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国際協力で国をつなぐ架け橋に―カレン族の村での活動と大使館での経験

No.026

法学部 法律学科 4年

保田 幹太 さん

※所属・内容は取材当時(2025年5月)のものです。

活動について

私は、大学生活の中で2つの国際経験を積みました。1つは、2024年2月~3月に参加したタイ北部の山岳地帯に暮らすカレン族の村でのボランティア活動です。この活動では10日間、カレン族の人々と生活を共にしながら、貯水タンクの建設、養蜂箱製作、小学校での日本語授業の実施といったプロジェクトに取り組みました。その後、2024年8月と2025年3月にも活動に参加し、同じ村を訪問していますので、現地の皆さんとも顔馴染みになりました。

もう1つは、日本にあるエルサルバドル大使館でのインターンシップです。イベント運営の補助や、エルサルバドルの国木で桜に似ている「マキリシュアト」を日本で種から育てる文化交流プロジェクトなどに関わりました。

活動のきっかけ

カレン族の村でのボランティア活動に踏み出すきっかけになったのは、私が所属している国際法ゼミの佐俣先生に活動を紹介していただいたことです。小さい頃から周囲に外国にルーツを持つ友人がいたこともあり、自然と海外や異文化への関心がありました。  

大学に入学してからは「日本語パートナー」として、留学生と一緒に授業に出て学修をサポートする活動に参加し、さまざまな価値観や文化に触れる中で、「海外に行ってみたい」という思いがより強くなっていきました。そのため、2年次には、1年次から履修していたスペイン語を活かして、1人でメキシコ旅行に出かけました。最初は不安もありましたが、実際に行ってみると、「やってみればできる」という気持ちが芽生え、大きな自信につながりました。こうした経験の積み重ねが、今回のタイでの国際ボランティアに挑戦してみようという今の行動へとつながっています。

活動を通じた学び

活動を経験する中で、これまで自分が持っていた価値観が大きく揺さぶられました。たとえば、私は日本では「休憩以外の時間は黙々と働く」というスタイルでしたが、タイの村では気温が高くなることもあり、こまめに休憩を取りながら、村人たちと会話を交えて楽しく働きました。タイの村での経験を経て、働くことへの考え方が変化しました。

また、貯水タンクが完成したときに、村人の方が嬉し涙を流しているのを見て、自分の行動が「誰かの暮らしを支える」という実感を得ることができ、深い達成感を覚えました。さらに、エルサルバドル大使館では、マキリシュアトの木の種を育て、芽が出た瞬間に立ち会うことができました。この木が今後、日本で行われるイベントで使われると聞いたとき、自分が遠い国同士を繋ぐ架け橋になれた感じがしてとても嬉しかったです。

今後の目標

カレン族の村でのボランティア活動には、今後もまた参加したいと考えています。次回は、よりカレン語を上達させ、村人たちと会話を交わしながら、村の暮らしや文化、そして地域が抱える課題について、より理解を深めていきたいです。

将来的には「人のため」であったり、国際社会での日本のイメージ向上に貢献できる仕事に就くことが目標です。まずは卒業後、「在外公館派遣制度」を活用して、大使館での勤務を経験したいと考えています。この制度は、外務省が実施するもので、在外公館に2年間派遣され、外交業務のサポートや現地調査などの実務経験を積むことができます。私は現地の方々と協力しながら、実践の中で学び、自分にできる国際協力を通して日本や派遣国に貢献したいと思っています。

貯水タンクの建設の様子

タイ山村にある小学校での日本語授業の様子

エルサルバドル大使館でのインターンシップ

マキリシュアトの木の芽