このページの本文へ移動
経営学部

メッセージ

「変換と転換の時代を担う学部を目指して」

経営学部長

古川一郎

経営学を通じて、未来に活きる知識を身につける

経営学部は、平成と令和のまさに転換期に誕生しました。新元号のもと、私たちの社会は、歴史的な転換点にあるのではないでしょうか。これからの社会は間違いなく大きく変わると思います。それは、世界中いたるところで活発なイノベーションが続いているからです。
情報革命はその代表選手でしょう。コンピュータが誕生した年には諸説ありますが、1960年代にIBM社が市場導入したメインフレームコンピュータの世界的な大成功が、世界経済を大きく変える契機になりました。大きな建物の中に置かれた大型計算機が、経済効率性を飛躍的に高めていったからです。月面に人類初の足跡を残したアポロ計画の成功は、象徴的な出来事でした。
しばらくして、パソコンが私たちの家庭に入ってきました。それは70年代の後半になってからですが、それでもメインフレームの端末、数値計算、ワードプロセッサー(忘れてならないのはパソコンゲームですが)といった使い方が主で、私たちのライフスタイルを根底から変えるものになるとは思いませんでした。私たちのライフスタイルに大きな影響を及ぼすようになったのは1990年代後半に登場したインターネットです。
インターネットは日本でも2000年代の半ばには急速に社会に浸透していきましたが、中でも生活全般に大きなインパクトを与えたのは、やはりiPhoneの登場でしょう。私たちのだれもが毎日スマートフォンから手が離せないのではと思いますが、これは超高性能なコンピュータが身体化されたと言ってもいいでしょう。一人ひとりが、インターネットの世界と常時接続することで、作る、伝える、使うといった経済活動の全てが繋がっていくことになりました。経済の世界ばかりでなく政治の世界でも、SNSが私たちの様々な意思決定に大きく左右するようになりました。コミュニティのあり方も変わりました。
皆さんは、このような変換と転換の時代に大学で学ぶことになります。

経営学を通じて、未来に活きる知識を身につける

私たちの社会やコミュニティが30年後に具体的にどのような形をとるようになるのか、私にはわかりません。しかし情報革命が、コミュニケーション、エネルギー、ロジスティクスといった私たちのより広範囲な生活空間に影響するイノベーションをさらに推し進め、今後ますますスピードを上げて社会を変えていくことになるでしょう。AIやIoT、それにライフサイエンスの進化は、人生100年時代をどのように過ごしていくべきか、私たちに問いかけています。皆さんは、このような時代に大学で学ぶことになります。
一方で、変わらないものはなんでしょうか。SDGsが広く社会的に認知される中、世界の幸せをカタチにするために行動する人々の意思は、私はどんな時代になっても変わらないと思います。
大学で学ばなければならないのは、高い志を持って多くの人々と協働して目的を達成していくためには、人々に何を問い、どのように行動すれば良いのかを考えるために必要な知識です。それは、これまでの常識が必ずしも通用しない未来の社会でも通用する学び方を身につけることだと思います。経営学が対象としているのは、まさにこのような問題です。

響創的学びの理念の下で

経営学部では、武蔵野大学で皆さんが経営学を学ぶための場を考えるにあたって、「響創的による学び」というコンセプトを考えました。経営学部の響創とは、学び合い、刺激し合いながら、そして音楽のように響きあいながら、新しいことを創り上げていくという意味です。
武蔵野大学経営学部は、変化の激しい未来においても活躍できる有為な人材を育成することで、「世界の幸せをカタチにする」という大学のビジョンに貢献したいと考えています。そのために我々教員は、学生への教育はもちろんのこと、研究活動や社会貢献活動にも力を注いでいきます。ぜひ、新しい経営学部に期待していただきたいと思います。