受講生の声 - 渡辺 杏奈 さん

渡辺 杏奈 さん
工学部 環境システム学科2年(2022年度)
2年後期 データサイエンス活用2
”授業での学びを環境問題の解決に活かしたい”
「受講のきっかけ」
データサイエンスと聞くと難しそうな印象を持っていましたが、社会を効率化し未来を豊かにしてくれるものでもあり、その面白さをもっと知りたいとも思っていました。また、これからの就職を考える上でも、データ分析のスキルを身に付け、AI活用のエキスパートを目指したいと思っていました。データサイエンティストになるために必要なスキルは多いと感じていましたが、この授業を受けることで、AIを取り入れた分析ツールの活用方法に関する知識やスキルが身に付けられると思い、受講を決めました。
「データサイエンス活用1」での学び
データサイエンス活用1では、AIを活用したデータの分析を学びました。分析の対象が抱える課題の抽出から仮説の立案・検証までを、グループで取り組みながら学びました。授業の難易度はかなり高いと感じたのですが、人工知能やIoT、データサイエンスなどを分かりやすく学べるカリキュラムが用意されていたことが非常にありがたかったです。授業内では、データ分析に関する知識やツールの使い方を習得し、データサイエンスのツールを活用して自ら問題を解決できるようになりました。また、授業外にもオンラインでAIやプログラミングが学べるサービス「Aidemy」を活用し、授業に関連する講座を受講することで、これまでに受講した副専攻コースの科目の復習ができました。
「データサイエンス活用2」での学び
データサイエンス活用2では、マンガとアニメーションの振興に着目して、「アニメブームで繋ぐメディア芸術」をテーマに、アニメ化される要因やアニメブームが起きた時代について、最終課題の中で分析しました。データは文化庁の「メディア芸術データベース」で公開されている情報を活用し、分析にはビジネスの現場でも使われているデータ分析ツール「DataRobot」と表計算ソフト「Excel」を利用しました。
課題への取り組みを通じて、分析の目的を定義し、分析内容や分析方法の検討を行うといった、分析設計スキルが身に付きました。また、分析には、情報処理や数学、統計学の専門的知識が必要なことに加え、分析内容を仮説の検証に応用するスキルも求められることが分かりました。
データサイエンス活用2の授業で分析をした内容を、外部の方にも伝わるようにブラッシュアップして、「 第3回メディア芸術データベース活用コンテスト」のデータセット分析部門に参加しました。結果、データセット分析部門の最優秀事例に選んでいただきました。アニメ化を目指している漫画家に貴重な示唆を与えるテーマ設定や、データから新たなトレンドを捉えたり、隠れた知見を見出したりといったデータセット部門の審査基準を満たしていたこと、最終的なアウトプットだけでなくその過程においても仮説を示しながら発表した点を、高く評価いただきました。


図:コンテストで使用した発表資料の抜粋
この授業を受けて、AIを利用したデータ分析への関心が高まりました。そして、社会では様々な分析ツールの利用が進んでいると知り、データサイエンスをより身近に感じられるようになりました。また、データをどのように分析していくか時間をかけて考える過程で、毎回新たな発見があり、それこそがデータサイエンスの最大の面白さだと気付きました。就職先の視野も広がり、データ活用の経験を活かし早めに就職活動を始められ、最終的にIT系企業からエンジニア職の内定をいただきました。データサイエンティストは今後も成長する可能性が高く、将来性のある職業と言われています。この授業を受けることでビックデータやAIなど、最先端のITスキルを持った人材を目指せると思います。
「授業での学びを環境問題の解決に活かしたい」
データサイエンスは単なる研究やデータ活用に終始するのではなく、蓄積したデータを社会実装し、課題を解決することが期待されています。私は、環境問題の解決に授業で学んだデータ分析の知識やスキルを活かしたいと考えており、特にファストファッションが抱える問題に関心があります。私たちが店頭で手に取る一着一着の洋服の製造プロセスではCO2が排出されます。また、原料となる植物の栽培や染色などで大量の水が使われ、生産過程で余った生地などの廃棄物も出ます。服一着を作るにも多くの資源が必要となりますが、大量に衣服が生産されている昨今、その環境負荷は大きくなっています。ファストファッションの浸透により、安価な衣料品が市場の多くを占めるようになった今、業界が頭を痛めているのが商品廃棄の問題です。そこでアパレル業界での、ビッグデータの活用による市場分析や、AIを利用した正確で効率の良い在庫管理などを積極的に行い、市場への供給を適正化すれば、環境への負荷を抑えることに繋がるのではないかと考えています。
「これから授業を受ける方へ」
この授業は、一つのことに打ち込む根気や探求心のある人に向いています。データの整備に時間をかけたり、トライ&エラーを繰り返したりすることも重要です。細かく積み重ねていく地道な作業が多いため、人によっては辛いと感じるかもしれません。ですが、授業では周りに頼れる先生やメンバーが多く、孤立せず適切なサポートを受けられるので、心細い思いをすることはありません。自分から学ぶ意欲があると先生方も全力でサポートしてくれるので、ぜひ受講してみてください。出来ないことは何もないと思います。