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受講生の声 - 木口 春花 さん

木口 春花 さん

工学部 環境システム学科 2年(2023年度)
2年後期 機械学習活用2
”サポート体制が万全な環境で機械学習やAIの仕組みを学ぶ良い機会”

この授業を受けてみようと思ったきっかけ

機械学習に以前から興味がありましたが、学ぶ機会をなかなか設けることができず、良い機会だと思い受講しました。専門的な知識やDataRobotの操作経験は、ほぼゼロに等しかったですが、授業についていけるように毎回集中して臨みました。
事前準備として、この授業は「機械学習活用1」の続き、演習編のような内容なので、「機械学習活用1」をきちんと受講して、DataRobotの基本的な使い方がわかっていれば、問題ないと思います。強いて言うとすれば、「機械学習をどのような場面で使うと、利用者の助けになるか」というのをあらかじめ考えておくと、集中講義の最終日に行う発表の準備がスムーズにいくと思います。

授業ではどのような課題に取り組みましたか

授業では、テーマごとにグループを分け、各グループで演習を行います。私のグループはAIを使用した画像識別に取り組みました。授業の概要としては、Google ColaboratoryというPythonや機械学習、深層学習を利用できるサービスを用いて、画像認識AIの仕組みや特徴を学びます。課題では、AIがどのようにモノを捉えるのかを体験し、AIがモノを誤認する傾向を把握した上で、仮説を立て、その仮説が正しいのかを検証します。どの課題も「仮説→実験→考察」という流れを何度も繰り返し行い、自分の考察・意見の確度を高めることが重要です。
この授業は最終日に全体発表があり、自身が学んだツール(私であれば画像認識AI)をどのような場面で活用するのかを提案します。私は授業で学んだことをもとに、自身で仮説を立て、実験した結果をまとめ、それが支援ツールとして有用性があるのかを考察を踏まえ、発表しました。発表後は、質疑応答やフィードバックの結果をもとに、成果物をブラッシュアップして、最終課題として提出します。

授業を受けてみて印象に残ったこと

今回の授業で初めて画像認識AIに触れたのですが、画像認識AIがモノを誤認する傾向というのは、私たち人間とは大きく異なり、少しでも画像にノイズが入ると、画像識別の精度が下がってしまうことがとても印象的でした。ミニプロジェクトで、色と画像識別の関係について調べたのですが、画像を構成している色の種類や数が減少することで、私たち人間だと正確に捉えられるものであっても、AIは別のものとして捉えてしまうことがあります。あくまで、AIは学習したデータをもとに識別するため、ツールとして実用性を考える時に、この特性を念頭に置かないといけないなと思いました。

ミニプロジェクトで作成した資料

「将来これは役に立ちそうだ」と思ったこと

この授業に限らず、自分の意見を伝えるうえで、それが説得力のあるものなのかと考えることは非常に大切です。情報や根拠が十分にあり、使用している言葉が適切で、聞く人・見る人が初見でも伝えたいことが伝わって、理解してもらえる成果物を作るというのは難しいです。実際に発表をして、質問されると「この部分がちゃんと伝わっていなかった。」ということがよくわかります。ですが、第三者からの意見や指摘は、自身の成長にとても役立ちます。意見や指摘をもらうことが不安だと思う方もいると思いますが、それは自分の伸び代だと思って、むしろ積極的にもらうべきだと思います。その方が今後のモチベーションにもなりますし、改善点をクリアできれば、自身の成果物に対する自信も向上すると思います。

授業で学んだことを所属学科での学びにどのように活かすか

今回提案したツールは、動物の画像を識別するもので、十分な有用性が認められれば、野生生物の生息数や個体の把握に役立つと思います。私の所属する環境システム学科では、生物について学ぶことがあり、人間では個体を見分けることが難しい動物がいます。そこで、AIにその動物ごとの個体差を学習させることで、個々を識別することが可能になります。これは、種の研究や保護に役に立つ他、問題を起こす特定の個体を識別することができるため、野生生物保護の観点から、非常に実用的なツールとなる可能性があります。

この授業を受ける方へのメッセージ

この授業は基本的に個人作業で、「自分で仮説を立て、実験をする」の繰り返しではありますが、実験を繰り返す中で、機械学習についていろいろな発見や学びがあり、楽しくなると思います。特に最終日の全体発表では、他の受講生がAIをどのように活用してみたいのかを聞くことができるため、お互いに勉強になります。機械学習やAIという言葉を聞くと、小難しい印象を受ける方もいるかもしれませんが、逆に考えれば、サポート体制が万全な環境で機械学習やAIの仕組みを学ぶ良い機会だと思います。
AIに対して、「こういうことができたら役に立ちそう!」というアイデアをお持ちの方は是非、具体的なアイデアはなくとも、機械学習に少しでも興味があれば、受講してみてください。(受講してみたら意外と楽しかったなんてこともあると思うので!)