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お知らせ

都市における共生のための新たな公共空間を提案-「第35回東京都学生卒業設計コンクール2026」で建築デザイン学科の2025年度卒業生が銀賞受賞-

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2025年度工学部建築デザイン学科の卒業生である鳥居 陽菜さんが、5月23日に開催された公益社団法人日本建築家協会関東甲信越支部主催の「第35回東京都学生卒業設計コンクール2026」において銀賞を受賞しました。 受賞作品「私の居方が景色になるとき、」は、新宿中央公園を対象とした卒業設計です。都市開発の過程で新たな公共空間が創出される一方、公園内で生活していたホームレスの人々の居場所や生活空間が排除されてきた現実に着目しました。

本設計では、そのような公共空間において異なる背景や価値観を持つ多様な人々がどのように共存できるのかを問い、その可能性を探ることをテーマとしています。社会課題と建築的提案を結び付けた点が評価され、今回の受賞につながりました。

都市更新の中で失われる「居方」に着目

作品では、新宿中央公園北部の芝生広場を、多様な人々がそれぞれの居場所を見出しながら共有できる敷地として設定しました。近年、公園の再整備によって安全性や利便性が向上する一方で、そこで生活していた人々が築いてきた日々の営みや、ただそこに居る、居合わせるといった「居方」の豊かさは失われていきました。鳥居さんは、都市の更新を否定するのではなく、更新によってこぼれ落ちた生活を公共空間の中で受け止める建築のあり方を問い直しました。

調査を基にした共生のための空間提案

設計にあたっては、炊き出し活動などの実態調査を行い、ホームレスの人々の生活環境やコミュニティ形成の実情を分析しました。 提案では、「フレーム」と呼ばれる最小限の建築単位を配置し、利用者自身が壁や天井を加えながら空間を成長させる構想を採用しています。住まい、仕事、交流の場を段階的に形成できる仕組みによって、多様な人々が共存できる公共空間の実現を目指しました。

完成形を持たない建築という新たな視点

本作品の特徴は、「完成形を持たない建築」という考え方です。 あらかじめ全てを設計するのではなく、利用者がその時々の状況に応じて空間を拡張し、自らの居方をつくり上げていくことを前提としています。都市開発による排除と共生という社会的課題に対し、建築を固定的な構造物ではなく、人々の関係性を育む基盤として捉え直した点が独創的な提案として評価されました。

受賞者コメント「人々や場所と向き合いながら建築を考え続けたい」

工学部建築デザイン学科(2025年度卒業)
鳥居 陽菜さん


このたびは、このような賞をいただき大変光栄に思います。本提案は、新宿を歩く中で、再整備の裏でそれまであった生活が都市の片隅へと追いやられていることに違和感を抱いたことがきっかけでした。設計にあたっては、4か月にわたり炊き出し活動へ継続して参加し、当事者の方々の暮らしやコミュニティに触れました。その経験から、知らないままでいることこそが、無意識の排除につながるのではないかと感じ、異なる背景を持つ人々が自然に関わり、お互いを知るきっかけとなる公共空間を提案しました。今後も現地に足を運び、人や場所と向き合いながら建築を考え続けていきたいと思います。



今回の受賞は、建築デザインの創造性だけでなく、社会課題に向き合う視点や実践的な調査に基づく提案力が高く評価された結果です。 武蔵野大学では、専門分野の学びと社会課題の解決を結び付ける教育・研究活動を推進しています。今後も、学生・卒業生による優れた研究成果や設計活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

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