7月23日、24日にかけて有明・武蔵野の両キャンパスにて「インクルーシブ・ダイアローグ」を開催しました。

インクルーシブ・ダイアローグとは
インクルーシブ・ダイアローグは、よりよい地域社会、コミュニティ、大学組織を考えるために、インクルージョンの観点を含んだテーマを決め、参加者がゆるやかに対話・おしゃべりをする取り組みです。
本学では「しあわせ研究」の一環として開催し、今回は「オールジェンダートイレの在り方について」をテーマに開催しました。
(研究題目:インクルーシブな社会を実現するための対話の場の創出に関する実践的研究(Inclusive Campus/Community Project:ICP)-障がい者・外国籍者等マイノリティの社会参加の実現に向けて-、研究代表者:神吉 宇一、共同研究者:明石 修・木下 大生・清水 潤子・友田 奈津美・渡辺 裕一)
現在本学では、創立100周年記念プロジェクトとして進められる武蔵野キャンパスの図書館の建て替えに伴い、障がいに対する配慮だけでなく、性の多様性にも配慮した「バリアフリーなトイレ」と「オールジェンダートイレ」の設置を検討しています。工学部建築デザイン学科・工学研究科、人間科学部社会福祉学科の協力のもと、オールジェンダートイレの導入に対する学生の意見を収集することを目的に、今回のインクルーシブ・ダイア―ログを開催しました。
23日は武蔵野キャンパス2号館前の広場にて、24日は有明キャンパス5号館一階の学生ホールにて行いました。
それぞれ実際の間取り(案)を工学部建築デザイン学科及び工学研究科の学生たちが再現し、空間の使用感などを体験できる空間が設けられ、いただいた意見をもとにその場で動かしながらより良い空間作りが行えるように工夫しました。


再現空間の横には他にも建築家による複数のデザイン案や企業・教育機関などでの導入事例を展示。工学部の学生たちによる説明や質疑応答なども行われ、参加者が賛成/反対という縦軸と、安心/不安という横軸の掛け合わせで、今自分たちがどのように考えているかについてシールを貼って視覚化するグラフと、匿名意見をポストイットで貼りつけられるスペースが設けられました。
また、QRコードからアクセスできるフォームでもご意見を集められるようにも配慮しました。


当日は猛暑のなかにもかかわらず、両キャンパスとも多くの学生が参加し、150件を超える貴重なご意見・感想が寄せられました。


コメント

神吉 宇一 教授
(グローバル学部 日本語コミュニケーション学科)
シールの分布を見ると、意見として多かったのは「賛成だけど不安」というものでした。
実際にシールを貼った学生たちに聞いたところ、トー横でのオールジェンダートイレのニュースを聞いたり、実際にそこに行ってみたりしたら警備員がたくさんいて物々しい雰囲気だったことなどから、不安を感じるという意見が複数ありました。
また、性的な多様性についての理解や認識にかなり個人差があるというのも強く感じました。
この結果は、次回の「インクルーシブダイアローグ」のテーマとして、さらに掘り下げて議論し、すべての人が自分らしくいられる大学キャンパス・コミュニティのあり方について、引き続き考えていきたいと思っています。