
10:00 浅間尾根中途(山腹をまく参道がやがて尾根に出て,浅間神社へとじきに到着。浅間神社には小祠が覆屋に覆われて3つ建っている。それから尾根上の急登が続く。急登の途中で休憩)
10:55 鷹ノ巣避難小屋水場(やがて尾根道は平坦となり,前半の急登がうそのような穏やかな登りとなる。突然ガサガサと木が揺れる。獣の声も聞こえる。一瞬緊張が走る。こちらの存在をアピールするため大きな声を上げてみる。しかし変わりがない。4,5度ほど繰り返す。幸いイノシシでも,シカでも,熊でもなく,結局サルの群れだった。安堵した。緩い登りに距離を稼いで,左に山腹を絡むように下ると水場に着く。水量は豊富。とても冷たい山水だった)
11:12 鷹ノ巣避難小屋(水場から避難小屋まで一登り。トイレあり)
11:32 鷹ノ巣山山頂(避難小屋から尾根上の防火帯の急登を15分で山頂に出る。ここで昼食。稲村岩から人がポツリポツリと登ってくる。山頂にはガスがかかり始め,展望は望めない。いま登ってきた浅間尾根と,いまから下ってゆく榧ノ木尾根がガスの合間から時々顔を出す。田島君の調子はすこぶるいい。サルのときはさすがに緊張していたけど)
12:45 榧ノ木尾根〈榧ノ木山頂手前〉(12:03に鷹ノ巣山頂出発。石尾根を奥多摩駅に向かって下る。途中から榧ノ木尾根へと分岐。さらに水根沢への分岐を経て,榧ノ木山へ。下るにつれて唐松林,杉林,広葉林と木々が変化する。それにしたがって蝉の声も変わる。上からエゾゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシの順だった。時間帯のせいもあるかもしれない。急な下りが続くが,少し平らに開けたところで休憩。榧ノ木尾根は林相の面白いところとして好きなコースだが,日の光の透ける東の葉裏やそれを反射する西の葉表が見せる木々の様相は見ていて飽きることがない。また尾根上の山道も細い馬の背状の箇所あり,迷うような広い尾根ありとこちらも変化に富む。)
13:30 倉戸山山頂(大きな栗の木が林立する広い山頂。「熊出現」の文字が躍る。下界は近い)
14:12 奥多摩湖の見える山道(次にはバス停に着いてしまう。山のにおいの最後を味わうために小休止。濃い緑の奥多摩湖の湖面が見える)
14:35 倉戸口バス停(集落に出る直前の神社に無事を感謝し,車道に出る。今日の山行もここで終了。14:46の奥多摩駅行きのバスを待ちながら,今日の山登りを反芻する。)
今日の花:山中,いたるところで笹の花が咲いていた。めったに咲かないはずだが,確か数年前に咲いたばかり。よく観察してみると,前に咲いた笹はみな枯れている。そのとき花を咲かせずに生き残った笹が咲いていることがわかった。少ない数だがあちこちに見られたので,笹の生き残り作戦のひとつかもしれない。
山道には夏椿の花がたくさん落ちていた。ホタルブクロはもう終わっていたが,山百合や二輪草はつぼみをつけ,これから咲くところ。タマアジサイもまだのようだった。さあ次回はどこへ行こうか?(次回は10月3日の予定)
(文責:河津)

(笹の花 撮影者:河津)
2010年度 (3)高水三山 6月20日〈日〉曇り
参加メンバー:中島・宮内・山中・河津
今年はどういうわけか高尾山(4月)御嶽山(5月)高水三山(6月)と入門山行が続いている。今回の高水三山も標高が800mに届かず、行動時間も4時間半と手ごろで、初心者向けに用意したものだが、すでにそこを卒業した経験者だけが集まった。山歩きは面白いんだけどなあ。梅雨に入り雨を覚悟していたが、思わぬ晴れ間に恵まれた。ただ湿度100%で気温も高く、汗だくの山行となった。
08:40 奥多摩JR軍畑駅(駅前にはホタルブクロ、ジュウヤク、ヒメシャラが咲いている。中島・山中両君が同じ電車で到着するが、宮内君は遅れてくるとのこと)
09:02 高源寺(平溝川ぞいに登山口に向かうが、川のせせらぎが心地よい。釣糸を垂れている者もいる。川遊びも面白そう)
09:35 6合目標石(高校の山岳部らしい一行16人がにぎやかに休憩している。山腹のここまでの山道が、梅雨の靄がかかって静かな落ち着いた空気に包まれていただけにちょっと違和感があったが、若い人が山に登るのはいい。小学生や先生たちも混じっていた)
10:05 常福院(山頂直下の本堂。江戸中期の都重宝。30年前に調査に訪れたが彫刻の色彩などしっかり残っていた)
10:40 岩茸石山直下のコル(高水山の頂上を過ぎ一路岩茸山へと向かう。高水山の頂上付近には大きな岩が多い)
10:55 岩茸石山(793m)山頂(岩茸石山の山頂付近も露岩が顔を出す。本日の最高峰。大きな川苔山も雲の中に顔を出し、ここで昼食とする。そこへ遅れて宮内君が到着する。われわれもずいぶんのんびり登ってきたが、早い到着にみなびっくり。いよいよ大休止となる。エゴノキのような小さな白い花がたくさん散っていた。リョウブの花とも思ったがオトコヨウゾメかも)
12:05 惣岳山山頂(山頂には式内社の青渭神社本殿が建つ。幕末のものだがこれも以前に調査したことがある。山頂広場では高校生の一団がカレーを作っていた。)
12:35 下山路(山中最後の休憩とて、見晴らしのよい尾根上で休憩を取る。下界の車の音がよく届き、もう下りてしまうのかとなんだか寂しい気持ちになる。外人の一団が登ってくる)
13:15 御嶽駅(下山路はまっすぐに御嶽駅へと向かい、駅の真裏に下り立つ。今日は汗をびっしょりかいたので風呂に入ろうとガイドブックにあった五州園を探すも見つからず。あきらめて東峰園=中華料理店で反省会を開くこととする)
今日の花:ホタルブクロ・ドクダミ・ユキノシタ・コアジサイ・ウツギ・クサノオウ・ビヨウヤナギ・マタタビの白い葉・キイチゴの実
(文責:河津)
ほぼ半年振りの参加は、梅雨の高水三山。高水三山とはなんだか立派な響きだが、JR軍畑の駅からバスに乗らずにそのまま歩いて登山道に入れ、帰りは御嶽駅にそのまま降りれるお手軽コース。初体験。カメラはここ半年使い続けていたデジタル一眼ではなく、ニコンのフィルムのマニュアルFM2。フィルムは少し迷ってモノクロを装填。デジイチに比べて小さく体にフィットするので山にはやはりこのカメラか。すごい湿気のモヤモヤ風景をバシバシ撮った。このカメラは歩くとストラップの金具がボディに擦れるカチャカチャという音がとても好き。兵隊が銃を持って移動するときのカチャカチャ音や、鎧を着た兵隊のカチャカチャ音と同じで、昔からあの音に癒されている。確かに山を歩いていると映画とかで観る戦争のシーンとダブったりすることがある。とくにこれだけの湿気で汗をかきまくると必ずといっていいほど「地獄の黙示録」のベトナムのジャングルを思い浮かべる。終わりのみえない戦争の途方もなさで朦朧とした体に、強烈な湿気で死臭の含んだ汗がべっとりとまとわりついてくる感じにゾクゾクしながら、ハアハアいってゼエゼエ登っていく(久しぶりでキツかった)。岩茸石山山頂では、ハエやハチがブンブンとんで、気分を盛り上げる。北側に、雲間から顔を覗かせた川乗山がでかくてかっこ良かった。それはそうと、御岳駅に着いた直後に小さなカニをみつけて、とても癒された。なんてかわいいんだろう。
その後、御岳駅でたっぷり反省会。汗をビールでとりかえす。
ありがとうございました!
写真は現像でき次第ここにアップします。
今回憶えた木:栗の木
(文責:中島)
2010年度 (2)御嶽山・日の出山・つるつる温泉 5月16日〈日〉晴れ
参加メンバー:
伊藤先生・大陽(ひろあき君・小学2年生)・手塚・山田・小松(以上スタッフ)・河津 以上6名
4月山行の高尾山に引き続き山歩き入門コースを設定しました。ケーブルで登る御嶽神社を歩きで登り、日の出山を経てつるつる温泉に入ろうというものです。コース設定を入門コースにしましたので、伊藤先生やそのお子さん、スタッフの山田さんが初参加してくれました。スタッフの手塚さんは丹沢の山以来久しぶりの参加です。お天気にも恵まれさわやかな山行となりました。
08:15 青梅線御嶽駅(珍しい人たちの顔を見てびっくり。08:30集合としていたので、08:40発のバスまで待つこととする。駅前の多摩川に掛かる御嶽橋の上で清流の眺めを楽しむ。山には山藤の花が鮮やか。)
08:40 御嶽駅(ケーブル下行のバスで出発。結局総勢6名)
08:45 ケーブル下(ケーブルに乗る登山客を尻目にアスファルト道を歩き始める)
09:20 大曲(古い表参道で「ろくろっ首」などの名が残るが、その大曲の先で休憩。小さな山野草の花がいっぱい)
09:50 ケーブル参道との出会い(大きな杉が表参道を覆っている)
10:15 御嶽神社(門前の茶屋を過ぎ御嶽神社本殿へ。多くの参拝客でにぎわう)
10:55 御岳山と日の出山とのコル(本日最後の登りであるため、勿体つけて小休止)
11:15 日の出山頂(本日の登り終了。昼食。御嶽奥の院や大岳山、鷹巣山などが見える。
都心方面に白いドームが見えるが何かは不明。見晴らしがよければツリータワーも見えるという)
12:10 つるつる温泉への下りの途中(谷の見える山道で休憩。すぐに下界となるので山の空気の最後の名残を味わう)
12:50 つるつる温泉(山道からアスファルト道へ出て、15分ほどでつるつる温泉。まだ早い時間だったので楽に入浴ができた。別名美人の湯ということで山田・手塚両君喜ぶ。入浴後、反省会。つるつる豆腐・わさびがうまかった)
14:15 つるつる温泉(馬車を思わせるようなトレーナーバスで五日市駅へ。この時間ともなると、つるつる温泉は入場整理券が配られるほど入浴客が増えていた。五日市駅からはホリデー快速で一路都心へ)
ハイキング並みの山行でしたが初夏の山を十分に楽しむことができました。次回6月山行も入門コースを設定しました。奥多摩高水三山コースです。足慣らしをしたい方どうぞご参加ください。お待ちしています。(今日の山野草)二輪草・稚児ユリ・モミジイチゴ・ホウチャクソウ・ムラサキケマン・キケマン・シャガ・テンナンショウ・ラショウモンカズラ・ネコノメ・山藤・ミズキなど
(文責:河津)
山行5日前にルートを伺い、これはチャンスと子連れでの参加を思い立ちました。心配していた天候にも恵まれ、握り飯をリュックに詰めての参加です。
当初様子を探っていた子どもは、私が最後尾にいても常時列の2番手3番手をキープ。同行者皆さんの気遣いのおかげで、すっかり安心しきっていました。反省会では、人一倍の食欲を見せたのち、小松氏の肩によじ登る始末。帰路ぐっすり寝て体力を回復したのか、元気さをアピールしたさに地下鉄一駅分を歩くことに...。帰宅後は、河津先生に教えていただいた山野草やスギ・ヒノキの葉について日記に記しながら、「鳥のことは知らないんだよ」と報告していました。
今回は大変お世話になりました。ありがとうございました。
(文責:伊藤)

(日の出山下山時の撮影 撮影者・伊藤)
とうとう初参加。
散々悩んだあげく、自分を追い込むためにリュックを購入し、参加を決意しました。
私たちが来たことにビックリの河津先生の顔を見て、まずは来てよっかった。
バスを降りてからいきなりの急な坂道に、来てしまったことに少々不安にはなったが、緑の中を歩くのは心地よかった。
つるつる温泉もよかった。
朝早く起きて、登山して、温泉入って、明るいうちに家に着く。
とても充実した1日を過ごせました。(文責:山田)

(日の出山の三角点を二人でタッチ 撮影者・小松)
8年前に先生と丹沢へ山登りをして、体中が本当にひどい筋肉痛に襲われて以来、私の山登りは休止中でした。あの時、もう二度と登らないと思っていたのですが(笑)
超初級編と聞いて、今回は山登りへのリベンジをすることにしました。
御岳山のロープウェイを横目に登山道へと入り、いきなり急な上り坂が現れたときは、やっぱり来るんじゃなかったと少し思いましたが、標高が上がるにつれて空気が澄んできてきれいな鳥のさえずりや、新緑の木立が地上では味わえないなんとも心地の良い体験でした。
やはり、黙々と斜面を登り続けるあの自分を追い込む感覚が8年前を思い出させ、山登りとはこういう事の積み重ねなのだなと改めて思いました。
今回はつるつる温泉のご褒美付きだったので、山での開放感とお肌のつるつるをゲットして本当に充実した一日でした。また登ってみようかなと思えたのが今日の一番の収穫だと思います。
みなさん、ありがとうございました。
(文責:手塚)
今回の山は、温泉付きのハイキングコース。新しいメンバーを歓迎しているかのような晴天に恵まれました。出だしの登りはアスファルト道(御岳山山頂まで)。足の負担が大きく、短い登り時間にもかかわらず、日の出山山頂に着いたころにはかなり疲れました。お昼を食べて、いざ温泉へ。久々の湯船につかりながら、足をマッサージ。をしましたが、次の日には筋肉痛。
日ごろの運動不足が如実に現れ始めたと感じた1日でした。
(文責:小松)
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2010年度 (1)高尾山 4月29日〈木〉昭和の日 曇りのち晴れ
参加メンバー:
河津・小松(スタッフ)・山中・奥村(卒業生)
田中葉月・八谷・宮下・田島・新井・森田・渡辺美佳(4年生)
浦野・坂巻・塩田・杉村・中島・西本・久川・宮田・山本明由・山本祥子・李
(1年Aクラス)
新入生Aクラス恒例のクラス会(高尾山のイカリソウスケッチ)を今年も挙行した。この山行を今年度の1回目の山岳部の山行としたところ、卒業生や4年生など多数参加してくれて、過去最高の総勢24人の山登りとなった。すごかった。
午前中は雨もぱらぱら降っていたが午後からは晴れて夏のような気候となった。
09:00 京王線高尾山口駅(連休初日とあって人出が多い。1年生は1人が欠席)
09:20 ケーブル清滝駅(スタンプを押していよいよ出発)
09:37 琵琶滝(いつもの6号路を使う。スタンプ)
10:17 稲荷山コースとの合流点(途中雨が降ってきた。このまま城山へと向かい、高尾山ピークはパスする)
10:55 一丁平(トイレ休憩。みな順調)
11:15 小仏城山(スタンプを押し、三々五々昼食。風が吹き身体が冷えてくる。)
11:45 城山を出発
12:45 高尾山頂(途中一丁平でイカリソウのスケッチをして高尾山頂へ。山頂にはゴマンと人が集まっていた。人に疲れる。スタンプ)
14:20 清滝ケーブル駅前(薬王院・高尾ケーブル駅でスタンプを押しながら、一路登山口へ下山。走って降りるもの、逆さ歩きを試してみるもの、ここまでくると疲労度も人それぞれ。何とか全員無事下りつく。全員でクラス会)
(今日の草花)イカリソウ・二輪草・稚児ユリ・モミジイチゴ・ヤマルリソウ・山桜・山吹・すみれ・黄スミレ・天南草・アオキの花・モクレン・ムラサキケマン・キケマン・シャガなど多くの花を見ることができた。(文責:河津)
久々の山登り。城山までの登山時に雨が降り始める。この雨と、前日までの雨で足元が悪く、スニーカーといえども悪戦苦闘している子達もいた。
城山頂上でのお昼。雨はあがったが、風が強い。体がだんだん冷えてくる。
お昼を食べて下山。木漏れ日が気持ちよく、足取りが軽い。
高尾山頂上では、大勢の人がお昼や景色を楽しんでいた。人ごみを抜けながらの下山は体力を消耗した。
無事下山したら、いつものお店で乾杯。一汗掻いた後のビールは格別。
また遊びにでも行こう。(文責:小松)

(城山頂上付近での撮影。 撮影者:小松)
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