法学部政治学科「選挙特殊研究2」(担当:山﨑 新講師・髙橋 侑生講師)の受講生7名が、2025年6月22日に実施された東京都議会議員選挙および同年7月20日の参議院議員選挙において、開票所での選挙事務を体験しました。本授業は、2014年に江東区選挙管理委員会と締結した「選挙連携事業に関する協定」に基づき開講されており、今回も同委員会より多大なご支援・ご協力をいただきました。
選挙事務体験は、江東区選挙管理委員会が開票所を設置した深川スポーツセンター(6月22日)およびホテルイースト21東京(7月20日)にて行われました。参加学生は開票開始の約1時間前に集合し、区職員の指示のもと、約2時間にわたり補助業務を担当しました。具体的には、班に分かれてタクシーで運ばれてきた投票箱や関連物品を運搬する業務や、投票用紙を取り出して空になった投票箱を片づける業務などを行いました。
2025年度前期の「選挙特殊研究2」では、選挙をテーマとした研究論文の講読や、グループごとの実証研究デザインに取り組んできました。加えて、本授業では学外の現場に出向き、選挙に関する理解を多角的に深める活動も重視しています。そうした活動の一環として、今回の選挙事務体験は、公正な選挙運営のために多くの市民や公務員が文字通り汗を流していることを実感できる貴重な機会となりました。さらに選挙後の7月30日には江東区役所の選挙管理委員会室を訪問し、選挙事務に関するお話を伺うとともに、物品が格納されている倉庫を見学するなど、一層の学びを得る機会にも恵まれました。
コメント
■参加学生の声(一部抜粋)
- 「普段は関わることのない選挙事務に、職員の皆さまとともに携わらせていただき、選挙の仕組みや流れを間近で感じることができました。」
- 「開票事務は、開票の作業だけではなく投票所物品の搬入作業など多岐にわたる事を知りました。」
- 「今回の選挙事務では、投票箱の搬入補助や機材の撤収など、予想以上に体力を使う作業が多く、非常に大変でした。」
- 「普段は意識しづらいですが、選挙を支える裏方の仕事の重要性を強く認識しました。現場の雰囲気を肌で感じ責任感とやりがいを得られました。」
- 「選挙事務に実際に関わったからこそ見えた『選挙の裏側』は、自分の中で選挙や政治への関心をより深めるきっかけになりました。」
- 「緊張感と責任感に満ちた空気は、まさに『政治が動いている現場』そのものだった。それぞれが担当場所で黙々と作業する姿を目の当たりにし、民主主義を支える基盤はこうした地道な作業の積み重ねなのだと深く胸を打たれた。」
- 「選管の方からお話を聞く中で、投票用紙が1枚紛失するだけでも大きな問題となるといったことを知り、1票の重みや選挙の意義について改めて考える機会にもなりました。」
■担当教員より

法学部 政治学科 山﨑 新講師
「投票」という行為は民主主義にとって最も基本的かつ重要な政治参加の方法です。しかし、近年若年層の投票参加率は低調であり啓発活動も多様な形で実施されています。今回の補助業務の経験は、上のコメントにもあるように、民主主義の実践を肌で感じる機会となったようです。どのような形であれ「実際に関与する」ということにより意識の転換が起きるのでは、と可能性を感じました。

法学部 政治学科 髙橋 侑生講師
学生にとって、選挙運営に携わる方々の姿を間近に見る機会は極めて貴重です。今回の選挙事務体験では、単に開票所を参観するだけでなく、実際に運営の裏方として補助業務を担当することができました。学生は独特な緊張感のなかで、運営の当事者として選挙に関わることができたようです。投票箱や関連物品を運搬する動線一つをとっても、区職員の皆さんが綿密な事前準備を行い、当日のトラブルにも真摯かつ臨機応変に対応していることを知り、多くを学んだことと思います。この経験を活かし、後期に開講される「選挙特殊研究3」では、集大成となる選挙研究を進めていく予定です。
当日の様子
■東京都議会議員選挙(2025.6.22)


■参議院議員選挙(2025.7.20)



■区役所訪問の様子