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お知らせ

自分のことばで多文化共生を伝える―グローバル学部日本語コミュニケーション学科の佐野自主ゼミが「ART×旅するムサビプロジェクト」取材・執筆に取り組む―

学部・大学院

多文化共生プロジェクトを取材・執筆

グローバル学部日本語コミュニケーション学科の佐野 香織教授が携わる多文化共生と多様性をテーマとした研究プロジェクト「『わたし』と『わたしたち』のことば ART × 旅するムサビプロジェクト in 佐世保」において、佐野教授が担当する自主ゼミの4年生・中久木 愛実さんと大田 寧音さんが現地取材と記事執筆を行いました。

他大学メンバーとプロジェクトに向けてキックオフ・ミーティング

国際共修の学びを実践

日本語コミュニケーション学科では、様々な文化的背景を持つ学生が共に学ぶ「国際共修環境」を教育の特長としています。学生たちは日頃から、多文化共生と多様性に触れ・考え・問いなおし・”自分のことば”で社会に発信する取り組みを行っています。今回はその実践の場として、佐野教授が携わる本プロジェクトに自主ゼミ生が参画し、プロジェクトの意図や地域社会との関わりを多角的に取材しました。

現場での対話を通じて佐世保の「つながり」を可視化

学生たちは、インタビュー対象者の選定や取材内容の企画・実行に記事取材の側面から携わりました。長崎県の佐世保という港町で生活する人々の語る”つながり”や”文化の多様性”を丁寧に聞き取り、街を歩きながら生まれる自然な対話、多様な国籍・年齢・立場の方々からの声を集めることで、地域に根づいた多文化共生の姿を捉えることができました。

「見えないつながり」を知り、多様性への視点を問い直す

さらに、ポスターアート制作の背景に触れるなかで、学生たちは“地域の文化と個人の表現がどのように交差しているか”を深く理解するようになりました。 佐世保は、アメリカ軍基地の存在をはじめ複数の文化が重なり合う土地であり、歴史や暮らしの文脈の中で、多様性が自然に共存していることが取材から浮かび上がりました。 また、作品を通じて”人と人との見えないつながり”を可視化するプロセスに触れたことで、「多文化共生をどのように伝えるべきか」という課題を自分自身の視点として再考する機会にもなりました。

こども食堂での取材の様子
地域交流拠点のワークショップで参加者のみなさんと

学生コメント:「実践から学んだ多様性と視野の広がり」

グローバル学部日本語コミュニケーション学科 4年 中久木 愛実さん

今回のプロジェクトを通して、多様性の難しさを痛感しました。
「多様性は大切だ」と思っていても多様性の枠組みを広げているだけで、その枠の外には多様性の認識から排除されてしまっている人やものがいるのだと感じました。
なんでもかんでも受け入れればいいわけではないけれど、受け入れようとしていても無意識で排除しまっている人・物がいるのかな、と。
また記事を書くときも、自分の感情と事実を分けて書くことの難しさを感じました。
この実感は、座学からは感じ取れない実体験としての知恵になり、また私自身の視野が広がったように感じます。これからも積極的にこのような活動に参加し、様々な学びを得たいと考えています。

グローバル学部日本語コミュニケーション学科 4年 大田 寧音さん

今回の取り組みを通して、「多文化共生」に対する多様な反応を知ることができたことが、一番の学びだと感じています。
大学の授業内では、教科書や資料の言葉からでしか多文化共生について知ることができず、それに対する人々の反応も自分の思考の範疇を出ません。
ですが、今回の取組みの中で老若男女あらゆる人の話やリアクションに触れるという、教室内だけでは知ることのできない体験ができました。特に布を使ったワークショップを行った際には、その反応の多様さに、今まで自分が多文化共生の側面の一部しか見れていなかったことに気付かされました。
結局、人は自分がインプットしたことからでしか物事を押し計れない。だからこそ、積極的に動き、自分の知らない世界を知っていく姿勢の大切さを改めて実感できる機会でした。

持続的な多文化共生の学びを目指して

今回の取組みを通して、国際共修という学科の学びの環境が、学生たちの地域への関わりをより積極的なものにし、また、自分の感じたことや考えを社会に向けて伝えていく力につながっていることが再確認されました。 日本語コミュニケーション学科では、地域社会と国際共修をつなぐ学びの機会を今後も継続的に創出し、学生が多文化共生に主体的に関わる取組みの発展を目指していきます。

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