学部長メッセージ

現代経済学の基本的な考え方の特徴は、個人主義、最適化、均衡といった視点から経済現象を捉えようとすることにあり、こうした考え方は、政治、教育、環境といった一見経済とは関係のないような他の問題を考えるときにも役立ちます。また、企業を対象とする経営学とは共通点も多いですが、企業だけでなく、家計や政府も経済主体として分析の対象とします。まず経済学は、家計や企業のような経済主体が取引をおこなう場としての市場の機能を重視します。しかし、限られた資源を効率的に配分するために市場はうまく機能しないこともあるため、政府が所得の再分配、公共財の供給、景気の安定や刺激策のような手段を通じて介入することもあります。このように、経済学とは、市場の機能を政府が補いながら、限りある資源の最適な配分を目指す、別の言い方をすれば、多くの人びとが幸せになれる社会を作るためにはどうすれば良いかを考える学問であるということができます。 武蔵野大学経済学部では、このような経済学の基礎から応用分野、最新の理論、歴史までを段階的・体系的に学べるようなカリキュラムを組んでいます。また、武蔵野大学は、2019年3月に武蔵野大学SDGs〔Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)〕実行宣言を発表しましたが、経済学部は、まさに経済学の目標でもあるSDGsを積極的に受け止め、各教員の専門や担当科目を、働きがい、経済成長、貧困撲滅のようなSDGsの諸目標と結びつけて研究し、実践することを目指しています。 皆さんが武蔵野大学経済学部での学びに関心を示し、自分を高める希望と意欲をもって入学される日を、心から待っています。