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数理工学センター MCMEセミナー 数理工学シンポジウム

数理工学センター(MCME)セミナー

開催セミナー

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第72回MCMEセミナー

【セミナー概要】

日時 2024年7月12日(金)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 坂上 貴之 氏(京都大学 大学院理学研究科)
講演題目 「ながれ」を言葉に:流線トポロジカルデータ解析の理論と応用
講演概要 流体運動に現れる複雑なパターンは刻一刻とその変えとどまるところがありません。私たちはこうした流れパターンの変化から、どのような有効情報を抜き出すことができるでしょうか。この問いに対して私たちの研究グループではトポロジーと力学系の理論を用いて、流線パターンに固有の離散木構造および文字列表現を与える数学理論とそれに基づく流線トポロジカルデータ解析(Topological Flow DataAnalysis=TFDA) を開発し、大気・海洋・医療・産業分野の諸問題に適用しています。本講演では、TFDAの理論概要を説明し、心臓エコー画像に対するTFDA解析による心臓左心室内の渦流同定問題への応用例をお話しします。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
お申し込み 参加登録は下記リンクからお願いいたします。
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第71回MCMEセミナー

【セミナー概要】

日時 2024年6月21日(金)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 高村 博之 氏(東北大学 大学院理学研究科数学専攻)
講演題目 常微分不等式の加藤の補題と半線形波動方程式への応用
講演概要 台がコンパクトで小さな初期値をもつ非線形波動方程式には、古典解の最大存在時間の下界を初期値の小ささで表現する一般論が存在する。その結果は、空間次元と冪型非線形項の次数によって分類される。一般論の最適性を保証するモデル方程式は、大きく分けて二種類あり、その一つ、未知関数自身の冪型非線形項をもつ波動方程式は、古くは1970 年代から解析されて来た。本講演ではその方程式の解の最適時間爆発に焦点を当て、複数の証明方法を解析の歴史と共に概観し、最も強力な方法とその時間変数係数消散項付き方程式への応用を紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)
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終了セミナー

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第70回MCMEセミナー

【セミナー概要】

日時 2024年6月6日(木)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 冨田 昌 氏(明治安田生命収益管理部)
講演題目 保険料改定を含む破産モデルと破産確率~Cramér-Lundbergmodelの一般化とその数学的性質~
講演概要 破産理論は損害保険数理の一分野であり、保険会社の純資産(サープラス)の変動を確率過程を用いてモデル化し、破産確率などのリスク指標を用いて評価する。モデル化の方法については、Cramér-Lundbergmodelが提案された後、様々な拡張が試みられてきた。本講演では発生頻度の不確実性と保険料の改定に着目して、信頼性理論との整合性を踏まえたモデルの一般化であるGeneralizedCramér-Lundbergmodelを紹介し、破産確率を含めたその数学的性質を説明する。説明に際しては、(1)保険契約者数を複数とすることの影響、(2)発生頻度で条件づけた破産確率の単調性、といった論点に言及する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 篠崎 裕司(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)
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第69回MCMEセミナー

長 康雄先生は、先生自身が発明された静電容量顕微鏡である走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)を中心に、走査型顕微鏡の原理や用途などを詳しく解説されました。先生の技術が次世代超大容量ハードディスドライブに適用できるなど、日本発の技術の展望についてとても夢のある内容でした。また、ご自身のこれまでの研究人生について獲得した研究費のグラフを参照しながら説明され、研究費の少ない揺らぎ的な期間こそが創造力の試される重要な時期であることなど、後進にとってたいへん参考になる講演でした。

【セミナー概要】

日時 2024年3月11日(月)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 ⾧ 康雄 氏(東北大学 未来科学技術共同研究センター)
講演題目 走査型プローブ顕微鏡が切り開く表面科学と電子デバイス応用への展開~走査型非線形誘電率顕微鏡を中心として~
講演概要 走査型トンネル顕微鏡が発明されて以来多くの走査型プローブ顕微鏡が開発され表面科学の発展に大きな足跡を残してきたことは周知の事である。その中でも近年は電気計測に特化した走査型プローブ顕微鏡を用いた電子材料・デバイス計測・評価とその応用への関心が高まっている。本講演では講演者独自の発明の静電容量顕微鏡である走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)を中心に置き、これを用いた原子スケール誘電計測や誘電体・半導体材料・素子評価技術、更には次世代超大容量ハードディスクドライブ実現を目指した超高密度強誘電体記録応用への展開について、研究の楽しさ苦しさ研究者の夢を交えてお話しできればと考えている。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第68回MCMEセミナー

篠崎 裕司先生は、数理ファイナンスについて初心者にもわかるたいへん丁寧な説明をされました。数理ファイナンスが、俗に考えられているような株価の予測などを行うものではなく、無裁定/複製を原理としたものであることなどを平易な言葉で詳細に解説され、また、ご専門の確率微分方程式に関する最近の成果についても紹介されました。将来の展望についてもご自身の考えを述べられて、数理ファイナンス分野に関して多くのことを学ぶことができました。

【セミナー概要】

日時 2024年3月1日(金)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 篠崎 裕司 氏(日本銀行 金融研究所 経済ファイナンス研究課)
講演題目 数理ファイナンスの考え方:実務と学術における最近の問題意識を交えて
講演概要 数理ファイナンスは、デリバティブ(金融派生商品)の価格付け理論を中核とする応用数学の一分野である。理論と金融実務が相互に影響を与え合いつつ、確率論のみならず数理科学の諸分野やIT技術などとも密接に関わりながら発展してきた。「難しい数学を使って、儲かる株を探す分野なのか?」としばしば誤解されるが、リスク(将来の不確実性)を正しく評価することを主な目的としている。このリスクの正しい評価のために、統計的な手法ではなく、精緻な数学(確率微分方程式/マルチンゲール理論)による手法を用いるのが、大きな特徴である。
本講演では、まず、数理ファイナンスにまつわる誤解を解消しつつ、「複製」や「無裁定」といった基本的な考え方を紹介する。とくに、確率微分方程式などの道具が必要となる理由を発見的な方法で明らかにする。そのうえで、実務と学術における先端的な話題を、その発展経緯とともに紹介する。とくに、(1)数値計算問題と数理科学の諸分野の交わり、(2)機械学習による発展可能性、(3)数理ファイナンスの最近の問題意識から現れる非線形問題や非整数階微積分などについて、概説することを試みる。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第67回拡大MCMEセミナー

今回は、拡大セミナーとして、複素領域における数理科学分野の最近の話題について3人の講師の方に説明していただきました。また、関連する数値解析に関する話題として数理工学科修士課程1年生2人のプレゼンがありました。東 康平先生は、交通流の厳密解に関する話題として Slow-to-start model の安定性解析と特異積分を含む交通流モデルについて複素領域の可積分系からの解析的な簡約として厳密な議論が展開できることを解説されました。竹井 優美子先生は、完全WKB解析について基礎的な解説の後に、最近の行列模型の分配関数や相関関数の解析に現れる位相的漸化式との関係についての最近の結果を紹介されました。高安 亮紀先生は、非線形熱方程式複素ギンツブルク-ランダウ方程式などにおいて、精度保証付き数値計算により、非自明な平衡解の存在証明や不安定多様体の軌道上の非有界な解の存在を示すことができることを示され、計算機を援用する厳密な数学解析の有効性と面白さをわかりやすく解説されました。修士1年生の清水 千晶さんと楊 家宝さんは、現在取り組んでいる数値解析の課題について説明し、いくつかの有意義なコメントを受けていました。内容も豊富であり、こうした学生のプレゼンも含まれる拡大セミナーを今後も開催したいと思います。

【セミナー概要】

日時 2024年2月21日(水)11:00~17:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 東 康平 氏(東京大学大学院数理科学研究科 博士課程)
竹井 優美子 氏(茨城工業高等専門学校 国際創造工学科)
高安 亮紀 氏(筑波大学 システム情報系)
講演題目 One day workshop on differential equations in the complex domain
講演概要 11:00~12:30
東 康平 氏(東京大学大学院数理科学研究科 博士課程)
“特異積分をもつシステムの数理とその交通流現象への応用”
交通流のマクロモデルとして知られているBurgers方程式は、運転者の無限認識距離を仮定していることが知られている。認識距離を実質的に有限とするようなモデルが特異積分をもつ非線形偏微分方程式として提案されている。本講演では、様々な特異積分をもつ方程式とその解が複素領域の方程式に対して、解析性を課すことで導かれることを紹介する。この手法を用いて得られる特異積分をもつモデルを用いて交通流現象について解析し、パラメータに応じて密度勾配が変化することやデッドロック現象が生じることを説明する。

13:30~15:00
竹井 優美子 氏(茨城工業高等専門学校 国際創造工学科)
“完全WKB 解析と位相的漸化式”
WKB 法はSchrödinger方程式の近似解法の一つであり、歴史的には量子現象を理解するのに役立てられてきた。プランク定数に関する形式級数解として構成されるWKB解にBorel総和法を適用することにより、近似法ではなくexactな解析手法にしたのが完全WKB解析である。指数函数的に小さな項までを含めた漸近解析が可能となることで、WKB解の接続公式などをexactに書き下すことができる点がこの手法の強みである。一方、位相的漸化式は行列模型の相関函数が満たすloop方程式を一般化した枠組みであり、この漸化式から様々な幾何学的不変量が計算されている。本講演では、この完全WKB解析とは全く異なる背景を持つ位相的漸化式がもたらす視点について紹介したい。

15:15~15:45
清水 千晶(武蔵野大工M1)「非線形Klein-Gordon方程式系の数値解析」
楊 家宝(武蔵野大工M1)「連続最適化と微分方程式の数値解析」

16:00~17:30
高安 亮紀 氏(筑波大学 システム情報系)
“二次非線形性を持つ複素数値発展方程式のヘテロクリニック軌道と特異性の計算機援用証明”
二次の非線形性を持つ非線形発展方程式(非線形熱方程式複素ギンツブルク-ランダウ方程式、非線形シュレディンガー方程式)を考え、解の大域的ダイナミクスに関する計算機援用証明による最近の結果を紹介する。精度保証付き数値計算という数値計算技術を基に、非自明な平衡解の存在証明、平衡解周りの不安定多様体の厳密な構成、発展方程式の解の数値求積、および漸近挙動解析を駆使することによって、各平衡解間のコネクティングオービットや不安定多様体の軌道上の非有界な解の存在を示すことに成功した。当日は得られた各成果を主に介し、そこから得られる未解決問題についても議論したい。本研究はJean-Philippe Lessard、Jonathan Jaquette、岡本 久各氏との共同研究である。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第66回MCMEセミナー

松尾先生は、機械学習においてデータの学習を担う最適化に対して、対応する力学系の解析と、その離散化に対する数値解析を通して、より望ましい最適化手法を見出そうとしている。その中で松尾先生らがこれまで研究してきた離散勾配法の考え方が鍵となることを、数値解析における基本的な事項から丁寧に説明していただいた。近年、機械学習に対してその適用範囲が急速に広がる中で、効率的な学習を実現するために数値解析という研究分野がさらに重要性を増していくことを感じさせる講演であった。ブラックボックスと思われがちな深層学習の仕組みが数学的に解明され、更なる発展を遂げる日が楽しみである。

【セミナー概要】

日時 2024年2月19日(月)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 松尾 宇泰 氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科)
講演題目 最適化・力学系・数値解析~連続最適化への数値解析学的アプローチ~
講演概要 連続最適化手法と常微分方程式(力学系)の数値解析の間に緊密な関係があることは古くからよく知られている。近年、Su-Boyd-Candes (2014NeurIPS) により、高名なNesterovの加速勾配法に対応する力学系の存在が指摘され、この視点に基づく研究が再び脚光を浴びている。しかしながら、そこにおいては力学系(連続)は最適化手法(離散)に一定の示唆を与えるのみで、連続と離散の対応が十分議論され知見がフル活用されているとは言いがたい。本講演では、この描像に当然期待される数値解析学的な視座がもたらすものを、講演者らの近年の結果を中心に紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第65回MCMEセミナー

篠崎 菜穂子先生は数学コミュニケーターとして、キャスター、リポーター、アナウンサー、講師、司会者として、数学・基礎科学の面白さを社会に広く伝えるために活躍されています。今回のMCMEセミナーでは、篠崎 菜穂子先生がこれまで行われてきたメディアを通じての活動の現場がどのようであるか、様々なアウトリーチ活動において考えてこられたことなどをお話しいただきました。たくさんの質問に答えていただき大いに盛り上がったセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日時 2024年2月13日(火)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 篠崎 菜穂子 氏(フリーアナウンサー / 数学コミュニケーター)
講演題目 数学と社会をつなげるアウトリーチの方法
講演概要 デジタル社会であるSociety5.0時代を生き抜くために、AI・数理・データサイエンスの教育の重要性が高まり、その根底にある数学力に注目が集まっている。その一方で、数学に苦手意識をもつ市民も多い。今回の講演では、私がアナウンサーの仕事を通して携わってきた、メディアを通して数学やサイエンスをわかりやすく伝えるための工夫や難しさ、イベントやSNSなどを通して行っているさまざまなアウトリーチ活動について紹介する。また、昨年3月まで大学院で研究をしていた「これからの時代に必要とされる数学力」や「それを伝えるためのコンテンツ作り」についても触れる。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第64回MCMEセミナー

田中 一成先生は精度保証計算とその応用について先進的な研究をされていますが、一方でIT教育システムの開発と授業実践を手掛けられ、東京女子大学の劉 雪峰教授、新潟大学の齋藤 裕特任准教授とともにCES-Alphaという数理・プログラミングに特化したクラウド教育システムを作られました。今回のMCMEセミナーでは、CES-Alphaの開発の経緯、実際にCES-Alphaを活用した数値解析に関連する授業運営、開発・授業実践にかかわる裏話などをお話しいただきました。MCMEセミナーでは巨大企業の提供するシステムとの使い勝手の差や、オープンアクセスソフトウェアとの連携などにかかわって、活発に議論が行われ、本校の教育へのITシステム活用についてのたくさんのヒントをいただくことが出来ました。

【セミナー概要】

日時 2024年1月17日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館303教室、ハイブリッド開催
講演者 田中 一成 氏(早稲田大学 理工学術院 国際理工学センター)
講演題目 クラウド教育システムCES-Alphaは教育と研究にどう貢献するか?
講演概要 CES-Alpha(https://www.ces-alpha.jp/)は、数理・プログラミングに特化したクラウド教育システムであり、2015年に新潟大学・劉 雪峰の手により開発が開始された。このシステムは、ブラウザを通して操作可能なJupyter Labをベースとしたプログラミング教育プラットフォームを提供している。標準的なブラウザとインターネットさえ利用できれば、目的に合わせたプログラミング環境を利用することが可能である。対応しているプログラミング言語はPython、C言語、Java、Octave、Juliaなど多岐にわたる。現在、CES-Alpha開発チームでは、GPTを活用したプログラミング採点補助機能や受講者向けフィードバック機能の開発に取り組んでいる。さらに、CES-Alphaは特徴的な数学演習機能を備えており、独自の数式処理技術により、数式の等価性を確認し、柔軟な自動採点を行うことが可能である。問題文中の変数(パラメータ)をランダムに変化させることで、受講者それぞれに異なる問題を自動的に出題することができる。本講演では、CES-Alphaによって現在までに実現していること、さらに教育現場での具体的な利用例を紹介する。また、開発における課題、そして講演者自身の研究利用に関する体験についても紹介する。本内容は、劉 雪峰(東京女子 大学教授)、齋藤 裕(新潟大学 特任准教授)と共同で構成されたものである。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第63回MCMEセミナー

佐伯先生は、微分トポロジー、特に特異点の分類が、データの可視化に有用であることを、初歩的な理論的枠組みから初めて詳しく解説されました。ハリケーンのデータに現れる特異点の様子からハリケーンの特徴がわかること、高度な数学が実際に応用されること、また、逆にデータ可視化手法が数学の研究を引き起こしたことについて、大変興味深いわかりやすい講演で非専門家にとっても非常に有益な講演でした。

【セミナー概要】

日時 2023年12月6日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野⼤学有明キャンパス4号館303教室、ハイブリッド開催
講演者 佐伯 修 氏(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
講演題目 微分トポロジーを用いたデータの可視化
講演概要 実験や計測、あるいはシミュレーションで得られるデータは、数学的には、ある平面領域や空間上の関数や写像の離散サンプルデータと解釈できることが多い。さらには、そのような関数はしばしば微分可能である。そうした微分可能な関数や写像を扱う理論的枠組みが数学にはいくつかあるが、ここでは微分トポロジー、特に写像の特異点論の枠組みについて簡単に解説し、それがどのようにデータ可視化に応用できるかについて概説する。さらに、そうしたデータ可視化手法が、数学の研究へフィードバックされた例についても紹介したい。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第62回MCMEセミナー

齊木先生は、ある種の異なる不安定周期軌道が混在するという性質を高次元カオスが持つ特徴の一つとして捉え、その特徴をもつシンプルなカオス写像を提案され、その性質について紹介されました。
具体的には、不安定周期解におけるヤコビアンの固有値から"k不安定性"を定義し、k不安定性が異なる不安定周期解が混在する場合、その写像をヘテロカオス的であるとみなします。その上で、ベーカー写像を基にヘテロカオス的なミニマル写像を提案され、その振る舞いの具体例を紹介されました。複雑な高次元カオス研究では着目する特徴により様々な研究が行われていますが、k不安定性に着目しミニマルモデルの詳細を調べることで高次元カオスの理解に迫る今回の研究は、とても興味深いものだと認識させられました。

【セミナー概要】

日時 2023年10月25日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス4号館411教室、ハイブリッド開催
講演者 齊木 吉隆 氏(一橋大学 経営管理研究科)
講演題目 高次元カオスのミニマルモデルについて
講演概要 パンこね作業から流体・気象まで、世の中にはカオス、すなわち “予測不可能性を伴う決定論的ダイナミクス”が溢れています。
カオス研究では、これまでロジスティック写像、馬蹄形写像、ベーカー写像、エノン写像、ローレンツ方程式などの具体例を用いた研究が、抽象理論研究とともに重要な役割を果たしてきました。
講演者らは、高次元カオスに典型的に現れる数学的構造をもつ低次元力学系の具体例を最近いくつか提示しました。
本講演では、それらの具体例とその数学的性質について紹介します。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第61回MCMEセミナー

Hatem Zaag先生は、国際的に名高い非線形波動方程式研究の第一人者です。今回は、ICIAM2023への出席を兼ねて研究連絡のため来日されたことを機に、セミナーで、非線形波動方程式の解の爆発について講演されました。時間発展方程式の解が有限時間で無限大に発散することを解の爆発と言います。偏微分方程式の初期値問題において、爆発する解の存在や一意性の証明、解が爆発するか爆発せずに大域的に存在するかを明らかにすることは、最も基本的な問題のひとつです。半線形波動方程式系では、低次元系ではある程度その振る舞いがわかっているが、まだまだ多くの未解決問題があることや、ソリトン方程式系との関連についてとても明快な解説でした。今後の日仏の共同研究についてもコメントがありたいへん有意義なものとなりました。

【セミナー概要】

日時 2023年8月30日(水)16:00~17:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス5号館401教室、ハイブリッド開催
講演者 Hatem Zaag(CNRS/University of Paris North)
講演題目 Solution to the semilinear wave equation with a stylized pyramid shaped blow-up set
講演概要 We consider the semilinear wave equation with power nonlinearity in 2d. We construct a solution which blows up in finite time, such that its blow-up set is pyramid shaped. The origin is (locally) the only characteristic point, showing a multi-soliton with alternate signs. In this talk, we will mention the situation in 1d, which is completely understood.
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第60回記念MCMEセミナー

今回は ICIAM2023 Tokyo で来日された Pierre Jolivet 先生を迎え、大阪大学/理研の鈴木厚先生も加えて、第60回ということで通常より拡大して FreeFEM に関するセミナーを開催いたしました。
FreeFEM は有限要素法を用いた数値計算ツールで、弱形式の方程式をスクリプトで記述することで様々な数理モデルの数値シミュレーションが行えることから、数理工学の分野では広く利用されています。Jolivet 先生は並列計算ライブラリ HPDDM の開発者であり、その FreeFEM プラグインを実装されています。鈴木先生は FreeFEM の desection ソルバーの開発者であるとともに、半導体等の問題を FreeFEM による大規模計算で解明しようととしており、また、国内でもその普及活動を積極的に行っています。
最初に高石から FreeFEM 初心者向けに、流体と弾性体に関するサンプルプログラムの概要紹介を行いました。引き続き鈴木厚先生から制約条件付き変分問題におけるその行列の特性と行列ソルバーの用い方について、非圧縮条件のついた Navier-Stokes 方程式を例に取りお話しいただきました。制約条件のついたエネルギー最小化など、多くの問題への応用が期待される内容でした。最後に、Jolivet 先生から、FreeFEM におけるスクリプトの基本的な記述について、実際にターミナルから実行して確認しながら説明していただきました。2次元から3次元と切り替えるためのマクロ設定や、ご自身が開発に携わっているPETSc を用いた並列計算の方法などを実演していただきとても参考になりました。特にこの10年間で、並列計算のためのスクリプト変更が非常に容易になったことがわかり、翌日すぐに自分のプログラムで確認してみました。FreeFEM のパワーの一端を知る、充実したセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日時 2023年8月28日(月)13:30~16:40(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス5号館401教室、ハイブリッド開催
講演者 Takeshi Takaishi (Musashino Univ.)
Atsushi Suzuki (Osaka Univ. / RIKEN)
Pierre Jolivet (CNRS)
講演題目 FreeFEM - now and in the future
講演概要 13:30 - 14:00 Takeshi Takaishi (Musashino Univ.) :
“Introducing some simple problems to solve with FreeFEM”
FreeFEM is a popular 2D and 3D partial differential equation (PDE) solver used by thousands of researchers worldwide. This makes it easy to implement your own mathematical models using simple scripts. We will see its capabilities through some examples.

14:10 - 14:55 Atsushi Suzuki (Osaka University / RIKEN):
“Variational problem with constraint and linear solvers for indefinite problem”
Variational setting is the mathematical foundation of the finite element methods for several industrial problems. It is sometimes necessary to deal with problem with constraint, e.g., in fluid problem, Navier-Stokes equations contain incompressibility constraint. The discretized equations are expressed by a KKT system whose coefficient matrix is indefinite. We will view robustness and efficiency of the GMRES method with preconditioner based on LDU-factorization with proper pivoting strategy to avoid instability from the indefiniteness.This methodology is also applicable to inequality constraint problem appeared in a shape optimization problem.

15:10 - 16:40 Pierre Jolivet (CNRS) :
“Deep dive into FreeFEM ecosystem”
One of the strengths of FreeFEM is its ability to interact seamlessly with many other scientific libraries, such as MPI for parallel computing, PETSc for (mostly) linear algebra, SLEPc for eigenvalue computation, or HPDDM for domain decomposition methods. In this presentation, I will highlight some design decisions made over the years in order to enable researchers and developers to use FreeFEM as a flexible tool to prototype or implement algorithms, preconditioners,or coupled solvers in different applied fields such as computational fluid dynamics, radiative transfer, solid mechanics.
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第59回MCMEセミナー

井元隆史先生は、量子アニーリングの原理とその応用、そして最近の話題について講演されました。量子アニーリングは、2状態スピンで構成されるイジングモデルと呼ばれる量子系を用い、いわゆる量子計算によって非常に早く統計的な解などを求める手法です。現在では、量子アニーリングを実装した量子計算機が開発され、さまざまな最適化の問題に用いられています。量子アニーリングの手法の長所・短所や具体的な計算手続き、最新のトピックとして第1励起状態を求めるアルゴリズムの開発などについての話題もあり、最先端の試みについても多くを学ぶことができました。

【セミナー概要】

日時 2023年7月12日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 井元 隆史 氏(産業技術総合研究所 新原理コンピューティング研究センター)
講演題目 D-Wave マシンを用いた 量子アニーリングの励起状態探索
講演概要 量子アニーリング(QA)は、量子的な性質を活用した組み合わせ最適化問題の解法として提案され(Kadowaki-Nishimori 1998)、近年では様々な応用が期待されている。また、D-Wave社によって大規模なデバイスが実現され、商用提供も行われている。QAでは通常、解きたい問題をイジング模型の最もエネルギーが低い状態(基底状態)を求める。一方、近年では暗号や量子化学などの分野で基底状態に限らず、特定の準位の励起状態を求めることへの期待も高まっている。先行研究としてQAにおける励起状態探索が理論提案(Sekiet al 2021)されていたが、実際のデバイスでの実行には様々な困難が存在していた。本講演では、前半でQAの基礎的なレビューを行い、後半で我々が提案するD-Waveデバイスを利用した新たな励起状態探索手法と、実機を用いたデモンストレーションの結果(Imoto et al 2023 arXiv:2305.15974)について紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第58回MCMEセミナー

木村先生は、流体に現れる渦糸の運動について講演をされました。ケルビン卿とテイト氏が原子論の勃興時に、全く粘性がない状況では渦糸は保存されることから、原子(気体分子)を渦糸のむずび目として理解しようとしたこと、カーブした薄板を引くことで得られる、古くからあるパイプの煙の渦糸より細くはっきりとした渦糸では、実際に結び目となる渦糸が生成できることから話を始められました。流体の基本方程式であるナビエ・ストークス方程式についての、速度ベクトルと渦度ベクトルの役割の解説の後、粘性の存在のもとでは渦糸の繋ぎ替え(リコネクション)が起こることについて、数値シミュレーションと実験の画像をもとに説明されました。超流動ヘリウムに見られる渦糸の繋ぎ替えや繋ぎ替えにおけるエネルギーの散逸と乱流現象の関連などにも触れられました。さらに流体力学の基本的問題へのMoffatt氏との共同研究の結果も少し詳しくお話しいただき、非専門家にも興味の尽きない問題であることがよくわかる講演でした。

【セミナー概要】

日時 2023年7月5日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 木村 芳文 氏(名古屋大学 大学院多元数理科学研究科)
講演題目 渦運動と流体方程式の特異性 ―トポロジカル流体力学の展開
講演概要 流体運動の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式やその非粘性極限であるEuler方程式は非線形の偏微分方程式ですが、その非線形項は簡単な変換で速度ベクトルと渦度ベクトルのベクトル積で表すことができます。よって空間内の速度と渦度の幾何学的な位置関係によって流体方程式の非線形性が決まることが分かります。本講演ではクレイ数学研究所のミレニアム問題の一つである「Navier-Stokes方程式の適切性/特異性」に関連して渦衝突/リコネクションに伴う特異性について最近の結果を理論と数値解析の両面からご紹介します。渦の相互作用によって誘起される速度場が渦を引き延ばして強めていく過程を粘性がどのように阻害するかが問題のキーポイントです。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第57回MCMEセミナー

唐木田先生は統計神経力学の手法を用いた深層学習の特徴づけを紹介されました。初めに、素子が十分大きい極限ではランダム初期値の近くの大域解に収束するというNeural Tangent Kernel(NTK)理論を紹介されました。その後、NTK理論が成り立つ範囲の外側において、限定されたモデルを用いた理論的な結果について紹介されました。深層学習においては近年、実験的・経験論的アプローチの進展が目立ちますが、本研究のように理論的な観点から見直すことで実験的・経験論的アプローチと理論的アプローチが補い合って研究進展している様子がうかがえる興味深い講演となりました。

【セミナー概要】

日時 2023年6月21日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 唐木田 亮 氏(産業技術総合研究所 人工知能研究センター)
講演題目 深層学習アルゴリズムを操る: Fisher情報行列と学習レジーム
講演概要 大規模な深層ニューラルネットは様々な課題で高い性能を発揮しているが、その学習手法には発見的側面が強いものも多く、 未知の挙動も現れる。特に、アルゴリズムは無数にある解の中から陰的に解を選択するため、こうした陰的バイアスをふまえた理解が重要となってくる。本講演では、深層学習アルゴリズムのふるまいをFisher情報行列と学習レジームの視点から紹介したい。まず、基本的な考え方を概観しながら、具体例としてNeural Tangent Kernel(NTK)レジームにおける自然勾配法の解析を紹介する。ここでは発見的に開発されてきた近似自然勾配が最良の収束性を達成できる。また関連して、勾配正則化とその線形ネットでの解析を紹介する。解の選択を学習レジームの切り替わりから特徴づける中で、望ましいアルゴリズムの設定を明らかにする。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第56回MCMEセミナー

社会問題に貢献する数理科学と題された本講演では、数理科学分野の研究から7年前に起業したArithmer株式会社の代表取締役社長兼CEOおよびArithmer CTO補佐のお二人から、AIを含む数理科学応用の現実を提示していただき、今回のセミナーは社会課題を解決する数理工学のあるべき姿を考えさせるものとなりました。代表取締役社長兼CEOの大田佳宏氏からは、ご自身の経歴を踏まえて実際の起業における困難さ面白さについて会社の事業組織の変遷にまで踏み込んだ話があり、社業の広がりを、製造AI、建設AI、リテールAI、風力AI、物流AI、バイオAI の6事業に集中するまでや、それぞれの事業のこれまでと今後の見通しについて、それに必要な数理科学について、様々なエピソードを交えて講演をいただきました。CTO補佐の上坂 正晃氏からは、とくに河川氾濫について、河川の上流域、中流域、下流域などをいくつかの貯水槽に見立てるタンクモデルで記述し、氾濫予測をするための数学的準備についての話を中心に、必ずしも多くない水位の実データから、タンクモデルの常微分方程式系のパラメータを推定する逆問題を解くためのノルムの選択法、実際の予測と実データとの一致について、非常にわかりやすい説明をいただだきました。このお二人の講演で、数理科学者、数理工学者が、様々な社会課題に対し、後半でいえば特に災害予測のモデル化において、社会に大きく貢献できることが示されました。

【セミナー概要】

日時 2023年4月19日(水)17:00~18:30(日本時間)
場所 武蔵野大学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 大田 佳宏 氏(Arithmer株式会社)
上坂 正晃 氏(Arithmer株式会社)
講演題目 社会問題に貢献する数理科学
講演概要 数理科学が社会、あるいは我々の未来へ果たす役割は大きくなってきている。そうした中で、Arithmer株式会社は、「数学で社会課題を解決する」をミッションに、社会を取り巻く様々な課題に対して、AIを含む数理科学をベースとするソリューションを提供してきた。本講演前半では、実際に弊社が取り組んできた事例をもとにして、様々な業界における数理科学の役割を紹介する。また、後半では、浸水被害への取り組みを例にとり、河川水位を予測する数理モデルとそのパラメータ推定について紹介する。このモデルはタンクモデルと呼ばれ、常微分方程式系で記述できるものである。実際に観測された水位からこのタンクモデルのパラメータを求める逆問題とそれを用いた氾濫水位予測について、我々の結果を紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第55回MCMEセミナー



小南 友里先生は、食物の味を科学的に解析するとてもユニークな研究をされています。今回は、小田原蒲鉾の老舗「鈴廣」と共同で行われている、美味しい蒲鉾を作る条件を酵素の働きを中心に実験的に調べた結果と、その数理モデルについて解説していただきました。また、大規模アンケートによる、年代別の蒲鉾の消費動向調査と、ビッグデータの観点からの解析についても説明がありました。私たちに身近なところで数理モデルが活躍することを示され、共同研究の打診があるなど、とても有意義なセミナーになりました。

【セミナー概要】

日 時  2023年3月29日(水)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 小南 友里 氏(東京大学 大学院農学生命科学研究科)
講演題目 かまぼこのデータ分析:食感形成についての微分方程式と消費に関する決定木分析
講演概要
かまぼこの歴史は900年以上に及ぶと言われています。近年では欧米諸国にも普及しつつあり、未・低利用資源の利用を目的としたかまぼこ様食品の開発も行われています。しかし、かまぼこの独特な食感が形成されるメカニズムは未だに明らかにされていません。本講演では、かまぼこ製造過程における魚肉タンパク質の変化について説明し食感に影響を及ぼす酵素作用についての研究や食感形成に関するトイモデルを紹介します。また、かまぼこの消費に関する因子探索を目的とした大規模webアンケートの解析例と、今後の課題についても紹介します。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第54回MCMEセミナー


松谷 茂樹先生は、長く数学の工学や産業への応用に力を注がれてきました。今回のご講演では、最初に、ご自身が企業に長く(27 年間)勤めておられた間、数学がどのように応用され役立ってきたかを語られ、特に学生の方には得るところが多かったと思います。講演の主題は変形KdV方程式の解を具体的に構成するために、純粋数学者の方々と共同でアーベル関数論を計算可能な形に再構築したことで、数学的にもたいへん興味深い内容でした。
 

【セミナー概要】

日 時  2023年3月23日(木)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 松谷 茂樹 氏(金沢大学 理工研究域電子情報通信学系)
講演題目 DNAの超らせん構造と超楕円関数
講演概要
DNAの幾何学形状はらせん構造と共に、より大域的な超らせん構造を持っている。この構造は弱い弾性力に支配されるが、数学的にはいまだ表現できていない。弾性エネルギーを最小化する弾性曲線では3次元効果を考えても表現できない。講演者は、1997年よりこの形状を有限温度の効果を考慮し数学的に表現する研究を進めている。その形状は変形KdV方程式の超楕円関数解で記述される。が、当時、超楕円関数論を含めたアーベル関数論はその解を具体的に記述し議論できるレベルではなかった。そこで2003年よりEmma Previato氏と共にアーベル関数論の再構築を行い、2022年に暫定的ながらDNAの超らせん構造の特徴をもつ幾何形状を数学的に再現できた。本講演ではそれらについて述べる。
また、講演者は一般企業の産業の現場で27年間数学を活用したデバイスや材料の研究開発に従事してきた 。それについても簡単に触れる。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第53回MCMEセミナー



山本 有作先生は、数値解析、特に行列計算アルゴリズム研究の第1人者です。今回のご講演では、可積分方程式の中でも多くの分野で用いられているFull-Kostant Toda方程式と行列計算アルゴリズムであるシフト付きヘッセンベルグLR法との関係を数値解析の観点から詳しく説明されました。可積分系分野では、数値解析分野で重要となる適合性や収束性などを議論することは少ないのですが、山本先生の丁寧なお話しぶりもあり、異なる分野の参加者にもよくわかりました。

【セミナー概要】

日 時  2023年1月17日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 山本 有作 氏(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
講演題目 固有値計算法で解く連続時間可積分系
講演概要
A(t)を時間tに依存するヘッセンベルグ行列、A_{-}をAの狭義下三角部分とするとき、方程式dA/dt=[A, A_{-}]([ ]は交換子)はFull Kostant-Toda(FKToda)方程式と呼ばれる。FKToda方程式は、特別な場合として戸田方程式、相対論的戸田方程式など多くの可積分方程式を含み、広く研究されている。本講演では、FKToda方程式の時間離散化により、行列の固有値計算法であるシフト付きLR法が得られることを示す。シフト付きLR法については、一般項の明示公式が知られており、その時間連続化により、FKToda方程式の解を構成できる。これは、FKToda方程式に対する群論的解法と呼ばれる解法を、数値解析の観点から再構成したものになっている。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 時弘 哲治(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第52回MCMEセミナー


その動きがシンプルなルールで表される箱玉系は、連続的な問題の超離散版という面を持つとともに、それ自身が複雑な構造を含んでいます。前半はGolomb数列、HofstadterのQ数列、Conolly数列などを例にあげて、漸化式から複雑な振る舞いが生じる様子や、木構造を使った表現についてお話しいただきました。後半は、KdV方程式の超離散版となる箱玉系において、そのソリトン解が自己参照により定義される数列を用いて表されること、木構造での表現からわかることなどをお話しいただきました。非常にシンプルなモデルの中にまだまだ未解決な問題が含まれることを知ることができた有意義なセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年12月22日(木)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館412教室、ハイブリッド開催
講演者 由良 文孝 氏(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科)
講演題目 Conolly数列と有限体上のソリトン方程式
講演概要 箱玉系は最大値関数を用いてその解が書き下せること、さらに超離散化を通して離散可積分系と対応が付くことが知られています。似たような系として講演者が発見した箱玉系の類似とみなされる有限体上のソリトン力学系については、今のところ箱玉系のような対応や解構造がよくわかっていません。講演では meta-Fibonacci数列の一種であるConolly数列の紹介から始めて、その性質や入れ子構造について説明したのち、上記の系の1-ソリトン解がConolly数列を用いて表示できることなどを紹介します。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第51回MCMEセミナー



中野先生は、まばたきという身近な現象を通して心の仕組みを理解する研究を進められております。講演では、多くの人が視覚刺激に対し似たタイミングで瞬きするという実験結果を示され、まばたきが人の認知プロセスに深く関与していることを実証されました。このような実験結果から、自発的なまばたきが脳の活動状態として「デフォルト・モード・ネットワーク」「注意のネットワーク」の間の切り替えに関わっているという仮説を提案されてます。まばたきに関わる研究は身近でありながらもまだ未開拓な現象でもあるため、様々な視点・手法を用いて研究が進んでいくことを期待させる講演となりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年10月18日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  オンライン開催(zoom)
講演者 中野 珠実 氏(大阪大学大学院生命機能研究科)
講演題目 瞬きから迫る心の仕組み
講演概要
人間は3秒に1回の頻度で瞬きを自発的にしている。その瞬きのタイミングは映像の暗黙裡の分節で同期して発生することや、瞬きの度に脳や身体の状態がリセットされていることを明らかにしてきた。また、二者間での瞬き同期は、円滑な対人コミュニケーションと深い関係がある。本講演では自発性の瞬きを手掛かりに、脳や心の仕組みに迫る。さらに、瞬きの同期を手掛かりとした関心度の推定法や、瞬きの発生率を推定する人工知能を用いた映像のハイライトの自動生成など、瞬きの社会応用研究に関しても紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第50回MCMEセミナー


今回のMCMEセミナーでは、園田先生にニューラルネットの積分表現とリッジレット変換に関する最新の結果をお話しいただきました。講演の前半は深層学習、ニューラルネットの基礎などについて丁寧に解説していただき、ユークリッド空間上の隠れ層を1つだけ持つニューラルネットの積分表現とそれに対するリッジレット変換について具体的例を挙げながら説明していただきました。講演の後半では非コンパクト対称空間上の全結合層と抽象ベクトル空間上の群畳み込み層を持つニューラルネットに対するリッジレット変換を求める具体的な計算方法をお話いただきました。ニューラルネットを関数解析的に扱うための考え方を学ぶ貴重な機会となりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年7月12日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館306教室、ハイブリッド開催
講演者 園田 翔 氏(理化学研究所 革新知能統合研究センター)
講演題目 積分表現でニュートラルネットを理解する
講演概要
今日の AI 技術において汎用的に用いられているニューラルネットは、無数のニューロンを並列・縦列に接続した構造をもつ非線形関数である。ニューラルネットが表す関数の性質を調べるには、ニューロン毎のパラメータを調べるよりも、ニューロン集団の分布を調べる方が扱いやすい。積分表現理論は、一つの隠れ層を構成するニューロン集団を符号付き分布としてパラメトライズする解析理論である。この方法の強みは、ニューラルネットが表す関数 fを分布関数 γ に対応付ける分解作用素(リッジレット変換)が積分作用素として陽に書き下せることである。リッジレット変換は 1990年代に Euclid 空間上の全結合層に対して Murata、Candes、Rubin によって独立に発見されていたが、今日の多様なネットワーク構造に対するリッジレット変換は未発見であった。講演者らの最近の研究により、多様体(非コンパクト対称空間)上の全結合層や、抽象ベクトル空間上の群畳み込み層に対してリッジレット変換を系統的に導出できるようになった。本講演では、ニューラルネットと積分表現理論の概要を説明し、リッジレット変換の自然な導出法について解説する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 森 竜樹(武蔵野大学工学部数理工学科 助教)
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第49回MCMEセミナー



梅谷俊治先生は、数理最適化研究の第一人者で、特に、大規模かつ計算困難な組合せ最適化問題に対する実用的なアルゴリズムの研究開発や、数理最適化モデルとアルゴリズムの現実問題への応用を研究されています。今回のご講演では、サプライチェーンの最適化(企業が製品を提供するために必要な物流や調達、生産や在庫管理等の最適化)、生産計画最適化(製品を生産する際に必要な資源や時間、コストなどの諸条件を考慮しながら、最適な生産計画を策定すること)、リソース最適化(与えられた資源を最大限に活用し、最適な状態にすること)について、身近な例を挙げながら素人にとってもたいへんわかりやすい話をされ、とても有意義なセミナーになりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年5月31日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス5号館301教室、ハイブリッド開催
講演者 梅谷 俊治 氏(大阪大学大学院情報科学研究科)
講演題目 組合せ最適化による問題解決の実践的なアプローチ
講演概要
数理最適化はデータ分析の結果を踏まえて意思決定や計画策定を実現する問題解決の出口を担当する手段であり、データ分析の普及にともない製造業や物流業にとどまらない幅広い分野で注目を集めるようになりました。しかし、組合せ最適化の専門的な知識があれば現実問題が即座に解決できるわけではなく、実際には、最適化問題のモデリングからシステムの導入まで、専門知識だけでは解決できない課題が数多く存在します。本講演では、実務における応用事例を交えながら、数理最適化を用いて現実問題の解決に取り組む際に生じる課題とその対策について解説します。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第48回MCMEセミナー



雲の振る舞いと降雨の様子を解析するために島先生らが開発された雲微物理モデルとそのシミュレーションから明らかになった内容を中心にご講演いただきました。最初に雲の中での粒子の成長をわかりやすくお話していただき、そこから、現象の階層性と基礎方程式、島先生らが開発されたモデルと他のモデルの比較等、様々な例をあげて説明していただきました。湧き上がる雲とそこでの降雨の様子が3次元シミュレーションで再現できることを見せていただいた一方で、大気の汚れと雨の関係が未だ不明であることや、エアロゾルと雲の相互作用が温暖化予測の不確定性の最大要因になっていることをお話しいただき、今まさに発展しつつある雲のシミュレーションの難しさと、その面白さを知る機会となりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年5月17日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス5号館301教室、ハイブリッド開催
講演者 島 伸一郎 氏(兵庫県立大学大学院情報科学研究科)
講演題目 超水滴法による雲の精密シミュレーション:現状と展望
講演概要
雲のふるまいを正確にシミュレーションすることは困難であり、今でも気象・気候予測の大きな誤差要因となっている。そこで我々は、「 超水滴法 」(Super-Droplet Method, SDM)という雲微物理過程の数値解法を開発した(Shima et al. 2009, 2020)。超水滴法はエアロゾル粒子・雲粒・降水粒子の運動と状態変化を、確率的な粒子法を使って統一的に計算する数値計算手法である。これにより、雲の発生から成長と降雨そして消滅までを雲微物理素過程の基本方程式に基づき精密にシミュレーションする道が拓けた。また、超水滴法は、雲に限らず一般に確率的に衝突併合を繰り返す離散粒子系に適用可能であり、例えば惑星形成のシミュレーションにも応用できると考えられる。本講演では、超水滴法の概要と将来展望について説明する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第47回MCMEセミナー



株式会社ライナロジクス様では、最適化問題の近似解法やAI技術を用いて、最適な配車計画の算出、適切な発注量を予測するサービスなどをご提案されています。講演の前半では、ロジスティクス業界にどのような問題があり、企業の方々が何を求めているのか、企業の方々の抱える問題を組み合わせ最適化やAI技術でどのように解決するのかご説明頂きました。講演の後半では、組合せ最適化問題の厳密解を求める難しさを計算量の観点からご説明頂き、その解決策として局所探索法やタブー探索法、焼きなまし法、遺伝的アルゴリズム、それらのハイブリッド型の近似解法について、そのアルゴリズム、長所や短所をご説明頂きました。また、コンビニなどでの商品の発注量AI技術を使った予測についてご紹介頂きました。現場の視点から様々な問題、それを解決する解法をわかりやすく丁寧にご説明頂き、とても有意義なセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年2月24日(木)15:30~17:00(日本時間)
場 所  ※オンライン開催(Zoom)に変更
講演者 朴 成浩 氏(株式会社ライナロジクス)
講演題目 現実のロジスティクスの課題を組合わせ最適化で解く
講演概要
「いかに効率的なプロセスを実現するか」がロジスティクスの本質的な命題である。特に現代の先進国においては、企業競争の観点に加えて、人口減少下における社会維持、およびCO2排出量・環境といった観点からも、その重要性は増大している。
その一方で、ロジスティクス・物流業務の各分野の課題を最適化問題として考えることはアカデミックの世界においては古くから研究されているものの、実際の現場における判断はまだまだ勘と経験、あるいは試行錯誤や限定された数のシミュレーションで行われるケースが多い 。
本セミナーではそうした現実とともに、リアルのロジスティクスの問題解決に組合せ最適化や各種AI手法のアプローチでどうやって取り組んでいくか、どのような困難があるのか、解説する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第46回MCMEセミナー



辻川亨先生のご専門は非線形偏微分方程式、非平衡系の科学で、最近では一酸化炭素の白金吸着現象のモデル、細胞極性モデル等で解の大域的分岐構造の研究をされています。辻川先生が最近取り組まれてきた問題は、積分制約条件が課されていること、解の2次分岐が起こることが特徴です。この種の問題の解析手法を確立し、2次分岐を数学的に理解することは、保存量を持つ現象を理解し、応用する上で極めて重要な知見となります。今回は、この種の問題の最新の結果である非等温フェーズフィールド方程式の定常解に関する大域的分岐構造についてご講演いただきました。講演では非等温フェーズフィールド方程式の定常解の解析を行うアイデア、パラメータごとに解構造がどのようになっているか、解の安定性についてご説明いただきました。特に、解の安定性について丁寧に証明していただき、有意義なセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年2月22日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所 
※オンライン開催(Zoom)に変更
講演者 辻川 亨 氏(宮崎大学/明治大学)
講演題目 非等温フェイズフィールド方程式の定常解に関する大域的分岐構造について
講演概要 本講演では、固相ー液相相転移モデルでもある非等温フェイズフィールド方程式の定常解の大域的な解構造についてお話します。この方程式の数値的および理論的研究は Fix(1983) 、 Caginalp (1986)に始まり、これまで有界領域の問題に関して Elliott, Zheng(1990) 、および Suzuki, Tasaki(2009) などの先行研究があります。しかし、定常解の存在および非存在に関して特別な場合を除いて、その解明には至っていません。そこで、 1 次元の場合に分岐理論、等高線法及び楕円積分などを用いて、定常解の集合がパラメーター空間内の曲線と同一視できること、およびその曲線の形状などの系統的な分類について報告します。 Neumann 境界条件の下ではエンタルピーに関する保存則が成り立つことことから、大域的な解構造がエンタルピーと潜熱に対応するパラメータにどのように依存しているかについても述べる予定です。本講演の内容は田崎 創平 氏(北海道大学)、森 竜樹 氏(武蔵野大学)、四ツ谷 晶二氏 (龍谷大学)との共同研究に基づいています。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 森 竜樹(武蔵野大学工学部数理工学科 助教)
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第45回MCMEセミナー



今井正幸先生は、物質と生命を繋ぐ学問体系として、ソフトマター物理と生物物理の融合的な研究をされています。特に、生命の基本構成として生体膜を模した多成分膜におけるモデル細胞の提案、その変形や相分離ダイナミクス、および多細胞系への拡張など、物質からみた生命の誕生のプロローグの研究を推進されています。今回は、両親媒性分子で構成される球状脂質膜(モデル細胞)の3次元形状の定量的測定と力学特性を用いた力学モデルの提案など多くの研究についてご講演いただきました。そこでは、単体モデル細胞の形態における物理的機構の理解、複数個接着した場合の形態形成など胚発生における形態形成との関連から議論されました。本研究分野の基礎から現状までを丁寧に紹介していただくなど、充実したセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年2月18日(金)15:00~16:30(日本時間)
場 所 
オンライン開催(Zoom)
講演者 今井 正幸 氏(東北大学 理学研究科)
講演題目 単細胞から多細胞へ モデル細胞を用いた形態形成の力学モデル
講演概要
生命の基本単位は細胞であり、最初に生まれた生命は、細胞が単体で生命活動を行っていた。
その後の進化により複数の細胞で協調して生命活動を行う多細胞生物が生まれた。多細胞生物は一つの受精卵が分裂を繰り返しながら細胞の配置を変化させて、より生存に適した形態へと成長する胚発生の機能を獲得したわけである。この胚発生はどのような力学パラメータを制御して行われるのか。この問題を、少数のモデル細胞膜(ベシクル)系の形態形成を通して考える。
まずは単体ベシクルの形態がどのようにして決まるかについて説明し、そのベシクルが複数個接着するとどのようなパターンが現れるのかについてお話しする。その上でモデル系での形態形成と胚発生における形態との関係から物質サイドから見た発生の力学モデルについて考える。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 櫻井 建成(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第44回MCMEセミナー



大関真之先生は、組合せ最適化を解く手法の一つである量子アニーリングや、その現実問題(物流、製造、農業、防災など)への応用について研究されています。講演の前半では、量子力学をどのように組合せ最適化に活用するのか、量子アニーリングマシンとはどのようなものか、量子アニーリングにはどのような利点があるのか、私たちはどのように量子アニーリングマシンを使うことができるかなどをご講演頂きました。講演の後半では、タクシーの渋滞の解消、無人搬送車や津波避難経路探索など、実際に量子アニーリングを用いて現実の問題を解決する例をご説明頂きました。現在、量子アニーリングは少しのプログラミング技術とインターネット環境があれば誰でも利用できるということで、今後の可能性を強く感じました。量子アニーリングを初学者向けにわかりやすく丁寧にご説明頂き、とても有意義なセミナーとなりました。

【セミナー概要】

日 時  2022年2月17日(木)15:00~16:30(日本時間)
場 所  オンライン開催(Zoom)
講演者 大関 真之 氏(東北大学大学院情報科学研究科)
講演題目 量子アニーリングの産業応用の様子
講演概要 量子アニーリングという技術をご存知だろうか。
組み合わせ最適化問題を解くヒューリスティックの 1 つである。
「量子」という冠があるため、異様にその計算速度等に高い期待が寄せられて、産業界からの強い期待が合わさり 、急 速にその名が知られた。
さまざまな応用事例が積み上がり、そろそろ現状を把握するのに都合が良い頃であろう。
その計算性能をはじめ、何ができるのか、どんなものなのか。
今一度その基礎から概観しよう。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第43回MCMEセミナー



富井規雄先生は最適化アルゴリズムなどの手法を用いた鉄道ダイヤの遅れの伝播の防止やダイヤ乱れの復旧を研究されています。人身事故や自然災害などのトラブルが鉄道に発生した場合、運転整理と呼ばれるダイヤ変更や乗務員のスケジュール変更、列車の車両変更などが行われます。講演の前半では、現在、日本ではどのように運転整理が行われていて、どのような課題があるのか、またオランダやスイスを例に、海外での運転整理状況をご紹介いただきました。講演の後半では、トラブルが起きた際のダイヤの修正方法について、混合整数計画法を用いたダイヤ修正アルゴリズムの歴史的レビューや富井先生ご自身の研究結果をご講演いただきました。講演の最後にはコロナウイルス感染拡大による列車の利用客数の分析結果についてもご説明頂きました。セミナーにご参加頂いた皆様に鉄道のダイヤ修正アルゴリズムの面白さや必要性が伝わったのではないかと思います。

【セミナー概要】

日 時  2022年1月18日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  武蔵野⼤学有明キャンパス4号館4階412教室、 ハイブリッド開催
講演者 富井 規雄 氏(⽇本⼤学 ⽣産⼯学部 機械⼯学科)
講演題目 鉄道のスケジューリングアルゴリズム ーその難しさと面白さー
講演概要 列車ダイヤに代表される鉄道の運行計画は、今に至るまで、人手主導で作られています。もちろん、コンピュータは使われていますが、意思決定をするのは、あくまでも経験を積んだその道の専門家です。これは、諸外国においても同様です。一方で、近年、ヨーロッパや中国では、この作業を自動化しようとする研究が盛んに行なわれるようになっています。
では、なぜ、これまで人手主導で行なわれてきたのでしょうか、何が難しいのでしょうか、そして、なぜ、最近になってこの種の研究が盛んになってきたのでしょうか。本講演では、これらについて鉄道の非専門家向けにわかりやすく解説させていただきます。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 佐々木 多希子(武蔵野大学工学部数理工学科 講師)
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第42回MCMEセミナー



時弘哲治先生は、箱玉系などの超離散系、非線形可積分系を研究されてこられていますが、その応用の方向にある生命現象の数理的解明においても、実際の現象を記述する数理モデルの構成と数理モデルの理論的解析の両面での研究を推進されています。今回は、「血管新生」における内皮細胞の運動を記述するモデルの、いくつかの視点からの開発の経緯とそれらの精密化と、それらのシミュレーション、そこに現れる指標と実際の血管新生実験結果との対比など、現在進行中の多くの研究についてご講演いただきました。数理科学研究者と実験研究者の間での深い研 究交流が実現されている様子も、時弘哲治先生ご自身がこの研究にかかわられるようになった経緯なども含めお話しいただき、いろいろな質問に丁寧にお答えいただけて、非常に興味深いセミナーとなりました。
コーディネーター:坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2021年7月21日(水)17:00~18:30(日本時間)
場 所  オンライン開催(Zoom)
講演者 時弘 哲治 氏(東京大学大学院数理科学研究科)
講演題目 血管新生の数理モデル
講演概要 既存の血管から新たな血管を生じ血管網が形成される現象を血管新生という。創傷治癒や胎盤の生成に必要な過程であるだけでなく、血管新生を制御することによって悪性新生物(癌)の増殖や転移の抑制が可能となるため、基礎医学の重要なテーマの一つである。本講演では、in vivo および in vitro での血管新生実験結果とそれに対する数理モデル、特に、内皮細胞を楕円体粒子としてモデル化した2次元及び3次元の離散力学系モデルについて紹介する。また、血管網の特徴の指標となりうる(マルチ)フラクタル次元解析についてトイモデルを用いて説明したい。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第41回MCMEセミナー



急激に活用範囲が増えビッグデータの解析には欠かせない深層学習ですが、今回は最近注目を集めている数理モデルと深層学習を結びつける研究についての講演でした。系のエネルギー関数を多層のニューラルネットワークで学習させ、その時間発展の性質を保存する数値計算法である離散勾配法と組み合わせることで、より正確な現象のモデルを作ろうとする試みについてわかりやすく話していただきました。また、後半は性能評価の理論的な側面についても触れていただき、今後広い分野へ展開していく可能性を感じました。聴衆からは様々な応用の可能性についての質問も多く寄せられ、充実したセミナーとなりました。
コーディネーター:高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科  教授)

【セミナー概要】

日 時  2021年4月27日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所  オンライン開催(Zoom)
講演者 谷口 隆晴 氏(神戸大学 システム情報学研究科)
講演題目 エネルギー保存・散逸則を保つ深層物理モデリング・シミュレーションフレームワーク
講演概要 近年、深層学習によって観測データから物理現象をモデル化する手法が注目されている。本研究では、ハミルトン力学やフェーズフィールドモデリングなど、エネルギー関数を用いた理論でモデル化できる現象に着目し、エネルギーの保存 ・ 散逸則を厳密に保つ深層物理モデルについて説明する。特に、離散時間モデルの導出には離散勾配と呼ばれるベクトルの導出が必要となるが、そのためのアルゴリズムについても述べる。また、提案手法は、エネルギーから保存・散逸則を保つ数値計算法を自動導出する方法としても利用でき、シミュレーション手法としても有用である。特に、本手法を実装したPyTorchのプログラムではGPUを利用した並列計算も可能である。本研究は松原崇、石川歩惟らとの共同研究である。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第40回MCMEセミナー



佐々木先生は偏微分方程式の数値解析をご専門とし、特に時間発展方程式での解の爆発現象について研究を進められています。今回の講演では、非線形波動方程式の解の爆発について、各点がどの時刻で爆発するかを示す「爆発曲線」の様子を、数値解析と理論解析の両面からお話しくださいました。爆発曲線と波動方程式の解の性質がどのように関係するか、また、爆発曲線は滑らかなカーブを描けるのかなど、先行研究との比較も交え説明していただきました。シンプルな波動方程式の性質と、非線形項によって生じる複雑な現象の組み合わせの面白さを感じるとともに、そこで使われた数値計算の難しさも印象に残りました。これらの研究が今後どのように発展するのか期待させる講演でした。

コーディネーター:高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2021年2月25日(木)16:30~18:00(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 佐々木 多希子 氏(茨城工業高等専門学校)
講演題目 非線形波動方程式の爆発曲線
講演概要 ある時刻で時間発展方程式の解の適当なノルムが発散するとき、解が爆発するという。解が爆発するための条件や爆発時間付近での解の挙動、爆発する時間や場所などの観点から問題が提起されている。本講演では、空間1次元半線形波動方程式の解の爆発する時間と場所を記述する「爆発曲線」を考える。波動方程式の場合、ある場所での解の爆発の情報が、考えたい時空間の領域に含まれない場合、その領域では解が爆発しない可能性がある。これは、場所によって解が爆発する時間が異なる可能性があることを意味する。各場所で解の爆発時間をつなぐと曲線ができ、これを爆発曲線という。本講演では、爆発曲線の微分可能性を紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第39回MCMEセミナー



垂水先生は非線形固体力学をご専門とし、理論面と数値計算の面から積極的に研究を進められています。今回は非線形力学が不可欠となる格子欠陥をテーマに、Rieman-Cartan多様体を用いた転位を含む材料の弾塑性によるモデリングと、ひずみ勾配弾性体における材料定数の既約分解についてご講演いただきました。前者では転位が材料の塑性の原因であることから説き起こし、塑性変形と弾性変形の組み合わせに対して微分幾何を用いたモデリングについて、そして中心部分に転位芯を持つ材料の実際の数値計算例まで丁寧にお話しいただきました。また、後者は非線形の弾性エネルギーに対して膨大な数の材料定数を既約分解して減らして行く手法から、実際にトーラス構造の収縮やき裂先端部の応力集中の数値計算結果まで示していただきました。これらの研究はさらなる発展が期待されており、今後の成果が期待されるご講演となりました。

コーディネーター: 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2021年1月21日(木)18:00~19:30(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 垂水 竜一 氏(大阪大学 大学院基礎工学研究科)
講演題目 格子欠陥のマルチスケール力学解析へ向けて
講演概要 結晶性固体材料中の格子欠陥は、材料の強度や塑性変形特性を支配している。そのため、格子欠陥に対する力学モデルの構築・解析は材料科学分野における重要な研究課題であるが、数理的な立場からの研究は進んでいない。本講演では、Riemann-Cartan多様体上の弾塑性理論を用いた格子欠陥のモデリングと数値解析について紹介する。対象はらせん転位、刃状転位、および転位ループ等の既知の線欠陥であるが、非線形解析によって得られた力学場には多くの興味深い特性が現れる。また、これらの解析をマルチスケール化するために進めている、非局所弾性論の代数学的な構成法についても紹介したい。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第38回MCMEセミナー


Armin Seyfried先生は、物理学を背景に歩行者の集団運動ご研究されている世界的に有名な先生で、数理モデル研究のみならず、数多くの実験研究も推進されています。歩行者の群集運動はいわゆる自己駆動粒子の集団運動という新しい物理学の一つの研究テーマであるとともに、災害時の人の避難やその制御という実社会における防災の観点からも極めて重要な研究テーマとなっています。本講演は、歩行者の集団運動に関するこれまでの研究紹介と、ボトルネック部における人の振る舞いに関する実験結果を紹介していただく二つのパートで構成されていました。前半のパートでは、これまでの実験結果や数理モデルの構築方法についてご説明があり、人同士の協力行動や社会的な関係性なども人の振る舞いに大きな影響を与えるであろうことから、心理学的な要因も考慮すべきであることを主張されていました。後半のパートでは、誰よりも先に行くような振る舞いをしてもらうように指示を与えることで、人のモチベーションを制御した実験を行った結果についてご報告されており、物理的な要因だけでなく心理学的な要因も強い影響をもたらすことを実証されていました。著名な先生のご研究を聞ける機会を設けることができたのは、オンラインならではのメリットで、学外からも多くの方にご参加いただき、大変有意義なセミナーとなりました。

コーディネーター:友枝 明保(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年12月17日(木)18:00~19:30(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 Armin Seyfried 氏(Research Center Julich and University of Wuppertal, Germany)
講演題目 Pedestrian Dynamics - From Natural Science to Social-Psychology
講演概要 The dynamic of pedestrians finds a multitude of interesting and safety-critical applications. These include the evacuation of buildings, the optimization of traffic infrastructures or the organization of major events such as the Olympic Games.
Many aspects of pedestrian dynamics can be described using natural scientific methods. Nevertheless, it is obvious that socio-psychological factors cannot be neglected. The first part of the lecture introduces the research field of pedestrian dynamics. In the second part, the behavior in waiting queues is used to illustrate how important it is to integrate the natural scientific with the socio-psychological perspective.
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 友枝 明保(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)
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第37回MCMEセミナー


白石先生は統計力学を背景に群れの集団運動を理論・実験の両面から研究されています。近年、実験・観察技術の進展にともない生物・人間の集団行動を定量的に計測することが可能となり、その多様な集団行動の解明に数理的な視点が持ち込まれつつあります。本研究ではフェロモン追従に基づくアリの集団採餌行動において、フェロモンに対して感受性の低いアリの存在が集団採餌の効率を高める可能性があることをシミュレーションにより明らかにされました。これは直接的には感受性の個体差が餌の発見効率を高めることを意味してます。一般的に多くの集団現象において個体差(揺らぎ)は存在し、このような個体差がある状況下での集団運動は分かっていないことが数多くあります。本講演では、物質のみならず動物や人間などの集団的な社会現象に対しても統計力学的な視点・手法が有効であることが示唆される講演となりました。

コーディネーター:木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年11月26日(木)18:00~19:30(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 白石 允梓 氏(明治大学先端数理科学インスティテュート)
講演題目 アリの個体行動のゆらぎが生み出すコロニーの最適採餌行動
講演概要 フェロモンを利用するアリの集団採餌行動では、餌の場所や餌の質などの情報をフェロモンを介して効率的に伝えることで結果的に餌の大量運搬を可能にしている。一方で、実験的に効率の良いはずのフェロモン情報を無視している個体が存在することが知られている。本研究では、フェロモン情報を無視するアリが集団採餌行動の採餌効率に与える影響をマルチエージェントモデルによる数値シミュレーションで評価した。結果は、無視する度合いと個体数の割合がある領域で集団採餌効率を向上することを確認し、一定の非効率的行動する個体の存在が重要であることを示した。そして、この結果は非効率的行動する個体が存在することで餌の発見率や運搬速度に影響を与え効率を向上させていることを示した。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)
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第36回MCMEセミナー


櫻井建成氏は、パターン形成の問題に関して、実験およびモデリングとその解析の両面から研究を行うスタイルをもつ研究者である。生物が関わる現象に関しては、その詳細な仕組みを知る事が困難であることが多く、現象論的なモデリングが行われることが多い。今回の講演では、大腸菌が作り出すパターンについて、これまで提案されてきたモデルにより最終的に生成されるパターンは実験のパターンによく似ているが、その生成過程については大きな差異があることが議論され、モデル修正の試みが紹介された。既に理解されたと思われている問題についても、本質的な問題が残されていることも多く、今回の講演内容からも、生物が関わる現象のモデリングの難しさを痛感した。

コーディネーター上山 大信(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年11月12日(木)18:00〜19:30(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 櫻井 建成 氏(山口芸術短期大学)
講演題目 走化性大腸菌におけるパターン形成と反応拡散移流モデル
講演概要 1991年以降Bergらにより、大腸菌の走化性を利用した様々なパターン形成が報告された。これらのパターンでは、swarm ring(図1:大腸菌密度の高い同心円状で伝搬する波)の後ろにクラスタ(大腸菌密度の高いドット)を落とす場合(図2)と線上のパターンを作る場合(図3)がある。このパターンの理解を目指した多くの数理モデルが提案されているが、様々なパターンの出現元であるSwarm ringを再現したモデルはない。我々は、2010年に青谷らにより提案された反応拡散移流モデルを改良することにより、Swarm ringの再現を目指した。本発表では、我々の提案したモデルを紹介し、走化性大腸菌パターンの発生メカニズムについて議論したい。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 上山 大信(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第35回MCMEセミナー


鈴野氏は、株式会社マツダの技術研究所において数理工学的アプローチを用いた研究・開発に取り組んで講演では、自動車産業におけるモデルベース開発に関して、実例を二つほど紹介して頂きました。自動車自体が大変複雑であり、モデル化自体が困難ですが、問題の主要な部分を適切に抜き出しモデル化することで、数理的な解析が可能となることと、現象モデル化と数理解析の双方の能力をバランス良く持ちあわせることの必要性を強調されていました。そもそも問題が何であるかを明らかにしづらい問題が多くある中で、今後ますます数理工学的なアプローチが重要となる事がよくわかる講演でした。

コーディネーター上山 大信(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年10月29日(木)18:00〜19:00(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 鈴野 浩大 氏(マツダ株式会社 技術研究所)
講演題目 自動車産業と数理工学
講演概要  近年の計算機能力・ソフトウェア性能の向上により、産業界ではコンピュータシミュレーション技術の活用が進んでいます。特に自動車産業においては、モデルベース開発(Model-Based Development, MBD)の名のもとに様々な技術領域においてシミュレーションを用いた現象解明や予測が行われるようになってきました。その一方で、シミュレーションから有用な工学的知見を効率的に得るためには、問題の数理構造を踏まえたモデリング、モデルとデータの融合、意思決定の為の数理的分析手法の活用などが必要となり、そのためには数理工学的な観点が大変重要となります。本講演では、これらの問題意識のもとで、自動車開発における数理工学的アプローチの事例や課題について議論します。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 上山 大信(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第34回MCMEセミナー


Steve Hurder先生は、葉層構造、力学系の理論で幅広く仕事をされてきました。現在はイリノイ大学シカゴ校の名誉教授で、授業はされていないが大学に研究室はお持ちで若手との共同研究研究にいそしまれています。コーディネーターとは1986年以来の付き合いで、日本の研究者とも長く交流されています。最近は力学系の極小不変集合としてよく現れる、輪を引き延ばしてねじって重ねる操作を無限に続けて得られるソレノイドとよばれる図形にかかわる変換群論的研究をされています。今回の講演もこのような図形の変換群に関する、代数的群論的研究についてでした。多様体が微分同相な有限被覆を持つことをその基本群についての有限生成群がその有限指数の部分群と同型であるという関係に直し、その群の構造からカントール集合を定義し、群のカントール集合への作用の解析性により、可能な有限被覆を特徴づけるという壮大な理論ですが、歴史的なことを含めわかりやすく説明してもらえたと思います。COVID-19の蔓延のためZOOMによる講演となりましたが、セミナーにご参加いただいた皆様に面白さが伝わったのではないかと思います。

コーディネーター:坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年6月23日(火) 9:00-10:00(日本時間)
場 所  オンライン(Zoom)
講演者 Steve Hurder 氏 (University of Illinois at Chicago)
講演題目 Cantor dynamics of renormalizable groups
講演概要 A group G is said to be finitely non-co-Hopfian, or renormalizable, if there exists a proper self-embedding of G into itself whose image has finite index. Such a proper self-embedding is called a renormalization for G.  In this work, we assign  a dynamical system to a renormalization of G. The discriminant invariant D of the associated Cantor dynamical system is a profinite group. The discriminant is a measure of the asymmetries of the dynamical system. If D is a finite group for some renormalization, we show that G/N is nilpotent, where N is the kernel of the action map. We also introduce the notion of a renormalizable Cantor action, and prove that the renormalization property of a Cantor action is an invariant of continuous orbit equivalence. Moreover, the discriminant invariant of a renormalizable Cantor action is an invariant of continuous orbit equivalence. The action associated to a renormalizable group is itself renormalizable.
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 坪井 俊(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)
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第33回MCMEセミナー



高田先生は、ガラスに関する数理解析を中心に優れた研究業績を多数挙げられると同時に、数理科学分野と産業界の連携を牽引してこられました。その多くのご功績から、日本応用数理学会のフェローであると同時に、日本人として最初の英国ガラス協会フェローでもいらっしゃいます。ご講演では、温度が平衡状態において定義される概念であったことを振り返ったのち、非平衡状態においても温度やエントロピーといった概念を導入するための理論を展開されました。ガラスを念頭に置きつつ、それにとどまらない広範囲を対象とした理論を提示するというスケールの大きな話題に感銘をうけました。また、エントロピーの考察において身近なサイコロ投げを題材にして論点を明らかにされるなど、学生や大学院生にとってもわかりやすくお話いただいたことが印象的でした。

コーディネーター:山中 卓(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2020年1月24日(金) 17:10-18:40
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 高田 章 氏 (University College London)
講演題目 数理的発想から温度・エントロピーの新しい基本概念を考える
講演概要 「温度」とは何か?我々は「温度」のことを本当に理解しているだろうか?「温度」は小学生でも何らかの説明ができる身近な自然現象であるとともに、エネルギー、生命、ブラックホールなどの現象を議論する上で重要な概念でもある。一方、「温度」と双対のような関係にあり掴みどころの無い概念として「エントロピー」があり、熱力学の第二法則(エントロピー増大則)は自然現象の非平衡状態の時間発展を議論する上で重要な理論となっている。本セミナーでは数理的な発想をベースに、従来は平衡状態でしか定義されない「温度」を非平衡状態でも定義できるように拡張し、エントロピーも含めた自然現象の数理科学的描像を紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 山中 卓(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

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第32回MCMEセミナー



哲夫(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年12月5日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 木村 宏一 氏 ((株)日立製作所)
講演題目 Burrows-Wheeler変換と DNA配列解析
講演概要 Burrows-Wheeler(BW)変換は、一般的な文字列の圧縮や検索に利用されている技術である。近年、DNAシーケンシング技術が劇的に進展してスループットが大幅に向上し、シーケンサから得られる大量のリード配列の解析においても、その背後ではBW変換が利用されている。BW変換では、様々な局面で文字列の順序が保存されることが技術的なポイントとなっている。本講演では、近年のDNAシーケンシング技術の進展に伴うDNA配列解析技術の進展、癌ゲノム解析への応用などの紹介とともに、そのようなBW変換の面白さをお伝えする。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 西川 哲夫(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

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第31回MCMEセミナー



水野先生は、近年データの蓄積が進んでいる金融データやスマートフォンの位置情報を用いた人間行動のビッグデータ解析など最新の計算社会科学の研究者です。本講演では特に保有株式を通じた議決権により、ある企業やある政府がほかの組織に与える影響度の大きさを定量的に評価し、金融ネットワークの構造が重要な役割を演ずることを報告されました。また、一般市民の預金・保険・年金がグローバルな金融ネットワークを通して社会的に好ましくない組織に流れる実態を報告され、いわゆるSDGsと重なる面があるESG投資を考えるうえでも示唆に富む講演でした。現代的でチャレンジングな研究内容であり、外部聴講者や大学院生にとっても興味深い講演であったと思います。

コーディネーター:木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年11月27日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 411教室
講演者 水野 貴之 氏( 国立情報学研究所, 総合研究大学院大学)
講演題目 複雑ネットワーク科学が映し出すグローバル社会の闇
講演概要 グローバルな経済ネットワークに流れるモノ・カネ・情報の視点からグローバル社会の構造をとらえ、「紛争地の武装勢力が内戦を維持するために売ったレアメタルの世界的な拡散」「善意で寄付した仮想通貨が拡散しブラックマーケットに流れ込む問題」「中国政府の資本による企業支配が複数の子会社を経由して香港や英国経済を揺るがす現状」という、グローバル化が招いた問題と、これらを解決するためのネットワーク構造を用いたアプローチを紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

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第30回MCMEセミナー



Doliwa教授は、非線形差分系の分野で優れた成果を挙げられている研究者で、とくに離散幾何に関して優れた業績を挙げられています。 今回のセミナーでは、まず古代ギリシャにおける幾何の問題をわかりやすく説明されたのち、具体例を用いて、方程式が解けるかという問題では対称性が重要であるという指摘をされました。また、非線形離散可積分系の代表的な方程式が射影幾何、連分数理論、組み合わせ論などさまざまな数学分野と深い関わりがあることを最新の研究に基づいて説明されました。こうした内容は数理工学への応用に役立つと思われ、今後のセンターの活動にも有意義な講演でした。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年11月21日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 Adam Doliwa 氏〔University of Warmia and Mazury (Poland)〕
講演題目 SOLVABILITY AND SYMMETRY
講演概要 The ability to use abstract thinking in solving practical problems is the hallmark of human civilization. As a consequence, however, limitations of our language or world views may narrow down our practical possibilities. On the other hand, restrictions of our tools to specific means due to their expected efficiency or to the very nature of a given problem, may reveal mathematical beauty of geometric or algebraic structures which stand behind the possibility of solving the problem.

In my lecture I would like to present several instances of such an approach starting with the famous problems of ancient Greek mathematics. We will see the important role of the concept of symmetry as a practical tool of detecting ''the problems we can solve'', and how it was changing over the years and the increasing difficulty of the problems. My last example will be the famous equation introduced by professor Ryogo Hirota. In particular, I will show how it links together various areas of mathematics such as projective geometry, algebraic theory of continued fractions, and combinatorics.
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第29回MCMEセミナー



今先生は、一定の周期で大発生する周期ゼミの周期メカニズムについて数理モデルを用いて解析し,周期が安定する条件を見つけました。
具体的には、周期ゼミの差分方程式(ブルマーモデル)をスケール変換により常微分方程式(ロトカ・ヴォルテラ方程式)へ変換し、ブルマーモデルの周期解がロトカヴォルテラ方程式の平衡解に対応し、かつその平衡解が漸近安定であることを示しました。連続力学系の解析手法を用いることができるロトカ・ヴォルテラ方程式は、ブルマーモデルより解析が容易であることから、周期メカニズムの解明がさらに進展することが期待されます。
非常に分かりやすい講演であり、外部聴講者や大学院生にとっても興味深い講演であったと思います。

コーディネーター:木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年11月14日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 今 隆助 氏(宮崎大学工学教育研究部)
講演題目 ロトカ・ヴォルテラ方程式を用いた周期ゼミの研究
講演概要 周期ゼミはアメリカ東部に生息するセミで、日本に生息するセミとは異なり、13年または17年に一度一斉に羽化する。このような不思議な個体数変動を作り出すメカニズムを理解するために、数理モデルを用いた研究が1970年代から行われてきた。本講演では、その数理モデルの振る舞いを理解するための一つの方法として考案されたロトカ・ヴォルテラ方程式を用いる方法を紹介する。ロトカ・ヴォルテラ方程式はもともと相互作用している複数種の個体数変動を記述する数理モデルであるが、年齢構造をもつ単一種の個体数変動が巡回対称性をもつロトカ・ヴォルテラ方程式で近似できる点や、その方程式の性質を紹介する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

第28回MCMEセミナー



赤木先生は、エネルギーが低い方へと状態遷移する現象を表す勾配系の方程式において、例えば損傷が修復できない破壊現象のように、強い不可逆性を持つ拘束条件が加わった場合の解の性質について研究されています。本講演では、拡散方程式や相転移現象を表す Allen-Cahn 方程式における勾配流としての構造から説明していただき、特に拘束条件を付けた Allen-Cahn 方程式において初期値に依存した多様な解が見出されることを、Lagrange未定乗数を使ったモデルやobstacle問題のモデルに置き換えながら、理論的な見地と数値計算結果から示されました。また、元の Allen-Cahn 方程式に現れる進行波解が拘束条件によってどのような影響を受けるか、その理論解析の結果についてお話しいただけました。この分野の研究は、これからモデリングと数理解析の両面において発展することが期待されており、その現状を知る有意義なセミナーとなりました。
 
コーディネーター:高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年10月24日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 赤木 剛朗 氏( 東北大学大学院 理学研究科 数学専攻 )
講演題目 単調成長を拘束条件に持つ勾配系について
講演概要 破壊現象などある種の状態変化には強い不可逆性(例えば一度損傷が生じてしまうと元には戻らない性質)が伴う。それらを相転移モ デルによって捉える際、勾配系(自由エネルギーなど状態に対して値をとる(汎)関数がその時点で最も減少する方向へと状態が変化するような系)はその相変数の時間発展則に対する導出原理(広い意味での変分原理)となるが、それに強い不可逆性を拘束条件とし て課した問題は数学的には古典論の範疇を超え、さまざまな困難を伴うため、分かっていることは非常に限定的である。ここではそのような勾配系に対する単調成長の拘束条件の影響を知るべく、単純化されたモデルをとして拘束条件付き Allen-Cahn 方程式を中心に、近年数学的に分かってきたことについて解説する。
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
コーディネーター 高石 武史(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第27回MCMEセミナー



10000年ほど前からヨーロッパ全土はほぼ5000年かけて農耕民族が採集狩猟民族に取って代わった 。 つまり新石器時代への遷移(Neolithic transition)である。この遷移において興味深いことは、ヨーロッパは地理的にかなりに異方性が強いにもかかわらず、農耕民族はほぼ一定の速さで生活空間を拡大していったことが放射性炭素測定法やゲノム解析など科学的方法論を持ち込むことによって観察されている。Kabir氏はこの速さには農耕技術(farming technology)の発展が関与していることをモデリング及び解析という現象数理学から議論し、いくつかの成果を紹介した。このようにKabir氏の貢献はこれまで数理科学から話題にされなかった古代史における問題を現象数理学から接近したことであろう。

コーディネーター:三村 昌泰(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

【セミナー概要】

日 時  2019年1月21日(月) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 Kabir Muhammad Humayun 氏( Jahangirnagar University, Bangladesh)
講演題目 Modeling of farmers and hunter-gatherers in the Neolithic transition of Europe
講演概要 The Neolithic transition is one of the most significant single developments in human history. Archeological evidence of Neolithic transition suggests that expanding velocity of farmers is roughly constant. To understand such phenomenon, many theoretical attempts have been progressed through mathematical modeling. Existing modeling approaches on Neolithic transition indicates that expanding velocity is faster than the observed one. For understanding of this difference, we propose a three-component reaction-diffusion system which involves two different types of farmers: sedentary and migratory ones. Moreover, we introduce the influence of farming technology on the spread of farmers. Our goal is to study the relation between the expanding velocity and farming technology. In this talk, we focus on the one-dimensional traveling wave solution with minimal velocity and finally our model suggests that the minimal velocity of traveling waves explains the spreading velocity of farmers, which becomes slow down when farming technology is suitably developed. This research is a joint work with Jan Elias (Univ. Graz, Austria), Je-Chiang Tsai (National Tsing Hua Univ., Taiwan) and Masayasu Mimura (Musashino Univ., Japan).

第26回MCMEセミナー



今回のセミナーでは、錯視立体を数理的に創作されておられる杉原先生と森口先生にご講演していただきました。杉原先生のご講演では不可能立体と呼ばれる「あり得ない姿や振る舞いが見えてくる錯覚を生じさせる立体」に対して、線形代数といった大学で学ぶ初等的な数学を用いた計算が背景にあることを解説していただきながら、その創作の歴史(第一世代から最新の第九世代)を振り返っていただきました。森口先生のご講演では、錯視立体の中でも「鏡映合成型」と呼ばれる、実際のモノと鏡に映ったモノを合わせて一つの形を作るというタイプの錯視立体の創作方法について、条件によっては計算が難しくなることなども触れながら解説していただきました。錯視という現象を体験しながら、数理工学科で学んできた講義内容を実感できるご講演となっており、教員はもちろんのこと、参加してくれた学生にとっても、大変有意義なセミナーでした。

コーディネーター:友枝 明保(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

【セミナー概要】

日 時  2018年12月21日(金) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
第1部(16:30~17:15)
講演者 杉原 厚吉 氏(明治大学 研究・知財戦略機構 先端数理科学インスティテュート)
講演題目 不可能立体の数理
講演概要 不可能立体は、最初絵には描けるが立体として作れない構造を意味していたが、立体として作れるトリックが見つかり、その後さまざな不可能性の錯視を生み出す立体が発見・創作された。これらを、その背景にある数学と共に紹介する。

第2部(17:15~18:00)

講演者 森口 昌樹 氏(明治大学 研究・知財戦略機構 先端数理科学インスティテュート)
講演題目 鏡映合成型の錯視立体
講演概要 鏡の上に置いた⽴体を特定の視点から観察すると、⽴体⾃⾝とその鏡像が一体となって指定された形に⾒えるという鏡映合成型の錯視⽴体を作成する手法を提案する。さらに、連結な立体、鏡を貫通しない⽴体、鏡に直立する立体などを作成するための条件についても議論する。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第25回MCMEセミナー



Tamizhmani教授は、非線形離散可積分系理論の分野で著名な研究者であり、とくに非線形離散方程式の構造と解に関して優れた業績を挙げられています。 今回のセミナーでは、非線形差分方程式の可積分性を判定する方法として知られている特異点閉じ込め法と、最近注目されているネバンリンナ理論について解説して下さるとともに、それらを応用した最近の結果も紹介して下さいました。黒板も多用し、若い研究者や学生にも分かるようにていねいに解説された姿が印象的でした。応用上も重要な非線形離散系の問題を扱われ、今後のセンターの活動にも有意義な講演でした。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)


第25回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年11月21日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 Thamizharasi Tamizhmani 氏( VIT University, India)
講演題目 Discrete Integrability - Blending Nevanlinna Theory and Singularity Confinement
講演概要 There has been a lot of focus on Integrable systems for more than a century because of its conceptual depth starting from continuous to discrete and then to ultra-discrete. There are lot of practical applications on Integrable systems like Solitons. In this lecture, a novel integrability critierion is demonstrated blending most popular complex analysis tool Nevanlinna theory blending with a simple, elegant, discrete integrability criteria - Singularity Confinement.
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第24回MCMEセミナー



岡本和夫先生は、非線形可積分系理論の分野で世界的に著名な研究者であるだけでなく、数学教育にも造詣があり、中高の教科書、大学の参考書など数多くの書籍を出版しておられます。東京大学に勤務中は大学院数理科学研究科の創設に携われましたが、大学改革支援・学位授与機構に移られてからは、初等・中等・高等教育の、主に数学の改革に尽力されてこられました。今回のセミナーでは、数学教育のあり方だけでなく、高大接続とか高大連携など、教育に関することがいろいろと取りざたされている中で、入学試験も含めて、数学や数理科学がどのように関わっていくのかという最新のテーマを取り上げられました。雑談も多くあり、聞いていて楽しい講演でした。また、数理工学科・数理工学センターの今後の活動にも有意義な講演でした。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)


第24回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年11月1日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階 403教室
講演者 岡本 和夫 氏(大学改革支援・学位授与機構)
講演題目 数学のエスプリと教育数学の試み
講演概要 今、高大接続とか高大連携とか、 教育に関することがいろいろと議論されています。
もっぱらの関心は入学試験が変わる、という点に絞られているようですが、本来はもっと広い内容があります。
この流れの中で、数学や数理科学がどのようにかかわっていくのか、という問題を、考えてみたいと思っています。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第23回MCMEセミナー



コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)


第23回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年10月17日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学武蔵野キャンパス、1号館1203教室
講演者 三村 昌泰 氏( 武蔵野大学工学部数理工学科)
講演題目 脳や情報処理を持たない細胞のインテリジェンス
講演概要 生き物の持つ知能の中には我々の予想を超えたものが数多くある。ここでは特に、脳や情報処理を持たない細胞であっても、不思議なインテリジェンスを持っている。それらを我々の生活に利用しようという目的から、インテリジェンスの解明を「モデリング」と「数学解析」を両輪とする数理工学の視点から議論したい。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第22回MCMEセミナー


 
牛島先生は、雪の結晶成長などを記述する非線形放物型偏微分方程式の解の性質について調べておられます。本日のご講演では、先生のご研究の中でも、曲率流方程式に見られる有限時間で解が発散する「爆発」という現象に対して、Type2爆発と呼ばれる通常より早い時間で爆発するような解の爆発時間を数値計算を用いてとらえたい、そのためには、スケール変換不変性という特徴を用いてrescaleすれば推定できるというものでした。研究の動機をお話しされた際には、問題そのものは修士課程時代から考えておられたようで、長年かけて一つの問題に取り組む姿勢が印象的でした。

コーディネーター:友枝 明保(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

第22回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年7月27日(金) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館3階305室
講演者 牛島 健夫 氏(東京理科大学理工学部)
講演題目 スケール変換不変性を利用した複雑な爆発レートの数値的推定
講演概要 非線形発展方程式の解は、必ずしも時間大域的には存在せず、しばしば有限時刻で特異性を生じそれに伴って解のあるノルムが無限大に発散する。このような現象は解の爆発、特異性を生じる時刻は爆発時刻、爆発時刻に近づくにつれて解が発散するレートは爆発レートと呼ばれている。
様々な非線形方程式に対して非常に複雑な爆発レートを持つ解が現れることが、解析的に知られている。我々の一つの興味は、数値的な手法によってこの複雑な爆発レートを捉えることができるかどうかということにある。
本講演では、方程式の持つスケール変換不変性を利用することで、爆発レートを数値的に捉える一手法について説明する。
なお、本講演の内容は、穴田浩一氏(早稲田大学高等学院)・石渡哲哉氏(芝浦工業大学)との共同研究に基づくものである。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第21回MCMEセミナー



坪井俊氏は幾何学の大家で、微分方程式の解構造に関わる葉層構造について優れた研究を進めてこられ、国際的にも高く評価されています。今回のセミナーでは、これまでの研究についてその流れを追いながらわかりやすく説明をしてくださるとともに、無限群の幾何に関するホットな話題についても噛み砕いてお話しいただきました。数理工学においても画像処理等幾何学的な問題が重要になってきていますが、そうした点でも意義ある講演でした。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第21回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年5月31日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 坪井 俊 氏(東京大学大学院数理科学研究科 / 理化学研究所数理創造プログラム)
講演題目 無限群の幾何と葉層構造
講演概要 球面やトーラスのような曲面上の微分方程式を考えるとその解曲線による模様が得られる。解曲線を時刻とともにたどっていくと、極限点にたどり着く場合、極限円周にたどり着く場合、曲面上のどの点についても何度でも近くを通過する場合などが起こる。同じような考察は、曲面の代わりに一般の次元の多様体について、(フローボックスを持つ)解曲線族の代わりに(局所的に自明な層構造をもつ)部分多様体族について行うことができ、葉層構造の定性的理論あるいは力学系的理論と呼ばれ研究されている。面白いのは、余次元1葉層構造にはGV数という数値を定義できるが、その値が0でないときには弾性葉という自分自身を引き寄せるホロノミーをもつ部分多様体が存在することである。これは1982年にデュミニ氏により示されたことである。こういう現象を観察すると、もっと以前にダンジョワ氏が考察した1階微分できるが、2階微分を持たないような力学系(ダンジョワ・フロー)が存在することが、どんな接平面場(接分布)に対しても、1階微分は持つが2階微分を持たないような葉層構造がその連続変形として存在することを導くことを示すことができる。マザー氏、サーストン氏の結果により、葉層構造の存在と微分同相のなす群の完全性(群がその交換子群と一致すること)とには関係があることがわかっているが、完全性の考察は無限群の幾何の中で非常に重要である。完全群の元に対してはそれを表す交換子積の長さ(交換子長)を考えることが自然である。微分同相群ではしばしば交換子長が有界になってしまうことが示される。交換子長が有界でない完全群に対しては、交換子長を線型近似した安定交換子長という不変量は現在の無限群の幾何の研究の中で非常に重要である。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第20回MCMEセミナー



高石先生はき裂進展を理解するためにシンプルな現象論的モデルを用いき裂形状やその時間発展を数値計算により調べられております。具体的には弾性体においてき裂進展をエネルギー(弾性エネルギー+表面エネルギー)の高い状態から低い状態への遷移過程とみなしフェーズフィールド法を用いて数値計算を行っています。本研究では非常にシンプルなモデルを用いており理論面また拡張面からも今後の研究進展が期待される講演となりました。

コーディネーター:木下 修一(武蔵野大学工学部数理工学科 准教授)

第20回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年2月7日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階412室
講演者 高石 武史 氏(広島国際学院大学工学部)
講演題目 フェーズフィールドで見るき裂進展: そのコンセプトと応用
講演概要 材料や構造物の破壊は、その結果が時に大きな被害をもたらすため、古くから研究が積み重ねられてきた。近年シミュレーションによる研究が進んできたが、破壊により生じる新たな表面や形状の変化を表現するために、様々な計算テクニックが用いられている。講演者と木村は、このような自由表面をフェーズフィールドで記述したBourdin-Francfort-Marigoの近似エネルギーから数値計算しやすいシンプルな時間発展方程式を導出することで、シミュレーションによる複雑なき裂進展を再現できることを示した.本講演では、このモデルを紹介する中で、他分野との関連や、その応用面についても述べる。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第19回MCMEセミナー



Kumari氏は京都大学理学部数学教室に在籍中の若手研究者です。今回の講演では、現在研究を進めておられるいくつかのテーマのうち、数理物理に関わるウィッシャート行列のモーメントに関する内容と、データ解析で重要となる距離に関する最新の内容について話していただきました。盛りだくさんで、難解な数学的内容も含んでいましたが、講演後のディスカッションで、丁寧に説明していただき、講演のテーマは今後の数理工学センターの活動にも役立つ内容との印象も持ちました。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第19回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年1月29日(月) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階412室
講演者 Sushma KUMARI 氏(Department of Mathematics, Kyoto University)
講演題目 Moments of inverse (m,n,β)-Laguerre matrices
講演概要 Wishart matrices are one of the fundamental matrix models in multivariate statistics. The classical Wishart ensemble has been generalized to (m,n,β)-Laguerre ensemble for β>0. Many properties such as eigenvalue densities and moments of (m,n,β)-Laguerre matrices and inverse (m,n,β)-Laguerre matrices are important in various fields of mathematics and physics. We consider the (m,n,β)-Laguerre ensemble and give a necessary and sufficient condition for finite moments of inverse (m,n,β)-Laguerre matrices to exist. We extend the result to inverse compound Wishart matrices for the values of β=1and2.
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第18回MCMEセミナー



尾瀬先生は、気象庁気象研究所気候研究部で、温暖化などの気候変動予測研究を長年続けられています。今回のご講演では、天気予報と気候予測の違いをポンチ絵を用いて非常に分かり易く説明された上で、それぞれの先端的なアプローチや到達点についてもお話しをしていただきました。現在の天気予報の話から、大気以外の海洋などの情報をもとに予測を行う季節予測の話、地球のエネルギー収支をもとに予測を行う温暖化の予測まで、予測精度がかなり向上していることが観測によって証明されてきていることをお話しされました。さらに予測制度を高めるために、様々な方法や情報を組み合わせる方法や複雑系として扱う方法など最先端の方法も紹介され、大変有意義なご講演となりました。

コーディネーター:西川 哲夫(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第18回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2018年1月22日(月) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館3階303室
講演者 尾瀬 智昭 氏(気象庁気象研究所・気候研究部)
講演題目 天気予報と気候の予測 -似て非なる予測原理
講演概要 過去30年間は気候変動予測研究の飛躍の時代であり、気候変動の理解とともに、季節予報や地球温暖化予測が大きく発展した。
気象庁や気象研究所では天気予報の基礎となる大気の数値予報モデルに海洋の数値モデルを組み合わせた気候モデルによって、季節予報を実施し、また今世紀末までの地球温暖化予測を実施している。しかし、これらの気候の予測は、今日から続く半年先や100年先までの毎日の天気予報ではない。天気予報は、大気の流れの中で日本付近に次に来る高低気圧を予測するが、たとえば、季節予報では半年先のエルニーニョ現象の予測が重要であり、地球温暖化予測は、温室効果気体増加後の地球のエネルギー収支で決まる地球の落ち着き先を予測することが重要である。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第17回MCMEセミナー



Grammaticos教授は、非線形可積分系理論の分野で世界的に著名な研究者であり、とくに非線形離散方程式に関して優れた業績を挙げられていますが、併せて、フィンスイミングの競技者としても有名で、世界チャンピオンにもなられています。 今回のセミナーでは、その経歴を生かし、幾つかの競技の記録の発展、男女間の記録の差について数理的な解析を行った結果を紹介してくださいました。聴衆には本学1年生もたくさんいましたが、彼らにとってもわかりやすい講演だったと好評でした。

コーディネーター:薩摩 順吉(武蔵野大学工学部数理工学科 教授)

第17回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2017年10月25日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階410室
講演者 Basil Grammaticos氏(University of Paris Ⅶ, France)
講演題目 A physicist in the stadium
講演概要 We shall start with some definitions of sport and athletics and two famous videos from the Tokyo, 1964, Olympics. We then will examine the question of the effect of weight on the performance in throws. For instance how much can we gain in the length of a shot put if we diminish the weight of the implement by 30 %. Is there a proper weight for women's javelin so that the performances of men and women could be comparable? We will then move on to a more general comparison of men-women performances and show that this cannot be based on the world records. Mathematical models are most helpful in such comparisons but the existence of abundant data is also essential.
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第16回MCMEセミナー



石井先生のご専門は、物性理論・社会物理学で、大変多くの研究に従事されています。
その中でも今回のご講演では、ブログやTwitterなど最近のソーシャルメディア(SNS)の解析から、数理モデルを用いて「ヒット現象」を解析し予測するというご研究について、映画や音楽バンド・芸人などのヒット現象はもちろんのこと、AKB48の総選挙予想やデータを集めることが難しいであろう江戸時代の歌舞伎役者に至るまで、大変多くの例を挙げてわかりやすくご説明していただきました。

コーディネーター:友枝 明保(本学工学部数理工学科 准教授)

第16回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2017年7月24日(月) 16:30-17:50
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階410室
講演者 石井 晃 氏(鳥取大学工学研究科機械宇宙工学専攻)
講演題目 ヒット現象の数理モデル:物理で社会を解析
講演概要 社会物理学の理論の1つであるヒット現象の数理モデルは、物理学の考え方を社会の中の人の関心の動きに応用したものです。ポイントは日毎の移り変わりを解析する点で、広告量を入力にして計算されたものをブログやTwitterの投稿量と比較することで、AKB選抜総選挙、映画、ロックバンド、ポケモンGO、PPAPなどの流行を解析できる他、数理モデル自体をいろいろと拡張することもできます。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第15回MCMEセミナー



今回3名の講演者は、私が日本側担当者の一人となっている、Japanese-Hungarian Bilateral Grant(ハンガリー政府によるハンガリーと日本の2国間研究推進助成金)による研究推進の一環で来日されました。講演内容は、微小スケールの生物・化学観測技術とその応用、またナノスケール粒子の凝集現象と、主に工学・化学分野に関する講演でしたが、数理的な視点が様々なところで現れ、特に最先端の技術においては重要な役割を果たすことが良くわかる内容であったと思います。学部学生には、国際的な研究の広がりや、数理工学という学問の多彩な分野と繋がりを知る良い機会になったのではないでしょうか。

コーディネーター:上山 大信(本学工学部数理工学科 教授)

第1部

日 時  2017年5月18日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 Beatrix Péter 氏 (Nanobiosensorics Group, MTA EK MFA, Budapest, Hungary)
講演題目 Living cells and copolymer coatings exposed to green tea polyphenol (EGCg): dynamic investigations using label-free optical biosensors
講演概要 Scientists examine the positive effects of epigallocatechin-gallate (EGCg), one of the active substances of green tea, for a long while. In the literature the authors mostly use labeling methods in general, thus, examination of this specific material EGCg by label-free techniques opens up new perspectives. In our work, optical label-free biosensors were applied to investigate the green tea polyphenol and its effects on living cells (HeLa cell line) and on copolymer coatings in a real-time way.

第2部

講演者 Robert Horvath 氏 (Nanobiosensorics Group, MTA EK MFA, Budapest, Hungary)
講演題目 Biomolecules and living cells monitored by label-free optical waveguide sensors
講演概要 The present talk highlights the most recent optical waveguide based biosensors to monitor biomolecules and living cells. Our group is developing and applying such sensors for highly sensitive analyzis of surface processes in real time, without the need for any labels. These biosensors offer the possibility to monitor the binding of small molecules, the adhesion kinetics of cells, and molecular movement inside living cells; highly relevant for the development of biomedical surfaces and drug discovery.

第3部

講演者 Istvan Lagzi 氏 (Department of Physics, Budapest University of Technology and Economics, Budapest, Hungary)
講演題目 Precipitation of oppositely charged nanoparticles
講演概要 It is known that the oppositely charged nanoparticles precipitate sharply only at the point of electroneutrality, i.e. the point at which the charges on the nanoparticles are compensated. We investigated the aggregation and precipitation properties of oppositely charged nanoparticles in the concentration range from 10 mM to 10-3 mM (in terms of gold atoms). We used solutions of equally sized (~ 6 nm) gold nanoparticles functionalized and stabilized with either positively charged N, N, N-trimethyl(11-mercaptoundecyl)ammonium chloride (TMA) or with negatively charged mercaptoundecanoic acid (MUA). We found that precipitation of oppositely charged nanoparticles does not occur if the concentration of the nanoparticles is below a threshold even if the electroneutrality condition is fulfilled.
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第14回MCMEセミナー



永野先生のご専門は、数理最適化の中でも特に離散変数の問題を対象とする離散最適化です。ネットワーク構造などを含む様々な離散構造を扱うことのできる「離散凸性」を備えた最適化法の領域において、その理論研究ならびに応用研究に取り組んでいらっしゃいます。ここで「離散凸性」とは、最適化が効率よく行える離散最適化問題が共通に持つ性質を抽象化したもので、「離散凸性」を持つ関数の代表例として劣モジュラ関数があります。今回のご講演では、この劣モジュラ関数が、機械学習分野に現れる最適化問題に対してどのように有効に働くかを、平易に解説していただきました。 
コーディネーター:田中 健一郎(本学工学部数理工学科 准教授)

第14回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2017年2月20日(月) 17:00-18:30 (※通常と時間が異なります。)
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 永野 清仁 氏 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
講演題目 機械学習と劣モジュラ最適化 ~理論と計算~
講演概要 機械学習はコンピュータに人間のような学習能力を獲得させるための技術です。ビッグデータ活用の必要性と相まって、機械学習の重要性は広く認識されつつあります。
最適化技術に基づく手法は現在、機械学習分野の標準的なアプローチです。今回は、近年注目されている機械学習のための劣モジュラ最適化について、その基礎理論や最新の話題について解説します。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第13回MCMEセミナー



稲葉先生は、人口学、理論生物学、感染症生物学における微分方程式を用いた数理モデルの開発と数理解析がご専門です。今回のご講演では、感染症数理モデルにまつわる研究・教育に関連した話題から年齢構造を取り入れた数理モデルとその数理解析の解説といった多様な側面から感染症の数理モデルについて詳しくお話しいただき、大変有意義なご講演となりました。
コーディネーター:松家 敬介(本学工学部数理工学科 講師)

第13回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時 2017年1月24日(火) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 稲葉 寿 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
講演題目 感染症の数理モデル:歴史と展望
講演概要 感染症の流行は過去において、そして現代においても人類の生存への最大の脅威の一つである。数理モデルを用いてそのダイナミクスを理解し、予防・対策に役立てようという考えはすでに18世紀には表れていたが、現在では数理生命科学のなかでも最もよく研究され、実践的な意義もおおきい分野になってきている。
本講演では、感染症数理モデルの基本的概念の発展に焦点を当てて、その起源から最近の発展までを紹介したい。
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第12回MCMEセミナー



村重淳先生は、船舶技術とそれに関連する海洋波のご研究をされていて非線形波動がご専門です。
今回のご講演では弱非線形で振幅が小さいソリトンではなく、大振幅を示す非線形波動の例として内部波と呼ばれる波をターゲットとされていました。特に「砕波」と呼ばれる非線形性が要因となって波が壊れる波動現象に対して、村重先生がご提案された非定常ホドグラフ変換を用いた新しいタイプの数値計算手法(UHT)の有効性、及びその安定性について詳しく解説していただきました。複素解析が利用されている事例ということもあり、学部生にとっても大変有意義なご講演となりました。
コーディネーター:田中 健一郎(本学工学部数理工学科 准教授)、友枝 明保(本学工学部数理工学科 准教授)

第12回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年12月13日(火) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 村重 淳 氏 (茨城大学理学部)
講演題目 海洋における非線形波動の数理
講演概要 海洋における非線形波動の数理的研究は比較的古くから行われ、Stokesが構築した微小振幅波理論や、浅水波近似に基づいたソリトン理論はよく知られている。一方、最近の実験・観測技術の進歩により、従来の理論だけでは説明できない振幅の大きな非線形波動(砕波や内部波など)の重要性が明らかになってきた。本講演では、大振幅・非線形海洋波に関する最近の研究の話題を紹介し、複素解析に基づいた新しいタイプの数理的手法について解説する。 
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第11回MCMEセミナー



矢野先生は、ウエアラブルセンサーによる人間の動きの特徴と幸福度の間の定量的な相関を発見され、幸福度を指標にした人工知能を開発されています。講演では大成功を収めたディープラーニングを用いた人工知能などが汎用的な用途に対応できていない現状について触れ、矢野先生らが開発を進めてきた汎用的な人工知能について、ブランコを漕ぐロボットや倉庫の物流管理、店舗の売り上げ管理、ネット銀行の審査の自動化など多くのビジネスへの適用事例の紹介がありました。
また組織のビッグデータの解析から、センサーで測定した組織の幸福度と組織の生産性が相関していることを発見され、幸福度が高まるような行動をアドバイスすることで生産性を高めるシステムを開発し、多くの大手事業者に納入していることを紹介されました。さらに、高度な多様性を持つ生物の進化の方法に学び、次世代の創造性を備えた人工知能を目指されている現在の活動にも触れられ、非常に刺激に満ちた講演でした。
コーディネーター:西川 哲夫(本学工学部数理工学科教授)

第11回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年11月2日(水) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 矢野 和男 氏 (株式会社日立製作所)
講演題目 人工知能はビジネスをどう変えるか
講演概要 人工知能が注目されている中で実はビジネスの成果はなかなか出ていない。
ビジネスの成果につながる人工知能のために何が必要かを解き明かす。14分野57案件を超える実適用のユースケースを使い、今後を展望する。 
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第10回MCMEセミナー



高安秀樹先生は「経済現象」を数理モデルとデータ解析の両面から物理のセンスで切り込み、特に為替市場における為替レートの動きに関してそのメカニズム解明に新たな視点を提供されてます.具体的には、為替市場の動きを「ミクロ」、「メソスコピック」、「マクロ」の3つのスケールに分離し実データと比較しながら、それぞれの領域で為替市場の動力学モデルを提案されました。特に印象深かったものは「メソスコピック」領域での板情報の動力学モデルであり、溶媒中のコロイド粒子の振る舞いとの類似性について議論されました。為替市場においても詳細なビッグデータを解析できるようになり、経済現象のある断面について物理的な視点・手法で研究できる時代に入ったことを感じさせる講演でした。
コーディネーター:木下 修一(本学工学部数理工学科 准教授)

第10回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年10月19日(水) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 高安 秀樹 氏(ソニーCSL・東京工業大学)
講演題目 金融市場の基本特性と観測所の必要性
講演概要 今世紀に入って入手可能となった金融市場の詳細な売買取引データを分析することで、市場の価格変動の本当の姿が明らかになってきた。需要と供給の差が市場価格を動かすという経済学における最も基本的な考え方にも修正が必要である。例えば、同じ買い注文であっても、現在の市場価格に近い注文と遠い注文ではその意味と役割が全く異なり、市場価格への影響も正反対になる。本講演では、まず、最近解明された金融市場の基本特性を紹介し、次に、気象や地震などと同じような公的な市場変動観測所が必要であることを説明し、観測や予測のための基本技術を紹介する。 
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第9回MCMEセミナー



西成活裕先生は、「渋滞学」という新しい学問分野を提唱されており、講演では様々な渋滞について、実験動画も交えて、大変わかりやすく解説していただいた。特に、高速道路で渋滞を起こさないための車間距離が40mであることや、ある種のアリはフェロモンを介した情報通信により車間距離が維持され渋滞しないことなど、最新の研究成果についても紹介していただいた。「渋滞」という社会現象は数理工学における中心的な研究テーマの一つであり、その研究において、数理が大きな貢献を果たしていることが示されており、研究者のみならず、学生にとっても大変有意義な講演であった。
コーディネーター: 薩摩 順吉(本学工学部数理工学科 教授)、友枝 明保(本学工学部数理工学科 准教授)

第9回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年7月27日(水) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 西成 活裕 氏(東京大学 先端科学技術研究センター)
講演題目 渋滞のサイエンス
講演概要 渋滞は車だけでなく、人の滞留や、物流、そして情報通信にも見られ、さらには我々の体内でも起こってそれが病気の原因にもなっている。 これらを広く渋滞現象を表す複雑系として捉え、それをセルオートマトンなどの数理科学的手法でメカニズムを分析する渋滞学を紹介する。 また、これまでの研究で得られた知見を利用して、どのように渋滞を解消すればよいかをシミュレーションや実験などを交えて議論する。  
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第8回MCMEセミナー



太陽系より外にある惑星をどのように観測するのか?観測することで何がわかるのか?最近になって次々と惑星が見つかっているのはなぜなのか?などなど、初歩的なところからお話いただいたおかげで、私のような専門外の人間からもわかりやすい講義でした。
 私たちの住む太陽系にはないタイプの太陽系外惑星やその形成現場を観測することで、天体の重心や物質の流れが明らかになります。それが惑星の成り立ちを知ることにつながるということでしたが、物質の流れを観測結果とシミュレーション結果を合わせることで説得力のある仕事となっており、大変魅力的なお話でした。
コーディネーター: 八島 亮子(本学工学部数理工学科 助教) 

第8回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年5月12日(木) 16:30-18:00 
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、4号館4階403室
講演者 眞山 聡 氏(総合研究大学院大学)
講演題目 太陽系外惑星及びその母体となる原始惑星系円盤のすばる望遠鏡による観測的研究
講演概要 1995年の初検出報告以来、この20年間で1000を超える数の太陽系外惑星が検出されている。これまで検出された惑星は、太陽系とは異なる惑星も多く、惑星の多様性の起源、さらには惑星の形成方法については、未だよく理解されていない。 本講演では、すばる望遠鏡等を用いた、太陽系外惑星とその形成母体となる原始惑星系円盤の観測的研究プロジェクトを説明し、それによって明らかになってきた、星・惑星系形成の観測的研究最前線を紹介する。  
主 催 武蔵野大学数理工学センター(MCME)

第7回MCMEセミナー



小川哲生先生は、光物性の研究において、平衡状態に関する量子凝縮の研究成果と非平衡現象に関するレーザー発振の研究成果を共に含む「平衡-非平衡クロスオーバー理論」を提案され、講演ではその内容を分かりやすく解説された。このテーマは、物性物理の分野での重要な問題に対する数理的扱いの新しい方向を示したもので、きわめて有意義な講演であった。
コーディネーター: 薩摩 順吉(本学工学部数理工学科 教授) 

第7回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年2月24日(水) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス 1号館4階406室
講演者 小川 哲生 氏(大阪大学大学院 理学研究科)
講演題目 平衡現象と非平衡現象のクロスオーバー:ポラリトン凝縮とレーザーの狭間
講演概要 微小光共振器中の半導体量子井戸系は、電子正孔対(励起子)が光子場と強く結合した「共振器ポラリトン」を形成する。ポラリトン密度が大きくなると、ボーズアインシュタイン凝縮のような量子凝縮を起こすことが実験的に観測されている。ポラリトン密度をさらに大きくすると「第2の閾値」が観測され、半導体レーザー発振に移り変わると解釈されている。この問題を理論的に解明するために、平衡現象である量子縮と非平衡現象であるレーザー発振の両方を包含する「平衡-非平衡クロスオーバー理論」を構築した。本研究を、共振器ポラリトン系を光デバイス等に応用する際の基礎的知見としてだけでなく、非平衡統計力学の構築や非平衡現象の理解につながる学術的展開の第一歩にしたい。
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第6回MCMEセミナー



合田先生は現在「根拠に基づく教育を行う」という観点から物理教育のプロジェクトに携わっており、定量的に学生の能力を測るテストを用いた調査および先行結果について講演されました。テストは「力学概念理解度調査(FCI)」および「科学的推論能力テスト(CTSR)」の2種類から成り立っています。米国および中国での調査結果は驚くほど似ており、このテストにより学生の力学の理解度や科学的推論能力を正確に測ることが出来る可能性を示唆しています。本研究は来年度から数理工学科で基礎物理科目(必修)の講義が始まることから教員のFD研修も兼ね根拠に基づく教育実現にあたりその計測手法を学ぶ貴重な機会となった。
コーディネーター: 木下 修一(本学工学部数理工学科 准教授) 

第6回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年2月18日(木) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス 1号館4階406室
講演者 合田 正毅 氏(新潟大学 名誉教授)
講演題目 物理教育研究(Physics Education Research PER)とは何か?
講演概要 教育は人類の歴史とともにありますが、今も未解決の課題を多く抱えており、私達は日夜呻吟しています。近年日本でもアクティブラーニングやインタラクティブな教育が流行していますが、それらは一体どのような基盤の上に何を実現しようとしているのでしょうか? 本講演では、最近の教育の動向の基盤にあるが日本ではあまり知られていない、米国での物理教育研究(PER)の成果の一部を私なりの視点から紹介し、それらを日本の物理教育に活用して行くことの有効性とそのための基盤形成の必要性について考えてみます。 サイエンスの立場から教育を語るためには、教授者の側の努力に付いて語るだけではなく、受容者の頭脳がどのような状態からどのように形成されてゆくかを認知科学の助けを借りながら"計測"に基づいて検証して行き、そこにどのような働きかけをすることが有効かも"計測"に基づき検証して行く必要があります。
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第5回MCMEセミナー



時田先生は統計物理の手法および数値計算を用い複雑な多体系について研究を進められており、今回のセミナーでは生物多様性についての数理モデル研究について講演して頂きました。具体的には種の個体数を順位順に並べた種個体数分布の観察結果が中立モデルを用いた数値計算と近似計算により再現されることを示されました。その上で、現実的な観察結果を考慮し中立モデルの仮定を"適応度が中立である"と緩め、仮定を緩めた場合においても種個体数分布が再現されることを示されました。これらの結果は、生物種のような観察の難しい対象ではメカニズム解明のためには数理モデルが非常に重要である事を示唆しており興味深い結果を紹介してくださいました。
コーディネーター: 木下 修一(本学工学部数理工学科 准教授)
 

第5回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2016年2月12日(金) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス 1号館3階306室
講演者 時田 恵一郎 氏(名古屋大学大学院情報科学研究科)
講演題目 生物多様性の科学
講演概要 熱帯雨林や珊瑚礁などの巨大な生態系の種数や個体数を調べると、環境に依存して特徴的な生物多様性のパターンが見出される。群集生態学者たちは、どのような因子に従って生物多様性とそのパターンが維持されるのかを研究してきた。本講演では、大規模生態群集における生物多様性とその維持機構やパターンの創発に関する理論研究の歴史から始めて、理論物理学やシミュレーション科学の方法による最新の知見、特に種間相互作用ネットワークの構造が群集ダイナミクスに与える影響などの最近の研究結果を紹介する。
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第4回MCMEセミナー



杉原教授は数値解析の分野で幅広くご活躍されており、特に、著名な数値積分法である二重指数関数型(DE)公式に関する理論的な解析や、そのDE公式に使われる変数変換とSinc関数近似を組み合わせたDE-Sinc数値計算法の考案および解析に関して、重要な業績を挙げられています。今回のセミナーでは、DE公式が生まれた歴史的経緯やDE公式の設計思想についてご説明された後、その理論的な解析の内容や、DE-Sinc数値計算法への発展、今後の研究の方向性についてお話をされました。数値計算公式の設計に際して、数理工学的発想法の一例をお示しいただいたという意味でも、非常に有意義なご講演でした。
コーディネーター: 田中 健一郎(本学工学部数理工学科 准教授)
 

第4回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2015年12月18日(金) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス 1号館3階306室
講演者 杉原 正顯 氏(青山学院大学 理工学部 物理・数理学科)
講演題目 DE公式からDE-Sinc数値計算法へ
講演概要 1970年ごろ、数値積分の分野で、変数変換を用いた台形則の有用性が認識され、高橋秀俊・森正武によって、最適数値積分公式として、二重指数関数型変数変換を用いた数値積分公式、すなわち、二重指数関数型数値積分公式(Double Exponential Formula、略してDE公式)が提案された。しかしながら、その最適性の議論が半ば理論的、半ば実験的であったため、DE公式は、実際上は超高精度であるが理論的根拠が不明確な公式とされた。一方、1970年ごろから、Stengerによって、解析関数の関数近似法、数値積分法、微分方程式の数値解法として、変数変換を用いたSinc関数近似に基づく方法、すなわち、Sinc数値計算法が提案された。こちらは一重指数関数型変数変換を用いる。Stengerが理論的根拠に乏しい二重指数関数型変数変換の使用を避けたためである。
  本講演では、高橋・森のDE公式の最適性の議論を復習し、それを数学的に厳密なものとし、それによって、DE公式で用いられる二重指数関数型変数変換が自然な形でSinc数値計算法に組み込まれ、超高精度数値計算法、DE-Sinc数値計算法が得られることを示す。
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第3回MCMEセミナー



Grammaticos教授は、非線形可積分系理論の分野で世界的に著名な研究者であり、とくに非線形離散方程式に関して優れた業績を挙げられています。 今回のセミナーでは、さまざまな微分方程式で表される非線形系に対して良い性質を持つ差分方程式を構成する系統的な方法についてわかりやすく説明された後、生物数学や数理物理学への応用に関する最新の結果を示されました。また、数理工学への応用に役立つと思われる可積分性判定法についての新しい見方も紹介され、今後のセンターの活動にも有意義な講演でした。
コーディネーター: 薩摩 順吉(本学工学部数理工学科 教授)
 

第3回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2015年11月2日(月) 16:30-18:00
場 所  武蔵野大学有明キャンパス 1号館2階208室
講演者 Basil Grammaticos 氏 (University of Paris Ⅶ,France)
講演題目 Discretising integrable (and non-integrable) systems:a soft introduction
講演概要 In this talk I shall present a review of the results of our Paris group, in collaboration with the teams of Professors Satsuma and Willox, concerning a systematic approach to the construction of discrete analogues to differential systems, be they integrable or not. Our method is inspired by the approach of Hirota and of Mickens (approaches which will be summarised in my talk). Various applications will be presented, concerning the Lotka-Volterra predator-prey model, the SIR model for epidemic dynamics, and, most importantly, the Painleve equations.
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第2回MCMEセミナー



谷村吉隆先生は化学物理・統計力学の分野で活躍されている理論家で、量子散逸系の定式化に関する先駆的なお仕事をされています。今回のセミナーでは、この定式化を光合成の初期過程に適用した最近の研究についてお話し頂きました。色素分子間のエネルギー移動と電子移動をモデル化し、タンパク質による散逸効果を確率的リュービュール方程式を用いて記述し、さらに実験と比較するため高次の分光スペクトルを計算するところまで、高度な理論のエッセンスを大変分かりやすくご紹介くださいました。
コーディネーター: 阿部 修治(本学工学部数理工学科 教授)
 

第2回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2015年9月3日(木) 16:30-18:30
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、1号館3階306室
講演者 谷村 吉隆 氏(京都大学理学研究科)
講演題目 散逸系の量子力学に基づく光合成初期過程の動力学的研究
講演概要 光合成系は光と水で二酸化炭素を還元する究極のエコシステムである。その過程には光吸収、エネルギー移動、電子移動、プロトン移動など多くの量子過程が介在し、不可逆性にはタンパク質が重要な働きをする。
  本講演では、散逸系の量子力学の基礎を確率的リュービュール方程式と関連づけながら説明し、これを光合成系に適用し、生物系における量子効果と散逸過程の重要性を議論する。
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

第1回MCMEセミナー



記念すべき第1回のMCMEセミナーでは、University of Iowa(USA)のTong Li先生に、交通流モデル関する数学解析について、ご講演いただきました。交通渋滞は解決すべき大きな社会問題であり、実際に渋滞を起こす/減らすといった社会実験を行うことは容易ではないため、数理モデルを用いた研究が盛んに行われています。Tong Li先生は、交通流現象を記述する数理モデルに対して、数学解析を通じて多くの研究業績を残されている世界でも有数の研究者であり、特に、数学の視点から交通流現象を解明しようとされています。ご講演では、さまざまなモデルのレビューからスタートしていただき、渋滞は、偏微分方程式においては、進行波解として解釈されるため、数理モデルの持つ解の性質を明らかにしていく、というストーリーでした。このような交通流モデルを数学として扱っている研究者は日本ではほとんど聞いたことがないので、大変貴重な話を聞く機会となりました。
コーディネーター: 友枝 明保(本学工学部数理工学科 准教授)
 

第1回MCMEセミナーパンフレット

【セミナー概要】

日 時  2015年5月20日(水) 17:00-18:30
場 所  武蔵野大学有明キャンパス、1号館3階306室
講演者 Tong Li 氏(University of Iowa,USA)
講演題目 Qualitative Analysis of Some PDE Models of Traffic Flow
講演概要 We present qualitative analysis of some PDE  models of traffic flow. Well-posedness theory, finite time blow-up and asymptotic behavior of the solutions are studied. In particular, the existence and nonlinear stability of traveling waves solutions will be presented.
主 催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム

武蔵野大学数理工学シンポジウム2023

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。参加登録は下記リンク、またはポスター右のQRコードからお願いいたします。
【MCME SYMPOSIUM 2023 お申し込みフォーム】

【シンポジウム概要】

日時 2023年11月15日(水)・16日(木)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 5号館3階301教室
(ハイブリッド開催)
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2023

11月15日(水) 9:50 オープニング  
10:00 - 11:10 “動く細胞のパターン形成から考える多細胞システムの進化” 澤井 哲
(東京大学 大学院総合文化研究科)
11:20 - 12:30 “群れの物理学:動くものがたくさん集まると何が起こる?” 足立 景亮
(理化学研究所 数理創造プログラム、生命機能科学研究センター)
昼休み    
13:30 - 14:40 “複雑ネットワークの構造相関とダイナミクス” 矢久保 考介
(北海道大学大学院 工学研究院)
14:50 - 16:00 “感染症による損害に対する保険の設計について” 石村 直之
(中央大学 商学部)
16:20 - 17:30 “力学系のリザバー計算” 國府 寛司
(京都大学 理学研究科・理学部)
18:00 - 情報交換会  
11月16日(木) 10:00 - 11:10 “極限状態の量子多体問題:クォーク・ハドロンから原子核まで” 本郷 優
(理化学研究所 数理創造プログラム、新潟大学 理学部)
11:20 - 12:30 “Quantum CAE:科学の自動化と量子コンピュータ” 門脇 正史
(デンソー、産業総合研究所G-QuAT)
昼休み    
13:30 - 14:40 “2成分反応拡散系と時空間パターン” 出原 浩史
(宮崎大学 工学教育研究部)
14:50 - 16:00 “確率論と離散可積分系の出会い” 佐々田 槙子
(東京大学大学院 数理科学研究科)
16:20 - 17:30 “時間発展方程式の数値解析における最近の話題” 齊藤 宣一
(東京大学大学院 数理科学研究科)
17:30 クロージング  

武蔵野大学数理工学シンポジウム2022(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。参加登録は下記リンク、またはポスター右のQRコードからお願いいたします。
【MCME SYMPOSIUM 2022 お申し込みフォーム】

【シンポジウム概要】

日時 2022年11月16日(水)・17日(木)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 5号館3階301教室
(ハイブリッド開催)
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2022

11月16日(水) 9:50 オープニング  
10:00 - 11:10 “現象の数理モデリングとその応用” 長山 雅晴
(北海道大学 電子科学研究所)
11:20 - 12:30 “遺伝子発現の振動と同期における細胞間相互作用の時間遅れの効果について” 郡 宏
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)
昼休み    
13:30 - 14:40 “ビッグデータ同化:ゲリラ豪雨予測から予測科学へ” 三好 建正
(理化学研究所 計算科学研究センター)
14:50 - 16:00 “粘菌の輸送管ネットワークによる適応と学習” 高松 敦子
(早稲田大学 先進理工学部)
16:20 - 17:30 “共通鍵暗号の歴史と未解決問題” 松井 充
(三菱電機)
18:00 - 情報交換会  
11月17日(木) 10:00 - 11:10 “「無」から「有」をつくる: 素粒子物理学の視点から” 田屋 英俊
(理化学研究所 数理創造プログラム)
11:20 - 12:30 “複雑にネットワーク化されたシステムの脆弱性:AIから社会システムまで” 竹本 和広
(九州工業大学 大学院情報工学研究院)
昼休み    
13:30 - 14:40 “自在化身体:認識・行動を支援する人間拡張工学と、新たな身体性の構築に向けて” 稲見 昌彦
(東京大学 先端科学技術研究センター)
14:50 - 16:00 “量子アニーリングによる量子シミュレーション” 西森 秀稔
(東京工業大学 国際先駆研究機構)
16:20 - 17:30 “COVID-19と感染症数理モデル” 稲葉 寿
(東京大学大学院 数理科学研究科)
17:30 クロージング  

武蔵野大学数理工学シンポジウム2021(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。参加登録は下記リンク、またはポスター右のQRコードからお願いいたします。
【MCME SYMPOSIUM 2021 お申し込みフォーム】

【シンポジウム概要】

日時 2021年11月16日(火)・17日(水)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 5号館3階301教室
(ハイブリッド開催)
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2021

11月16日(火) 10:00 開会  
10:00 - 11:10 ”ソフトマターから見た生命システム:プロトセルから多細胞生物まで” 今井 正幸(東北大学 理学研究科)
11:20 - 12:30 ”人の幸せのためのデータ活用” 矢野 和男(ハピネスプラネット、日立製作所)
 
昼休み    
14:20 - 15:20 ”統計物理の眼で見るスポーツ” 山崎 義弘(早稲田大学 理工学術院 先進理工学部)
15:40 - 16:40 ”高次元のボルツマン機械学習とPost-selection Inferenceー全ゲノムシーケンス解析への応用” 許 インイン(理化学研究所 数理創造プログラム)
17:00 - 18:00 ”Classification and construction of blow-up solutions for the standard semilinear wave equation” Hatem Zaag(CNRS, University Sorbonne Paris Nord)
18:30 - 20:00 懇親会  
11月17日(水) 10:00 - 11:10 ”量子コンピュータとその自然科学への応用” 松浦 俊司(理化学研究所数理創造プログラム / 1QBit)
11:20 - 12:20 ”大規模系電子構造のダイナミックスと大規模行列の固有値・固有ベクトル計算” 藤原 毅夫(東京大学大学院 数理科学研究科)
昼休み    
14:00 - 15:00 ”生命システムの振る舞いをネットワーク構造だけから決定する” 望月 敦史(京都大学 ウイルス・再生医学研究所)
15:20 - 16:20 ”計算ホモロジーの医療画像処理への応用” 寺本 敬(旭川医科大学 医学部)
16:40 - 17:40 ”心血管及び呼吸器領域の疾患に対する数理からのアプローチ” 水藤 寛(東北大学 材料科学高等研究所)
17:50 閉会  

武蔵野大学数理工学シンポジウム2020(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。参加登録は下記リンク、またはポスター右のQRコードからお願いいたします。
【MCME SYMPOSIUM 2020 お申し込みフォーム】

【シンポジウム概要】

日時 2020年10月15日(木)・16日(金)
場所 オンライン開催
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2020

 
10月15日(木) 9:50 - 10:00 オープニング  
10:00 - 11:10 「離散ソボレフ不等式とその応用ー周期格子からC60フラーレンまで」 永井 敦(津田塾大学学芸学部)
11:20 - 12:30 「複雑ネットワーク上の感染モデルと基本再生産数」
昼休み    
13:30 - 14:40 「非線形力学系のKoopman 作用素に基づく次元縮約とリズム現象への応用」 中尾 裕也(東京工業大学工学院)
14:50 - 16:00 「順問題・逆問題と新材料開発」 毛利 哲夫(北海道大学名誉教授)
16:20 - 17:30 「航空機設計とシミュレーション」 大林 茂(東北大学流体科学研究所)
18:00 - 懇親会(zoom)  
  10:00 - 11:10 「血管の樹枝状構造を作り出す細胞動態のロジック~実験生物学の立場から」 栗原 裕基(東京大学大学院医学系研究科)
11:20 - 12:30 「血管新生における血管内皮細胞動態の数理モデル」 林 達也(北海道大学大学院情報科学研究科)
昼休み    
13:30 - 14:40 「孤立量子系における熱力学第0 法則の普遍性」 濱崎 立資(理化学研究所開拓研究本部)
14:50 - 16:00 「格子ゲージ理論とその応用ー湯川秀樹から富岳コンピュータまで」 初田 哲男(理化学研究所数理創造プログラム)
16:20 - 17:30 「連続階調画像を対象とした拡張視覚復号型暗号」 山口 泰(東京大学大学院総合文化研究科)
17:30 - 17:35  クロージング  

台風接近によりプログラムを変更

武蔵野大学数理工学シンポジウム2019(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、お申込み不要、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。

【シンポジウム概要】

日時 2019年10月11日(金)・12日(土)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 1号館5階508室
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2019

10月11日(金)
台風接近により
プログラム変更
9:50 - 10:00 オープニング  
10:00 - 11:00 「On an integrable 2n+2n-dimensional heavenly-type equation」 Boris Konopelchenko(サレント大学)
11:10 - 12:10 「深層ニューラルネットワークの適応能力:関数空間におけるスパース推定との接点」 鈴木大慈(東京大学)
昼休み    
13:10 - 14:10 「数理最適化がつなぐビジネスの現在と未来」 田辺隆人(NTTデータ数理システム)
14:20 - 15:20 「暗号技術とブロックチェーン」 佐古和恵(NEC)
15:40 - 16:40 「都市丸ごとの地震シミュレーションの数理と計算」 堀宗朗(海洋研究開発機構)
16:50 - 17:50 「「人工知能」をどのように読み解くか」 丸山宏(Preferred Networks)
18:15 - 18:45 「反応拡散系と線形化固有値問題」 若狭徹(九州工業大学)
18:45 - 18:50 クロージング  
10月12日(土)
台風接近により中止
10:00 - 11:10 「反応拡散系と線形化固有値問題」※10月11日に変更 若狭徹(九州工業大学)
11:20 - 12:30 「国際政治学と人工知能の融合」 水野貴之(国立情報学研究所)
昼休み    
13:30 - 14:40 「On an integrable 2n+2n-dimensional heavenly-type equation」※10月11日に変更 Boris Konopelchenko(サレント大学)
 14:50 - 16:00 「数理的発想から温度・エントロピーの新しい基本概念を考える」 高田章(ロンドン大学)
- 16:15  クロージング  

※台風のため中止(中止になった講演は後日、MCMEセミナーでご講演いただきます。)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2018(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、お申込み不要、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。

【シンポジウム概要】

日時 2018年8月27日(月)・28日(火)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 4号館4階411室
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2018

8月27日(月) 9:50 - オープニング  
10:00 - 11:00 「明日の地球を守る宇宙天気予報」 草野完也(名古屋大学)
11:15 - 12:15 「同期現象の数理」 千葉逸人(九州大学)
昼休み    
13:30-14:30 「生命科学の新たな可能性を開く数理」 李 聖林(広島大学)
14:45-15:45 「情報幾何の展開」 甘利俊一(理化学研究所)
16:00-17:00 「粘菌アメーバに学ぶ柔らかいコンピュータとロボット」 青野真士(慶應義塾大学)
17:15-18:15 「粘菌に学ぶかたち作り」 中垣俊之(北海道大学)
8月28日(火) 10:00 - 11:00 「つぶつぶダイナミックス ~はちみつのコイリング現象から津波災害まで~」 浅井光輝(九州大学)
11:15 - 12:15 「科学の文法 - 認識と設計と支える標準シナリオ」 椿 広計(統計センター)
昼休み    
13:30-14:30 「観光は平和へのパスポートとなるか?エージェント・ベース・モデルによる分析」 堀内史郎(阪南大学)
14:45-15:45 「社会連携における数学の力、社会連携による数学研究の拡がり:事例紹介を通じて」 山本昌宏(東京大学
- 16:00  クロージング  

武蔵野大学数理工学シンポジウム2017(終了)

武蔵野大学数理工学センターでは、今年も「武蔵野大学数理工学シンポジウム」を開催いたします。
今回も数理工学に関する多彩なテーマで著名な先生方にご講演していただきますので、ご関心のある方は是非ご参加下さい。
なお、本シンポジウムは、お申込み不要、参加費無料ですので、どなたでもご参加いただけます。

【シンポジウム概要】

日時 2017年11月20日(月)・21日(火)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 4号館3階306室
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2017

11月20日(月) オープニング 薩摩 順吉(武蔵野大学数理工学科、数理工学センター長)  
10:00 - 11:00 「腹足類や頭足類に見られるパターンと数理モデル」 岩本 真裕子(島根大学)
11:15 - 12:15 「金融分野におけるデータマイニング」 磯貝 孝(首都大学東京)
昼休み    
13:15-14:15 「マルチスケールパターンの周辺」 西浦 廉政(東北大学)
14:30-15:30 「複数の解が共存する系におけるランダムネスが及ぼす影響についての数値的考察」 畑上 到(金沢大学)
15:45-16:45 「スパコンでできること、できないこと」 渡辺 宙志(東京大学)
17:00-18:00 「東京オリンピック観戦客輸送の余裕を首都圏電車ネットワークは持っているか」 田口 東(中央大学)
11月21日(火) 10:00 - 11:00 「将棋と人工知能」 松原 仁(公立はこだて未来大学)
11:15 - 12:15 「Society5.0を生き抜くための21世紀型スキルと統計思考力」 渡辺 美智子(慶応大学)
昼休み    
13:15-14:15 「人工知能は名人をどのように超えたのか。そしてその後どうなるのか?」 山本 一成(愛知学院大学)
14:30-15:30 「地球温暖化によって高山植生に生じる「レジームシフト」の数理モデル解析 =フィールド測定・実験との連携に向けて=」 矢吹 哲夫(酪農学園大学)
15:45-16:45 「複雑系数理モデル学とその応用」 合原 一幸(東京大学)
クロージング    

武蔵野大学数理工学シンポジウム2016(終了)

平成27年4月に開設した武蔵野大学数理工学センターでは、昨年度に引き続き、シンポジウムを開催する運びとなりました。
本シンポジウムは、どなたでもご参加いただけます。
お申込み不要、参加無料ですので、下記のテーマにご関心のある方、ぜひご参集ください。

【シンポジウム概要】

日時 2016年11月21日(月)・22日(火)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 4号館3階306室
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)

武蔵野大学数理工学シンポジウム2016

11月21日(月) オープニング 薩摩 順吉(武蔵野大学数理工学科、数理工学センター長)  
10:00 - 11:00 「個体群における比率調整問題の現象数理」 上山 大信(明治大学)
11:15 - 12:15 「統計学の真髄をふまえたこれからの時代の統計教育」 田栗 正章(千葉大学)
昼休み    
13:20 - 14:20 「生活に寄り添うシステムがもたらすもの」 中村 裕美(東京大学)
14:35 - 15:35 「数理視覚科学による錯視の研究と画像処理への応用」 新井 仁之(東京大学)
15:50 - 16:50 「第一世代のだまし絵立体から第五世代のトポロジー攪乱立体まで」 杉原 厚吉(明治大学)
17:05 - 18:05 「楽しい離散系」 高橋 大輔(早稲田大学)
11月22日(火) 10:00 - 11:00 「金融リスク管理の数理 -信用リスク計測のためのモデル-」 山中 卓(日本銀行)
11:15 - 12:15 「小さなアリたちが築く賢い社会―アリの行動実験と数理科学的アプローチー」 西森 拓 (広島大学)
昼休み    
13:20 - 14:20 「計算代数統計の可能性」  青木敏(神戸大学)
14:35 - 15:35 「離散凸解析とオークション理論の接点」  室田一雄(首都大学東京)
クロージング    

武蔵野大学数理工学シンポジウム2015(終了)

平成27年4月に開設した武蔵野大学数理工学センターでは、初年度より、学外そして海外の団体・研究者とも広く連携しており、その方々のご協力を賜り、この度、初のシンポジウムを開催する運びとなりました。
本イベントは、どなたでもご参加いただけます。お申込み不要、参加無料ですので、下記のテーマにご関心のある方、ぜひご参集ください。

【シンポジウム概要】

日時 2015年11月19日(木)・20日(金)
場所 武蔵野大学有明キャンパス 1号館4階406室
主催 武蔵野大学 数理工学センター(MCME)
11月19日(木) オープニング 薩摩 順吉(武蔵野大学数理工学科、数理工学センター長)  
10:00 - 11:00 「佐藤超函数論に基づく数値積分」 緒方 秀教(電気通信大学大学院情報理工学研究科)
11:00 - 12:00 「生命動態の数理--心筋細胞と血管新生の数理モデル--」 時弘 哲治(東京大学大学院数理科学研究科)
昼休み    
13:15 - 14:15 「逆解析数理とシミュレーションの融合による「ものづくり」の高度化」 樋口 知之(統計数理研究所)
14:15 - 15:15 「生物と数学とロボットと — 理学の眼と工学の眼 —」 小林 亮(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻)
休憩    
15:30 - 16:30 「Degree, Branching Matrix and Integrability of Discrete Systems」 K.M.Tamizhmani(Dean, Ramanujan School of Mathematical Sciences,Pondicherry Univ.)
16:30 - 17:30 「微小重力環境下での燃焼―再燃の恐怖ー」 三村 昌泰(明治大学先端数理科学インスティテュート)
11月20日(金) 10:00 - 11:00 「折紙の数理と工学への応用」 石田 祥子(明治大学理工学部機械工学科)
11:00 - 12:00 「非線形偏微分方程式に対する高速な構造保存解法」 降旗 大介(大阪大学サイバーメディアセンター)
昼休み    
13:15 - 14:15 「数理計画の楽しさ」 宮代 隆平(東京農工大学 大学院 工学系研究院)
14:15 - 15:15 「VRと新しい感覚の科学」 廣瀬 通孝(東京大学大学院情報理工学系研究科)
休憩    
15:30 - 16:30 「最短経路と検索と応用の話」 宮本 裕一郎(上智大学理工学部)

お問い合わせ

数理工学センター
住所:〒135-8181 東京都江東区有明三丁目3番3号 有明キャンパス
TEL︓03-5530-7395
E-mail:mcme@musashino-u.ac.jp