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コンポストでキャンパスと地域の資源循環を実現

No.027

工学部 環境システム学科 4年

大瀧 隼平 さん

※所属・内容は取材当時(2025年5月)のものです。

活動について

私は1年生の時から、有明キャンパス3号館の屋上菜園で行っているコンポスト活動に取り組んでいます。コンポストとは、生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で分解し、堆肥として再利用できるようにする仕組みです。キャンパス内のロハスカフェから出る生ごみや、大学近くのカフェから提供を受けているコーヒーかす、季節ごとの落ち葉、屋上菜園で出た野菜の残渣などを使って堆肥を作っています。そして、その堆肥を再び屋上菜園で使用することで、大学の半径1キロメートル圏内で資源循環を実現しています。

現在は、有明rooftopコモンズという屋上運営チームの一員として、週に一度の資源回収やコンポスト作業を行い、およそ10か月に一度堆肥が完成するサイクルを運用しています。

活動のきっかけ

活動を始めたきっかけは、もともと屋上菜園に設置されていたコンポストに興味を持ったことでした。はじめは軽い気持ちで作業に参加していましたが、手を動かすうちにコンポスト自体を改修したり、より効率的に運用できる方法を模索するようになりました。生ごみが堆肥となって再び作物を育てる資源になるというプロセスが、自分の目で見える形で実感できる点に強く惹かれたのだと思います。その過程で、地域のカフェと連携し、大学の中で資源が循環していくシステムを自分の手で築いていきました。

活動を通じた学び

特に大変だったのは、現在の循環システムを再構築したことでした。私が関わる前は、コンポストは3基のみで、生ごみの回収も不定期でした。そこから、堆肥を安定して作れるよう、新たに3基のコンポストを設置し、ロハスカフェからの生ごみ回収を定期化、さらに近隣カフェと交渉してコーヒーかすの提供も実現させました。こうした外部との連携や交渉、準備には半年ほどかかり、試行錯誤の連続でしたが、現在では学内外から活動を評価いただく機会も増え、大きな達成感を得ています。また、この仕組みを活かし、大学附属の有明こども園で環境教育を行うプロジェクトも実施しました。自分の活動を広げ、応用することができたことも、嬉しい経験のひとつです。

今後の目標

今後の目標は、私が卒業した後もこの取り組みが継続し、さらに発展していく仕組みを整えることです。現在はロハスカフェの生ごみを週に一度しか回収できていませんが、今後はすべての生ごみを回収・堆肥化できる体制をつくりたいと考えています。そして、長期的には「有明キャンパスで資源循環を実現する」というビジョンのもと、学内すべての有機性廃棄物を循環させ、学生や教職員一人ひとりが循環型社会について理解し、行動するような場をつくっていきたいです。

またこの活動を通して「環境」を良くするためには「人の幸せ」も大切だと感じるようになりました。私自身、旅を通じて人や地域とつながることが好きなので、将来は、そうした仕事に関わっていきたいと考えています。人と自然が調和し、誰もが幸せに暮らせる社会をつくっていきたいと思います。

新たなコンポストの製作

完成したコンポスト

落ち葉等を利用して堆肥を作る

作業の様子