武蔵野大学文学部は、創設60周年を記念し、8月1日に武蔵野キャンパス雪頂講堂にて記念シンポジウム「創作と研究の対話 大学教育の現場から」を開催しました。当日は学生・卒業生・教育関係者・一般市民など多くの方々にご来場いただきました。

講演では、川村 裕子文学部客員教授が「大河ドラマ『光る君へ』の表現分析」と題し、非言語表現「シャレード(影)」の分析を通じて登場人物の関係性や心理の変化を読み解きました。続いて、大島 武宙文学部専任講師が「『万葉集』の研究と創作‐折口信夫を例に」と題し、折口 信夫の研究と創作の関係を紹介し、「研究と創作を行き来することで独自の表現が生まれる」と語りました。
ディスカッション「創作と研究の対話」では、町田 康文学部特任教授、歌人の穂村 弘氏も加わり、研究と創作の関係や才能のあり方について意見を交わしました。来場者からの質疑応答でも、現代の表現や学びにまつわる多様な話題が取り上げられ、登壇者から活発な応答がありました。


本学文学部は、1965年の創設以来、古代から現代にわたる日本文学の研究だけでなく、創作教育を実践的に取り入れ、「創作」と「研究」の両輪を回す教育体制を特徴としています。今回のシンポジウムを契機に、その教育的価値を改めて認識するとともに、今後も文学の可能性を広げる学びの場を、教員・学生とともにさらに発展させてまいります。