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受講生の声 - 進藤 匠 さん

進藤 匠 さん

教育学部 教育学科 2年(2022年度)
2年後期 人工知能技術と社会
”副専攻での学びが社会で必要とされていることを知った”

受講のきっかけ「小学校の教員になるために」

受講の決め手は「GIGAスクール構想」の影響が大きかったです。私は教育学部に所属しており、将来小学校の教員になることを目指しているのですが、GIGAスクール構想は学校の生徒1人1台端末を配布して、一人一人の学びの幅を広げようとするもので、国が進めています。GIGAスクール構想によって教員はICTを活用した授業作りが求められるようになりました。しかし、私はAI活用の知識や技術に乏しく、デバイスを存分に活用して児童生徒に教えることが難しいと感じていました。そこで、私に不足している知識面を補うためにこの授業の受講を決めました。
授業名に人工知能「技術」と記載されていたので、AIの基盤を作成するエンジニア向けの授業で、プログラミングも満足にできない文系の自分には難しいのではと考えていました。ですが、授業で最初に取り組んだ「主専攻におけるAI活用の最新活用事例を調べること」という課題を通じて、この授業は人工知能に関する知識や技術を学び、それを主専攻で学んでいる内容と結び付けていくための授業だと思いました。
授業を受けて知識を新しく知っても、ただ知るだけでは価値が薄れてしまいます。そこで、授業を受ける前に情報収集を行い、学んだことを自分事として捉えられるようにしました。具体的には、私は教育学部に所属しているので、学校現場の問題点と現在行われている対策を調査し、解決すべき課題について考えました。

授業での学び「副専攻での学びが社会で必要とされていることを知った」

この授業では、主に2つの活動に取り組みました。1つ目は、AI活用やDXの最新事例など、社会で必要とされている技術について理解を深めることです。毎回の授業でAI活用に取り組む企業や大学のプロフェッショナルによる講演があり、専門性の高い話が聴けました。さまざまな講演を聴いて、身近にある意外な場面にもAIが組み込まれ生活を豊かにしていることや、副専攻での学びが社会で必要とされていること、学んだ知識や経験を活かす場が社会にあることなどを実感しました。また、自分の主専攻である教育現場にも、AIを活かした実践が多くあると知り、選択肢を広げられました。知らなければ機会につなげることができないので、今後も積極的に情報収集をする必要があります。
2つ目は、将来を見据えて副専攻での学びを設計していくことです。副専攻では、就職後も役立つ実践的な技術(プログラミング・データ分析)から、AIを活用した最先端の技術革新事例を学ぶなど、様々な活動を行います。そこで得た知識や経験を自分の将来にどのように活かしていくかを、この授業では考えていきます。そのために課題として取り組んだのが、キャリアビジョンマンダラートの作成です。9x9のマスの中に、将来のなりたい自分を中心に据え、そのために必要な要素を周りに埋めていきます。私は、「AI活用に秀でた小学校教員」を目指しているため、目標達成に必要な知識分野と実践に向けての取り組みを考えました。キャリアマンダラートは小学校でも積極的に取り入れていきたいです。例えば、新年の抱負などは目標を定めても達成までの道のりが明確に持てないと、途中で道を外れてしまうことが多いです。そのため、未来のビジョンを掲げて、目標に必要なステップを設定するマンダラートは、学びを可視化する手段として非常に参考になりました。

図:課題で制作したキャリアビジョンマンダラート

他にも、授業の中で、AIを活用した既存のアプリやサービスなどを調査・分類して、マンダラートにまとめる課題に取り組みました。分類の際には、それぞれの長所を見極め、グループの視点でサービスを解釈しました。例えば、複数のアプリの共通項を見つけたり、企業が提供するサービスのニーズの偏りなどを考えたりしました。このような活動は1人では厳しかったと思いますが、授業ではグループに分かれて協力しながら課題に取り組めたので、それぞれの主専攻の知識を活かして、素早く深く学べました。

図:AIを活用したアプリを調べ、使用したいアプリを紹介する課題

集めた情報を実生活でどう活かすか考えることは難しいですが、課題を通じて知った教育系アプリは、教育の場で使用していきたいです。例えば、教師1人では把握が難しい生徒全員の実態把握にAIを用いてみたいです。今後も、教育における人工知能の活用について、考えていきたいと思っています。

これから授業を受ける方へ

授業の中で「AIも闇雲に技術だけ進歩しても、宝の持ち腐れになってしまう」と伺いました。つまり、なぜその技術が必要で、社会のニーズはどこにあるか、常に考える必要があります。そのためには、自分がどのように人工知能と関わっていきたいのか強くイメージすることや、日頃から問題意識を持つことが重要になると思います。
私は、授業を受けて教育現場にも活かせる技術が数多くあることを知りました。しかし学校での普及は遅れているのが現状です。この授業や副専攻で学んだ知識や経験を学校現場に落とし込み、教育におけるICT活用を引っ張って行けるような教員になりたいです。