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Vol.09

「世界はこれからどうなるのか?」

現在は、100年前に似ていると言われます。

1850年前後から1913年まで続いた第1次グローバル化。世界の輸出額合計が世界GDP合計に占める割合が60年以上にわたって増大していました。輸出が増えるということは、つまり、世界の国家間の結びつきが強まり続けていた時代だったということです。そして、輸出額/GDPは、1913年にピークに。しかし、1914年の第一次世界大戦をきっかけに輸出額/GDPは減少に転じます。1929年には世界恐慌が起こり、世界のブロック化が進みます。そして、1939年に第二次世界大戦が勃発。輸出額/GDPは底を打ちます。終戦後、輸出額/GDPが1913年のピークの水準に戻るまで、60年かかりました。

第二次世界大戦の終戦から60年以上続いた第2次グローバル化。国家間は結びつきを強め続けるかに思えました。しかし、輸出額/GDPは2008年をピークに減少に転じます。米中対立やロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、世界経済はブロック化に向かっています。

もちろん、100年前と同じことが起きると短絡的に捉えるのは早計でしょう。しかし、国家間が結びつきを強める時代と、弱める時代が繰り返していることは確かであり、弱める時代には恐慌や戦争が起きたという過去の教訓には学ぶべきではないでしょうか。

つまり、このまま国家間の争いが激化し、経済のブロック化が進み、自国中心主義・自分の属するブロック中心主義が進み、軍事的衝突が増加し、防衛費を増加せざるを得ない時代が続き、パンデミックや災害などが経済に悪影響を及ぼせば、世界恐慌、円の大暴落、ハイパーインフレ、国債の大暴落、第三次世界大戦などの惨事が生じる事態にならないとは限りません。

1989年にベルリンの壁が崩壊した時、もはや東西冷戦のような争いはなくなるのではないかと世界は楽観的な空気に包まれたのを懐かしく思い出します。あれから三十余年。世界は逆転しているようです。

では、どうすればこれからの世界は最悪の事態に陥らないのでしょうか。本連載の趣旨に照らして考えると、みんなのウェルビーイングをみんなが目指すことではないでしょうか。まず、世界人類の幸福追求権のために戦う。すべての国の民主化のために戦う。国家間が武器を持って争うのではなく、人民が民主化のために戦うということです。そして、平和を目指す。国家首脳間は対話を促進する。人民は平和運動をする。それから、ウェルビーイング産業を振興する。産官学が協力して、みんなのウェルビーイングのための経済を活性化する。人民も、国家の指導者も、100年前の過ちを繰り返さない知恵を発揮したいものです。

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