日本文学専攻[博士後期課程]
研究科概要
世界文学・文化との交流及び高度な研究能力をもった人材を育成
グローバル化とAI化が進む現代社会において、世界の中で日本文学・日本文化を捉えなおし、その魅力を伝えることのできる人材が求められています。日本という国、文化圏、言語圏の特性を考慮した新たな文化振興の創造に寄与する人材を育成するためには、日本という国の歴史、文化、日本語という言語の変容過程を深く考察し、同時に構造的な視点から世界との交通の可能性において分析する必要があります。本研究科では、日本文学・文化をその豊かさにおいて研究することによって、日本文学・日本文化の特性を世界文学・世界文化との交流において見極めることを目指し、幅広くかつ専門的な知識と、高度な研究能力を持った文学者の育成を目指します。
養成する人材像
- 日本文学・日本文化に関する専門的な学識と深い理解を持ち、高い研究能力と応用力を有して日本文学・日本文化の発展に寄与する研究者や、その知識を活用して高度な専門性を発揮できる創作家。
- 日本の文学作品や伝統芸能にみられる多様な哲学や思想、表現方法や様式等を研究することで、古代から現代までの各専門領域における文献的諸問題や文化思想の在り方を明らかにし、広く文学と文化の創造と発展と深化に寄与できる人材。
- 日本文学や伝統文化に携わる研究職、日本文学・文化に関する高度な専門性を有する職業人。
研究科DATA
取得できる学位
博士(文学)
入学定員
2名
修業年限とキャンパス
1年:武蔵野キャンパス
2年:武蔵野キャンパス
3年:武蔵野キャンパス
修了後の進路
大学教員/日本文学・伝統文化など専門分野に携わる研究職/公務員/企業の企画調査研究担当者 など
教育訓練給付制度
2024年度現在、厚生労働大臣指定の教育訓練給付制度を利用することができます。次年度以降の扱いについては、入学後にご案内します。
昼夜開講制
社会人の勤務形態を考慮し、働きながらでも無理なく研究を継続できるよう昼夜開講制を導入しています。
カリキュラム
カリキュラムおよび開講科目は下記の「履修要覧」よりご確認ください。
授業紹介(例)
近現代文学研究1
近現代の文学研究には、テクストを独自に読解するための理論的な分析と考察、地道な書誌及び注釈的研究、膨大な同時代言説の分析に基づく文化研究、文学史の掘りおこしと読みかえ、新たな作家研究、地政学的な研究、これまでにはない文学観を示した文芸批評など、多様なアプローチがあります。例えば『中島敦全集』(筑摩書房)などを用いて本文読解と先行論文の整理を行い、多様なアプローチを実践し、汎用性の高い学術書を正確かつクリティカルに読み、みずからの学術論文を発表することを目指します。
近現代文学研究2
児童文学と「声」の関わりを考えます。日本の子どもの文学は、1960年前後に詩的・象徴的なことばで心象風景を描く「童話」から、もっと散文的なことばで子どもをめぐる状況(社会)を描く「現代児童文学」に転換しました。「現代児童文学」は、読者層の中心を、すでに黙読ができるようになった10代前半に引き上げ、子どもに読んであげる「声」と別れることになりました。「現代児童文学」が抑圧してしまった「声」あるいは身体性について、宮沢賢治や新美南吉の「童話」や現代の幼年文学を読むことを通して考え、日本児童文学史を見る観点の形成や、児童文学研究の方法の発見を目指します。
古典文学研究
記紀神話と『源氏物語』、季節感と美意識の形成、『源氏物語』と漢文学、白居易文学の受容、『徒然草』と鎌倉新儒教(宋学)など、古代から近世までの古典文学に関わるテーマを受講者みずから設定し、調査・発表し、議論することを通して、論を練っていきます。日本の古典文学が、先行の和歌・漢詩文・仮名散文や、絶えず新たに受容された中国文学・思想・文化によって豊かに織り成されている様相を理解することを目指します。
日本文化研究(オムニバス方式/全30回)
平安時代の装束文化、和漢聯句に見える文学伝統の融合、中世軍記物と絵画資料、歌舞伎と浄瑠璃、古文書・古記録の史料批判と解釈、近現文学と映画など、さまざまなテーマで日本文学と文化について総合的に学び、自らの専門的な研究の背景として、日本文化の幅の広さと奥深さに触れます。
教員紹介
2025年度担当予定教員一覧(担当科目等は変更になる可能性があります)。
※職位、担当科目は2024年度時点の情報です。● : エントリーシートの「希望指導教員」欄に記入可能な教員
※担当教員等は大学院修了までに変更となる場合があります。 ※研究指導が可能な教員とその専門分野、および希望する研究内容についても相違がないことを確認した上で、出願を行ってください。教員情報の詳細につきましては武蔵野大学 研究者情報をご覧ください。
名前 | 職位 | 担当科目 | 研究領域 | |
---|---|---|---|---|
漆原 徹 ウルシハラ トオル |
教授 | □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
古文書学、文献学、日本中世史学、日本法制史、日本政治史 | |
掛野 剛史 カケノ タケシ |
教授 | ● | □近現代文学研究2 □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
近現代文学、出版メディア |
菅原 克也 スガワラ カツヤ |
教授 | □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
文学理論、比較文学比較文化 | |
土屋 忍 ツチヤ シノブ |
教授 | ● | □近現代文学研究1 □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
近現代文学、表象文化論、植民地文化 |
藤本 恵 フジモト メグミ |
教授 | □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
近現代文学・児童文学 | |
三浦 一朗 ミウラ イチロウ |
教授 | ● | □日本文化研究 □文学特殊研究1~3 |
近世文学、読本、近世小説 |
室田 知香 ムロタ チカ |
教授 | ● | □古典文学研究 □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
中古文学 |
楊 昆鵬 ヨウ コンホウ |
教授 | □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
和漢比較文学、漢文学、中世韻文、和漢聯句 | |
岩城 賢太郎 イワギ ケンタロウ |
准教授 | □日本文化研究 □博士論文研究指導1~3 |
中世文学、古典芸能 | |
中村 三春 ナカムラ ミハル |
客員教授 | □近現代文学研究1 |