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Vol.11

「使えば使うほど幸せになる〇〇」

本号は2023年3月5日号ですが、その3月5日にウェルビーイング学会の第1回学術集会が開催されます。

一般社団法人ウェルビーイング学会とは、ウェルビーイングについての学術の振興と社会のウェルビーイングの向上を目指して2021年に発足した学会です。私が代表理事を、鈴木寛東大教授・慶大教授と宮田裕章慶大教授が副代表理事を務めています。

もともとは、自民党のウェルビーイング計画推進特命委員会で、ウェルビーイングに関する政策提言を行う必要性から構想されたのですが、せっかく作るのなら政策提言を行うのみならず、ウェルビーイングな職場づくり、モノづくり、コトづくり、人づくり、町づくりなど、あらゆる分野の営みにも資するものにしよう、というコンセプトとなりました。

この学会を通して私が行いたいことの一つは、ウェルビーイングなモノ(製品)づくり・コト(サービス)づくりの方法論の確立と、世界への浸透です。

私は、本来、すべての製品・サービスづくりは人々の幸せ(ウェルビーイング)のためだと思います。例えば、私は会社員時代にカメラのモータを開発していましたが、カメラを作っていたのはカメラを使う人々の幸せに寄与するためでした。しかし、カメラの設計仕様の中に「幸せ」は入っていませんでした。つまり、カメラを作るエンジニアは、人々に幸せになってほしいと思って心を込めてカメラを作っているのに、そのカメラが人々を幸せにする保証はありませんでした。これって、設計論の不備だと思いませんか。

0.3秒以内にオートフォーカスができるカメラであるように設計したカメラは0.3秒以内にオートフォーカスが終了します。設計仕様を満たすように設計されているからです。だったら、設計仕様のところに「人々を幸せにする製品であること」と書いておくとともに、実際、人々が使えば使うほど幸せになっていくようにカメラを設計すべきではないでしょうか。

もちろんこれはカメラに限らず、すべての製品・サービスに当てはめるべきだと思います。世界中のすべての製品・サービスが、その製品・サービスを使った人が確実に幸せになっていくように設計できていたら。すてきだと思いませんか。人類はどんどん幸せになっていくはずです。

このコンセプトを世に出してから何年も経ちますが、なかなか広まっていきません。どうやったら「使えば使うほど幸せになる〇〇」を設計できるかがわかりにくいからかもしれません。私のグループの論文「ウェルビーイングを陽に考慮したシステムデザイン方法論-第1報:設計論の基本概念とその適用領域」(日本システムデザイン学会誌、2021年)にそのやり方を書いたので、すべての製品・サービスの開発者に、「使えば使うほど幸せになる〇〇」を開発してほしいです。もちろん、サービスには、町づくり、コミュニティーづくり、職場づくり、人づくり(教育)も含まれます。

人類のすべての活動が「ウェルビーイング向上のため」になれば、人々はどんどん幸せになっていくんです。世界のGDPの合計=ウェルビーイング産業という明るい未来です。目指します。いや、みんなで目指しましょう!
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