きっかけは「読み間違い」!? 110人が熱中するボードゲーム同好会「いるでぃ」誕生秘話

No.040
経営学部
経営学科4年
菅澤 朋花 さん
※所属・内容は取材当時(2025年12月)のものです。対戦からオリジナル制作まで―「遊ぶ」だけじゃない多彩な活動
私は1年生の時、ボードゲーム同好会「いるでぃ」を設立し、今年度まで部長として約110人の部員たちとボードゲームを遊んだり、制作したりしています。実はこの「いるでぃ」という名前は、ラテン語で「ゲーム」を意味する ludi(ルディ) を、私が読み間違えたことがきっかけで生まれました。最初はちょっとしたミスだったのですが、読み間違いの「いるでぃ」の名前で活動している団体は他になく、唯一無二で良いということで団体名が決まりました。他とも被っていないその名前にも、今では愛着を感じています。
普段は週2回活動していますが、ゲームの優勝を競う大会やオリジナルボードゲームの即売会がある時期は週5~6回活動しています。部員の人数比は武蔵野キャンパス:有明キャンパス=4:6ほどで活動はどちらのキャンパスも活動が均等になるように行なっています。
ここでいうボードゲームの大会は、バックギャモンやカタン、レキシオといったボードゲームを競技として行うのですが、いるでぃではそういった大会に積極的に参加し、全国大会への出場経験もあります。また即売会のほうもなかなか大変で、オリジナルボードゲーム制作には半年から1年以上かかるので、活動に積極的な部員で取り組んでいます。制作は原案、デモプレイが主で最終的にAdobeで形にしています。最初はどんなものをテーマにするかを考え、対戦系や協力系など、どのように遊べるゲームを作りたいかを考えます。そこから原案を作り始めます。また、デモプレイで見つかった改善点の修正なども行います。例えば、カードゲームのデモプレイの場合、カードの効果が強すぎるので効果を弱くしたり、全体的なカードの枚数を考え直したりします。制作したボードゲームは年2回、春と秋に開催される即売会で販売しています。
原点は高校のボードゲーム部。「好き」が高じて設立へ
ボードゲームを本格的に始めたきっかけは高校でボードゲーム部に入部したことでした。私が通っていた高校はキャンパスが小さく、休み時間などに外で運動することが難しい環境でした。そのため、自然と室内でできる遊びがメインになっていました。そこで、ボードゲームが好きな先生が「みんな一緒にやろう」と誘ってくれたことで、ボードゲームの楽しさ、魅力に気づきハマっていきました。人と直接会って同じ空間で同じことをし、その話を共有できるのが楽しさであり魅力であると思っています。
いるでぃを作ったきっかけは大学にボードゲーム同好会が存在しなかったからです。入学したらボードゲーム同好会に入ろうと思っていましたが、武蔵野大学にはありませんでした。
「だったら自分で作ってしまおう!」と思いボードゲーム同好会いるでぃを設立しました。最初は8人からのスタートでしたが、SNSで、同好会設立を知らせるための投稿を定期的に発信し続け、2023年度の入学者が決まってきた頃には「#春からMU」などのハッシュタグを用いて、新入生への告知も心掛けていました。これらの広報活動を通して徐々に部員が増え、現在の約110名の部員から成るいるでぃへと成長していきました。
「激動」の日々を超えて―仲間と広げた活動の幅
活動の感想を一言で表すと「激動」です。学業と両立させながら同好会の運営、大会への参加、オリジナルボードゲームの制作などを通して、多岐にわたる喜びや苦労を経験したからです。
中でも、オリジナルボードゲームの作成については楽しさよりも苦しさが勝りました。ゲームの原案やデザインの考案、テストプレイの実行まで、メンバーと役割分担を行いながら何とか即売会での販売に間に合わせるなど、日々の生活との両立が大変でした。
こんなに大変な思いをしてまで頑張ることができたのは、ボードゲームが大好きであるのはもちろん、自作したボードゲームで収入が生まれたり、大会で好成績を残すことで執行部からの活動補助費が増え、自分たちの活動の幅がさらに広がることが嬉しかったからです。活動の幅が広がったことで所属学生も増え、以前にも増して賑やかな同好会になりました。また、経営学部での学びが活動に活かされた際にも大きなやりがいを感じました。経営戦略や組織行動論などの講義内容は、人数が増えた同好会の「運営」を行うにあたってかなり役立ちました。
「ゆるく、でも本気」の文化を次世代へ
私は卒業で引退してしまいますが、これからも「ボードゲームを知らない人でも仲良く楽しめる」「ゆるく活動しているけど学業や大会などのやることはちゃんとやる」といった「いるでぃ全体の温度感」を大切にしたまま、この同好会活動が続いていってくれたら嬉しいと考えています。
同好会活動はとても楽しいですが、あくまで大学生活の中の一部です。そのため、後輩たちには自身の学業や、他に頑張っている活動などに支障が出ない程度に楽しんでほしいと思っています。
私にとってボードゲームとは、「たくさんの人達と関わるきっかけを与えてくれたもの」であると同時に、「今までの自分の生活を明るくしてくれたもの、豊かにしてくれたもの」でもあります。この記事をきっかけに興味を持ってくれたり、いるでぃに足を運んでくれる人たちにとっても、ボードゲームがそのような存在になってくれたら嬉しいです。 個人としては卒業後も様々なボードゲームに触れたいと思っています。
取材を終えて
今回の取材を通して、学内には様々な同好会やサークルが存在する中で、それぞれの活動が設立者の苦労や努力によって支えられていることを改めて実感しました。また、お話を伺う中で、私自身もボードゲームへの興味を強く掻き立てられました。
特に印象に残っているのは、普段知ることのできないオリジナルゲーム制作の裏側についてのお話です。自分たちで考えたアイデアや要素を詰め込んだ“世界に一つだけのゲーム”が即売会で購入され、実際に利益を生むという経験は、学生生活の中でも非常に貴重なものだと感じました。
このようなお話を伺い、「大学生活は自分の行動次第で何にでも挑戦できる」と勇気づけられるとともに、菅澤さんの行動力とボードゲームに対する熱意にも深く感銘を受けました。(本庄)
今回の取材は、私にとって初めての取材・執筆の経験で、どのような質問をすべきか手探りの状態からのスタートでした。しかし、実際にお話を伺う中で、事前に準備した内容だけでなく、その場で浮かんだ疑問を実際に聞いてみることで、話の幅が広がり、より深い内容を引き出すことができました。菅澤さんの活動は、単に「好き」を楽しむだけでなく、それを周囲に広げ、形にしていく点に大きな魅力があると感じました。また、一つの団体を継続的に成長させるには、熱意だけでなく工夫や継続力が不可欠であることも学びました。今回の経験を通して、自分自身も行動することで新しい可能性を切り拓いていきたいと考えるようになりました。(青嶋)
取材・執筆:経営学科 4年 本庄 司
データサイエンス学科 3年 青嶋 亮太