受講生の声 - 大内 建人さん

大内 建人さん
工学部 数理工学科 2年(2024年度)
2年前期 プログラミング発展A
”学科で学んだPythonの知識を実践的に活用することのできる良い機会になった”
授業を受けてみようと思ったきっかけと印象
授業を受けようと思ったきっかけは、数学的な知識とプログラミングスキルを使って現実の問題を解決する方法に興味があったからです。特に、確率や統計を応用した、人工知能の技術やデータサイエンスに魅力を感じました。
授業を受ける前は、確率やシミュレーションについては難しそうなイメージを持っていましたが、同時にそのスキルを身につければ、データサイエンスなどの分野でも活かせるのではないかと期待していました。また、プログラミングに関しては、基本的なPythonの知識は持っていたものの、シミュレーションや確率モデルをプログラムで実装することには不安がありました。
授業で体験したこと
授業では、確率的な事象のモデル化をテーマに、Pythonの基礎的な学習から始まり、最終的に、ミニプロジェクトとして「命中率100%の大砲10台の陣営」と「命中率1%の大砲100台の陣営」の勝敗確率をシミュレーションで検証しました。具体的には、乱数を使ってそれぞれの大砲の命中状況をモデル化し、シミュレーションを繰り返すことで、コンピュータを用いた問題解決の手法として学習しました。
授業を受けてみて苦労したこと
所属学科の関係もあり、Pythonの基礎的な知識は習得していた為、与えられた課題をこなすことはそこまで苦労しませんでした。しかし、ミニプロジェクトでは、課題を解決する仮説を自ら設定し、問題解決を行うことが求められます。そこで、頭の中で想定した仮説を、コードにして表現することに苦労しました。
授業を通じて「将来これは役に立ちそうだ」と思ったこと
授業を通じて「将来役に立ちそうだ」と感じたのは、確率的な思考とシミュレーションを活用した問題解決のアプローチです。その理由は、実際のビジネスやデータサイエンスの分野では、不確実性や複雑な要素が絡む問題に対して、予測や意思決定を行う場面が多いためです。
例えば、金融工学の分野では、将来の価格変動やリスクを確率モデルで表現することが求められます。授業で学んだシミュレーションの技術を応用すれば、こうした複雑な現象を数値的に予測し、シナリオ分析や最適化を行うことができると感じました。
また、データサイエンスの分野でも、確率的なアプローチは非常に重要です。多くの機械学習モデルは、統計的な推論や確率分布に基づいているため、授業で得た知識やスキルは、データ分析やモデル構築に役立つと考えています。特にシミュレーションによって、データが少ない場合や不確実な環境下でも、一定の精度で予測を行う技術は、現実の問題に適応できると感じました。
将来的にデータサイエンスや機械学習の分野で働くことを目指しているので、この授業で学んだシミュレーション技術や確率的思考は、日々の業務やプロジェクトに直接活かせると感じています。
授業で学んだことを所属学科での学びにどのように活かすか
授業で学んだことを、所属している数理工学科での学びに活かす方法として、確率や統計の理論をより実践的に応用する視点を取り入れようと考えています。数理工学科では、数学的な理論を深く学ぶ機会が多いですが、この授業を通じて得たシミュレーション技術やプログラミングスキルを組み合わせることで、理論を現実の問題解決に応用できるようにしたいです。
例えば、確率論や統計学の授業で学ぶ公式や理論的な知識を、Pythonでシミュレーションをして、その結果を可視化することで、抽象的な概念をより具体的に理解することができます。理論だけでは見えにくい、ランダムな現象がどのように現れるかをシミュレーションすることで、理解が深まると考えています。
また、数理工学の分野では、最適化問題やモデリングなどのテーマが重要な役割を果たします。この授業で学んだシミュレーション技術は、不確実性を伴う最適化やモデル構築に活用できると感じています。例えば、複数のパラメータを持つシステムの挙動をシミュレーションし、最適な解を探すプロセスを自動化することができるでしょう。
さらに、卒業研究やプロジェクトにおいて、確率的なアプローチを取り入れたモデルを構築し、実データをシミュレーションで分析することも考えています。数理的な理論とコンピュータシミュレーションの両方を活用することで、より実践的な問題解決能力を身につけ、学びを深めていきたいです。
これから授業を受ける方へ
文系の方だと、少しハードルは高いかもしれませんが、基礎的なPythonの学習から始まるため、きちんと毎週の課題をこなしていくことで、しっかりスキルが身につくと思います。
また、自分と同じ数理工学科の方にはぜひ受講してほしいと思います。学科で学んだPythonの知識を実践的に活用することのできる良い機会です。
授業までにやっておくと良いこととしては、Pythonの基礎的なスキルの復習です。授業時間内にそれなりの量の課題が与えられます。事前に復習をしておくことで、スムーズに課題をこなすことができます。特に、リストやループ、関数の使い方に慣れておくと、スムーズにシミュレーションプログラムを作成できると思います。
さらに、授業を受ける際は、結果を予測しながらシミュレーションに取り組む姿勢が大切です。直感的に予測した結果と、シミュレーション結果の違いに気づくことで、新たな発見があり、学びが深まると思います。結果を可視化したり、複数のシナリオで試してみることで、プログラムをただ動かすだけでなく、そこから新たな洞察を得ることができます。