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お知らせ

全国規模のデザイン展で建築デザイン学科がダブル受賞─太田研究室と学生が「次世代を担うデザイン展2025」で表彰─

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研究室と学生がともに受賞

工学部建築デザイン学科の太田 裕通研究室は、日本インテリアデザイナー協会(JID)主催の「次世代を担うデザイン展2025」の表彰式において「次世代デザイン優秀賞」を受賞しました。また、同学科4年生の高江柄 雄基さんも「次世代デザイン賞」を受賞しました。

“次世代を担うデザイン”をテーマに全国の作品が集結

本展は、全国のデザイン系大学と企業が協働し、“次世代を担うデザイン”をテーマに提案・展示を行うプロジェクトです。今回の作品テーマは「継:Tsugu」であり、伝統的な本質を大切に“継ぎ”ながら新しいものを取り入れることで生まれる、革新的なデザインが全国から集結しました。

展覧会概要

第4回 JID 次世代を担うデザイン展2025
会期:2025年10月16日(木)〜10月25日(土)
時間:10:30〜18:30
会場:新宿パークタワー〈リビングデザインセンターOZONE アトリウム&ギャラリー3〉
主催:公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会(JID)

多様な視点から建築を再考した受賞作品

途切れを継ぐ ─ 33㎡から広がる、都市の思考実験

作成:太田研究室

本展示は、東京都豊島区東池袋にある築50年のアパートの空室──わずか33㎡という小さな住戸を対象に実施したリノベーション・プロジェクトを題材としています。 雑司ヶ谷という都市の文脈、アパートという住まい方の形式、そして家具やディテールのスケールに至るまで、複数のレイヤーを横断しながら、インテリアを都市風景の延長として捉え直す試みです。 太田研究室に所属する7名の学生が、それぞれの視点から空間を提案しました。展示では、アパートの模型(1/20)、池袋の都市模型(1/600)、各案の図面や模型(1/30)、そして実寸スケールのモックアップ(1/1) が並行して配置され、スケールを行き来しながら空間を読み解く構成が工夫のポイントとなっています。 7つの提案はいずれも個性的で、思考と実験が交差する多様なアプローチとして展開されています。

太田研究室ブースの展示風景:中央の模型を取り囲むように7作品が並ぶ

雑司ヶ谷フレームギャラリ

作成者:高江柄 雄基さん(工学部建築デザイン学科4年生)

フレームが道をかたちづくり、人を回遊へと導く。動線の中で作品や植物が記憶と重なり、共有されていく。作品は思想を宿す“記憶の媒介”として存在し、墓・住宅・作品の連なりが「生命・記憶・思想」の構造を建築として立ち上げる。門をくぐる行為は人生の門出のように、新たな思考の旅立ちを象徴する。ここは、感性を刺激し、記憶を紡ぐ出会いの場となる。都心に近いながら穏やかな時間が流れる雑司ヶ谷。その豊かな植栽や人の温かさ、芸術の記憶に触れ、人々が想いを共有できる場を構想した。霊園の「木々と墓石」という有機と無機の対比を、フレームと作品の関係として空間に再構成。回遊性によって連続的な体験を生み、空間全体に流れと期待感をもたらしている。霊園や住宅に通じる「想いを交わす場」として、この地の感性や思想に寄り添う建築を目指した。

雑司ヶ谷フレームギャラリ

コメント:制作を通じて深めた建築への探求と次なる挑戦

高江柄 雄基さん(工学部建築デザイン学科4年生)

私の提案がこのように評価していただけたことを光栄に存じます。指導教員である太田先生をはじめ、たくさんの方々にご助力いただき完成した作品でした。この経験を胸に、今後も精進して参ります。今回は建築を提案した後の運営方法や施工を考慮した検討も行われたので、より実務に近い思考をする機会となり、学生生活において貴重な経験をさせていただきました。自身の至らない点を実感するとともに、今後の自身の成長に期待を持つことができました。現在卒業制作の際中であるため、本プロジェクトで培われた思考プロセスや設計手法を参考に試行錯誤していきます。また、先の設計活動において、新鮮で充実した提案ができるよう学習と実践をしていきます。

森本 大貴さん(工学研究科建築デザイン専攻修士1年生)

春からみんなで準備していたものがこのように評価されとても嬉しいです。研究室として初めての展覧会で、みんなで考えた既存の環境と新しい提案を継いでゆくアイデアを表現できたと思います。協働企業様のショールームに伺い、素材の手触りや込められた物語を知ったことで、メンバーそれぞれの考えや、太田研究室としてのメッセージ、協働企業様のメッセージが設営の際に姿かたちとなったようで印象に残っています。今回頂いたご縁から協働企業様と、空間づくりから一緒に取り組ませて頂けると嬉しいです。今後も研究や設計活動を通じて新しいものを提案するだけでなく、今ある環境を存分に活かした研究室らしい空間を考えていきます。

太田 裕通講師(工学部建築デザイン学科)

このたびは、学生がJIDの賞を受賞し、大変うれしく思います。建築デザイン学科での学びと実践を通じて培った思考と表現力が、作品として結実したことを誇りに思います。本作は、実際のアパート空間を対象としたリノベーション提案であり、意匠や機能にとどまらず、人と人、人と環境の関係をいかに豊かにできるかというテーマに真摯に取り組んだ点が高く評価されました。展示においては素材やスケールの扱い、身体感覚への繊細な配慮など、柔軟な発想と確かな構成力が感じられました。今回の経験を糧に、今後も多様な視点からデザインを探究していくことを期待しています。

公開プレゼンの様子
学生代表によるトロフィー授与
設営完了後の集合写真

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