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お知らせ

公共の安全と秩序を守る警察のトップマネジメントから学ぶー法学部政治学科「公共政策論2」の授業で千葉県警察の青山彩子本部長が講義を実施ー

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千葉県警本部長による特別講義を実施

1月9日、法学部政治学科の渡辺 恵子教授が担当する「公共政策論2」の授業で、千葉県警察の青山 彩子本部長をお招きし、特殊詐欺対策と外国人総合対策を事例として、警察における政策決定と遂行プロセスについてご講義いただきました。
まず、国と都道府県の組織が密接に連携している警察特有の組織構造や、警察官の階級とキャリアなど、警察組織の基本的な仕組みを青山さんのご経歴とともにご紹介いただきました。また、千葉県警察には現在30名の武蔵野大学卒業生が在籍し、刑事、組織犯罪対策、生活安全、交通、通信指令など、多様な分野で活躍していることを教えていただきました。

特殊詐欺対策の最前線―政策と現場の連携

次に、特殊詐欺対策を事例として、国家レベルの基本方針が立案される過程や、その方針に基づき各省庁や全国の警察組織、地方自治体、民間事業者が連携して対策を実施する様子をお話しいただきました。特殊詐欺は形を変えつつ被害額が増加しており、特にSNS型が急増していること、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の資金獲得に利用されていること、千葉県警では市町村や金融機関、通信・SNS事業者と連携して対策を講じたり、実際に録音された犯人とのやり取りを公開して手口のリアリティを伝えたりしていることなどを学びました。

外国人総合対策にみる「防犯」と「共生」

さらに、外国人総合対策については、千葉県でも在留外国人の増加に伴い外国人検挙人数が増えているものの、多くは入管法違反で、突出して凶悪犯罪が多いわけではなく、検挙率も日本人と同水準であるというデータが示されました。「加害者にも被害者にもさせない」対策を重視しており、SNSで簡単に稼げると誘われて銀行口座を貸すと逮捕される可能性があることを周知するためにマンガ風のチラシを12言語で作成して配布したり、自治体と連携してゴミ出しルールの啓発や、孤立を防ぐためのイベント開催をしていることなどをご紹介いただきました。

川口市の事例から考える体感治安と統計データ

最後に、事前に学生からお聞きしたいとお伝えしていた、川口市のクルド人をめぐる情勢についてお話しいただきました。社会的摩擦が顕在化している理由としては、特定地域に集住していること、難民申請中・仮放免者という法的な身分が不安定で就労も制限されている者が多く、生活に困窮し、将来の見通しが立ちにくいことなどが考えられる、との分析が示されました。また、川口市の刑法犯認知件数はこの20年で大幅に減少(ピーク時比73%減)しており、「体感治安」と「統計データ」に乖離が生じていることや、一部の迷惑行為の動画がSNSで拡散され、地域全体の治安が悪化しているかのようなイメージが流布しているが、人口比犯罪率は日本人と同程度で、大多数は家族と暮らす労働者である、とデータに基づきご説明いただきました。青山本部長は、今後は、感情論・イメージと事実を切り分け、ルール違反への毅然対応と共生支援を両立するために、事実を基に対話をしていく必要がある、と締めくくられました。

学生の疑問に応える現場トップとの対話

学生からは、海外の警察組織と比較した場合の日本の警察組織の特徴は何か、採用された場合どの程度の頻度で異動するのか、といった警察組織についての質問や、特殊詐欺の対策を講じているにもかかわらず被害額が減らない理由は何か、といった対策の効果に関する質問、成田空港のテロ対策はどのように行われているのかといった千葉県特有の課題についての質問など、多様な質問が寄せられました。一つ一つの質問に青山本部長は丁寧に回答してくださり、質疑応答を通じても学びが深まりました。

来年度以降も行政の実際に触れる学びを展開

本講義で今年度の「公共政策論2」でのゲストによる講義は最後になりましたが、来年度以降も、「公共政策論1」や「公共政策論2」の授業では、行政の活動や政策の実際について現職公務員のお話を聞く機会を設けていく予定です。

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