受講生の声 - 中藤 楓さん
中藤 楓さん
経済学部 経済学科 2年(2025年度)
2年後期 サービスデザイン
”グループワークが苦手だと感じている方にこそ、この授業を履修してほしい”
授業を受けてみようと思ったきっかけ、授業を受ける前の状況について
AI副専攻では、2年の後期に「サービスデザイン」か「メディアデザイン」のどちらかの授業を選択して履修します。その中で私はメディアにはあまり関心がなく、「サービスデザイン」はこれまでとは違う学びができそうだと感じたことから、この授業を受けてみようと思いました。特に、前年の授業では「ハッピーなゴミ箱 」を作りサービスの提案をしたと聞き、身近なものを題材にしながらサービスを考える点に面白さを感じました。
これまでのAI副専攻の授業では、オンラインで発表資料を作成し発表する形式が多かったのに対し、この授業は対面で行われ、実際に自分たちで考えたサービスを形にすると知り、より実践的な経験ができるのではないかと思い受講を決めました。
授業を受ける前は、シラバスに記載されていた「デザイン思考」「UX(ユーザーエクスペリエンス)」「ストーリーボード」「カスタマージャーニーマップ」「受容性評価」などのキーワードの多くが初めて目にするもので、内容についていけるのか不安に感じていました。
授業で取り組んだ課題について
本授業では、「Happyな傘・傘立てサービスをデザインする」というテーマに取り組みました。
グループごとに「Happyとは何か」を定義し、どんな傘・傘立てがあればユーザーが幸せを感じられるのかを考えました。グループメンバーとディスカッションを重ねながらアイデアを出し、その内容をプロトタイプとして実際に形にし、考案したサービスの価値を検証しました。その後、発表を行い、フィードバックをもとに改善を行いました。
私たちのグループでは、「Happy」を「安心」と定義し、不安が取り除かれ安心を感じられる状態こそが、傘立てにおける幸せであると考えました。アンケート結果から、傘の盗難や置き忘れがユーザーの主な不安であると分かり、これらを防止することで安心を提供し、ユーザーがHappyになれるサービスを目指しました。
そこで、傘立てに「ロック機能」と「傘立ての下にアロマストーンを敷き詰めるサービス」を組み合わせた提案を行いました。ロック機能によって盗難を防止し、アロマの香りによって記憶を想起させることで置き忘れを防ぐと同時に、リラックス効果によって精神的な安心感を与える仕組みです。
中間発表や最終発表を通して、先生方・SAの方・他のグループからフィードバックを受けることで、改善点を明確にすることができ、最終的には納得のいくサービスをデザインすることができました。


授業を受けてみて印象に残ったこと
この授業を受けて特に驚いたことは、サービスを考える際に、アイデアそのものよりも「ユーザーを理解する過程」が重視されていた点です。最初は、自分たちの発想で便利そうな機能を考えればよいと思っていましたが、アンケートやインタビューを通してユーザーの行動や感情を分析することで、当初想定していた課題とは異なる本質的な問題に気づくことができました。このように、思い込みを一度疑い、根拠に基づいてサービスを設計していく点が強く印象に残っています。
一方で、最も苦労したことは、「Happy」や「安心」といった抽象的な概念を、具体的なサービスとして形にすることでした。メンバー間で捉え方が異なる場面も多く、意見をまとめることに時間がかかりました。そのため、アンケート結果やユーザーの声を根拠として共有し、感覚的な議論にならないよう意識して話し合いを進めました。
また、プロトタイプを作成し、価値検証を行う過程でも苦労しました。自分たちでは良いと思っていたアイデアが、他者からのフィードバックによって課題点として指摘されることもありました。しかし、その指摘を受け入れ、改善案を考え直すことを繰り返したことで、サービスの完成度を高めることができたと感じています。この経験を通して、試行錯誤しながら改善を続ける姿勢の重要性を学びました。
授業を通じて「将来これは役に立ちそうだ」と思ったこと
授業を通じて将来役に立つと感じたことは、課題に対して自分の思い込みだけで解決策を考えるのではなく、ユーザーの行動や感情を調査し、根拠に基づいて考える姿勢です。アンケートやインタビュー、カスタマージャーニーマップなどを用いてユーザーを理解し、その結果をもとにサービスを設計するプロセスは、どの分野においても必要とされる考え方だと感じました。
また、アイデアを一度形にし、フィードバックを受けながら改善を重ねていく経験も、将来に活かせると考えています。自分たちでは良いと思っていた提案でも、他者の視点を取り入れることで新たな課題が見えてくることを、この授業を通して実感しました。このように、失敗や指摘を前向きに捉え、より良いものへと改善していくプロセスは、サービスや製品の開発だけでなく、社会に出てからの仕事全般においても重要になると感じています。
さらに、グループで一つのサービスを作り上げる中で、意見の違いを調整しながら合意形成を行う力も身についたと感じています。チームで協力しながら課題解決に取り組む経験は、将来どのような進路を選んだとしても役立つと考えています。
授業で学んだことを所属学科での学びにどのように活かすか
私は経済学科に所属しており、これまで経済学の授業では、データや理論をもとに社会や企業の行動を分析することを中心に学んできました。サービスデザインの授業を通して、こうした分析に加えて、「その結果が実際に人の行動や体験にどのようにつながるのか」を意識する視点の重要性を強く感じました。
今後は、経済学で学ぶ市場分析や行動経済学、消費者行動に関する知識を、サービスデザインで学んだユーザー視点と結びつけて考えていきたいと考えています。例えば、数値データから傾向を読み取るだけでなく、その背景にある人の感情や意思決定の理由を考えることで、より実態に即した分析ができるのではないかと感じました。
また、アンケートやインタビューを通して仮説を検証するプロセスは、経済学科で行う実証分析やレポート作成にも活かせると考えています。単に理論を当てはめるのではなく、「なぜその結果になったのか」を多角的に考える姿勢を、今後の学修に取り入れていきたいです。
これから授業を受ける方へ
この授業は、「身近な不便をどうすればよくできるのか」「人はなぜその行動をとるのか」を考えることが好きな人に向いている授業だと思います。発想力やセンスに自信がなくても、ユーザー調査やグループでの議論を通して、根拠をもとにサービスを形にしていくため、安心して取り組むことができます。
また、就職活動の面でも、この授業での経験は役立つと感じました。国際展示場で行われた企業説明会に参加した際、多くの企業が「コミュニケーション能力のある人材」を求めていると話していました。その中でも特に重視されていたのが、自分の考えを分かりやすく伝える力と、相手の話をしっかり聞く力です。この授業はグループワークが中心であるため、意見を伝え合い、相手の考えを理解しながら一つの成果物を作り上げる経験を積むことができます。
グループワークが苦手だと感じている方にこそ、この授業を履修してほしいと思います。私自身もグループワークに苦手意識がありましたが、授業を通して話し合いを重ねる中で、その苦手意識が次第になくなっていきました。この授業は、サービスデザインを学ぶだけでなく、自分の考えを伝える力と、相手の話を聞く力を身につけていく授業でもあると感じています。