5月8日、法学部政治学科 中村宏毅ゼミの3年生が外務省外交史料館を訪問し、常設展のほか特別展である「貴重史料から浮かび上がる吉田茂像」(吉田茂展)を見学しました。
この吉田茂展は、外務省外交史料館展示室が2024年4月に麻布台ヒルズの森JPタワー5階に移転し、2025年4月にリニューアルオープン1周年を迎えたことを記念して、5月末まで開催されています。


中村ゼミでは、アフリカをメインフィールドにしつつも、国際関係や外交政策を幅広く研究しており、今回の史料館訪問はゼミでの研究活動の一環として実施したものです。訪問当日は、外務省外交史料館の浜岡 鷹行主査から常設展と吉田茂展について館内ツアーを実施していただきました。
常設展では幕末と明治時代前期の貴重な資料の複製を見学し、不平等条約撤廃に向けた交渉の過程などの説明を受けました。また、戦後米国に押収され、通し番号が振られた公電も見学しました。

吉田茂展では、大磯の旧吉田邸から特別に貸し出された書簡を貼り付けたついたてや直筆の手紙などを見学しました。また、吉田 茂氏が使用していたステッキや葉巻ケースを目にし、同氏の人物像についても理解を深めました。浜岡主査からは、吉田 茂氏が裕福な出自で、愛犬家であったことをお話しいただきました。
また、サンフランシスコ講和会議で吉田 茂氏が読み上げた受諾演説が書かれた巻紙も見学しました。それが外国人には奇異に映り「トイレットペーパーのようだ」と言われたことや、直前まで修正が行われたので書き込みの跡が残っていることなどの説明を受けました。
訪問後、学生からは、「条約については勉強してある程度知っていたが、実際にそれがどのように書かれているか、どのように保存されているかを見ることができて、とても興味深かった」などの感想が寄せられました。
◆担当教員コメント

中村 宏毅 准教授 (法学部 政治学科)
「百聞は、一見にしかず」で、実際に足を運び、実物を見ることはとても重要な体験です。
外務省外交史料館の方々、特に浜岡主査に深く感謝申し上げます。