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留学先輩体験談

中国

協定留学
森重 優実さん
(グローバルコミュニケーション学科)
留学先大学:天津外国語大学
留学期間:半年間(3年生 前期から)

  留学を決意したきっかけ

天津外国語大学

私は入学当初、英語圏に留学する気でいた。英語は国際共通語であり、世界で活躍するには英語だけで十分だと思っていたから。それでも私が考えを改め、中国語圏への留学を決めた理由は大きく2つある。

その1つは、中国語の魅力に気づいたこと。大学から中国語を学び始めた私は、英語にも日本語にもない中国語の独特な基礎発音、「四声」の習得につまずき、中国語に対して苦手意識をもっていた。けれど、周りの友達と一緒に中国語の勉強をして乗り越え、発音を繰り返していくうちに習得できるようになっていき、その嬉しさがさらに中国語を勉強する楽しさを駆り立てた。それから2年時の夏、台湾へ1カ月研修を経て、現地の人と中国語で意思疎通する面白さを覚え、もっと生きた中国語を学びたいと思うようになった。

2つ目の理由は、中国という国、文化への関心だった。当初、そして現在でさえ、日本のメディアを介して伝わる中国の情報にはネガティブなものばかりで、あるいは電車内で一部の中国人の姿を見ていても、大声を出したりマナーがよくない印象を受けることさえある。こうしたことから、我々日本人は、中国という国や中国人に対して偏見を抱きつつあると強く思う。残念ながら私もその一人だった。あるとき私は異文化コミュニケーションという授業内で「偏見」について学んでから、考えは一変し、そこから視野を広げるようになっていった。よく考えれば、いつも周りにいてくれる中国人留学生たちはとても親切で、笑顔にさせてくれて、中国人の先生方もとても真摯に向き合って手を差し伸べてくれる、そんなあたたかい人々ばかりだなと改めて思った。そして、2019年に差し掛かったころ、両親の心配はありながらも、「真の中国」をこの眼で見て感じたいという想いで、中国留学の決断に至った。

  寮での生活

私たちが生活していた寮は、留学生寮だった。留学生の色彩として、日本人が4割を占めていた。次いで韓国が多く、その他ロシア、ウズベキスタン、イタリアなどだった。寮の一階には交流スペースとして十分なロビーがあり、現地の中国人が入ることは禁止されていたが、冷房もWi-Fiも一応設備されているため、たまり場にはもってこいの場で、こっそり進入している中国人もいた。各部屋には、二つのベッド、机、そしてクローゼットと洗面台、シャワー等が用意されているので、生活するには十分であった。共有スペースには、キッチンがあり、料理をすることも不可能ではないが、冷蔵庫には他の留学生の食べ物が詰まっていて、生鮮品の保管がむずかしい。しかし食堂に行くと中国料理や韓国料理、そして地下にはセブンイレブンがあるので、自炊する必要もない。洗濯は、各フロアに共有の洗濯機があるため、洗剤や柔軟剤、干す道具等をそろえればメイウェンティ。

私が留学先で苦労したことは、いかに邦人以外の人と時間を共にするかということ。とりわけこの天津外国語大学は、日本人にとても人気だが、到着と同時に受付の流れで日本人とルームシェアするということは予想外だった。留学という学習目的ありきの生活で、同じ国籍同士でのルームシェアは、国内にいるような感覚で日本語を話しがちになり、留学が本末転倒になる。そのため、周りの日本人と助け合いはしながらもできるだけ現地人と時間を過ごすことを試みた。天津外国語大学で日本語学科を専攻している中国人はとても多くいるため、言語交換の相手にはとてもふさわしいと思う。私は放課後に彼らと教室で自習したり、探検しながらごはんを食べに行ったり、週末に北京や上海に行ったりする中で会話を楽しんだ。授業でわからなかったことを教わったり、初めての場所や初めての食べ物、初めての経験で溢れ、彼らとの出会いには感謝しかない。とてもありがたい。

  留学を通して成長したこと

スピコン 記念写真

留学を通して身につけたことは、語学力に加え、多彩な留学生との意思疎通力や幅広い視野、価値観、異文化理解力など多岐に渡る。中でも一番成長を感じたものは、前に踏み込むための自信とそれに伴う行動力。留学中のある日、天津外国語大学で日本語スピーチコンテストが催され、中国人の友人が参加するため、偶然応援に行ったことがきっかけだった。彼女は当時、天津外大の日本語学科生で、日本へ一年間の留学経験があった。それゆえ彼女の日本語力は、違和感を感じさせないものだった。当日はそれ以上だった。言葉の選び方、一語一句に込めた想い、そして表現力と流暢さが身体に伝わってきた。結果、彼女は優勝。異国で生まれ育った彼女が、外国語を母国語のように自信をもって聴衆の前で話している姿に、私は感動し勇気をもらった。数か月後、勝ち進んだ代表選手による日本語スピーチコンテストが東京で行われた。彼らの精度の高いスピーチ、アドリブ力に圧倒された私は、背中を押されたように中国語スピーチコンテストに出場を決めた。私は出場を決める前から、ベトナムとインドで研修の予定があったが、決意した以上、どこにいようと本番に向けての練習に時間を割いた。選考には、発音と原稿の審査があった。発音に関して自信はあったが、現地人や先生方の声を録音したものを繰り返し聞いて真似することで改善に努めた。原稿も彼らに何度も添削をお願いして助けてもらった。帰国後迎えた当日、審査員の意図を汲み取り、堂々と熱烈とスピーチを披露することができた。選手11名のうち、2位を受賞し、達成感に満ちた。

語学力を向上することは、この時代、国内での独学でも可能だと思う。その点、留学で得られる貴重なものは、もっと不可視的なモノかもしれない。経験上、私が学習において大切だと思うことは、自ら行動して吸収し、実践すること。言葉にすることは容易だが、昔の私は失敗や変化に恐れ、行動にすら移してなかったかもしれない。しかし周囲の人々の頑張りや貫き通す姿に感化され、失敗に恐怖を感じるのは当たり前で、むしろ失敗を繰り返してそこから吸収してこそ向上できると考えるようになった。語学は、自信を与え、世界中の人との意思疎通を可能にし、価値観を広げるとともに世界への扉を開くことができる、潜在的価値があるものだといわれている。人生1度きり、何事も自分次第となるので、今とこれからを楽しんで生きてほしい。

My favorite!

留学先での忘れられないお勧めスポットや食べ物などを紹介します。

民園広場

'民园広場'
'Minyuan Square'

中国文化と西欧の建築をかけ合わせた広場で、運動場があり、地下にはスーパー、コンビニ、周りにはレストランが揃っている。昼間に来るのもいいが、夜には、ライトアップされて人でにぎわい、また違った雰囲気を感じられる。
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