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Vol.34

「車山神社の思い出」

先日、長野県茅野市の車山神社に行ってきました。車山神社の宮司の宮澤伸幸さん、巫女の五十幡香奈さんと鼎談するのが目的でした。

諏訪大社の御柱祭は有名ですが、御柱というのは神社の四隅に建てる柱のこと。神の衣ます所、つまり聖域を表すとされ、諏訪地方の神社には御柱があるのが基本だそうです。

車山神社は、車山高原展望リフトを二台乗り継いだ山頂にあり、御柱が四本立った中に社があるという、屋根のない神社です。神道の源流は旧石器時代のアミニズムだとも言われますが、そんな古い信仰を彷彿させるたたずまいです。

実は、その前後に茅野市尖石縄文考古館にも伺ったのですが、そこにあった展示によると、車山神社付近には縄文時代よりももっと前の土器が多く出土したそうです。展示されていた土器の中には、古いものでは6500年前のものがありました。中国の歴史は5000年とも7000年とも言われますが、日本にも、それに全くひけを取らない文化が残っているということなのです。

宮澤さんはおっしゃいます。「神道は、道です。宗教ではないんです。何か畏敬の念を感じるものがあったら、それを神と呼ぶのです。神道の宮司になるために、何を勉強するか知っていますか? 実は、世界中の宗教について勉強するのです。畏敬の念を感じる物事は全て素晴らしいという神道の立場からすると、すべての宗教は素晴らしい。神道と矛盾しないのです。」

衝撃でした。日本の神道は多神教、キリスト教は一神教、仏教には神はいないが仏がいる。これが一般人の単純な理解かもしれませんが、日本の神道の多神教は、一神教の神も、仏も、包含するのです。

宮澤さんは「神道の目的は、祖先と森羅万象に感謝し、世界の平和と幸せを祈ること」だとおっしゃっていました。車山神社のある山頂からは、360度、周りの山々が見えます。遠くに富士山も見えます。日本地図を見ると、車山神社は日本の真ん中。日本全体の幸せと、世界の幸せを祈る場。

「世界の生きとし生けるものの幸せを願う仏教の慈悲の思想と似てますね」と聞くと、返事は以下でした。「そりゃあそうですよ。仏教が日本にやってきた頃、神道は仏教の影響を受けた。仏教も神道の影響を受けた。そして神仏集合した。だから似ていて当然なんです。」納得です。

明治維新後の神仏分離の結果、現在は神道と仏教は別々のようですが、世界の平和のために、再び神仏習合すべき時がきているのではないか。そんなことに思いを馳せた山頂の思い出でした。

車山神社の思い出

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