このたび、日本民法学の第一人者である故・星野 英一博士(東京大学名誉教授)の旧蔵書約170冊が、本学有明図書館に寄贈されました。
これらの蔵書は、星野博士が博士論文の指導教授を務められた二宮 正人教授(ブラジル・サンパウロ大学、本学客員教授)が、星野博士の蔵書約4800冊を引き受けられ、サンパウロ大学図書館に収蔵することになったもののうちの一部です。
約4800冊のうち、明治期の民法編纂関係を中心とした特に貴重な和書約170冊を、星野博士の奥様である星野 美賀子様と二宮教授のご厚意により、「日本で研究に役立ててほしい」とのご意向で、池田 眞朗名誉教授(本学法学研究所顧問)を介して本学へ寄贈いただく運びとなりました。
寄贈された蔵書は、明治初期のフランス法の翻訳書やボワソナード旧民法の解説書をはじめ、明治民法の三起草委員(穂積 陳重、富井 政章、梅 謙次郎)の著書や講義録を中心とした明治期の民法編纂関係資料のコレクションで、国内の大学図書館でも数少ない充実した蔵書となります。
寄贈にあたって、2024年12月9日に星野 美賀子様と二宮教授が来学され、一ノ瀬 正樹図書館長より謝辞が述べられました。
寄贈された蔵書は現在、有明図書館1階の特別書架に展示されています。


なお、寄贈の経緯詳細については、池田 眞朗名誉教授の論考「穂積陳重『法典論』(星野英一先生蔵書)を読む—民法典論争再考(上・下)」(書斎の窓[有斐閣]2024年11月号・2025年1月号)に掲載されています。