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お知らせ

生成AI時代における学校教育カリキュラムはどうあるべきか-法学部政治学科「公共政策論2」の授業で文部科学省初等中等教育局教育課程課の武藤久慶課長が講義を実施-

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文部科学省課長による特別講義

12月19日、法学部政治学科の渡辺 恵子教授が担当する「公共政策論2」の授業で、文部科学省初等中等教育局教育課程課の武藤 久慶課長をお招きし、現在検討が行われている次期学習指導要領の改訂の方向性についてご講義いただきました。

学習指導要領とは何か、そして次期改訂へ

文部科学省の告示である学習指導要領には、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容が定められています。日本のどこの地域で教育を受けても一定水準の教育を受けられるように、文部科学省が学校教育法等に基づいて、各学校が教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準として示しているもので、おおむね10年に一度改訂されます。
武藤課長からは、最初に、次期改訂の背景として、①人口減少・少子高齢化、②グローバル化、③多様性&包摂の重視、④デジタル化、⑤変化の激化、不確実性の高まり、⑥人生100年時代、というトレンドを重視しているとのご説明がありました。例えば、デジタル化によって、2040年の人材需給予測ではAIやロボット等の活用を担う人材が約326万人不足する一方で、事務・販売・サービス等の従事者は約300万人余剰となること、変化の激しい時代かつ人生100年時代には、転職が当たり前になり、そのたびに新たな学習・適応が必要になるため、自ら学ぶ経験・習慣が大事になる、といったことが示されました。

変わりゆく学校教育と「一人ひとり」の学び

次に、そのようなトレンドを踏まえ、現在の学校教育の課題と解決策について学習指導要領の改訂を担う中央教育審議会がどのような議論をしているか、ご紹介いただきました。例えば、不登校の増加や理解度・学力のばらつき、認知特性の違いなどの要因で、主体的に学びに向き合えていない児童・生徒が増えているという課題が挙げられ、「みんなで一緒に」ではなく、デジタル機器等を活用してそれぞれの子どもの実態に即した教育を重視する方向性が示されました。不登校の児童・生徒も参加できるように授業が原則として中継されている学校の事例や、日本語に不慣れな児童・生徒が翻訳機能を使って学習する例、それぞれの子どもが気に入ったYouTube動画を活用して九九を覚える事例など、様々な学校の取組も教えていただきました。

これからの鍵は「学び方を学ぶ」こと

また、上手な勉強の仕方がわからない児童・生徒はが学年が上がるほど増加することや、自律的に学ぶ自信がない児童・生徒が多いことから“学び方を学ぶ”ことの重要性が議論されていることもご紹介いただきました。その際、認知心理学や学習科学等の知見に基づき、学習効果の高い学び方の具体例や、本質的な意味を理解することの具体例なども教えていただきました。

対話が生む学び―講義と質疑応答

武藤課長は、様々なデータや学校における具体的な取組事例を紹介しながら、また時には学生に近づいて双方向にやりとりしながらご講義くださり、学生も熱心に聞き入っていました。 質疑応答は授業終了時間まで途切れることなく続き、学生の関心の高さがうかがわれました。日本人が得意な「相手のことを理解すること」と、逆に苦手な日本人が多いとされる「自分の考えを言えるようになること」を両立するためにはどうすればよいか、勉強の仕方が分かるようになるにはほかにどのような方法があるか、といったさらに詳しい内容をお尋ねする学生や、教育を多様化すると教師の負担が増えるのではないか、教師の意識を変えるのが難しいのではないか、これまでも学校では自分で考えろと言われてきたけれど入試になると知識量が問われてきたので矛盾を感じる、といった、お話の内容への疑問を投げかける学生、教育DXのお話にからめて公務員の仕事でのAIやデジタルの活用度合を尋ねる学生と、多岐にわたる質疑が続きました。武藤課長は、いずれの質問にも丁寧に回答してくださり、大変貴重な機会になりました。

公共政策の実際から学び続ける

「公共政策論2」の授業では、引き続き、現職の公務員の方々をゲストとしてお招きし、行政の活動や政策の実際について学生の理解を深める取組を継続していく予定です。

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