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Vol.31

「ヘドニアとユーダイモニア」

古代ギリシャのアリストテレスの頃から幸せについての哲学は存在していました。その頃には、幸せは、ヘドニアとユーダイモニアの二つに分類されていました。
 
ヘドニアは快楽主義とも訳されます。快楽というと退廃的なニュアンスを感じるかもしれませんが、そうではなく、五感で快を感じることに関連した、美味しい、美しい、嬉しい、楽しいといったような幸せを含みます。ただし、この幸せは短期的で長続きしないと言われています。

ユーダイモニアは幸福主義とも訳され、何か人生にとって意義のあることを行なって生きがいを感じるような長期的な幸せです。利他心や社会貢献もここに含まれます。どちらかというとヘドニアよりも真面目に生きることにつながった幸せであるように思えるかもしれません。

ではどちらが幸せのために重要なのでしょうか。

ヘドニアだけだと、短期的な快楽だけを追求してしまいそうです。そもそも長続きしない幸せですから、ヘドニアを求め続けないと幸せになれない感じがします。

しかし、ユーダイモニアだけだと、今を楽しみ足りない感じがします。意義のあることのため、生きがいのため、社会貢献のために今を犠牲にしてしまっては、幸せとは言えません。

よって、両者をバランスよく持っていることが幸せであると言われています。あるいは、ユーダイモニアだけであっても、それをいまここで楽しんでいれば幸せです。というか、楽しんでいるなら、そこにはすでにヘドニアの要素が含まれているということです。

あなたは、日々の幸せを楽しんでいるでしょうか。ヘドニア型の、五感で感じる幸せを、日々感じて生きているでしょうか。

あなたは、生きがい・やりがい・働きがいを感じる、充実した人生を送っているでしょうか。世の中のために役に立つ喜びを感じているでしょうか。ユーダイモニア型の幸せです。

また、欧米型の幸福観は、何か刺激的な出来事が起きることを求める傾向がある動的な幸せ観であるのに対し、日本や東洋の幸せは、静かで穏やかな時の流れを楽しむ静的な幸せを求める傾向があるとも言われています。

あなたは、動的な幸せと、静的な幸せと、どちらを求める傾向があるでしょうか。こちらも優劣はありませんが、自分はどんな時に幸せなのか、把握しておくといいでしょう。

ヘドニア/ユーダイモニア、動的な幸せ/静的な幸せ。ぜひ、書き出してみてください。そして、幸せを忘れそうになった時、やる気が出ない時、その表を見て、どれか気の向くものをちょっとだけやってみてください。きっと、幸せはあなたの元に戻ってきてくれることでしょう。
 

ヘドニアとユーダイモニア

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