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令和6年度 入学式式辞

令和2年度卒業式・修了式式辞2

1.入学おめでとうございます

武蔵野大学ならびに大学院に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。武蔵野大学教職員一同、皆さんのご入学を心より歓迎いたします。
 
また、これまで長い間、皆さんの勉学を支えてこられたご家族、関係者の皆さまにもお慶びを申し上げます。数年後、皆様のお子様方が卒業を迎えられる時に、この大学に進学してよかったと感じていただけるよう、教職員一同全力で教育の充実につとめてまいります。ご理解とご協力をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
本日は、学校法人武蔵野大学の長野理事長をはじめとした理事者の皆様、ならびに学校法人武蔵野大学後援会の工藤会長、武蔵野大学の同窓会であるむらさき会の平山会長、名誉教授の先生方をはじめとしたご来賓の皆様にご臨席をたまわり、副学長、学部長、研究科長、教職員列席のもとに、令和6年度の入学式が挙行できますこと、大変ありがたく存じております。心より感謝、御礼申し上げます。
 
また、海外から入学された皆さんにも、私が学んできた限られた言葉で、お祝いの気持ちをお届けします。
On behalf of the entire faculty and staff I wish to congratulate and welcome you with open arms to Musashino University. Based on the mission of our school, rooted in Buddhism, our university is ready to support each and every one of you in establishing your ideals and in helping you to realize them in the real world. At the same time, we are a university, which aspires for the ideal of Creating Peace & Happiness for the World. In order to achieve this lofty goal, we strive to offer educational curriculum of the highest quality and to support you in your personal growth and development. Since you are a college student or a graduate student at Musashino University, please make the greatest effort and achieve the greatest results of your life so far. Best wishes to you all!
各位同学好!我是校长西本照真。首先在这里恭喜大家入学武藏野大学。我谨代表我们的全体教职员工衷心欢迎你们的到来。武藏野大学是一所以佛教精神为理念、支援学生树立、挑战更高远的理想的同时,为创造世界和平和幸福为理念的大学。为了实现这个远大的目标,我们将不惜代价为学生提供各种高质量的教育课程。我们支援鼓励每一个学生在这里茁壮成长的同时、也寄希望于你们能尽自己最大的努力、将在大学的这一期间演变为你们人生中,最充实,最有意义、成果最丰硕的时期。谢谢大家。
さて、新入生の皆さん、中学高校生活をコロナ禍で過ごしてきた皆さんにとって、新たな可能性に満ちた大学生活のスタートです。昨年度までは、新型コロナの感染防止に配慮して、入学式も数回に分けて実施していました。今では思い出の彼方となっていますが、数年前には13回に分けて入学式を実施した年もありました。今年度はこの有明コロシアムで、全新入生と教職員、ご家族の皆様が一堂に会して、盛大な入学式が挙行できますこと、大変ありがたく、またうれしく思います。

2.初心を大切にし、夢を実現しよう

各キャンパスの正門脇に聖語板があり、月々の言葉が書かれていますが、4月の言葉、ご覧になられた方もあるでしょう。今月は次のような歌が書かれています。
 
 「ここに学ぶとはじめて立ちし校庭の花の四月の初心わするべからず」
 
これは、1965年に4年制の女子大学となって初めて誕生した文学部日本文学科の主任教授土岐善麿先生の歌です。
どうか皆さん、よし、ここで学ぼう、こういう目標を掲げて大学生活を送ろう、今、ここで感じている皆さんそれぞれの初心を大切にしながら、豊かな可能性に満ちた大学生活をスタートさせてください。
 
今日という一日、今というこの瞬間は、皆さん一人一人にとっても、また、武蔵野大学にとっても特別な意味を持っています。皆さん一人一人のこれまでの人生の歩みと、100年前に創設された武蔵野大学の歩みが、今まさに一つに出会う瞬間を迎えているからです。そしてその出会いを、ともに喜び合う中で、皆さんにとっても武蔵野大学にとっても新たな歴史の1ページをスタートさせたいと思います。そのためには、お互いの歩んできた歴史や人生を伝え合い、理解し合い、その上で願いや夢を大いに語り合い、ともに協力しながらカタチにしていくことが大切です。ぜひ、皆さんは、これから出会う友人同士、教員や職員の方々と、皆さんの抱く大きな夢や理想を語って、ともに歩んでいただきたいと思います。
 

3.輝け!Happiness Creatorたち

ここで、皆さんの先輩たちの夢や理想の実現の姿を少しご紹介したいと思います。ホームページにも、輝け!Happiness Creatorsの欄などにも紹介記事が掲載されているかと思います。
 
一人目は、本学の開催するSDGsアワードを受賞した教育学科の岡村奈々さんです。岡村さんは三年生になる時に一年間休学して、南アフリカで過ごしました。海外インターンシップとして一年間、南アフリカの小学校で先生をしてきました。アワードに応募したタイトルは、「南アフリカの小学校に革命を ハタチの休学LIFE」というものでした。
南アフリカの小学校で実に様々な活動をしてきました。日本の企業に呼びかけて、文房具を製造している企業などの協賛を得て、エンピツやノートを届ける活動、バスを借り切って校外学習に出かける活動、南アフリカ在住の日本人を対象にした「学校・スラム街見学」のイベント、体育をはじめとして生徒たちの成長に大切な授業科目の新設、などなどです。
現地から日本の学校現場にオンライン公演をして、南アフリカの現状を伝える活動、メディアへの紹介の活動など、実に多種多様な活動を旺盛に展開しました。帰国後も現地の状況を伝えるための雑誌の刊行を、クラウドファンディングで資金を集めて行っています。岡村さんのように、グローバルな世界に飛び立って、本学のブランドステートメントである世界の幸せをカタチにする活動に取り組んでいる先輩達が、たくさんいます。
 
もう一人紹介したいのは、アントレプレナーシップ学部の大武優斗さんの取り組みです。アントレプレナーシップ学部は、2021年に日本で初めて作った学部ですが、「自分の志を大切にして、事を成し遂げる」人を育てる教育を進めています。
大武さんが取り組んだのは、「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児 野球大会」を甲子園球場で開催する活動です。マスコミなどでもずいぶん紹介されましたので、ご存知の方も多くおられるかと思います。大武さんはそのプロジェクトの発起人代表として、多くの仲間と協力しながら、夢の実現に取り組みました。ふりかえると、2020年の甲子園大会はコロナのために戦後はじめて中止となりました。甲子園に出場予定であった球児たちは、大変にショックを受け、もやもやした思いを抱えてこの2、3年を過ごしてきました。同じ思いを抱く全国の仲間たちに呼びかけ、三年前の夏の甲子園を取り戻そうということで、46チーム総勢1000人が参加する大会の開催準備を進め、昨年の11月29日に甲子園球場で開催して、大成功を収めました。開催に必要な七千万円の資金集めのクラウドファンディングの活動、野球選手や企業など幅広く呼びかけて協力を仰ぎ開催に至りました。アントレプレナーシップ学部の学生に限らず、本学の学生の皆さんは、皆、懸命に夢を追いかける、決して人の夢を笑わない、仲間と協力しあって、懸命に夢へとチャレンジしていく。
 
三人目は、ウクライナから戦火を逃れて留学してきたリリア・モルスカさんとその仲間たちです。私たちはロシアのウクライナ侵攻に大変心を痛めておりましたが、縁あってリリアさんが本学で学ぶことになりました。ウクライナについて、戦争のイメージだけが日本の人たちにもあるが、もっともっとウクライナのことを知ってほしいということで、日本人の学生三人の協力を得て、ウクライナ紹介パンフレットを作成しました。食事、文化、芸術、生活などなど幅広く紹介しています。これを自治体や様々な施設に数千部を配布して、理解を深めてもらう活動を進めました。
以前、いくつかのテレビ番組で取り上げて活動を紹介していただきました。NHKの全国放送の番組では、生中継で有明キャンパスの壁面全体に、平和の象徴、ウクライナの花であるヒマワリ畑が映し出されました。平和を願う熱い思いを留学生と日本人学生が一緒に協力しあいカタチにした、ステキな活動でした。ブランドステートメント「世界の幸せをカタチにする。」の英訳は、“Creating Peace & Happiness for the World”です。身近なところから平和をカタチにする取り組みとして本当に素晴らしいなと思いました。今、リリアさんは、本学の大学院に進学し、ウクライナに日本語学校をつくる夢の実現に向けて、懸命に研究を進めています。
 
このように自身の夢や希望を在学中から実現させようとチャレンジを続ける学生が武蔵野大学にはたくさんいます。入学以来、毎日19時間勉強をして2年生で公認会計士の国家試験に合格した学生、弁護士になる夢を抱き法曹士業プログラムで懸命に学び他大の法科大学院に進学して弁護士になった学生、年間数百冊、図書館にこもってひたすら本を読み続けた学生など、実に様々ですが、皆、自身が思い描いた大学生活の実現にチャレンジしてきました。また本学には資格の取得を目指す学部学科等も多くあります。薬剤師、看護士、教員、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士などなど、それぞれの資格の取得をめざして、懸命に勉学に励んでいる先輩たちもいます。その姿を見ながら、ぜひ皆さんも頑張ってください。
まだまだ紹介したい学生の活動はたくさんありますが、このような取り組み、一人一人の武蔵野大学の学生が輝いてほしい、一人で輝くのではなく、多くの人とつながり合い協力しあいながら、「世界の幸せをカタチにする」輝きを発揮してほしいなと思います。

4.建学の精神に導かれた100年の歩み

同時に、本学にも抱き続けている願いや目標があります。それを大学生活のスタートにあたって、ぜひ皆さんにも共有したいと思います。

学校法人武蔵野大学は、今年、2024年、創立100周年を迎えました。この学校を始められた学祖の高楠順次郎博士は、世界的な仏教学者であり、文化勲章を受章された方でありますが、その高楠先生によって100年前に蒔かれた種が、100年の年月を経て、大学においては13学部21学科13大学院研究科と通信教育部、専攻科、別科を擁し、学生数では1万人を超える総合大学へと成長、発展を遂げてきました。

とりわけ、この20年余りの発展はめざましいものがあります。武蔵野女子大学から武蔵野大学に校名変更、男女共学化、学部学科大学院を次々に開設してきました。この5年間に限っても、2019年に日本の私立大学としては初めてデータサイエンス学部を開設、2021年には日本で初めてとなるアントレプレナーシップ学部、2023年は工学部サステナビリティ学科、そして創立100周年の記念すべき今年度は、世界で初めてとなるウェルビーイング学部を開設し、第一期生90名を迎え入れました。ウェルビーイング学部のキャッチコピーは、「あなたにしかつくれない、しあわせがある。」ですが、これは武蔵野大学のすべての皆さんのキャッチコピーでもあると考えています。皆さん自身にしかつくれないしあわせがある、自分自身のしあわせも、社会、世界のしあわせも、あなたにしかつくれないしあわせをカタチにしていくのが、武蔵野大学に集うものの姿です。武蔵野大学は、その時々の社会のニーズ、課題を先取りしながら歩んできました。そして、武蔵野大学は、成長とチャレンジを続け、たえず新たな価値をクリエイトしつづける大学でありたい、この思いが100年の歩みと発展を支えてきました。大学の構成員たる皆さんも、チャレンジ精神とクリエイティブな感性をたえず磨きながら大学生活を送ってください。

さて、100年前に歴史を遡りますが、本学は、1923年9月1日に起こった関東大震災の翌年、1924年に東京の築地本願寺で産声を上げました。震災から半年後、ようやく復興に向けて歩み始めた頃、築地本願寺境内に仮設されていた日本赤十字社診療所跡を仮校舎として本学の前身である武蔵野女子学院はスタートしました。一言でいえば、深い悲しみの中で、復興を願いつつ、これからの時代を担っていく志ある子女を教育したいという願いのもとに設立されました。
学祖の高楠順次郎博士は、「理想が高まるに従って人格が高まり、人格が高まるに従って高い理想が現出する」と述べ、仏教の開祖である釈尊(しゃくそん)を理想の人格として仰ぎ、私たちもその理想に向かって、人格向上の歩みを進めることこそ人生の意義であると説いています。
 
そのような学祖の願いを受けて、武蔵野大学では建学の精神について、仏教の根本精神である四弘誓願(ほとけのねがい)を基礎とする人格教育にあると定めています。四弘誓願というのは、本日の式次第にも漢文が印刷されていますが、皆さんにお渡しする礼讃抄やブランドブックには現代語にわかりやすく次のように訳されています。

四弘誓願

武蔵野大学は、この四弘誓願を基礎とする仏教の建学の精神を受け継ぎ、今日的に具現化していくため、8年前に新しいブランドステートメントとブランドマークを発表いたしました。ブランドステートメントは、「世界の幸せをカタチにする。」(Creating Peace & Happiness for the World)、ブランドマークは虹色の螺旋によって表された武蔵野大学のイニシャル「MU」です。武蔵野に集う人々のいのちの色、多様ないのちの輝きが一つになって、武蔵野大学を構成している。本学に集う者すべてが、感性と知恵と響創力(響き合いながら幸せのカタチを創造していく力)を繋げ、連帯しながら、未来へと永続的にブランドステートメントの達成に取り組んでいく、その願いと決意を表しています。そして、その真ん中には地球が描かれています。地球に生きるすべてのものが幸せであるように、との願いがこめられています。何度も繰り返しになりますが、世界の幸せをカタチにしたいという願いに共鳴するものがここ武蔵野大学に集っている。世界的な視座をもって生きていきたいという大きな志のあるものがここに集っている。入学したみなさんもその一員であり、一人一人がHappiness Creatorとして、自分のできるところから世界の幸せのカタチづくりに取り組んでいく。これが武蔵野大学に集うものの姿だと思います。

これから学修していく全学共通基礎課程「武蔵野INITIAL」の授業科目の中に、「SDGs基礎」や「SDGs発展」などの科目が配置されているのも、「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念が本学の願いと軌を一にしているからです。

5.創立100周年を跳躍台に、響き合って、未来へ

本学にとって100年に一度のこの瞬間を、本日入学したみなさんとともに迎えることができるのは、大きな喜びです。学祖の高楠先生は、「我々が努力して成し遂げたものは、そのままで終わりを告ぐべきものと思うのは間違いである。この後に為すべきものの第一歩である」と述べています。
 
100年の地点に立った今、この後に為すべきものとは、新入生の皆さん方自身が武蔵野大生としてどれだけ充実した大学生活をおくれるか、そして入学時に思い描いた夢や希望を卒業時にどれだけ実現して巣立っていくか、本学ではそのことをスチューデント・サクセスと言っていますが、皆さんの成長実感、達成感、納得感の得られる大学生活にしていくこと、その最大限のサポートをしていくことが武蔵野大学の使命であると考えています。
 
また、武蔵野大学は、2024年の100周年を、次の100年、すなわち2124年に至る100年において世界の幸せとウェルビーイングをクリエイトしていく跳躍台にしたいと考えています。みなさん方は、2050年の未来に向かって、世界の幸せをクリエイトしていく世代です。そして、はるかに22世紀の未来を生きていく方もおられることでしょう。そういう意味で、短期的な狭い視野ではなく、ぜひ長期的な広い視野に立って、25年後の2050年、さらに75年後の2100年代という未来を眺望しながら、その未来を切り開いていくのに必要な力を、ぜひこの大学生活の中で身につけていただきたいと思います。

最後に、改めて100周年の記念すべき年に入学した皆さんへ、歓迎の意をこめて、100周年の記念ポスターのメッセージを読み上げ、この一年を意義深い一年にする決意をともに固めたいと思います。

タテ組み_カラー_100周年ロゴ

約一世紀にわたり、多くの生徒、学生、教員、職員、
 
そして卒業生を含む学外からの協力者が、
 
さまざまな境を越え、高め合い、笑い、涙し、響き合ってきた軌跡。
 
それが学校法人武蔵野大学です。
 
しかし、この道はまだ途中。
 
世界は、幸せか。私たちが学問し、実践し、挑み続けてきたこの問いに、
 
そうだと答えられる状況はまだ遠いのが現実です。
 
これまで以上に、ひとりよがりを超え、異なる力を響き合わせて、
 
世界の幸せをカタチにする未来へ向かうときです。
 
100周年記念事業メッセージ「響き合って、未来へ。」には、
 
そのような決意を込めています。
 
想いはつながる。世界は変えられる。
 
学校法人武蔵野大学の創立100周年は、
 
もっと大きな理想を実現する第一歩です。
 
メッセージの中に、「世界は、幸せか。」とありましたが、武蔵野大学の学びは問うことからスタートします。「問う→考動する→カタチにする→見つめ直す」の4項を繰り返しつなげて、学びのスパイラルを高めていく、これが武蔵野大学の学修スタイルであり、響き合う学びということで「響学スパイラル」と呼んでいます。どうかみなさん、それぞれの学部・学科の学びの中で、皆さん自身が最高の成長を果たすとともに、世界の平和と幸せをカタチにし、今日、世界が直面する諸課題を解決していくという本学の使命を実現するために、ともに歩みだしていきましょう。
 
今、皆さんは、これまでの偏差値で輪切りにされた教育体制から、自由を獲得しました。どのような夢を抱き、どのような目標に向かって、チャレンジしていくか。まっさらな大学生活に、未来図を描いていくのは皆さん自身です。
 
今日、今、この一瞬から目標をしっかりと立て、自らの、そして世界の未来を思い描いて大学生活をスタートさせ、卒業の時点で、ああ、この大学に学んで本当によかったといえるような大学生活を自身の手で切り開いていってください。
 
教職員一同、皆さんの夢と理想の実現を全力で応援いたします。改めて、入学おめでとう。一緒にがんばりましょう。
令和6(2024)年4月3日
武蔵野大学学長 西本 照真
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