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Vol.18

「人類は賢いのか、愚かなのか!?」

ご存知のように人類は地球上の生物の中で最も高度な認知を行える大きな脳を持っています。つまり、人類は、賢い。

しかし、「自分たちの贅沢のために二酸化炭素を排出しすぎない方がいいですよ」「他人を傷つけたり殺したりしてはいけませんよ」「自分のことばかり考えていないでまわりの人に優しくしましょう」のような小学校以来習ったことも徹底できないで、世界は環境問題、格差の問題、戦争や紛争の問題、パンデミックの問題などのグローバルな課題に苦しんでいます。人類は、なんて愚かなんでしょう。

ウェルビーイングの研究の結果、金モノ地位といった地位財に偏りすぎず、周りの人のために配慮でき、他人を傷つけたりせず、他人のための思いやりを持てる人は幸せであることがわかっています。逆に、自分だけ金モノ地位を得たいという欲望が強い人や、周りの人への配慮ができない人、他人を傷つける人、他人への思いやりのない人は、幸福度の低い人であることも自明です。ですから、ウェルビーイング研究から言えることは、人類は、賢く生きた方が、愚かに生きるよりも、幸せに生きられるということです。

ということは、環境問題、格差の問題、戦争や紛争の問題、パンデミックの問題を解決するためには、(1)みんながいい人になるような倫理・道徳・ウェルビーイング教育を徹底するか、(2)悪い人を罰するか、(3)いい人にご褒美を与えるか、(4)思わすいい人になっていくような仕組みを社会に埋め込むか、の四択です。

ゴミの例に例えると、(1)ゴミをちゃんと捨てましょうという啓発活動を行うか、(2)不適切に捨てた人を罰するか、(3)ちゃんと捨てた人を表彰するか、(4)適切に捨てたくなるような社会を作るか(たとえば、捨てるのが楽しくなるゴミ箱を設置する、人の目が気になって悪いことをしにくいような社会的風潮を作るなど)、の四つです。

あなたは、これら四つのうち、どの方法で、みんながウェルビーイングな世界を作っていくのがいいと思いますか?

私は、人類は愚かではないということを信じたいです。(2)から(4)は、人類は愚かだから、ムチかアメか、知らず知らずの効果のどれかに委ねよう、というやり方です。一方で(1)だけは、人類は愚かではなく賢明なはずだ、という人類の可能性にかけてみる方法です。

ウェルビーイング教育。ウェルビーイングについての科学的知見を人々に伝えることが倫理・道徳教育にもなるやり方。たとえば、利他的な人は幸せです。だから、みんなが利他的な世界は幸せな社会です。みんなでこんな世界を目指しましょうよ! と訴えるやり方。私はこのやり方をやり続けます。人類の可能性を信じます。人類はみんなで力を合わせ、この青い地球を、より美しい星にできる人たちだと信じます。
 
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