受講生の声 - 加藤 杏奈 さん

加藤 杏奈 さん
人間科学部 人間科学科 1年(2023年度)
1年前期 人工知能基礎(2020年度科目名:メディア・人工知能リテラシー)受講
“AIと人間、お互いを補い合うことでより発展が期待できる分野”
「授業を受ける前の印象と授業を受けるにあたって準備したこと」
AIやプログラミングについて興味はあったものの、難しそうだなという印象がありました。
1学期のデータサイエンスの授業でパソコンの使い方やデータの見方などは学んでいたので、特に準備したことはありませんでした。
「授業を受けてみようと思ったきっかけ」
必修科目だったからです。
プログラミングについてしっかり学んでみたかったので、大変楽しみにしていました。
「授業で体験したこと」
授業では、実際にプロラミングのコードを編集して動作を確認したり、AIを試したりすることで、「技術を体験しながら学ぶ」ことに重点が置かれていたように思います。
課題では、自分の所属する学科や興味・関心のある分野の中からテーマを決め、ミニプロジェクトとしてパワーポイントにまとめて発表を行いました。
「授業を受けて、驚いたことや印象に残ったこと」
一番驚いたことは、AIは決して万能ではないということです。
AIは人間には不可能な大量のデータ処理を瞬時に行ったり、盤上競技でプロの人間に勝利するなど、その進歩は目覚ましく、将来的にAIに人間の仕事が奪われるのではと危惧する声もあります。しかしながら、ゼロから新しいことを発明したり、倫理的な視点からの判断など、まだまだ人間にしか行えないことは多いのです。
AIにできて人間にはできないこと、逆に人間にできてAIにはできないこと、お互いを補い合うことでより発展が期待できる分野だと学びました。
「授業で苦労したこと、努力したこと」
一番努力したのは、授業内でのミニプロジェクト発表です。
たくさんの資料の中から自分のプロジェクトに活用できそうなものを選んだり、想定していたようにプログラムが動かず何度もやり直したりと、苦労することも多々ありましたが、結果的に「楽しい発表でした」「面白かった」と評価頂けたのが嬉しかったです。

授業を通じて「将来これは役に立ちそうだ」と思ったこと
AIの長所と短所を理解した上で利活用していくことです。
氾濫する情報をどのように取捨選択するかは大きな課題です。AIはボタン一つで自分が知りたいと思う情報を瞬時にピックアップしてくれますから、今後もあらゆる場面で活用できると思います。
しかし一方で、AIの設定によっては情報の偏りが起きてしまったり、フェイクニュースに誘導されてしまう危険性もあります。あくまでもAIは万能ではないことを念頭に置いた上で活用していくべきでしょう。
授業で学んだことを所属学科での学びにどのように活かすか
私が所属する人間科学科では、「人間とは何か?」をテーマに、主に心理学について学んでいます。AIには「強いAI」と「弱いAI」があるとされており、この違いは人間のように意識や精神を持つか否かとされています。今のところ、人間と同じような自律した意思を持ったAIは開発されていません。
「心が無い」とされるAIの探究は、逆説的に「心が有る」とされる人間への探究に繋がるのではないかと考えています。
これから授業を受ける方へ
「データの分析」は、新学習指導要領によって高校数学から中学数学の範囲に変更されたように、義務教育として最低限の知識を身につけることが期待されています。このことは、今の現代社会にいかにデータが氾濫しているか、どれだけ一人ひとりが適切なネットリテラシーを身に付けることが大切かを示唆しているのではないでしょうか。
少なくとも現代社会において、ネットを全く触ったことが無いという人は益々少なくなっていくと思いますし、触らずに生活していくことは不可能だと考えます。漫然とデータに踊らされるのではなく、立ち止まって自分の頭で考えたうえで活用していく力を是非この授業で身につけ、今後どんどん発展していく人工知能領域を楽しんでください。